電波監理審議会(第797回)議事要旨(平成9年6月20公表)
1 日時
平成9年5月30日(金)15:30〜16:53
2 場所
郵政省審議会会議室(郵政省12階)
3 出席者(敬称略)
(1)電波監理審議会委員
河野 俊二(会長)、塩野 宏(会長代理)、岩男 寿美子、辻井 重男
(2)電波監理審議会審理官
井上 陽二郎
(3)幹事
渡辺 信一(審議会室長)
(4)郵政省
谷電気通信局長及び楠田放送行政局長ほか
4 議題
(1)諮問事項
ア 電波法施行規則、無線設備規則及び無線局運用規則の各一部を改正する
省令案について
イ 無線従事者規則の一部を改正する省令案について
ウ 放送局の開設の根本的基準の一部を改正する省令案について
エ 放送普及基本計画の一部変更について
オ 放送施行規則、電波法施行規則、無線設備規則、放送局の開設の根本的
基準、標準テレビジョン・データ多重放送及び高精細度テレビジョン・デ
ータ多重放送に関する送信の標準方式の各一部を改正する省令案並びに放
送普及基本計画及び放送用周波数使用計画の各一部変更について
カ 東京地区における一般放送事業者の標準テレビジョン・データ多重放送
局の予備免許について
キ 宮崎地区における一般放送事業者の標準テレビジョン文字多重放送局の
予備免許について
ク 福岡地区等における一般放送事業者5社の標準テレビジョン文字多重放
送と標準テレビジョン・データ多重放送を併せ行う放送局の予備免許につ
いて
ケ 衛星デジタル多チャンネル放送に係る有料放送の契約約款の認可について
(2)付議事項
東備放送組合(組合長 町 博之)から提起された同組合所属有線テレ
ビジョン放送施設設置許可申請に対する不許可処分に係る異議申立てにつ
いて
5 議事模様
(1)電波法施行規則、無線設備規則及び無線局運用規則の各一部を改正する
省令案について
国際航海に従事する旅客船が遭難した際に遭難船舶又はその捜索救助を
行う船舶と航空機との間の通信を行う無線設備(船舶航空機間双方向無線
電話)の備付けを義務づける等のための電波法施行規則、無線設備規則及
び無線局運用規則の各一部を改正する省令案について、意見の聴取を主宰
した審理官から提出された調書及び意見書に基づき審議した結果、当該各
省令案は適当である旨答申を行った。
(2)無線従事者規則の一部を改正する省令案について
一定の無線従事者資格及び業務経歴を有する者が上位の無線従事者資格
を取得しようとする場合に修了すべき講習について、その実施者を郵政大
臣が指定していた制度を改め、一定の要件を満たす講習課程であれば誰で
も実施できることとするための無線従事者規則の一部を改正する省令案に
ついて、意見の聴取を主宰した審理官から提出された調書及び意見書に基
づき審議した結果、当該省令案は適当である旨答申を行った。
(3)放送局の開設の根本的基準の一部を改正する省令案について
放送大学学園が放送大学における教育に必要な放送を委託放送業務とし
て実施できるようにするため、同学園の業務を規定している放送大学学園
法の一部改正に伴い、放送局の開設の根本的基準において引用している同
法の条項の変更を整備するための放送局の開設の根本的基準の一部を改正
する省令案について、意見の聴取を主宰した審理官から提出された調書及
び意見書に基づき審議した結果、適当である旨答申を行った。
(4)放送普及基本計画の一部変更について
我が国に割り当てられた放送衛星業務用周波数を使用し、現在の放送衛
星3号(BS−3)の段階における標準テレビジョン放送等を引き継ぐ4
系統の放送以外の放送を行う衛星(BS−4後発機)の取扱いについて、
平成12年を目途にデジタル放送を開始すること、BS−4先発機と同内
容の放送を行う移行チャンネルを設け、それ以外においては高精細度テレ
ビジョン放送を中心とした放送を行うこと及び受託・委託放送制度の導入
を図ることを内容とした放送普及基本計画の一部変更案について、意見の
聴取を主宰した審理官から提出された調書及び意見書に基づき審議した結
果、適当である旨答申を行った。
主な質疑応答は以下のとおり。
・ 意見書における利害関係者の事案に対する賛否の表明欄において、
「原則賛成」としているものがあり、その理由について質問があり、審
理官から当該利関係者の準備書面における表現である旨、説明があった。
・ NHKの要望について、郵政省はNHKが受託放送局の免許主体にな
ることについて今後検討する考えであるのかという質問があり、審理官
から郵政省の回答はNHKにハード・ソフトの一致を認める趣旨ではな
く、その他一般的にNHKの要望等につき、今後NHK関係の制度につ
いてどのようにしていくかについて検討するとの回答であった旨、説明
があった。
・ 「基幹的メディア」の概念について大体共通の理解があったのかとい
う質問があり、審理官からBSが非常に大事なメディアであるという意
味では一致しているが、もう少し具体的な議論になると各人いろいろ思
い入れがあり、ニュアンスが異なっており、必ずしもハード・ソフト一
体か分離かの論理的なツールになっていない旨、説明があった。
(5)放送施行規則、電波法施行規則、無線設備規則、放送局の開設の根本的
基準、標準テレビジョン・データ多重放送及び高精細度テレビジョン・デ
ータ多重放送に関する送信の標準方式の各一部を改正する省令案並びに放
送普及基本計画及び放送用周波数使用計画の各一部変更について
地上データ放送において、各種データの伝送及び高速移動中でも受信を
可能とする音声信号副搬送波方式の導入を図ること、現行のファクシミリ
多重放送は当該方式により地上放送の中で実施可能となることから、ファ
クシミリ多重放送に関する規定を削除することを内容とした放送法施行規
則等の省令改正案及び放送普及基本計画等の計画変更案について、意見の
聴取を主宰した審理官から提出された調書及び意見書に基づき審議した結
果、適当である旨答申を行った。
(6)東京地区における一般放送事業者の標準テレビジョン・データ多重放送
局の予備免許について
東京地区における一般放送事業者の標準テレビジョン・データ多重放送
局の予備免許(概要以下のとおり。)について、郵政省から説明があった。
・ 申請者 株式会社東京放送
・ サービス区域
関東広域圏:東京都、埼玉県、千葉県及び神奈川県の全部並びに茨城県、
栃木県、群馬県、山梨県及び静岡県の各一部
・ サービス概要
データ放送番組表(無料)、TBSラジオ・テレビ番組表(無料)、
ニュースチャンネル(一部有料)、スポーツチャンネル(一部有料)、
ウェザーチャンネル(一部有料)、エンターテイメント(無料)、
CMチャンネル(無料)、新聞情報(有料)、経済情報(有料)及び番
組情報(無料)
・ サービス開始
平成9年7月予定(有料放送は、平成10年4月予定)
審議した結果、適当である旨の答申を行った。
(7)宮崎地区における一般放送事業者の標準テレビジョン文字多重放送局の
予備免許について
宮崎地区における一般放送事業者の標準テレビジョン文字多重放送局の
予備免許(概要以下のとおり。)について、郵政省から説明があった。
・ 申請者 株式会社テレビ宮崎
・ サービス区域
宮崎県の全部並びに熊本県及び鹿児島県の各一部
・ サービス概要
独立番組:番組目次、ニュース、スポーツニュース、人事往来、天気情
報、企業情報、競艇情報、株式投資情報、囲碁情報及び局か
らのお知らせの60番組
補完番組:「はぐれ刑事」及び「ドラエもん」の2番組の字幕
・ サービス開始
平成9年11月予定
審議した結果、適当である旨の答申を行った。
(8)福岡地区等における一般放送事業者5社の標準テレビジョン文字多重放
送と標準テレビジョン・データ多重放送を併せ行う放送局の予備免許につ
いて
福岡地区等における一般放送事業者5社の標準テレビジョン文字多重放
送と標準テレビジョン・データ多重放送を併せ行う放送局の予備免許(概
要以下のとおり。)について、郵政省から説明があった。
・ 申請者
九州朝日放送株式会社、長崎文化放送株式会社、熊本朝日放送株式会社、
大分朝日放送株式会社、株式会社鹿児島放送
・ サービス区域
該当する各社のサービス区域(福岡県、長崎県、熊本県、大分県、
鹿児島県及びその周辺地域)
・ サービス概要
ア 文字多重放送
a 独立番組:番組目次、ニュース、スポーツニュース、人事往来、
天気情報、企業情報、競艇情報、株式投資情報、
囲碁情報及び局からのお知らせ
b 補完番組:「ドラエもん」等3番組(字幕)
イ データ多重放送
a 広告放送番組:データ放送番組表、ニュースチャンネル、
スポーツチャンネル、お天気チャンネル、
交通情報チャンネル、催事チャンネル、
生活情報チャンネル、教養チャンネル、
情報チャンネル及び広告チャンネル
b 有料放送番組:金融チャンネル
・ サービス開始
平成9年11月予定
主な質疑応答は以下のとおり。
・ 文字多重放送受信機の普及状況についての質問があり、郵政省から制
度創設当時はなかなか普及が進まなかったが、回路のLSI化等も進展
し、ここ2、3年間の伸びは著しいものがあり、最近1年間で約60万
台普及している旨、説明があった。
審議した結果、適当である旨の答申を行った。
(9)衛星デジタル多チャンネル放送に係る有料放送の契約約款の認可について
スカイエンターテイメント株式会社等5社の有料放送の契約約款の認可
申請(概要以下のとおり。)について、郵政省から説明があった。
ア 契約約款の認可(スカイエンターテイメント(株))
[1]加入料 2,800円
[2]基本料 290円
[3]視聴料・番組概要
(番組名) (視聴料) (番組概要)
a STAR Plus 980円 アジア の映画・ドラマ・ドキュメン
タリー等
b STAR Movies 1,800円 アジア 及び欧州を中心とした映画等
c Sky Music 200円 日本及び海外の音楽等
d Fox News 200円 米国を中心とした国際ニュース等
e Sky News 200円 欧州を中心とした国際ニュース等
f Sky Sports 1,800円 海外を中心としたスポーツ・ニュース
・情報等
イ 変更契約約款の認可(ジュピターサテライト放送(株)等4社)
[1]ジュピターサテライト放送(株)及び(株)ジンボウアンドカンパ
ニー次の2社4番組のセット料金(ジュピタープレミアムセット
料金:990円)の追加
(事業者名) (チャンネル 名称) (単独料金)(番組概要)
ジュピターサテライト放送(株) CSN1ムービーチャンネル 300円 映画等
〃 ゴルフネットワーク 900円 ゴルフ情報
〃 ディスカバリーチャンネル 900円 自然等ドキュメ
ンタリー情報
(株)ジンボウアンドカンパニー アジア・ビジネス・ニュース 900円 アジアの経済
ニュース等
[2](株)ナガセ
東進ハイスクールチャンネル に新たな講座を追加
(講座数) (視聴料) (番組概要等)
1講座 80,000円 大学受験レベルの番組(受験生を対象
2講座 155,000円 に大学受験レベルの16講座の中から任
3講座 225,000円 意の講座数を選択して視聴)
4講座 264,000円
| 4講座に1講座追加
| する毎に66,000円を
| 加算する。
16講座 1,056,000円
[3](株)プレイボーイ・チャンネル・ジャパン
PPD(Pay Per Day)サービスの追加
(視聴料) (番組概要)
700円 映画等の娯楽番組
審議した結果、適当である旨の答申を行った。
(10)付議事項
東備放送組合(組合長 町 博之)から提起された同組合所属有線テレビ
ジョン放送施設設置許可申請に対する郵政大臣の不許可処分に係る異議申立
てについて審査を行い、「異議申立ては、棄却する」旨の決定案を議決した。
(文責:電波監理審議会事務局。速報につき、事後修正の可能性あり。)