審議会のトップへ トップページへ戻る

インデックスへ・ 電波管理審議会

電波監理審議会(第795回)議事要旨(平成9年4月23日公表)





1 日時
  平成9年3月28日(金)15:30〜17:27


2 場所
  郵政省審議会会議室(郵政省12階)


3 出席者(敬称略)

 (1)電波監理審議会委員
    河野 俊二(会長)、塩野 宏(会長代理)、岩男 寿美子、
    辻井 重男、奥田 正司

 (2)電波監理審議会審理官
    井上 陽二郎

 (3)幹事
    渡辺 信一(審議会室長)

 (4)郵政省
    谷電気通信局長及び楠田放送行政局長ほか


4 議題

 (1)付議事項
    東備放送組合(組合長 町 博之)から提起された同組合所属有線テレ
   ビジョン放送施設設置許可申請に対する不許可処分に係る異議申立てに関
   する審理を主宰した審理官の意見書について

 (2)諮問事項
  ア 電波法施行規則、無線設備規則及び無線局運用規則の各一部を改正する
   省令案について
  イ 無線従事者規則の一部を改正する省令案について
  ウ 放送局の開設の根本的基準の一部を改正する省令案について
  エ 放送普及基本計画の一部変更について
  オ 放送法施行規則、電波法施行規則、無線設備規則、放送局の開設の根本
   的基準、標準テレビジョン・データ多重放送及び高精細度テレビジョン・
   データ多重放送に関する送信の標準方式の各一部を改正する省令案並びに
   放送普及基本計画及び放送用周波数使用計画の各一部変更について
  カ 日本放送協会に対する平成9年度国際放送実施命令について
  キ 日本放送協会の中継国際放送に関する協定の変更の認可について
  ク 日本放送協会所属中継国際放送局の再免許について
  ケ 日本放送協会放送受信規約の変更の認可について
  コ 栃木地区における一般放送事業者の標準テレビジョン放送局の予備免許
   について
  サ 大阪地区における一般放送事業者の標準テレビジョン・データ多重放送
   局の予備免許について
  シ 日本放送協会の放送衛星局の予備免許について
  ス 日本放送協会及び日本衛星放送株式会社等7社の実用化試験局の予備免
   許について
  セ 株式会社アトス・インターナショナル等11社の有料放送の契約約款の
   認可等について

 (3)報告事項
  ア 伝搬障害防止区域の指定について
  イ 放送法及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案について


5 議事模様

 (1)付議事項
    東備放送組合(組合長 町 博之)から提起された同組合所属有線テレ
   ビジョン放送施設設置許可申請に対する不許可処分に係る異議申立てに関
   する審理を主宰した審理官の意見書の提出があり、本件について審査して
   いくこととされた。

 (2)電波法施行規則、無線設備規則及び無線局運用規則の各一部を改正する
   省令案について

    船舶航空機双方向無線電話の技術的条件等に関する電波法施行規則、無
   線設備規則及び無線局運用規則の各一部の改正について、郵政省から説明
   があった。
  ・ 平成6年バルト海で発生したカーフェリー「エストニア号」の海難事故
   を契機として、国際海事機構(IMO)においてGMDSS(海上におけ
   る遭難及び安全に関する世界的な制度)の機能強化の検討が行われ、この
   制度をより充実したものにするため、平成7年11月に開催されたSOL
   AS条約(海上人命安全条約)の締約国政府会議において、船舶が遭難し
   た際に当該船舶又はその捜索救助を行う船舶と捜索救助を行う航空機との
   間の通信を行う無線設備(船舶航空機間双方向無線電話)の備付けを国際
   航海に従事する旅客船に対して強制する旨のSOLAS条約附属書の改正
   が行われ、本年7月1日から適用される。
  ・ 本件各省令の改正は、この条約改正を踏まえ、航空緊急周波数121.
   5MHz及びその補助周波数123.1MHzを使用する船舶航空機間双
   方向無線電話の備付け、技術的条件等について定めようとするものである。
    なお、本件改正省令は、公布の日から施行することを予定している。

    本件は、意見の聴取を行う必要があるため、意見の聴取を行うこととし、
   その手続を主宰する審理官を指名した。

 (3)無線従事者規則の一部を改正する省令案について

    業務経歴等を有する無線従事者が上位の資格を取得しようとする場合に
   必要とする講習(指定講習)に関する無線従事者規則の一部の改正につい
   て、郵政省から説明があった。

  ・ GMDSSへの全面的な移行が1999年2月に迫っている等、一定資
   格の無線従事者確保が必要とされている現状にかんがみ、無線従事者の資
   格取得の容易化を図る必要があるとともに、規制緩和の観点から、講習の
   業務を行う者を広く一般に開放する要望が出てきている。
  ・ このため、一定の無線従事者資格と業務経歴を有する者が他の無線従事
   者資格を取得しようとする場合に必要とする講習について、その実施者を
   郵政大臣が指定することとしていた制度を廃止し、実施者を限定せず、所
   定の要件を備える講習課程であればよいこととするための所要の改正を行
   うものである。
    なお、本件改正省令は、公布の日から施行することを予定している。

    本件は、意見の聴取を行う必要があるため、意見の聴取を行うこととし、
   その手続を主宰する審理官を指名した。

 (4)放送局の開設の根本的基準の一部を改正する省令案について

    放送大学学園法の一部を改正する法律の施行に伴う放送局の開設の根本
   的基準の一部の改正について、郵政省から説明があった。

  ・ 今般、放送大学学園法の改正が行われることに際して、放送局の開設の
   根本的基準において、当該法律上の条項を引用しているところを修正する
   ものである。
    なお、本件改正省令は、放送大学学園法の一部を改正する法律の成立を
   待って同法施行の日に合わせて公布の手続をとるものである。

    本件は、意見の聴取を行う必要があるため、意見の聴取を行うこととし、
   その手続を主宰する審理官を指名した。

 (5)放送普及基本計画の一部変更について

    放送衛星3号機の段階における標準テレビジョン放送等を引き継ぐ4系
   統の放送以外の放送を行う衛星の取扱に係る放送普及基本計画の一部変更
   について、郵政省から説明があった。

  ・ 平成12年頃にはアナログ方式に比べ、数々の利点を有するデジタル放
   送技術が成熟した段階に達すると展望されることから、技術革新による利
   便を国民・視聴者が十分享受できるようデジタル放送技術を早期に導入す
   ることが必要であり、放送衛星業務用周波数を使用して放送衛星3号の段
   階における標準テレビジョン放送等を引き継ぐ4系統の放送以外の放送を
   行う衛星の取扱を定めるため、放送普及基本計画を改正するものである。
  ・ BS−4先発機におけるアナログ放送を円滑にデジタル方式に移行する
   ため、後発機においてハイビジョン放送を含めたデジタル移行チャンネル
   を確保し、サイマル放送を実施する。
  ・ ハイビジョン放送により培われた高精細度映像技術は他産業への発展性、
   視聴者の高画質化への期待等から様々なデジタル方式の中でも高精細度テ
   レビジョン放送を中心とすることが適当である。また、衛星の円滑な調達
   及び放送事業への参入の自由化によるBS放送市場の活性化を確保するた
   め、受託・委託放送制度の導入が適当である。

   主な質疑応答は以下のとおり。
   ・ 民間放送事業者が受託・委託放送制度の導入に反対する理由に関する
    質問があり、郵政省から、放送のハードとソフトを同一の者が持つ方が
    よいとの理由と聞いているが、意見の聴取の機会に詳しく聞きたい旨、
    説明があった。
   ・ 本件改正に伴うBS放送とCS放送との関係に関する質問があり、郵
    政省からBSは高精細度テレビジョン放送を中心として特色を出してい
    く一方、CS放送は専門チャンネルによる特色を出していくことにより、
    各々の特性に応じた発展が期待できる旨、説明があった。
   ・ 移行チャンネルを設ける理由に関する質問があり、郵政省から円滑な
    移行、視聴者の保護等の観点から設ける旨、説明があった。

    本件は、意見の聴取を行うこととし、その手続を主宰する審理官を指名
   した。
    なお、意見の聴取に際しては、放送事業者のみならず、有識者等からも
   幅広く意見を聞くよう配意するよう要望があった。

 (6)放送法施行規則、電波法施行規則、無線設備規則、放送局の開設の根本
   的基準、標準テレビジョン・データ多重放送及び高精細度テレビジョン・
   データ多重放送に関する送信の標準方式の各一部を改正する省令案並びに
   放送普及基本計画及び放送用周波数使用計画の各一部変更について

    地上データ放送における音声信号副搬送波方式の導入に係る放送法施行
   規則の一部改正等(概要以下のとおり。)について、郵政省から説明があ
   った。

  ・ 地上データ放送の垂直帰線消去期間を伝送路に使用した方式(VBI方
   式)は既に制度化済みであり、昨年10月から実用化されている。今般は、
   高速移動中でも受信可能な音声信号副搬送波方式の導入に関し、放送法施
   行規則等の関係規定の整備を行うものである。
  ・ 音声信号副搬送波方式ではファクシミリも扱えるので、従来のファクシ
   ミリ多重放送は、本方式において地上データ放送の中で実施可能であるこ
   とから、ファクシミリ多重放送に関する規定の削除も併せて行うものであ
   る。

   主な質疑応答は以下のとおり。
   ・ データ多重放送におけるファクシミリサービスは、法令上どのように
    明示されているかとの質問があり、郵政省から多様な方式に対応できる
    よう柔軟な基準としており、ファクシミリサービスについては改正省令
    に基づく告示の中で明示される旨、説明があった。
   ・ デジタル放送のデータ放送との違いについて質問があり、郵政省から
    地上アナログ放送波に重畳する点に着目してデータ多重としており、衛
    星では全体がデジタル伝送であって重畳という概念の区切りができない
    ことからデータ放送としている旨、説明があった。

    本件は、意見の聴取を行う必要があるため、意見の聴取を行うこととし、
   その手続を主宰する審理官を指名した。

 (7)日本放送協会に対する平成9年度国際放送実施命令について

    日本放送協会に対する国際放送実施命令(概要以下のとおり。)につい
   て、郵政省から説明があった。

  ・ 本件は、放送法第33条第1項の規定に基づき、日本放送協会に対して
   平成9年度の国際放送実施の命令しようというものである。
  ・ 平成9年度においては、実施に伴う費用は19億59百万円の範囲内で
   行うこととし、放送事項、放送区域等は平成8年度と同様である。

    審議した結果、適当である旨の答申を行った。

 (8)日本放送協会の中継国際放送に関する協定の変更の認可について

    日本放送協会の中継国際放送に関する協定の変更(概要以下のとおり。)
   について、郵政省から説明があった。

  ・ 本件は、放送法第9条第7項の規定に基づき、互いに相手国の送信施設
   を利用して国際放送の中継放送を行うために日本放送協会がイギリス放送
   協会等との間で締結している協定の有効期間が本年3月31日をもって満
   了となることから、その延長(平成12年3月31日までの3年間)を行
   うものである。

    審議した結果、適当である旨の答申を行った。

 (9)日本放送協会所属中継国際放送局の再免許について

    日本放送協会所属中継国際放送局の再免許(概要以下のとおり。)につ
   いて、郵政省から説明があった。

  ・ 本件は、日本放送協会がイギリス放送協会等との協定に基づいて中継国
   際放送を行っている放送局の免許有効期間が本年3月31日に満了となる
   ことから、再免許を行うものである。

    審議した結果、適当である旨の答申を行った。

 (10)日本放送協会放送受信規約の変更の認可について

    日本放送協会放送受信規約の変更(概要以下のとおり。)について、郵
   政省から説明があった。

  ・ 本件は、消費税率の引き上げ及び地方消費税の導入に伴い、放送受信料
   額を改定することによる放送受信規約の変更であり、放送受信料額の改定
   を盛り込んだ協会の平成9年度予算が成立しており、必要かつ適当な措置
   であると認められる。

    審議した結果、適当である旨の答申を行った。

 (11)栃木地区における一般放送事業者の標準テレビジョン放送局の予備免許
   について

    栃木地区における一般放送事業者の標準テレビジョン放送局の予備免許
   (概要以下のとおり。)について、郵政省から説明があった。

  ・ 申請者 株式会社とちぎテレビ(設立準備中)
  ・ 周波数及び空中線電力
    479MHzから770MHz 映像1kW 音声250W
  ・ 放送事項
    報道、教育、教養、娯楽、広告、その他

   主な質疑応答は以下のとおり。
   ・ 事業収支見積もりに関する質問があり、郵政省から系列局に属してい
    る会社でも開局後5年程度は赤字を計上する例が多く、とちぎテレビは
    6年目に黒字を予定している旨、説明があった。

    審議した結果、適当である旨の答申を行った。

 (12)大阪地区における一般放送事業者の標準テレビジョン・データ多重放送
   局の予備免許について

    大阪地区における一般放送事業者の標準テレビジョン・データ多重放送
   局の予備免許(概要以下のとおり。)について、郵政省から説明があった。

  ・ 申請者 テレビ大阪株式会社
  ・ サービス区域
    大阪府の全部並びに京都府、兵庫県及び奈良県の一部
  ・ 放送事項
    文字信号、ファクシミリ信号、静止画信号、テレソフトウェア信号又は
   複合データ信号
    報道、教育、教養、娯楽、広告、その他

   主な質疑応答は以下のとおり。
   ・ 独立番組「バイオリズム」は放送の目的別種類のどれに該当するかと
    の質問があり、郵政省から娯楽番組である旨、説明があった。
   ・ 多重放送は番組の調和原則が適用されるのかとの質問があり、郵政省
    から適用されない旨、説明があった。
   ・ その他の番組とはどのようなものかとの質問があり、郵政省から報道、
    教育、教養、娯楽等に含まれない番組(お知らせ等)である旨、説明が
    あった。


    審議した結果、適当である旨の答申を行った。

 (13)日本放送協会の放送衛星局の予備免許について

    日本放送協会の放送衛星局の免許申請(概要以下のとおり。)について、
   郵政省から説明があった。

  ・ 現在、放送衛星3号機において放送を実施しているが、当該衛星の後継
   機となる衛星が本年4月に打ち上げられ、これまでの放送を引き継ぐこと
   となっていることから、当該後継の衛星に放送衛星局を開設しようという
   ものである。
  ・ なお、日本衛星放送株式会社及び衛星デジタル音楽放送株式会社にいて
   も、放送衛星3号機において放送を実施しており、後継の衛星においても
   同様に放送を実施することとし、免許申請について別途取り運び中である。

   審議した結果、適当である旨の答申を行った。

 (14)日本放送協会及び日本衛星放送株式会社等7社の実用化試験局の予備免
   許について

    日本放送協会及び日本衛星放送株式会社等7社の実用化試験局の免許申
   請(概要以下のとおり。)について、郵政省から説明があった。

  ・ 現在、日本放送協会、日本衛星放送(株)、日本テレビ放送網(株)、
   (株)東京放送、(株)フジテレビジョン、全国朝日放送(株)、(株)
   テレビ東京及び朝日放送(株)が放送衛星3号機において、ハイビジョン
   放送の実用化に向けた試験を実施しているが、当該衛星の後継機となる衛
   星が本年4月に打ち上げられ、これまでの試験放送を引き継ぐこととなっ
   ていることから、当該衛星においても同様に実用化試験局を開設しようと
   いうものである。

    審議した結果、適当である旨の答申を行った。

 (15)株式会社アトス・インターナショナル等11社の有料放送の契約約款の
   認可等について

    株式会社アトス・インターナショナル等11社の有料放送の契約約款の
   認可申請(概要以下のとおり。)について、郵政省から説明があった。

  ・ (株)アトス・インターナショナル等11社から以下のとおり有料放送
   の契約約款についての認可申請があった。
   ア 加入料 2,800円
   イ 基本料   290円
   ぅ 視聴料 以下のとおり事業者別に設定
   (事 業 者 名)          (視聴料)  (放送内容)
   (株)アトス・インターナショナル     1,800円 音楽を通じた教養、
                             娯楽等の番組
   (株)スーパーチャンネル          600円 海外ドラマ、映画等
                             の番組
   (株)スター・チャンネル         2,500円 映画等の番組
   (株)伝統文化放送            1,600円 歌舞伎、文楽等の番組
   (株)日本ケーブルテレビジョン    600円・900円 CNNニュース,ゴル
                             フ中継等の番組
   (株)ファミリー 劇場           550円 ドラマ、アニメ等の番組
   (株)プレイボーイ・チャンネル・ジャパン 2,500円 海外映画等の番組
   (株)ペーパー・ビュー・ジャパン  395円〜1,000円 映画等の番組
   ミサワ 衛星放送(株)           300円 各種講座・生活情報等の
                             番組
   ミュージックチャンネル(株)        600円 音楽番組
   (株)ラジオ 沖縄             200円 沖縄発のラジオ情報

    主な質疑応答は以下のとおり。
   ・ ペアレンタルロック機能は認可要件になるかとの質問があり、郵政省
    から有料放送の契約約款の認可であり、同機能については要件とならな
    い旨、説明があった。

    審議した結果、適当である旨の答申を行った。

 (16)報告事項

  ア 伝搬障害防止区域の指定について

    平成8年度における伝搬障害防止区域について、87区域を指定、20
   区域を指定変更、102区域を解除し、2,603区域となった旨、郵政
   省から説明があった。

  イ 放送法及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案について

   多チャンネル化の進展等に対応した放送の一層の健全な発達に資するため、
  字幕番組・解説番組に関する放送制度の改善、放送番組審議機関に関する制
  度整備及びCS放送における有料放送の規制緩和等を内容とする放送法及び
  有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案について、郵政省から説明
  があった。


  (文責:電波監理審議会事務局。速報につき、事後修正の可能性あり。)
トップへ