電気通信審議会電気通信事業部会(第197回)議事概要(平成12年12月20日公表)
1 日時
平成12年12月15日(金)午後2時〜午後5時
2 場所
郵政省審議会会議室(郵政省12階)
3 出席者
(1) 委員
齊藤忠夫(部会長)、百崎 英(部会長代理)、醍醐 聰、
林 敏彦、吉岡初子 (以上5名)
(2) 事務局
濃添 隆 審議会室長
(3) 郵政省
天野定功電気通信局長 ほか
4 議題及び概要
(1) 諮問事項
ア 東京ふぁいばあ通信株式会社に係る第一種電気通信事業の許可について(
諮問第56号)
・審議の結果、諮問のとおり、許可することが適当である旨の答申を行った。
イ 電気通信事業法の一部を改正する法律(平成9年法律第97号)附則第1
5条を踏まえた接続ルールの見直しについて(諮問第47号・継続)
・審議の結果、12月21日(木)に開催される電気通信審議会総会に、
第一次答申案を諮ることとした。
ウ 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の指定電気通信設備
に関する接続約款の変更の認可について(諮問第53号、第54号及び第5
5号・継続)
・審議の結果は以下のとおり。
(ア) 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(以下「NTT
東日本・西日本」という。)が、指定電気通信設備に関する接続約款にお
いて、端末伝送機能の接続料を設定する案に関して、次のとおり考える。
A 平成11年12月より開始された主配線盤(MDF)での接続に関
する接続料については、DSLサービスの加入者数が少ないことから、
十分なコストデータが得られていない面がある。
B 他方で、NTT東日本・西日本は、本年末からDSLサービスの試
験サービスから実用化サービスへの移行を予定しているとともに、接
続事業者からも端末系伝送路設備に係る料金の早急の引下げを求める
強い声がある(現在電話重畳の場合、試験サービス月額800円)。
C 従って、当面暫定的な形でNTT東日本・西日本等から現在得られ
ている情報の中でその料金を判断し、決定することもやむを得ないと
考えられる。
D 以上から、次の諸点が確保された場合には、認可することが適当と
認められる。
a 回線データベース管理業務相当の算入額(申請案では1回線月額
203円。)は、申請案では実績回線数が少ないことから実績額に
よるのではなく、代替的に、データベース構築にあたってベースと
したという専用線のデータベースの費用によって算定されているが、
電話の加入者回線に係る費用について料金メニューの多い専用線の
ものによったことが適正であるとする理由は十分でなく、近似的と
考えられる電話の加入者回線に係る費用により設定することがより
適当であり、その金額を1回線月額138円を超えないものとする
こと(なお、回線データベース管理の費用は、端末伝送機能とは別
の接続料に区分することが適当である。)
b 料金請求・回収等費用相当の算入額(申請案では1回線月額13
6円。)は、申請案では実績回線数が少ないことから実績額による
のではなく、専用線の相当額により算定しているが、電話の加入者
回線に係る費用について料金請求形態等の異なる専用線のもので代
替させる十分な理由はなく、電話の加入者回線に係る費用により設
定すること。また、申請案では全ての金額について回線毎の料金設
定を行っているが、事業者間の料金請求を全て回線毎(利用者毎)
とするのは妥当ではないので、これを改め、このうち料金計算費用
相当(1回線月額19円を超えない額。)のみを回線毎の料金に算
入し、残りの料金請求・回収の費用は請求毎の料金(1請求月額1
28円等を超えない額。)により回収すること
c 追加配線盤(MDF)相当の算入額(申請案では1回線月額30
円。)は、接続会計結果における実際の費用を基本に算定した額で
あり、申請案どおり算入すること
d 故障受付対応相当の算入額(申請案では1回線月額41円。)は、
加入者回線に関しては工事費及び電話の基本料により回収されてい
るものと考えられることから、初期工事による故障によるもの以外
で接続事業者の個別の要望によりNTT東日本・西日本が故障受付
対応を行う場合を除き、接続約款に定める金額には算入しないこと
とすること
(イ) おって、郵政省が認可を行うに当たっては、特に以下の措置が講じら
れることを要望する
A NTT東日本・西日本がコロケーションに関する標準的期間の更な
る短縮については、NTT東日本・西日本において、まずは今回の申
請内容の中で極力短縮を行う運用を行った上で、平成13年の前半中
にその状況を報告すると共に、併せて、現在の標準的期間が事実上最
長期間として機能していることに鑑み、
他事業者の意見も参考にし
つつ2週間程度の標準的期間を設定できる場合を設ける等の方策及び
平均的期間と最長期間の両方を設定等の検討を行った上で、郵政省
に報告を行うこと
B メタルを基調とした電話の加入者回線とそれ以外の光ファイバ回線
との費用の分計について、NTT東日本・西日本において、その適正
な在り方につき、伝送設備を介さない光ファイバ設備の接続料を接続
約款において記載するまでに検討し、郵政省に報告を行うこと
エ 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の指定電気通信設備
に関する接続約款の変更の認可について(諮問第57号及び第58号)
・審議の結果、諮問された接続約款の変更案を報道発表するとともに、イ
ンターネット等に掲載するなどして公告し、広く意見の聴取を行うこと
とした。
オ 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社のIP通信網サービ
ス契約約款の変更の認可について(諮問第59号)
・審議の結果、諮問のとおり、認可することが適当である旨の答申を行っ
た。
カ 第一種電気通信事業者5社に対し、回線群を単位とする割引サービスに関
し料金の変更を命ずることについて(諮問第60号)
・審議の結果は以下のとおり。
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社の「回線群を単位と
する県間通話及び国際通話の合算による通話料金の月極割引(サービス名
「Arcstarビジネス割引」)」に係る料金、株式会社ディーディー
アイの「フレックスプラン(サービス名「KDDIまる得割引」)」に係
る料金、日本テレコム株式会社の「クラスタセイバー(サービス名「Jワ
ンズスーパーIIPlus」)」に係る料金並びに東日本電信電話株式会社
及び西日本電信電話株式会社の「回線群を単位とする通話等に関する料金
の月極割引(サービス名「ワリマックス」)」に係る料金については、諮
問のとおりその変更を命ずることは適当と認められる。
なお、今後以下の措置が講じられるよう配慮することを要望する。
今回のような事案の発生は、事業者向け割引料金(キャリアズレート)
のルールが明確化されていないことに起因していると考えられる。従って、
郵政省は公衆網についての事業者向け割引料金について
(ア) 第一種電気通信事業者と第ニ種電気通信事業者との関係
(イ) 当該ルールが適用される料金・サービスの範囲
(ウ) 事業者向け割引料金(キャリアズレート)における妥当な割引率
等について速やかにルール化に努めることが適当である。
(2) 情報通信審議会への付議事項の引継ぎについて
・来年1月6日からの情報通信審議会へ引継ぐ、調査審議事項の確認が行
われた。
本部会にて配布された資料をご覧になりたい方は、電気通信審議会事務局
(電話 03−3504−4807)までお問い合わせ下さい。