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電波監理審議会意見の聴取(第333回)意見書(平成11年8月5日公表)






 技術基準適合証明の対象設備の追加及び委託による型式検定の対象機器の削除に
係る電波法施行規則(昭和25年電波監理委員会規則第14号)、無線局免許手続規則
(昭和25年電波監理委員会規則第15号)、無線設備規則(昭和25年電波監理委員会
規則第18号)、無線機器型式検定規則(昭和36年郵政省令第40号)及び特定無線設
備の技術基準適合証明に関する規則(昭和56年郵政省令第37号)の各一部を改正す
る省令案について、電波法第99条の12第1項及び第2項の規定により、意見の
聴取を行った(平成11年8月5日)結果、下記のとおり意見を決定する。

  平成11年9月17日


                      主任審理官  安 成 知 文


                   記


第1 意 見

   各省令改正案は、それぞれ適当である。


第2 事実及び争点

 1 郵政省の陳述の大要
   本件は、最近の無線設備の性能の信頼性・安定性の向上に伴い、技術基準へ
  の適合性について実際に設置された状態により確認しなくても判断することが
  可能となった1WDSB等、ラジオ・ブイなどの8種の無線設備について、技
  術基準適合証明の対象設備に追加しようとするものである。
   また、これらの無線設備の機器は、メーカー等からの委託により郵政大臣が
  行う型式検定(任意型式検定)の対象機器となっているところであるが、基準
  認証制度の簡素合理化を図るため、これらの機器及び既に技術基準適合証明の
  対象となっている無線設備の機器を型式検定の対象としないこととしようとす
  るものである。

 2 改正案等の内容
  (1) 電波法施行規則の一部を改正する省令案
    ア 改正の内容
    (ア) 無線局の無線設備の簡易な操作を行うことができる設備から、無線
      機器型式検定規則による型式検定に合格した同規則第2条各号に掲げ
      る機器(以下「検定合格機器」という。)を削除すること。(第33
      条関係)
    (イ) 許可を要しない工事設計の軽微な事項について、検定合格機器に係
      る工事設計についての規定を削除すること。(別表第1号の3関係)
    (ウ) 変更検査を要しない無線設備の設置場所の変更又は無線設備の変更
      の工事のうち、検定合格機器を使用する無線局についての規定を削除
      すること。(別表第2号関係)
    (エ) その他所要の規定の整備を行うこと。
    イ 施行期日
      平成12年1月1日から施行すること。
  (2) 無線局免許手続規則の一部を改正する省令案
    ア 改正の内容
    (ア) 技術基準適合証明を受けたラジオゾンデについて、その損耗の都度、
      当該設備の工事設計に基づく技術基準適合証明設備を使用しようとす
      るときは、その場所又は区域ごとに、引き続き使用しようとする設備
      を含めて単一の気象援助局として申請することができることとするこ
      と。(第2条関係)
    (イ) 技術基準適合証明設備を使用する無線局の免許を申請する場合にお
      いて、技術基準適合証明を受けた事実を証する書面の提出を要しない
      こととすること。(第5条関係)
    (ウ) 予備免許を受けた者が無線設備を技術基準適合証明設備に変更しよ
      うとする場合において、技術基準適合証明を受けた事実を証する書面
      の提出を要しないこととすること。(第12条関係)
    (エ) 改正前の無線機器型式検定規則による型式検定合格機器を使用する
      無線局の免許手続の簡略に係る規定を削除すること。(第15条の5
      関係)
    (オ) その他所要の規定の整備を行うこと。
    イ 施行期日
      平成12年1月1日から施行すること。
  (3) 無線設備規則の一部を改正する省令案
    ア 改正の内容
      F3C電波を使用する無線局の無線設備の送信装置について技術的条件
     を定めること。(第58条、別表第2号関係)
    イ 施行期日
      公布の日から施行すること。
  (4) 無線機器型式検定規則の一部を改正する省令案
    ア 改正の内容
    (ア) この規則の規定により型式検定を行う機器から、電波法第37条各
      号に規定する無線設備の機器以外の機器を削除すること。(第2条関
      係)
    (イ) 電波法第37条各号に規定する無線設備の機器以外の機器の検定の
      手数料についての規定を削除すること。(第15条関係)
    (ウ) その他所要の規定の整備を行うこと。
    イ 施行期日等
    (ア) 一部の経過措置を除き平成12年1月1日から施行すること。
    (イ) 所要の経過措置を設けること。
  (5) 特定無線設備の技術基準適合証明に関する規則の一部を改正する省令案
    ア 改正の内容
    (ア) 次に掲げる無線設備を特定無線設備とし、特性試験項目を定めるこ
      と。(第2条、第8条及び別表第3号関係)
      A A3E電波を使用する海上移動業務の無線局に使用するための無
       線設備であって、その空中線電力が50ワット以下のもの
      B 単側波帯の電波を使用する無線局(電波法施行規則第15条に規定
       するものに限る。)に使用するための無線設備であって、その空中
       線電力が50ワット以下のもの
      C F3E等の電波を使用する無線局(陸上移動局、携帯局及び指令
       局を除く。)に使用するための無線設備であって、その空中線電力
       が50ワット以下のもの
      D ラジオ・ブイの局に使用するための無線設備
      E 気象援助局に使用するための無線設備
      F 150MHz帯又は400MHz帯の周波数の電波を使用する簡易無線
       局に使用するための無線設備
      G 27MHz帯の周波数の電波を使用する簡易無線局に使用するため
       の無線設備
      H 無線設備規則第48条第1項においてその無線設備の条件が定め
       られている船舶に設置する無線航行のためのレーダー
    (イ) 改正前の無線機器型式検定規則による型式検定合格機器の特性試験
      の一部省略に係る規定を削除すること。(別表第3号関係)
    (ウ) その他所要の規定の整備を行うこと。
    イ 施行期日
      一部を除き公布の日から施行すること。

 3 利害関係者の陳述等
   本件省令改正案に関し、利害関係を有する8者が準備書面を提出し、このう
  ち7者が意見の聴取の期日に出席して陳述した。また、意見の聴取の期日に欠
  席した社団法人日本アマチュア無線連盟の準備書面については、電波監理審議
  会が行う審理及び意見の聴取に関する規則第42条において準用する同規則第
  17条の規定により、当該準備書面のとおり陳述したものとみなした。
   8者の省令改正案に対する賛否は、次のとおりであり、いずれも賛成として
  いる。
       利害関係者
   賛    否   
 備 考 
(財)海上無線振興協会
   賛    成
 
水洋会
   賛    成
 
(社)全国漁業無線協会
   賛    成
 
(社)全国陸上無線協会
   賛    成
 
(財)テレコムエンジニアリングセンター
   賛    成
 
(社)電波産業会
   賛    成
 
(財)日本アマチュア無線振興協会
   賛    成
 
(社)日本アマチュア無線連盟
   賛    成
 欠 席


第3 理 由

 1 本件は、
  1 無線設備の信頼性・安定性の向上に伴い、小型船舶に使われている無線電
   話の無線設備(1WDSB)など8種の無線設備について、技術基準への適
   合性について実際に設置された状態により確認しなくても判断することが可
   能となったことから、これらの無線設備について、新たに技術基準適合証明
   の対象とすること。(特定無線設備の技術基準適合証明に関する規則の一部
   改正)
  2 また、これらの無線設備の機器は、製造メーカー等からの委託により郵政
   大臣が行う任意型式検定の対象となっているが、平成10年4月に成立した「
   電気通信分野における規制の合理化のための関係法律の整備等に関する法律」
   により、電波法の一部が改正され、技術基準適合証明制度において型式検定
   と類似した工事設計について認証する制度(設計認証制度)が創設され、そ
   の運用が定着してきたことから、これらの機器及び既に技術基準適合証明の
   対象となっている無線設備の機器を任意型式検定の対象としないこととし、
   これにより、無線設備に関する任意の基準認証制度の簡素合理化を図ること。
   (無線機器型式検定規則の一部改正)
  3 さらに、これらの措置に併せて、免許申請者等の負担の軽減を図るため、
   免許申請時等に無線設備が技術基準適合証明を受けた事実を証する書面の提
   出を不要にする措置を講ずるほか、関連の規定の整備を行うこと。(無線局
   免許手続規則、電波法施行規則及び無線設備規則の各一部改正)
    について、規定を整備するものである。

 2 本件措置により、新たに技術基準適合証明の対象となる無線設備については、
  予備免許及び落成後の検査の手続が省略され、利用者等の経済的・時間的負担
  が軽減されるほか、これらに係る行政事務の効率化も期待される。
   また、無線設備に関する任意の基準認証制度が技術基準適合証明制度に一元
  化され簡素化が図られるとともに、郵政大臣の行う任意型式検定から民間の指
  定証明機関を活用した技術基準適合証明への移行により行政事務の簡素合理化
  も期待できる。

 3 本事案については、利害関係者も全て賛意を表明しており、また、本件措置
  により、利用者等の負担が軽減される結果、多様な無線設備の利用が一層促進
  されるとともに、併せて行政事務の効率化・合理化にも資することから、本件
  措置は適当と認められる。





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