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電波監理審議会(第816回)議事要旨(平成10年11月17日公表)
1 日 時 平成10年10月27日(火)15:31〜17:10 2 場 所 郵政省審議会会議室(郵政省12階) 3 出席者(敬称略) (1) 電波監理審議会委員 塩野 宏(会長)、秋山 喜久(会長代理)、岩男 寿美子、辻井 重男 常盤 文克 (2) 電波監理審議会審理官 小山 隆生 (3) 幹事 小野寺 敦子(審議会室長) (4) 郵政省 品川放送行政局長ほか 4 議 題 (1) 諮問事項 ア BS−4後発機を用いたデジタル放送に係る委託放送事業者の認定につ いて (10.10.23諮問第38号) イ 日本放送協会所属放送衛星局の再免許について (10.10.23諮問第39号) ウ 日本衛星放送株式会社所属放送衛星局の再免許について (10.10.23諮問第40号) エ 衛星デジタル音楽放送株式会社所属放送衛星局の再免許について (10.10.23諮問第41号) オ 受託放送事業者所属放送衛星局の再免許について(10.10.23諮問第42号) カ 日本放送協会所属中波放送局の再免許について (10.10.23諮問第43号) キ 日本放送協会所属超短波放送局の再免許について(10.10.23諮問第44号) ク 日本放送協会所属標準テレビジョン放送局の再免許について (10.10.23諮問第45号) ケ 日本放送協会所属短波放送局(国際放送)の再免許について (10.10.23諮問第46号) コ 放送大学学園所属超短波放送局の再免許について(10.10.23諮問第47号) サ 放送大学学園所属標準テレビジョン放送局の再免許について (10.10.23諮問第48号) シ 北海道放送株式会社等47社所属中波放送局の再免許について (10.10.23諮問第49号) ス 株式会社日本短波放送所属短波放送局の再免許について (10.10.23諮問第50号) セ 株式会社エフエム北海道等49社所属超短波放送局の再免許について (10.10.23諮問第51号) ソ 北海道放送株式会社等126社所属標準テレビジョン放送局の再免許に ついて (10.10.23諮問第52号) (2) 報告事項 ア 地上デジタル放送懇談会最終報告について イ 受託国内放送におけるCSデジタル放送に係る認定方針の変更について 5 議 事 模 様 (1) BS−4後発機を用いたデジタル放送に係る委託放送事業者の認定につい て(10.10.23諮問第38号) 前回(23日)の質問事項等に対する回答を中心に、郵政省から説明があ った。 ・ BS放送の市場規模は、現在は放送全体の約4%強であるが、認定事 業者10社の事業収支見通しでは2004年にはBS全体(BSアナロ グ放送を含む)で7%強にまで拡大すると予想している。 ・ BS放送とCS放送の政策的な切り分けについては、当面はCS放送 は専門放送として、BS放送は基幹的放送たる地上放送と専門放送たる CS放送の中間的存在として位置づけられるが、将来、技術の進展等に よりその実質上の差異はほとんどなくなり、制度的にも区別する意味が なくなる可能性はある。結局、BS放送とCS放送の在り方は最終的に は国民・視聴者の選択により方向づけられることになる。 ・ 今回、ベンチャー企業の参入が少なかったのは、テレビジョン放送等 は、基本的には魅力あるコンテント(番組)を継続的・安定的に確保す ることが決め手となり、財政的基礎の弱いベンチャー企業にとって参入 しにくい状況にあること、また、BS−4後発機固有の事情として、B S−4後発機ではHDTV放送を中心とする方針が示され、そのための 設備投資が必要なこと、BS放送ではCS放送のように顧客管理や料金 徴収等の業務を代行するプラットフォーム事業者が存在しないことなど いろいろな要因が重なり、その参入が難しいという事情があった。 今後、申請受付を予定しているデータ放送は、新しい分野であること から、アイデアで勝負することが可能であり、ベンチャー企業の参入も 期待できる。 ・ 映画中心番組と放送番組の多様性については、認定方針により「BS −4後発機による放送全体として視聴者に対して、特定の分野に偏らな い多様な番組の提供されるよう配慮」している。この認定方針は、映画 を中心とする番組編成が専門チャンネルとしていわゆる総合編成に劣る ものではなく、また、映画の持つ広がりを否定するものではない。 ただ、今回の申請において、HDTV6番組全体を俯瞰した場合、仮 にHDTV放送6番組のうち2番組が映画中心の番組編成となると全体 として映画に偏ることになる。 主な質疑概要は以下のとおり。 ・ 1つのチャンネルを2事業者で共有することは可能なのか、との質問 があり、郵政省から、時間割とか曜日別ということは考えられるが、今 回の認定では採用しなかった。視聴者の側からすると1つのチャンネル に複数の事業者がいると混乱する可能性が出てくること、事業者にとっ ても柔軟で自由な番組編成がしにくくなるので1の事業者でやることを 望んでいる、との回答があった。 ・ これに関し、ハイビジョン実用化試験放送では複数の事業者が曜日別、 時間別に番組編成しているが、タイムシェアリングは従前から議論の対象 となっている。何時、どのようにしてやるのかは難しい問題。今後の検討 課題として行政側で考えておく必要があるのではないか、との意見があっ た。 ・ 今朝(27日)の新聞でCS放送でもHDTV放送が可能となるとい う記事が出ていたが、今後BS放送とCS放送の違いがますますなくなる との意見の後、記事内容について質問があり、郵政省から、昨日(26 日)の電気通信技術審議会でCS放送のHDTVについて一部答申があ り、来年春には所要の制度整備を行い、来年夏頃には実現可能になる見込 み、との回答があった。 ・ CS放送とBS放送の視聴者は、100万と1200万と差はあるが、 今後、CS放送でも総合放送やHDTVもできるようになる。やや意図 的にBS放送を基幹的メディアと位置づけているのではないか、との質 問があり、郵政省から、CS放送関係者の意見では、CS放送は400 〜500万が一つの目安で、そこで頭打ちの可能性が大きいといってい る。これに対しBS放送は既に1200万の視聴者がおり、これより減 ることはないだろう。さらに今回の(テレビ放送の)7事業者が参入す る。BSデジタル放送は無料放送中心となるため、チューナーを買えば 視聴可能となるため、さらに普及する可能性がある。BS放送とCS放 送は技術上ほとんど差はなくなるが、実態上は差が出てくる、との回答 があった。 ・ BS放送の市場規模の予測があったが、郵政省としては6社の収支見 通しは過大なものと見ているのか、それとも堅く見積もっていると見て いるのか、との質問があり、郵政省から、(認定事業者)10社全体の 収支見通しは妥当なものと判断しており、かなり堅く見積もった数字と 受け止めている、との回答があった。 ・ 関西では、番組制作や固定費などの経費負担を少なくするよう、自治 体や企業からの協力を求めてベンチャー企業が参入しやすいような環境 づくりを考えている。ベンチャー企業の参入問題は、郵政省だけの問題 と言うより、むしろ企業サイドの問題でもある、との意見があった。 ・ かなり先まで考えると、光ファイバーの普及により、より差別化が難 しくなる。双方向性も視野に入れると、今議論している放送の多様性は、 現時点では今回の結論でよいと思うが、将来はその多様性の意味も変 わってくると思う。個人的には、HDTVは映画とかスポーツに向いて いると思う、との意見があった。 以上の審議を行った後、諮問のとおり認定することは適当である旨の答申を 行った。 (2) 放送局の再免許について(10.10.23諮問第39号から諮問第52号まで) 前回審議において質問のあった放送事業者の番組審議機関の活動状況等の 視聴者への公開状況について、郵政省から、「放送番組審議機関の議事概要 の公表について」及び「番組審議機関の議事概要等の公表に関する新聞掲載 ・インターネット掲載例」の資料により、平成9年に行った放送番組審議機 関に関する放送法等制度改正の概要及び同番組審議機関の議事概要の公表実 態について説明があった。 諮問のとおり再免許することは適当である旨の答申を行った。 (3) 報告事項 ア 地上デジタル放送懇談会最終報告について 郵政省から「地上デジタル放送懇談会」最終報告について以下の通り説 明があった。 ・ 10月16日に最終報告が取りまとめられたが、本報告書ではいわゆる パブリックコメント方式により239件の意見が中間報告について寄せら れた。 ・ 最終報告においてデジタル放送の導入については、テレビと音声に区分 し、テレビについてはアナログからデジタルへの全面移行とし、既存事業 者限定の申請受付期間として三大広域圏では2003年末まで、その他の 地域では2006年末を設定し、既存事業者の申請がない場合に新規参入 の機会を確保する。 ・ 中間報告からの主な変更点は、サイマル放送の編成の柔軟性に配慮する こと、無料制・簡易性を基幹的メディアのメルクマールとしたこと、テレ ビと音声の2つのサービス類型を設定した趣旨を踏まえて免許形態を実現 することが望ましいこと、ケーブルテレビの高度化方策の検討を要するこ と、音声の放送対象地域を対視聴者との関係を考慮して設定したことであ る。 主な質疑応答は以下のとおり。 ・ 米国で検討の動機に移動向けに周波数を明け渡せというような話がある と聞いたことがあるが、そのような議論の有無について質問があり、郵政 省から、本懇談会はデジタル化のメリットをどう還元するかという観点か ら検討を行っており、周波数の有効活用については、その他の利用も含め てデジタル化への移行後検討が必要という議論がなされている旨の説明が あった。 イ 受託国内放送におけるCSデジタル放送に係る認定方針の変更について 郵政省から、CSデジタル放送の委託放送業務の認定に係る認定方針に ついて、従来、超短波放送又は標準テレビジョン放送の委託放送業務の認 定は、データ放送に優先する取扱いとなっていたが、この関係規定を削除 した旨の報告があった。 (4) その他 議題外の報告事項として、郵政省から、ITU事務総局長選挙結果等につ いて報告があった。 (文責:電波監理審議会事務局 速報につき事後修正の可能性あり)