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電波監理審議会(第784回)議事要旨(平成8年6月7日公表)
1 日時 平成8年5月17日(金)15:30〜16:52 2 場所 郵政省審議会会議室(郵政省12階) 3 出席者(敬称略) (1)電波監理審議会委員 猪瀬 博(会長)、佐藤昭一(会長代理)、塩野 宏、岩男寿美子 (2)電波監理審議会審理官 山口睿樹 (3)幹事 佐村知子(審議会室長) (4)郵政省 五十嵐三津雄電気通信局長、楠田放送行政局長ほか 4 議題 (1)諮問事項 ア 電波法施行規則及び無線設備規則の各一部を改正する省令の制定について イ 放送法施行規則及び放送局の開設の根本的基準の各一部を改正する省令の 制定並びに放送用周波数使用計画の一部変更について ウ 放送普及基本計画の一部変更について (2)報告事項 「電波資源の有効活用方策に関する懇談会」の開催について 5 議事模様 (1)電波法施行規則及び無線設備規則の各一部を改正する省令の制定について 平成8年4月22日に出された電気通信技術審議会一部答申「2000年 までの携帯電話等の周波数有効利用方策」を踏まえたアナログ周波数帯域へ のデジタル方式携帯・自動車電話の導入等に関する関係省令の改正(概要以 下のとおり。)である旨、郵政省から説明が行われた。 ・ アナログ周波数帯域へのデジタル方式携帯・自動車電話の導入 現在、携帯・自動車電話の周波数は、アナログ方式携帯・自動車電話 システム(以下「アナログ方式」という。)用とデジタル方式携帯・自 動車電話システム(以下「デジタル方式」という。)用で別々に割り当 てられているが、周波数有効利用の観点から、携帯・自動車電話事業者 の選択により、アナログ方式に割り当てられている周波数帯にデジタル 方式を導入可能となるよう措置する。 ・ デジタル方式携帯・自動車電話システムへの周波数の追加割当 上記の措置により、現在、アナログ方式用に割り当てられている周波 数帯にデジタル方式を導入する際、アナログ方式からデジタル方式への 巻き取りを円滑に行うため、従来マリネット電話に割り当てられてきた 832〜834MHz及び887〜889MHzの4MHz並びにデジ タル方式用周波数に隣接している826〜828MHz及び956〜9 58MHzの4MHz(この周波数は、これまで使用していた固定局が 3.4GHz帯へ移行したことから、デジタル方式携帯・自動車電話が 使用可能となったもの)をデジタル方式にも使用可能となるよう措置す る。 ・ デジタル方式携帯・自動車電話システム用周波数の地域制限の撤廃 現在、デジタル方式に割り当てられている周波数帯(810〜826 MHz及び940〜956MHz)のうちの一部(815〜821MH z及び945〜951MHz)については、東京都及び政令指定都市 (それらの周辺平野部を含む。)以外ではCRP(簡易陸上移動無線電 話)専用に割り当てられており、デジタル方式には使用できない状況に ある。これを周波数有効利用の観点から、815〜821MHz及び9 45〜951MHzの12MHzについて、全国的にデジタル方式にも 使用可能となるよう措置する。 (上記3点が電気通信技術審議会一部答申を踏まえたもの。) ・ 中速無線LANシステムについて、データ情報だけでく、リアルタイ ムの画像伝送等が可能となるよう定義を修正する。 主な質疑応答は次のとおり。 ・ いつ頃アナログ方式が全廃になるのかとの質問があり、郵政省から、 強制的にデジタル化するという考え方もあるが、基本的には事業者が設 定するスケジュールによるものと考えられ、買い換え需要やモデルチェ ンジ周期等々から考えて5〜10年先だと予想される旨、発言があった。 ・ デジタル化推進のために、インセンティブをあたえるということもあ るのかとの質問があり、郵政省から、デジタルはアナログの2倍以上周 波数利用効率が高いため、デジタル化を急ぐ事業者はインセンティブを あたえてでも推進することもありうるものと考える旨、発言があった。 本件は、意見の聴取を行う必要があるため、意見の聴取を行うこととし、 この手続を主宰する審理官を指名した。 (2)放送法施行規則及び放送局の開設の根本的基準の各一部を改正する省令 の制定並びに放送用周波数使用計画の一部変更について Cバンド(3.6GHz〜4.2GHzの周波数)を使用する受託内外 放送に関する省令案及び計画変更案について、意見の聴取の手続を主宰し た審理官から提出された意見書及び調書に基づいて審議した結果、省令案 及び計画変更案は適当である旨の答申を行った。 (意見) 省令案等の内容は問題ないが、意見の聴取における郵政省の回答が、放 送法における受託内外放送の定義を誤解させる可能性があるので、その説 明ぶりについて考慮するよう意見が出された。 (3)放送普及基本計画の一部変更について 本件は、前回(4月19日)の審議会において、デジタル技術の動向等 についての外部の意見を踏まえ、次回引き続き審議することとされたもの である。 デジタル技術の動向等についての学識者、専門家からのヒアリング(5 月13日)を含め検討した結果、デジタル技術の発展がきわめて急速であ ると認められるため、放送衛星3号の段階における標準テレビジョン放送 等を引き継ぐ4系統の放送以外の放送の次期放送衛星での取扱いについて、 さらに検討を深める観点から、放送普及基本計画の一部を諮問書のとおり 変更することは適当である旨の答申を行った。 なお、この答申には、郵政省が放送衛星3号の段階における標準テレビ ジョン放送等を引き継ぐ4系統の放送以外の放送の具体的な取扱いを今後 1年程度の期間をかけて検討を進めることとすることに関して、次の二点 の要望が付された。 ・ 検討を進めるに当たっては、広く関係者の意見を聴しつつ行うことと されたい。 ・ 検討の状況については、節目毎に当審議会に報告されたい。 (4)報告事項 ア 「電波資源の有効活用方策に関する懇談会」の開催について 今後の電波利用の発展に資するため、本年4月から「電波資源の有効利 用方策に関する懇談会」を開催(検討項目以下のとおり。)し、約1年に わたり開催する予定である旨、郵政省から説明が行われた。 ・ 検討項目 ・ 電波利用の将来展望について ・ 電波の有効活用方策について ・ 周波数割当方式の在り方について ・ 電波利用の発展に向けた施策について (意見等) ・ 周波数割当におけるオークションの検討は、「規制緩和推進計画」 で、はじめて動き出したかのように見えるが、既に「電波政策懇談会」 において、オークションについて議論されている。 ・ 周波数割当におけるオークションについて、郵政省が自ら積極的に 検討していることをもっとアピールすべき。 ・ 日本は、米国などに比べ、はるかに周波数の価値が高い。 これに対する郵政省の発言の概要 ・ オークションは、最近米国の事例が話題を呼んでいる。この問題は 業界の関心も高く、十分調査した上で幅広く検討していきたい。 ・ オークションの検討を要望した業界も、その要望の中で、「オーク ションの是非」という表現を使うなど迷いが見られる。米国ではオー クションに莫大な費用がかかっており、それが利用者国民にどうはね かえるのか、また、IMT−2000の周波数をどうするかなど、よ く勉強させていただきたいと考えている。 イ 株式会社東京放送に対する措置等について 本日行われた株式会社東京放送に対する措置等について、郵政省から特 に発言の求めがあり、報告が行われた。 (文責:電波監理審議会事務局。速報につき、事後修正の可能性あり。)