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電気通信審議会電気通信事業部会第145回会合議事要旨(平成9年1月10日公表)
1 日時 平成8年12月19日(木) 午後3時32分〜午後5時10分 2 場所 郵政省審議会会議室(郵政省12階) 3 出席者(敬称略) (1) 委員 園山重道(部会長)、増澤高雄(部会長代理)、加藤真代、齊藤忠夫、 醍醐聰、舟田正之 (2) 事務局 渡辺信一審議会室長 (3) 郵政省 谷公士電気通信局長 ほか 4 議題 (1) 諮問事項 ア 日本電信電話(株)のオープンコンピュータ通信網サービスに係る料金 及び契約約款の設定の認可について(継続) イ 日本電信電話(株)の専用サービスに係る料金及び契約約款の変更の認 可について ウ 日本電信電話(株)のフレームリレーサービスに係る料金及び契約約款 の変更の認可について エ 日本電信電話(株)の電話サービスに係る料金及び契約約款の変更の認 可について オ 日本国際通信(株)及び国際デジタル通信(株)の国際電話サービスに 係る料金及び契約約款の変更の認可について (2) 報告事項 ア 電気通信事業法施行規則の一部を改正する省令案について(移動体通信 料金の届出化) イ トラヒックからみた国際電話の利用状況について(平成7年度) 5 議事模様 (1) 諮問事項 ア 日本電信電話(株)のオープンコンピュータ通信網サービスに係る料金 及び契約約款の設定の認可について(継続) イ 日本電信電話(株)の専用サービスに係る料金及び契約約款の変更の認 可について ウ 日本電信電話(株)のフレームリレーサービスに係る料金及び契約約款 の変更の認可について オープンコンピュータ通信網サービス(以下「OCN」という。)に係 る料金及び契約約款の設定の認可については、前回からの継続審議であり、 前回の審議会の議論等を受けて日本電信電話(株)(以下「NTT」とい う。)が12月16日に申し出た申請内容の補正の概要、並びに本件と関 連して他事業者に接続用回線を提供するための専用サービス及びフレーム リレーサービスに係る料金及び契約約款の変更の認可の申請概要等につい て、郵政省から説明が行われた。 また、本件に関する論点等の整理について、NTTの申請内容の補正を 踏まえた説明が行われた。 (ア) 申請内容の補正の概要 a 料金算定方法の変更 ・ NTTと他事業者との公正有効競争条件を整備するという観点から、 OCNの回線部分の費用は、専用サービス、フレームリレーサービス 及びOCNアクセス回線の約款料金とし、これを総括原価中の営業費 に組み入れることによって他事業者との同等性を確保する。また、そ の他の営業費等は、OCN提供計画に基づき積み上げる。 ・ 料金額 +−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | 区 分 | 月 額 | 前回算定時との差 | +−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | 6 Mb/s| 985,000円| +1,000円 | +−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | 1.5Mb/s| 350,000円| +3,000円 | +−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | 128kb/s| 38,000円| + 700円 | +−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ ダイヤルアップ接続(前回算定時と変更なし) +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | 区 分 | 料金額 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |通信時間の月額累計時間が15時間までの部分 |月額2,300円| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |通信時間の月額累計時間が15時間を超える部分|1分ごとに 9円| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ b アクセス回線の料金の追加 ・ OCNのアクセス回線をアンバンドルし、他事業者の利用者と当該 事業者が設置するルータ等とを接続する回線(いわゆる足回り回線) として、これを提供する。 ・ 料金額 +−−−−−+−−−−−−−−−−+ | 区 分 | 月 額 | +−−−−−+−−−−−−−−−−+ | 6 Mb/s| 136,000円| +−−−−−+−−−−−−−−−−+ | 1.5Mb/s| 131,000円| +−−−−−+−−−−−−−−−−+ | 128kb/s| 8,900円| +−−−−−+−−−−−−−−−−+ c サービス提供範囲に関する契約約款上の記載 NTTは、OCNを本邦内に限り提供する旨、また、OCNの契約者 は、インターネット接続事業者と相互接続利用契約を締結したこととな る旨等を契約約款に明記する。 (イ) 接続用回線の申請概要 ・ 専用回線がNTT局舎内で終端する専用サービス及び契約者回線がN TT局舎内で終端するフレームリレーサービスを新たに提供する。 また、当該フレームリレーサービスについて、長期継続利用に係る割 引制度を導入する。 ・ 料金額 a 専用回線がNTT局舎内で終端する専用サービス 高速ディジタル伝送サービスの64kb/sから6Mb/s までの全品目につい て、片端ごとに次の額を減額する。 +−−−−−−−−−-+−−−−−−−−−−+ | 品 目 | 基本額の減額 | +−−−−−−−−−-+−−−−−−−−−−+ | 64kb/s、128kb/s| 14,500円 | +−−−−−−−−−-+−−−−−−−−−−+ | 192kb/s 〜 6Mb/s| 64,500円 | +−−−−−−−−−-+−−−−−−−−−−+ b 契約者回線がNTT局舎内で終端するフレームリレーサービス 回線使用料(基本料)について次の額を減額する。 +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | 品 目 | 減額する額 | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | 128kb/s のもの| 3,000円 | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | 1.5Mb/s のもの| 149,000円 | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ (ウ) 論点整理 1. 料金算定方式におけるNTTのOCN事業部門と他事業者との同等 性の確保 2. アクセス回線料金の契約約款への記載 3. 役務提供範囲の契約約款での明確化 4. エンドユーザへの品質に関する適切な情報提供 5. 料金認可の前提となるネットワークと実態との乖離により料金が不 公正となることを防止 6. 同等性の検証、内部相互補助防止のための収支の明確化 7. 事業者選択を可能とする高機能ルータの導入 8. SLT(加入者線端局装置)のアンバンドル 9. 接続の基本的ルールの適用 の9項目が検討すべき論点と考えられるが、1.から3.までの項目につい ては今回の申請内容の補正によって解決されている旨郵政省から説明があ った。 主な質疑応答等は以下のとおり。 ・ 本件の審議の途中において、NTTの再編成の方針が公表されたが、 本件審議にあたって注意すべき点はないかとの質問に対し、本件の審議 に影響を及ぼすものではない旨、また、OCNが再編成後のどの会社の 業務となるかについては、未だ決まっていない旨の説明があった。 ・ コロケーションの料金の取扱いについて質問があり、契約約款に記載 されるものではないが、NTTにおいて通信事業者に対し公表しており、 また、NTTのホームページにアクセスすることにより情報の入手が可 能である旨の説明があった。 また、局舎使用料についても同等性が確保されていることについての 確認があった。 ・ 再編成後、今回の措置で公正有効競争条件が確保されていることにな るのか、内部相互補助の可能性等を考えた場合、少なくともOCNを地 域会社で行うことにはならないようすべきではないかとの意見があり、 現段階でどのような体制で行うべきかの結論は出せない旨の説明があっ た。 ・ 地域会社が二種事業的なサービスを提供する場合は、慎重に取り扱う べきであるという意見があった。 ・ インターネットについては、需要の拡大と単位コストの低下という循 環をいかに起こさせるかがポイントであり、公正競争とともに、産業政 策的配慮も必要との意見があった。 ・ NTTの役務提供範囲に関し、契約約款上明確にしたとしても、実態 上利用者にとっては、OCNは国際通信もできると映る。今回の整理は、 OCNが国際と国内を認識し得ないという特異なサービスであることに 基づく例外的整理であり、NTT業務が国内通信に限られている現状に おいて、この方式(相互接続)によってNTTがあらゆる国際通信を行 えることとしてはならないこと及びOCNにおいても事業者選択機能等 の実現によって変わりうるものであることと認識している旨の指摘があ った。 ・ 申請内容の補正により料金が上がった理由について、プレス等に十分 説明して欲しい旨の要望があった。 審議の結果、OCNに係る料金及び契約約款の設定については、利用者利 益の確保及びNTTと他事業者との間の公正有効競争条件の確保のため、N TTにおいて講じられることが必要と考えられる事項として5点を指摘した 上で認可することが適当である旨、また、専用サービス及びフレームリレー サービスに係る料金及び契約約款の変更については、認可することが適当で ある旨の答申を行った。 エ 日本電信電話(株)の電話サービスに係る料金及び契約約款の変更の認 可について 日本電信電話(株)の電話サービスに係る料金及び契約約款の変更の認 可の申請(概要は以下のとおり。)及び審査の結果について、郵政省から 説明が行われた。 (ア) 内容 平日昼間の100kmを超える市外通話料の値下げ (10円あたりの秒数) +−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | 距離区分 | 改定料金 | 現行料金 | +−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |100 〜160km まで| 16.5秒(110円) | 13秒(140円) | +−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | 160km 超 | 16.5秒(110円) | 13秒(140円) | +−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ (注)( )内は3分間通話した場合の料金 (イ) その他 本件は、平成9年1月14日(火)開催予定の物価問題に関する関係 閣僚会議に付議し、同年2月3日(月)に実施の予定。 主な質疑応答は以下のとおり。 ・ 値下げ自体はいいことであるが、近距離の3分10円が安いのかを含 めてその妥当性についても検証を要するのではないかとの意見があり、 今回NTTは遠近格差の是正を集中的に行うということだが、市内料金 を含めた料金全般の引き下げに向けて、引き続き適切に対処していく旨 の説明があった。 ・ NTTは、いつまでに遠距離を3分100円にするといっていたかに ついて質問があり、2000年(平成12年)までと聞いている旨の説 明があった。 審査の結果、諮問のとおり認可することが適当である旨の答申を行った。 オ 日本国際通信(株)及び国際デジタル通信(株)の国際電話サービスに 係る料金及び契約約款の変更の認可について 日本国際通信(株)(以下「ITJ」という。)及び国際デジタル通信 (株)(以下「IDC」という。)の国際電話サービスに係る料金及び契 約約款の変更の認可の申請(概要は以下のとおり。)及び審査の結果につ いて、郵政省から説明が行われた。 (ア) ITJ 国際自動通話(IDD)の料金の値下げ ・ 値下げ規模 総額30億円(平成8年度通期) ・ 値下げ率 平均5.6% (イ) IDC IDDの料金の値下げ等 ・ 値下げ規模 総額36億円(平成8年度通期) ・ 値下げ率 平均6.4% 審議の結果、諮問のとおり認可することが適当である旨の答申を行った。 (2) 報告事項 以下について郵政省から報告があった。 ア 電気通信事業法施行規則の一部を改正する省令案について(移動体通信 料金の届出化) イ トラヒックからみた国際電話の利用状況について(平成7年度) (文責:電気通信審議会事務局。速報につき、事後修正の可能性あり。)
