電波監理審議会(第787回)議事要旨(平成8年8月1日公表)
1 日時
平成8年7月19日(金)16:00〜17:15
2 場所
郵政省審議会会議室(郵政省12階)
3 出席者(敬称略)
(1)電波監理審議会委員
猪瀬 博(会長)、佐藤昭一(会長代理)、河野俊二
(2)電波監理審議会審理官
井上陽二郎
(3)幹事
渡辺信一(審議会室長)
(4)郵政省
谷公士電気通信局長、楠田放送行政局長ほか
4 議題
(1)諮問事項
ア 無線設備規則の一部を改正する省令の制定について
イ 放送用周波数使用計画の一部変更について
ウ 放送法施行規則の一部を改正する省令の制定並びに放送普及基本計画及
び放送用周波数使用計画の各一部変更について
エ 株式会社アイピーシーテレビジョンネットワーク等27社の有料放送の
契約約款の認可について
オ 株式会社エフエムジャパン等3社の委託放送業務の認定について
カ 株式会社日本ケーブルテレビジョンの委託放送業務の認定について
(2)報告事項
ア 「衛星デジタル放送技術検討会」の開催について
イ 平成7年度の一般放送事業者の収支状況について
ウ 無線局免許申請等処理状況(平成8年度第1四半期分)について
5 議事模様
(1)無線設備規則の一部を改正する省令の制定について
GMDSS関連無線設備及びインマルサット航空機地球局無線設備の技
術的条件等に関する無線設備規則の一部改正(概要以下のとおり。)につ
いて、郵政省から説明が行われた。
・ GMDSSは、インマルサット衛星等を利用して船舶がどの海域を航行
していても、船舶の遭難及び安全に関する通信をいつでも陸上の捜索救助
機関や付近を航行中の船舶と確実に行うことができるようにする新しい通
信システム。
・ 1988年に「海上における人命の安全のための国際条約」の改正が採
択されたことに伴い、1999年2月1日からの完全実施に向け、199
2年2月1日から段階的に導入が行われている。
・ 同システム関連無線設備の導入以来、同無線設備から誤って発射される
警報(誤警報)が相当数発生していることから、昨年11月の国際海事機
関(IMO)第19回総会においてこの問題が審議され、誤警報発射防止
等に関する性能基準を改正する決議が採択された。
・ この決議を受け、誤警報発射の防止等に向け必要となるデジタル選択呼
出装置等による通信を行う海上移動業務の無線局の無線設備の技術的条件
及び双方向無線電話の技術的条件に関する規定を整備する。
・ インマルサット関係端末無線設備については、全世界的な衛星通信シス
テムに接続するため、インマルサットにより技術的条件がシステム定義文
書(SDM)として定められている。
・ インマルサット航空機地球局に関するスプリアス発射、空中線電力の許
容偏差等の技術的条件に関するSDMの改正が行われたことに伴い、無線
設備規則における関係規定を整備する。
・ 今般の改正に併せてインマルサット船舶地球局及びインマルサット携帯
移動地球局のスプリアス発射の技術的条件についても、より適切な表現と
するための関係規定を整備する。
・ 本改正省令は、附則として既に設置されている無線設備に対する所要の
経過措置を設け、公布の日から施行することを予定している。
主な質疑応答は以下のとおり。
・ 1999年から本格実施という意味について質問があり、郵政省から1
992年から段階的に導入が行われており、1999年2月1日からの完
全実施を目指し導入を行っている旨、発言があった。
本件は、意見の聴取を行う必要があるため、意見の聴取を行うこととし、
その手続を主宰する審理官を指名した。
(2)放送用周波数使用計画の一部変更について
山形県の区域を放送対象地域とする株式会社さくらんぼテレビジョンの
来年4月からの開局に合わせ、5中継局(米沢、鶴岡、新庄、長井、小国)
を設置するための送信場所、周波数及び空中線電力を追加するための周波
数使用計画の一部変更をすることについて、郵政省から説明が行われた。
審議した結果、放送用周波数使用計画の一部を諮問書のとおり変更するこ
とは適当である旨の答申を行った。
(3)放送法施行規則の一部を改正する省令の制定並びに放送普及基本計画及
び放送用周波数使用計画の各一部変更について
CS−PCM放送におけるマスメディア集中排除原則の緩和、京都地域
における難聴世帯解消のための株式会社エフエム京都の空中線電力の増力
及び福岡地域における外国語放送局設置のための放送法施行規則の一部改
正等(概要以下のとおり。)である旨、郵政省から説明が行われた。
・ 現行CS−PCM放送では、マスメディア集中排除原則で1中継器相当
(12番組以内)としているものを平成15年までの間、暫定2中継器相
当(24番組以内)に緩和するために放送法施行規則の規定(附則)を整
備するものであり、また、これに伴い、放送普及基本計画における数の目
標を18から24に変更する。
・ 株式会社エフエム京都の放送対象地域内において、近年の都市化の拡大
で新たに難聴地域が発生していることへの対処及び関西文化学術研究都市
(京阪奈地域)における今後の発展に伴う新たな難聴世帯の発生を予想し、
同社の空中線電力の増力を内容とする放送用周波数使用計画の一部変更を
行う。
・ 福岡地域は外国人居住者や外国人訪問者も多く、歴史的にも国際交流が
深いところであり、来年にはアジア開発銀行会議の総会の開催、北九州市
では輸入促進計画(FAZ)により各種施設整備が予定されている。さら
に、地元で福岡外国語エフエム放送局設立準備委員会ができていることも
踏まえて、同地域に外国語放送局開設のための周波数の割り当てを行うた
め、放送普及基本計画及び放送用周波数使用計画の各一部変更を行う。
本件は、意見の聴取を行う必要があるため、意見の聴取を行うこととし、
その手続を主宰する審理官を指名した。
(4)株式会社アイピーシーテレビジョンネットワーク等27社の有料放送の
契約約款の認可について
株式会社アイピーシーテレビジョンネットワーク等27社の有料放送の契
約約款の認可申請(概要以下のとおり。)及び審査結果について、郵政省か
ら説明があった。
ア 申請者 (株)アイピーシーテレビジョンネットワーク、(株)衛星
劇場、グローバル衛星放送(株)、(株)こどもチャンネル、
(株)サテライトエー・ビー・シー、サテライトカルチャー
ジャパン(株)、(株)サテライトニュース、(株)シアタ
ー・テレビジョン、(株)ジャパンイメージコミュニケーシ
ョン、(株)スペースシャワー、(株)スペースビジョンネ
ットワーク、(株)ダイネン企画、(株)デジタルプラネッ
ト衛星放送、テレワーク(株)、(株)日本短波放送、(株)
日本レジャーチャンネル、ブルームバーグ情報テレビ(株)、
(株)イマジカ、(株)シーアンドイー、(株)ジャパンス
ポーツチャンネル、(株)第一興商、にっかつ放送(株)、
(株)日本経済新聞社、(株)ネオサテライトビジョン、パ
イオニアミュージックサテライト(株)、(株)エスコム、
(株)ムービーチャンネル
イ 加入料 2,800円
ウ 基本料 290円/月
エ 単独視聴料 200〜30,000円/月及び別に定める計算式による。
オ 複数契約時における割引料金(セット料金)
a 21チャンネルセット視聴料
(株)サテライトエービーシー等14事業者(21放送番組)の全
てと視聴契約を締結した場合の割引料金
基本料 290円/月 視聴料 2,700円/月
b 12チャンネルセット視聴料
21チャンネルセットのうち、任意の12チャンネルを選択して契
約を締結した場合の割引料金
基本料 290円/月 視聴料 1,900円/月
c CSバーン5チャンネルセット視聴料
(株)衛星劇場等5事業者全てと視聴契約を締結した場合の割引料金
基本料 290円/月 視聴料 3,660円/月
d スポーツセット視聴料
(株)スペースビジョンネットワーク及び(株)ジャパンスポーツ
チャンネルと視聴契約を締結した場合の割引料金
基本料 290円/月 視聴料 1,470円/月
e 映画セット視聴料
(株)衛星劇場及び(株)ムービーチャンネルと視聴契約を締結し
た場合の割引料金
基本料 290円/月 視聴料 2,980円/月
カ 複数契約(セット契約)に併せた契約時における割引視聴料
21チャンネルセット又は12チャンネルセットと併せて(株)ジャパ
ンスポーツチャンネル等の事業者と視聴契約を締結した場合の割引料金
基本料 290円/月 視聴料 150〜900 円/月
キ 自社チャンネル複数契約時における割引視聴料
(株)日本短波放送の放送番組2チャンネルを併せて視聴契約を締結し
た場合の割引料金
基本料 290円/月 視聴料 300円/月
主な質疑応答は以下のとおり。
・ 21チャンネルあるいは12チャンネルのセットの組み替えはできるの
かとの質問があり、郵政省から半年毎に入れ替えができる旨、発言があっ
た。
・ 委託放送事業者側では料金を簡単に変えられないのかとの質問があり、
郵政省から現在では料金は認可制となっているが、来年度法律改正を行い、
届出制にする旨の発言があった。
審議した結果、いずれも認可することは適当である旨の答申を行った。
(5)株式会社エフエムジャパン等3社の委託放送業務の認定について
株式会社エフエムジャパン等3社からの委託放送業務の認定申請(概要
以下のとおり。)及び審査結果について、郵政省から説明があった。
・ (株)エフエムジャパンからの業務認定申請の概要
認定申請者 (株)エフエムジャパン
資本金 20億円
使用する周波数 JD4
主な放送内容 報道、教養、娯楽、広告等
業務開始予定 平成8年10月1日
放送の種類 超短波放送
・ (株)ジャパン・メディア・ブロードキャスティングからの業務認定申
請の概要
認定申請者 (株)ジャパン・メディア・ブロードキャスティング
資本金 1千万円
使用する周波数 JD15
主な放送内容 娯楽(映画等)
業務開始予定 平成9年1月1日
放送の種類 標準テレビジョン放送等
・ 日本デジタル放送サービス(株)からの業務認定申請の概要
認定申請者 日本デジタル放送サービス(株)
資本金 50億円
使用する周波数 JD6
主な放送内容 番組配列情報等
業務開始予定 平成8年10月1日
放送の種類 データ放送
審議した結果、いずれも認定することは適当である旨の答申を行った。
(6)株式会社日本ケーブルテレビジョンの委託放送業務の認定について
株式会社日本ケーブルテレビジョンからの委託放送業務の認定申請(概
要以下のとおり。)及び審査結果について、郵政省から説明があった。
・ (株)日本ケーブルテレビジョンからの業務認定申請の概要
認定申請者 (株)日本ケーブルテレビジョン
資本金 2億円4750万円
使用する周波数 S8
主な放送内容 ゴルフ番組等
業務開始予定 平成8年9月1日
放送の種類 標準テレビジョン放送等
審議した結果、認定することは適当である旨の答申を行った。
(7)報告事項
ア 「衛星デジタル放送技術検討会」の開催について
高度化、多様化する放送技術の動向を踏まえ、21世紀に向けた衛星デ
ジタル放送技術について展望を行うとともに、衛星デジタル放送を円滑か
つ効率的に実現するための技術的可能性、技術開発課題等について検討を
行うために「衛星デジタル放送技術検討会」を開催する旨、郵政省から説
明が行われた。
イ 平成7年度の一般放送事業者の収支状況について
地上系及び衛星系の一般放送事業者の平成7年度収支状況について、郵
政省から説明が行われた。
ウ 無線局免許申請等処理状況(平成8年度第1四半期分)について
平成8年度第1四半期における放送局の免許申請状況及び処理状況につ
いて、郵政省から説明が行われた。
(文責:電波監理審議会事務局。速報につき、事後修正の可能性あり。)