再 意 見 書

平成10年3月11日

電気通信審議会
 電気通信事業部会長 殿

郵便番号  530−6691        
住  所  大阪市北区中之島6丁目2番27号
氏  名  大阪メディアポート株式会社   
       代表取締役社長  大土井 貞夫



 電気通信審議会議事規則第5条の2及び接続に関する議事手続細則第2条の規定により、 平成10年2月4日付け郵通議第122号で公告された接続約款案に関し、別紙のとおり 再意見を提出します。



(別 紙)

日本電信電話株式会社の指定電気設備に係る接続約款案に対する再意見

1.全 体

 ○ 意見・提案の具体的反映の希望
 海外事業者を含め各事業者から、競争原理や国際化を見据えた非常に含蓄のある 意見が多く出されております。これらの意見について十分な検討と約款・料金への 具体的な反映がなされることを希望します。3月4日の日米規制緩和協議において、 相互接続料金改革が物別れとなり、その後米政府より接続料金の年内大幅値下げの 要求がきているようです。前向きな姿勢を国内外へアピールする意味でも、我々の 意見に対して審議会および郵政ご当局のご英断を希望します。

 ○ 意見聴取の継続希望
 日本テレコム株式会社殿(1.総論)の「次回接続約款変更申請以降の意見提出 の際に変更箇所以外にも意見を述べさせて頂きたいと考えます。」との意見に賛同 致します。
 実運用に入ってからもいろいろと運用上不便な部分も浮き彫りになると思われま すので、次回以降も変更条文だけではなく全条文において、今回行われた各事業者 への意見聴取の機会を引き続き持って頂けることを希望します。
2.料 金
 ○ 競争阻害的な接続料金の見直し
 今回の接続約款案でのISDN網使用料の高騰に対しては、弊社も新規事業者へ の差別的な料金の見直しを要望したところではありますが、東京通信ネットワーク 株式会社(以下、TTNetという。)殿を始め、大多数の事業者からも同様の意 見が提出されており、本件については、その問題の重要性から再度弊社の考えを提 出致します。
 マルチメディア時代の幕開けを迎えている現在の時代背景において、ISDNの 普及は、我々通信事業者の重要な責務であります。そうした中で、接続料金の高額 性故に指定電気通信設備を有する事業者と対抗できる料金設定が不可能な今回のI SDN接続料金案は、どのような理由をもってしても到底認められるものではあり ません。従って、公正な競争条件が確保される接続料金への見直しを再度お願い致 します。

 ○ 将来原価による料金の算定
 本接続料金は、平成9年4月1日に遡り適用されるわけですが、平成10年度か ら法人税率引下げ(37.5%→34.5%)および退職給与引当金の税法限度引 下げが予定されており、いかに実績による算定とは言え、平成10年4月以降適用 の接続料金は、当然これらのコストを控除したものが適用されるべきと考えます。
 従いまして、認可に当たっては、これらのコストを先取りして算定されることが 妥当と考えます。さらには、将来原価の考え方を取り入れることにより、一般ユー ザーへの提供価格より合理的な幅で安価な価格に変更されるよう希望します。その 意味でも長期増分方式の採用の前倒しについて再度検討頂けることを希望します。

 ○ 非効率資産および不経済な費用の排除
 現行の原価算定方式では、日本電信電話株式会社(以下、NTTという。)殿の 非効率を排除する仕組みが担保されておりません。原価算定に当たって実績が使用 されている以上、必ず資産や費用にも不経済な部分が混入していると考えられます。 TTNet殿(6.非効率資産のチェック)、第二電電株式会社(以下、DDIと いう。)殿(主要な意見等)の意見にもありますように、非効率な資産および不経 済な費用などを十分チェックし排除頂くことを希望します。
 なお、3月5日のNTT宮津社長の会見で、「予想以上の電話加入の落ち込み」 との話もありましたが、これはNTT殿の需要想定誤りにほかならないと思われま す。ISDNについても、平成8年度実績で1,660億円もの巨額な設備投資が なされていますが、需要以上の先行・過剰投資が含まれているのではないかと思わ れます。これら見通しの誤りや過剰な設備投資にかかる費用を接続事業者に転嫁さ れることのないよう希望します。

 ○ 算定方法における差別的条件の排除
 今回追加意見として、本接続料金については、平成8年度実績に基づき算定され ているため、減価償却費については有形固定資産は定率法(建物は定額法)、無形 固定資産は定額法により算入されていると考えます。NTT殿が提供する加入電話 やISDN等さまざまなサービスについて、ユーザー料金も同様の償却方式によっ ているはずと思われますが、公正競争確保・差別的条件排除の観点から、チェック・ 開示頂きますことを希望します。

 ○ 負のタイムラグ精算は不要
 第70条(網使用料の精算)において、日本高速通信株式会社殿の意見に賛同致 します。
 負のタイムラグ精算についてはNTT殿のコスト削減に対するインセンティブが 働かなくなる事が懸念され、本来NTT殿が負担すべきものと考えます。 さらには、接続料金算定に用いたトラヒックと精算時のトラヒックのには差分が 生じます。この差分については、新サービス等でそのトラヒックが立ち上がる時期 において接続料金は高額に設定されることとなり、精算についても半額の払い戻し となる事になります。これでは新規事業者の負担が大きくなり、参入の大きな障壁 にもなると考えられます。従いまして、新サービス等については将来トラヒックを 考慮した算定方法を採用される事を希望致します。
3.接続箇所
 ○ 中間接続点の規定
 第5条(標準的な接続箇所)において、株式会社ジュピターテレコム殿の意見に 賛同致します。
 ユーザーを直接収容している事業者でユーザー料金をそれぞれが設定しサービス 提供している場合、その接続形態については相互主義の考えに基づき、接続に関す る費用については双方で負担している現状を今回の約款でも明記する事を希望しま す。具体的には、接続点については接続伝送路における中間点を標準的な接続箇所 に規定することを求めます。

 ○ 標準的な接続箇所の追加
 第5条(標準的な接続箇所)において「端末回線を収容する伝送装置を介さない 端末回線接続(MDF接続)」の標準的な接続箇所としての早期実現について、T TNet殿の意見に賛同致します。
 歴史的経緯の中で、本来国民の共有財産として構築された端末回線については、 広く事業者に公平・平等に利用できる権利が存在するものと考えられ、早期に利用 条件を整備する事を希望します。

4.経過措置
 ○ IGS交換機能のアクセスチャージ化
 附則第4条(網使用料に関する経過措置)における、IGS交換機能のアクセス チャージ化について、DDI殿(主要な意見等)の意見に賛同致します。
 本来、基本機能として扱われるべきものは経過措置ではなく、網使用料として本 約款においても整理規定されるべきと考えます。仮に、期限を限定した経過処置を 設定するのであれば、その期間の必要性について明確にして頂きたいと考えます。

5.届出約款
 ○ 届出約款の公表
 届出約款の扱いについて株式会社アステル東京殿(4.その他 届出約款)、D DI殿(主要な意見等)等の意見に賛同致します。
 届出約款と認可約款で全体の通信設備の提供条件が明らかになることを踏まえま すと、本来認可約款に含まれるべき内容がNTT殿の恣意により届出約款に含まれ た場合、接続事業者にとって不利益が発生する可能性があります。よって、指定電 気通信設備を保有する事業者が定める接続約款については届出約款についても認可 約款と同様に事前の意見聴取の機会を設けて頂きたいと思います。

以 上