電波監理審議会(第781回)議事要旨(平成8年4月8日公表)





1 日時
  平成8年3月15日(金)15:30〜16:45

2 場所
  郵政省審議会会議室(郵政省12階)

3 出席者(敬称略)
 (1)電波監理審議会委員 
    猪瀬 博(会長)、佐藤昭一(会長代理)、塩野 宏、河野俊二、
   岩男寿美子

 (2)電波監理審議会審理官 
    山口睿樹

 (3)幹事
    佐村知子(審議会室長)

 (4)郵政省
    楠田修司放送行政局長、甕 昭男電波部長ほか

4 議題
 (1)諮問事項
  ア 関西シティメディア株式会社所属電気通信業務用無線局に対する予備免
   許について

  イ 放送法施行規則、電波法施行規則、無線設備規則、放送局の開設の根本
   的基準及び標準テレビジョン・データ多重放送及び高精細度テレビジョン
   ・データ多重放送に関する送信の標準方式の各一部を改正する省令の制定
   並びに放送普及基本計画のの一部変更について

  ウ 東京地区における超短波文字多重放送局の予備免許について

  エ 放送用周波数使用計画の一部変更について

  オ 日本放送協会の「FM放送設備の賃貸」の認可について

  カ 日本放送協会放送受信料免除基準の変更の認可について

  キ 日本放送協会の財団法人放送番組センターに対する出捐の認可について

  ク 日本放送協会の株式会社エィ・ティ・アール環境適応通信研究所(仮称)
   に対する出資の認可について

  ケ 日本放送協会の中継国際放送に関する協定の変更の認可について

  コ 放送施行規則及び放送局の開設の根本的基準の各一部を改正する省令の
   制定並びに放送用周波数使用計画の一部変更について

  サ 株式会社日本サテライトシステムズ所属放送衛星局(受託国内放送)の
   予備免許について

5 議事模様

 (1)関西シティメディア株式会社所属電気通信業務用無線局に対する予備免
   許について

   関西シティメディア株式会社からの電気通信業務用無線局の免許申請(概
  要は以下のとおり。)及び審査結果について、郵政省から説明が行われた。

  ・ 申請者 関西シティメディア株式会社 代表取締役社長 森 茂 
  ・ 資本金 7.15億円
  ・ 無線局 陸上移動無線データ通信システム(テレターミナルシステム)
   の基地局(8局)

   主な質疑応答は以下のとおり。

   ・ PHSを使ったデータ通信とは競合はしないのかとの質問があり、郵
    政省から、PHSの場合、音声通信と共用になるが、テレターミナルは
    データ通信専用のパケット交換方式であり、ネットワーク側での誤り訂
    正が可能なほか、データ通信専用端末同士の通信も可能であり、競合す
    ることはないと考えている旨の説明があった。

   ・ 日本シティメディア株式会社の経営状況はどうかとの質問があり、郵
    政省から、同社は平成7年度末で1万3千加入の見込みであり、伝送速
    度も9.6kbpsから19.2kbpsに高速化され、端末の小型化
    ・軽量化等により更に普及すると思われる旨の説明があった。

   審議した結果、予備免許を与えることは適当である旨の答申を行った。

 (2)放送法施行規則、電波法施行規則、無線設備規則、放送局の開設の根本
   的基準及び標準テレビジョン・データ多重放送及び高精細度テレビジョン
   ・データ多重放送に関する送信の標準方式の各一部を改正する省令の制定
   並びに放送普及基本計画の一部変更について

    地上系テレビジョン放送の電波に重畳して行うデータ多重放送を導入を
   図るための省令案及び計画変更案について、意見の聴取の手続を主宰した
   審理官から提出された意見書及び調書に基づいて審議した結果、省令案及
   び計画変更案は適当である旨の答申を行った。

 (3)東京地区における超短波文字多重放送局の予備免許について

    株式会社エフエム東京からの有料放送を行う超短波文字多重放送(FM
   文字多重放送)局の免許申請(概要以下のとおり。)及び審査結果につい
   て、郵政省から説明が行われた。

  ・ 申請者 株式会社エフエム東京 代表取締役社長 後藤 亘
  ・ サービス内容
    家庭でリアルタイムでゲームに参加できるG−COMサービス及び街頭
   や店頭に設置した超短波文字多重放送の受信機能を持つ表示装置で「見え
   るラジオ」情報やユーザーのニーズに合致した情報を提供するパパラビジ
   ョンサービスを行う。

    審議した結果、予備免許を与えることは適当である旨の答申を行った。

 (4)放送用周波数使用計画の一部変更について

    地上系の標準テレビジョン放送について、岩手県の区域を放送対象区域
   とする株式会社岩手朝日テレビ(親局予備免許中)の中継局の送信場所、
   周波数及び空中線電力を定めるための周波数使用計画の一部変更である旨、
   郵政省から説明が行われた。

   審議した結果、計画変更案は適当である旨の答申を行った。

 (5)日本放送協会の「FM放送設備の賃貸」の認可について

    日本放送協会からの財団法人道路交通情報通信システムセンターに対す
   るFM放送設備の賃貸の認可申請(概要以下のとおり。)及び審査結果に
   ついて、郵政省から説明が行われた。

   本年4月の道路交通情報通信システム(VICS)のサービス開始に向け
  て、道路交通情報を提供するためのFM文字多重放送局を開設する財団法人
  道路交通情報通信システムセンターに日本放送協会が保有するFM放送設備
  を賃貸するものである。

   審議した結果、認可することは適当である旨の答申を行った。

 (6)日本放送協会放送受信料免除基準の変更の認可について

    日本放送協会からの日本放送協会受信料免除基準の変更の認可申請(概
   要以下のとおり。)及び審査結果について、郵政省から説明が行われた。

   日本放送協会放送受信料免除基準で引用している法令の用語が、法令の改
  正により変更となったため、規定の整備を行うものである。

   審議した結果、認可することは適当である旨の答申を行った。

 (7)日本放送協会の財団法人放送番組センターに対する出捐の認可について

    日本放送協会からの財団法人放送番組センターに対する出捐の認可申請
   (概要以下のとおり。)及び審査結果について、郵政省から説明が行われ
   た。

   日本放送協会が財団法人放送番組センターに対して一般事業の運用財産と
  して、平成7年度1億円の出捐を行うものである。

   審議した結果、認可することは適当である旨の答申を行った。

 (8)日本放送協会の株式会社エイ・ティ・アール環境適応通信研究所(仮称)
   に対する出資の認可について

    日本放送協会からの株式会社エイ・ティ・アール環境適応通信研究所(仮
   称)に対する出資の認可申請(概要以下のとおり。)及び審査結果につい
   て、郵政省から説明が行われた。

    株式会社エイ・ティ・アール環境適応通信研究所(仮称)は、通信環境
   の変化に対応できる情報通信システム構築に向けた技術の確立を主たる事
   業として本年3月に設立される予定であり、この設立に際して日本放送協
   会は平成7年度250万円の出資を行うものである。

   審議した結果、認可することは適当である旨の答申を行った。

 (9)日本放送協会の中継国際放送に関する協定の変更の認可について

    日本放送協会からのイギリス放送協会との中継国際放送の協定の変更の
   認可申請(概要以下のとおり。)及び審査結果について、郵政省から説明
   が行われた。

   平成5年から日本放送協会とイギリス放送協会との間で締結している相互
  交換中継の協定の有効期間を平成11年3月31日まで3年間延長するもの
  である。

   主な質疑応答は以下のとおり。

    協定の「変更」とはどこかとの質問があり、郵政省から、協定の内容に
   は変更がなく有効期間を延長するものである旨の説明があった。

   審議した結果、認可することは適当である旨の答申を行った。

 (10)放送法施行規則及び放送局の開設の根本的基準の各一部を改正する省
    令の制定並びに放送用周波数使用計画の一部変更について

    Cバンド(3.6GHz〜4.2GHzの周波数)を使用する受託内外
   放送について、その実施を促進する観点及び受信者保護の観点から必要と
   なる関係省令の改正及び放送用周波数使用計画の変更(概要以下のとおり。)
   である旨、郵政省から説明が行われた。

   ・ 放送法施行規則及び放送局の開設の根本的基準を改正する省令案関係
     Cバンドを使用する受託内外放送については、国内放送、受託国内放
    送又はKuバンドを使用する受託内外放送とは別にCバンドを使用する
    1中継器(デジタル分割によりテレビジョン放送で4番組程度)以内の
    使用を委託放送事業者に認めることとする。

   ・ 放送用周波数使用計画の一部変更関係
     新たにCバンドを使用する受託国内放送を実施できることとし、Cバ
    ンドは固定マイクロ回線の使用が優先されるので、受託内外放送の受信
    者保護の観点から「Cバンドを使用する受託内外放送については、優先
    的に割り当てられる他の無線通信業務の局の運用により、継続的かつ良
    好な受信状況を確保できない場合がある。」ことを規定する。  

  (意見等)

   ・ 受信者保護は、消極的な受信者保護であり、誤解のないよう説明する
    必要がある。

   ・ アジアを主とした対象の放送であれば、一般的にわかりやすい海外放
    送といった制度を今後検討する必要がある。
     これに対し郵政省から、受託内外放送に関する放送法改正当時は、海
    外向けという放送があり得るかどうか不明であった。今後、受託内外放
    送の動向をみて、必要であれば検討していきたい旨発言があった。

   本件は、意見の聴取を行う必要があるため、意見の聴取を行うこととし、
  この手続を主宰する審理官を指名した。

 (11)株式会社日本サテライトシステムズ所属放送衛星局(受託国内放送)
    の予備免許について

    株式会社日本サテライトシステムズからの標準テレビジョン放送、超短
   波放送、及びデータ放送に係るテジタル放送を行う放送衛星局(受託国内
   放送)の免許申請(概要以下のとおり。)及び審査結果について、郵政省
   から説明が行われた。

   ・ 申請者 株式会社日本サテライトシステムズ 代表取締役社長
                               佐藤 道生

   ・ 使用する衛星、周波数(チャンネル番号)及び空中線電力
      JCSAT−3
      12.508GHz(JD 1)60W
      12.523GHz(JD 2)56W
      12.538GHz(JD 3)60W
      12.553GHz(JD 4)56W
      12.568GHz(JD 5)60W
      12.598GHz(JD 7)60W
      12.628GHz(JD 9)60W
      12.643GHz(JD10)56W
      12.658GHz(JD11)60W
      12.673GHz(JD12)56W
      12.688GHz(JD13)60W
      12.703GHz(JD14)56W
      12.718GHz(JD15)60W

   審議した結果、予備免許を与えることは適当である旨の答申を行った。

  (文責:電波監理審議会事務局。速報につき、事後修正の可能性あり。)