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電波監理審議会(第827回)議事要旨(平成11年11月15日公表)






1 日 時
  平成11年10月22日(金)15:30〜17:37

2 場 所
  郵政省審議会会議室(郵政省12階)

3 出席者(敬称略)
 (1) 電波監理審議会委員
    塩野 宏(会長)、秋山 喜久(会長代理)、岩男 寿美子、常盤 文克
 (2) 電波監理審議会審理官
    安成 知文
 (3) 幹事
    仲矢 徹(審議会室長)
 (4) 郵政省
    八代郵政大臣、前田政務次官、天野電気通信局長、金澤放送行政局長、田中
   技術総括審議官ほか

4 議 事 模 様

 (1) 郵政大臣及び政務次官あいさつ

    八代郵政大臣及び前田郵政政務次官から、あいさつがあった。

 (2) 電波監理審議会の資料の公開について

    審議会資料の公開について、審議の結果、次のとおり議決し、今回の審議会
   の資料から公開することとした。
   ア 審議会へ提出された資料(報告事項を含む。)は、原則として、公表する。
    ただし、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)
    第5条各号に掲げる情報(不開示情報)が記録されている場合は、資料に「
    委員限り」の表示をし、当該部分は不公表とする。
   イ 資料の公表は、会議終了後、官房秘書課審議会室において閲覧に供するこ
    とにより行う。
     なお、公表する資料については、必要に応じその一部を会長記者会見の際
    に配布する。

 (3) 放送法施行規則、電波法施行規則、無線局免許手続規則、無線設備規則、放
   送局の開設の根本的基準及び標準テレビジョン放送等のうちデジタル放送に関
   する送信の標準方式の各一部を改正する省令案、放送普及基本計画の一部変更
   案、放送法施行規則第17条の19第3項第4号の規定に基づく告示案並びに
   電波法関係審査基準及び放送法関係審査基準の各一部改正案について
                       (11.7.16諮問第22号)

    放送法の一部を改正する法律(平成11年法律第58号)の施行に伴う標記郵政
   省令等の一部改正案等について、意見の聴取の手続を主宰した審理官から提出
   された調書及び意見書に基づき審議した結果、適当である旨、答申した。

 (4) 放送普及基本計画及び放送用周波数使用計画の各一部変更案について
                      (11.7.16諮問第23号)

    新潟県における一般放送事業者の2波目の超短波放送(県域放送)用周波数
   等の割当てに係る放送普及基本計画及び放送用周波数使用計画の各一部変更案
   について、意見の聴取の手続を主宰した審理官から提出された調書及び意見書
   に基づき審議した結果、適当である旨、答申した。

 (5) 無線設備規則の一部を改正する省令案について     (諮問第27号)

    次のとおり郵政省の説明及び質疑応答があった。

 ア 郵政省の説明
   この無線設備規則の一部を改正する省令案は、次の3点を内容としている。
 (ア) 高速データ通信を行うインマルサットB型船舶地球局の無線設備の技術的条
   件について
    インマルサットB型の高速データ通信サービスは、現在、携帯移動地球局で
   利用可能であるが、船舶地球局においては需要がなく、電気通信事業者による
   サービスも行われてこなかった。しかし、近年この高速データ通信サービスの
   需要の高まりに伴い、電気通信事業者から船舶地球局による同サービスの提供
   の要望があり、今般、同サービスの提供に必要な規定を整備しようとするもの
   である。
 (イ) 携帯電話の通信需要増加に対応するための周波数の追加について
    携帯電話の加入者数は、本年9月末現在で約4,630万加入であるが、こ
   の加入者数は平成13年には、6,200万〜6,700万加入と予測(電気
   通信技術審議会答申(平成11年9月))され、今後も引き続き増加が見込ま
   れている。また、携帯電話におけるデータ通信サービスの需要の増加により平
   均通話時間が増加していくことも見込まれており、この需要増に対応するため
   の周波数の割当てが必要とされている。
    現在、携帯電話の使用周波数帯においては、無線によるデータ通信サービス
   を提供するテレターミナルシステム(800MHz帯)があるが、最近では、移
   動中のデータ通信を携帯電話で行うことが一般的になってきている。このため、
   本案は、関係の規定を改正することにより、テレターミナル用周波数を携帯電
   話用としても使用できるようにしようとするものである。
 (ウ) デジタルマイクロ固定局の用途の拡大と大容量化の導入等について
    デジタルマイクロ固定局の自営利用については、従来、公共業務用として利
   用されてきたが、最近の情報化の進展に伴い大容量化が求められており、また、
   大学の研究機関相互間や民間を含む医療機関相互間のネットワーク等の公共業
   務以外の分野でのニーズも顕在化してきている。
    本案は、このような状況を踏まえ、デジタルマイクロ固定局の用途を公共業
   務に限らず一般(電気通信業務及び放送の業務を除く。)に拡大するとともに、
   映像伝送等に対応した大容量化を図るため、関係の規定を整備しようとするも
   のである。

 イ 主な質疑応答
  ・ インマルサットB型船舶地球局に関し、サービス導入の都度に制度を改正
   するのは非効率ではないか、包括的に基準を定めておくことはできないのか
   との質問があり、郵政省から、インマルサットの技術基準自体は国際的に決
   定されており、制度化することはできたが、事業者の国内サービス提供の予
   定のないものについてまで予め制度化する必要はないと考えている旨の説明
   があった。
  ・ 携帯電話用周波数の追加に関し、需要の伸びに対応し、今後も更に周波数
   の追加を続けるのか、との質問があり、郵政省から、今回の周波数の追加に
   より平成12年末までは対応可能と想定しており、また、それ以降は平成13年
   度中のIMT−2000の実用化や技術的にも周波数の利用効率の向上等が見込
   まれることから、需要増に対応できると見込んでいる旨の説明があった。さ
   らに、IMT−2000は国際的に新たな周波数が検討されているため、それに
   より更なる需要増にも引き続き対応可能であると見込んでいる旨、補足説明
   があった。

    本件は、電波法により意見の聴取を義務付けられているため、別途、意見
   の聴取を行うこととし、その手続を主宰する審理官に安成知文を指名した。

 (6) 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社所属特定無線局の包括
   免許について                     (諮問第28号)

    東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社所属特定無線局(1,90
   0MHz帯加入者系無線アクセス通信を行う固定局(端末設備等))の包括免許に
   ついて、次のとおり郵政省の説明及び質疑応答があり、審議の結果、適当であ
   る旨、答申した。

 ア 郵政省の説明
    本件は、東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社が、固定電話
   の加入者密度の小さいルーラル地域において、1,900MHz帯加入者系無線アクセ
   スシステムを導入し、経済的かつ容易に都市部と同様なマルチメディアサービ
   スを充実させることを目的に、これに必要な特定無線局の包括免許を申請して
   きたものである。
    電波法関係審査基準に基づき審査した結果、電波法第27条の4各号の規定に
   適合していると認められたので、申請のとおり包括免許を付与しようとするも
   のである。

 イ 主な質疑応答
  ・ ますます有線については勢いがなくなるのではないか、との質問があり、郵
   政省から、今回の申請は、人の少ない地域で有線方式を採用するのは逆に費用
   がかかるので、いわば余った電波を利用しようとする試みであり、市街地では
   現在もNTTは有線を採用している。将来的には光ファイバーの全国整備を目
   標としており、現在も2005年に向けて実施中であるように(無線の方がコスト
   的には有利ではあるものの)最終的には光ファイバーによるべきと認識してい
   るが、具体的にどちらによるかは事業者の選択しだいである旨の説明があった。

 (7) 衛星デジタル音楽放送株式会社所属放送衛星局の再免許について
                             (諮問第29号)

    衛星デジタル音楽放送株式会社(セント・ギガ)所属放送衛星局の再免許に
   ついて、次のとおり郵政省の説明及び質疑応答があり、審議の結果、適当であ
   る旨、答申した。

 ア 郵政省の説明
    セント・ギガの再免許については、昨年11月の放送局の一斉再免許の際に、
   その財政的基礎の状況から1年間の期限を付して免許したが、今月末をもって
   その期限が到来することから、再免許の申請があったものである。
    電波法令及び審査基準に基づき審査した結果、現時点では当面の事業運営に
   問題はないと認められるが、財政的基礎を勘案し、電波法第104条の2第1項の
   規定により、1年間の期限を付して免許することが適当であると認められた。

 イ 主な質疑応答
  ・ セント・ギガについて、「当面は収支均衡は見込める」と言っているが、累
   積債務を抱えながら、いつの時点でプラスに転じるのか、との質問があり、郵
   政省から、大幅なリストラの実施によりこの1年に要する費用は賄えるだけの
   収入は見込めるという意味である、との説明があった。
  ・ 当初の事業計画どおりにはいかなかった原因は何か、との質問があり、郵政
   省から、専用端末を購入した者しか受信できないので、そもそも市場規模が小
   さいのに加え、その端末の売れ行きが予想を大きく下回ったということである、
   との説明があった。
  ・ 1年を限りに再免許するのは現在の視聴者保護ということであるが、視聴者
   に対する情報提供についてどう考えているのか、との質問があり、郵政省から、
   視聴者は漸減しているのと、1年間の再免許ということが対外的に公表される
   ので、仮に放送停止となった場合でも、損害を被る視聴者は少なくなる、との
   説明があった。
  ・ 期限を来年の10月末とした理由は何か、との質問があり、郵政省から、当
   面の事業運営を支えるだけの収入は見込めるが、今後4年間にわたり事業を継
   続するに足る財政的基礎はないので、1年間の期限を付すこととした、との説
   明があった。
  ・ CS放送では、事業者の退出はかなり自由になっているが、セント・ギガに
   ついては、視聴者保護という観点が入ってくるのはなぜか、との質問があり、
   郵政省から、CS放送の場合、一つひとつのチャンネルよりもパッケージで契
   約する場合が通常なので、あるチャンネルがなくなったとしてもパッケージと
   してのサービスが存在していれば対視聴者の関係では、独自の加入者を有して
   いるセント・ギガよりも問題は少ない、との説明があった。

                      (文責:電波監理審議会事務局)



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