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電波監理審議会意見の聴取(第351回)意見書(平成12年10月20日公表)






                意 見 書

 電磁誘導加熱を利用した文書複写印刷機械を型式指定の対象に加えることに係る
電波法施行規則(昭和25年電波監理委員会規則第14号)の一部を改正する省令案に
ついて、電波法第99条の12第1項及び第2項の規定により、意見の聴取を行った(
平成12年9月12日)結果、下記のとおり意見を決定する。

  平成12年10月20日

                      主任審理官  石 田 義 博


                  記

第1 意 見

  電波法施行規則の一部を改正する省令案は、適当である。


第2 事実及び争点

 1 改正案の内容等(電波法施行規則の一部を改正する省令案)

  (1) 電磁誘導加熱を利用した文書複写印刷機械を型式指定の対象に加えるとと
   もに、型式指定の申請、指定の条件、指定の変更の承認の条件、表示義務、
   指定の取消し等に関する規定を整備すること。(第45条第3号、第46条
   第1項、第46条の2第1項、第46条の3第1項及び第2項、第46条の
   4、第46条の5第1項及び第4項関係)
  (2) 公布の日から施行すること。

 2 郵政省の陳述の大要

   高周波電流を使用する高周波利用設備は、漏えい電波を発射して放送の受信
  や一般通信等の無線設備に妨害を与えるおそれがあることから、電波法により
  郵政大臣の設置許可が必要とされているが、漏えい電波のレベルが低く無線設
  備への妨害が生じないと考えられるものであって、同一の型式のものを多数製
  造、設置するようなものについては、利用者等の利便性向上及び行政事務の効
  率化の観点から、型式指定の対象として個別の設置許可を不要としており、こ
  の型式指定の対象には超音波洗浄機、超音波加工機、超音波ウエルダー、無電
  極放電ランプなどがある。
   複写機では、最近、インクを用紙に溶融定着させる定着装置に、従来のラン
  プヒータの代わりに高周波電流を用いて加熱する新しい方式のものが開発され
  ており、従来の複写機に比べ待機電力等が小さくて済む省エネ型の複写機とし
  て、その実用化が期待されている。
   本件は、この新しい方式の複写機について、漏えい電波が放送の受信や一般
  通信等の無線設備に妨害を与えるおそれが小さいと認められるため、利用者等
  の利便性向上及び行政事務の効率化の観点から、型式指定の品目に追加しよう
  とするものである。

 3 利害関係者の陳述等

   本件省令改正案に関し、利害関係を有する3者が準備書面を提出し、意見の
  聴取の期日に出席して陳述した。
   3者の省令改正案に対する賛否は、次のとおりであり、いずれも賛成又は異
  議なしとしている。
利害関係者
賛   否
備 考
東芝テック株式会社
   賛   成   
 
(社)日本事務機械工業会 
   賛   成
 
(社)日本民間放送連盟
異 議 な し
 要望あり 
   なお、日本民間放送連盟から「放送の受信障害が問題化するような場合には
  適切な措置を講じられたい」との要望があり、郵政省から「適切に対応する」
  旨の回答があった。


第3 理 由

   本件は、電磁誘導加熱を利用した文書複写印刷機械が実用化されるに当たり、
  高周波利用設備として郵政大臣の設置許可が必要になるところを、型式指定の
  対象に加えて個別の設置許可を不要にするための規定を整備しようとするもの
  である。

   高周波利用設備における電磁誘導加熱の利用は、既に、電磁誘導加熱式調理
  器として実用化されている。今回の措置は、文書複写印刷機械のトナーの加熱
  用として、電磁誘導加熱式調理器と同様の技術的条件の下で電磁誘導加熱を利
  用するものを型式指定の対象に加えるものであり、漏洩電界が同等程度に小さ
  いものと認められることから電波監理上特段の支障はないものと認められる。

   個別の設置許可を不要とする方法としては型式指定と型式確認の二通りの方
  法がとられているが、従来から、ひとまず郵政大臣の行う型式指定により個別
  の設置許可を不要とし、次いで、当該機器の製造・品質管理技術の定着等を見
  極めた上で、技術的条件に適合することを製造業者が自ら確認する型式確認に
  移っている。電磁誘導加熱式調理器の場合も、昭和58年に型式指定の対象と
  された後、平成7年に型式確認の対象に追加されている。型式指定によっても、
  個別の設置許可が不要という点では、申請者の負担の軽減及び行政事務の効率
  化に資する点で適当なものである。

   利害関係者もすべて賛意を表明している。

   以上のことから、電波法施行規則の一部を改正することは適当と認められる。



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