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競争政策小委員会 第6回会合 議事録








               開  会

○舟田主査 それでは、ただいまから第6回の競争政策小委員会を開催いたします。

               議  題

       (1)第2回特別部会における決定事項等についての報告

○舟田主査 去る10月30日に開かれました第2回の特別部会において、3小委員会の
審議状況について報告があり意見交換を行いました。
 この小委員会の審議状況については、実は私、主査でありながら風邪で欠席しましたし、
林先生も欠席でしたので、事務局から資料1に基づき報告をしていただきました。後ほど
その報告に対する特別部会の委員等から出された意見について事務局の方から報告してい
ただきます。
 また、この特別部会で今後の審議の進め方が決定されましたのでご報告いたします。
 まず1ですが、特別部会での議論を踏まえ、NTTの在り方に関する事項は広範多岐に
わたり、さまざまな難しい問題を抱えておりますが、IT革命を推進していく上で緊急に
必要な競争政策上の措置について小委員会での議論の方向性や結論をできるだけ明確に示
すという要請が来ております。
 2番目として、その各小委員会において今後審議を尽くした上で各小委員会の取りまと
め案を作成し、次回の11月16日の特別部会において報告すると。
 3つ目として、各小委員会からの報告を受けて、その特別部会において一時答申案を取
りまとめると。
 4として、この一時答申案については、これだけ社会的関心が高く、我が国の通信政策
の根幹にかかわる重要なテーマでありますことから、国民等に対して案を公表し幅広くご
意見を伺うと。
 5番目として、各小委員会においては、特別部会の一時答申案取りまとめ等の最終スケ
ジュール−−これは12月14日に設定されておりますが−−に向けて、今後さらに精力
的に審議を進めていくことということが特別部会で決定されました。
 私、欠席して申しわけなかったんですけれども、これについて事務局の方から補足をお
願いいたします。
○南事業政策課調査官 それでは事務局の方から、去る10月30日に開かれました特別
部会で出ました競争政策小委員会に関連するご意見につきましてご説明をさせていただき
たいと思いますが、その前に、実は特別部会で朝日新聞の10月28日の記事が取り上げ
られまして、審議会で議論がまさに行われようとする前に、大幅改正が見送りだという記
事につきまして、私どもの電気通信局長の方から、現在審議会において主要論点をご議論
いただいている最中であり、議論の方向性を固めたとか、あるいは結論を先送りしたとい
う事実は一切ないということで、朝日新聞に対しましても、私どもとして厳重に抗議をし
たということをご紹介をさせていただくとともに、藤井部会長の方からも、天野局長のコ
メントを受けまして、報道されているような事実はないわけであって、特別部会長として
も大変遺憾であるということをご説明されて、その旨をまた特別部会長の会議終了後の記
者会見でも述べさせていただいたというところでございます。
 それで、前回の特別部会で競争政策にかかわります件での各委員からの主なご発言をご
紹介させていただきたいと思います。
 口頭でちょっと簡単にご紹介させていただきたいと思いますが、まず競争政策の基本理
念に関しまして、どういった政策で競争を促進していくのか明確にしてほしいというご意
見。あるいは、競争政策小委員会の目標というのは、単なる規制緩和をして、どの事業者
も自由にしてやればいいということではないと。強い者も弱い者もいるということを考慮
した上で、新しい規制をどうするべきかということを考えるべきだというようなご意見が
出されました。
 あるいは、ある一つの望ましい政策を考えたとしても、やっぱり実行のタイミングと言
われるものが非常に重要であると。その政策を2年後に導入するのと4年後に導入するの
とでは全く違うということで、現状の市場のスピードを考慮して、早くできるものを後に
先送りするということが本当にいいのかどうかは疑問であるというようなご意見がありま
した。
 あるいは、電気通信事業法と独禁法との関係について、機能的な違いというだけではな
くて、どういう主体がどういう実行をするのかという組織論的な切り分けの仕方について
も専門家の間でぜひ議論を尽くしてもらいたいというご意見がございました。
 あるいは、紛争処理制度に関しまして、その透明性を向上することは競争促進のために
大いに役立つのではないかということで、議論の方向性を出す以上、できるだけ具体的な
形をつくっていただきたいというご要望がございました。
 あるいは、NTTグループの経営形態に関しましては、NTTグループ内の競争は健全
に行われることが消費者利益につながるというだけでなく、NTTを本当によい会社にす
るんだというご意見がございました。
 その他、競争政策としまして今述べましたような、NTTグループ内で各社総当たりの
相互競争と言われるものが進められること。そして2つ目としまして、東西地域会社の業
務範囲を見直すためのインセンティブ規制を導入すること。3つ目としまして、ユニバー
サルサービス確保のための新たな仕組みを導入することという、この3つの課題は非常に
密接に関連して重要な施策であるので、これらを一体として同時に解決されるべきである
という意見があるということを競争政策小委員会の方にお伝えいただきたいというコメン
トがございました。
 以上でございます。
○舟田主査 ありがとうございました。よろしゅうございましょうか。
 それでは、先ほど申し上げました特別部会の決定事項に従い審議を進めてまいりたいと
思います。
 また、今後審議をさらに深めるべく、この前と同様に3小委員会合同で、かつ報道機関
の傍聴を認めた上で、利害関係者からのヒアリングを12月4日午後を目途に開催するこ
とを考えております。詳細はまた事務局からご連絡をお願いします。
 今回と次回−−次回は11月10日でございますが、この2回の会合で当小委員会の取
りまとめ案を作成するべく議論を進めたいと思いますが、これまでの当小委員会のヒアリ
ング結果や論点に関する議論及び特別部会での議論の結果を踏まえ、事務局において当小
委員会の取りまとめ案の原案を作成していただいておりますので、これについてご説明を
お願いいたします。

 (2)インターネット時代における新たな競争政策に関する議論の方向性について

○南事業政策課調査官 それでは事務局の方から、資料2委員限りと書いてある資料に基
づきまして「インターネット時代における新たな競争政策に関する議論の方向性」という
ことで、第1次答申の素案になりますたたき台を、これまでのヒアリングの結果、あるい
は小委員会での議論、あるいは特別部会の議論を踏まえまして、事務局の方で作成させて
いただきました。
 ページをめくっていただきまして、大きく目次で分けますと、ネットワークの将来ビジ
ョンという項目、それから競争政策の基本的枠組みにかかわる項目、それから大きな3つ
目としまして、次のページでございますが、NTTの経営形態に関する項目という大きく
3つの柱に分かれているものでございます。
 それで、大変分厚い資料なものですから、まず前半の1と2につきまして読み上げをさ
せていただきたいというふうに思っております。
 ページをさらにめくっていただきまして、1ページ目、1のネットワークの将来ビジョ
ンと書いてあるところでございます。
 これは電話網からIP網への構造的変化ということで、ネットワークの階層構造が次第
にルータを中心とするフラットなIPベースの高速・高信頼ネットワークへと変化するの
ではないかと。そして、多くの通信トラフィックがIPベースのネットワークで統一的に
取り扱われるようになり、サービスの融合化が一層進展する。
 それから(2)としまして、国内市場からグローバル市場へということで、メガキャリ
ア間の合従連衡によるグローバルなワンストップサービスの提供や事業運営のグローバル
化が進展すると。
 3つ目の項目で、電気通信事業に期待される将来像ということでございますが、これは
インターネット電話等の本格普及等に伴いまして、今後電話を中心とした現在の電気通信
事業者を支える収益構造が大きく変化することが予想されるというふうにさせていただい
ております。
 それから(4)国民にわかりやすい目標の提示と。これは書いてございますが、『国と
しても、例えば「2005年までに今より千倍程度の世界最高水準の高速インターネット
常時接続サービスを世界をリードする低廉な料金で利用できるようにする」』といったわ
かりやすい目標の提示が必要なのではないかというふうに書かれております。
 ページをおめくりいただきまして2ページ目でございます。競争政策の基本的枠組みで
ございます。基本的視点〜インターネット時代の競争政策〜と。
 ・でございます。ITインフラの整備促進ということで、ここは主として下線の部分を
読まさせていただきたいと思います。
 インターネットを中心とした低廉で世界最高水準の高度情報通信ネットワークを形成す
るため、事業者間の公正な競争を促進することにより、利用者利益を最大化することを基
本とすべきであると。
 次の下線でございますが、我が国においても、IT革命を成功させ、米国にキャッチア
ップするためには、我が国の電気通信事業が様々なIT関連産業の共通基盤となるインフ
ラ、いわばITインフラをできるだけ低廉な価格で提供し、誰でも自由に透明性の高い条
件で利用できるようにすることが不可欠であると。
 次に参りますが、ブロードバンドのアクセス網については、通信事業者が光ファイバ、
DSL、FWA、CATV、衛星など様々な技術を用い、市場原理に基づく民間主導原則
のもとで早急に整備できるようにすることが課題であると。
 そして、接続ルールの整備により、東西NTTの地域通信網の一層の開放及び光ファイ
バのアンバンドル化を促進することが必要であると。
 そして、公益事業者の電柱・管路等積極的に開放するよう促していくことが必要である
と。
 さらには、自治体等の自営電気通信設備である光ファイバ等を通信事業者が公平に利用
できる制度(いわゆるキャリアズ・キャリア制度)を設けるということが必要であると。
 そして、企業や個人、政府等が、様々なサービスや情報発信をITインフラ上で自由に
展開できるように、ITインフラの中核となる光ファイバなどのネットワークを整備する
際の競争環境を措置することが急務であると。
 ページをめくっていただきまして、3ページでございます。・の公正競争ルールの確立
ということでございます。ここもちょっと主として下線の部分を読まさせていただきます。
 地域通信分野では、依然として東西NTTによる事実上の独占状態が解消されておりま
せんと。そしてまた、NTTグループは、電気通信市場の売上高、通信トラヒックにおい
て圧倒的なシェアを有しているという事実がございます。
 こうした独占から競争への過渡的な状況にある電気通信市場の実態を前提とすれば、事
業者間のより徹底した競争を促進するため、支配的事業者による市場支配力の濫用を防止、
除去することを公正競争ルールの主眼とすべきである。
 なお、NTTグループの在り方については、次章で論じますが、各事業会社が、明確な
公正競争ルールの下で、インターネット時代に対応したダイナミックな事業展開を自らの
経営判断のもとで遂行できるようにすることを基本として検討すべきである。
 ・公正競争ルールの運用でございます。
 相互接続問題を中心に事業者間の紛争が今後増大することが予想されることから、迅速
かつ公正、中立的な方法で紛争が解決できる体制を整備する必要があると。
 また、行政は、変化に柔軟に対応できるようにするとともに、公正競争ルール等の諸制
度を定期的に見直すことが必要であると。
 4ページ目にお移りいただきたいと思います。
 (2)ITインフラ整備に向けた新たな競争促進方策。
 ・線路敷設の円滑化。
 地域通信分野の実質競争を促進して、高速インターネットの普及に必要不可欠な光ファ
イバの整備を促進するため、電気通信事業者の線路敷設に関するルールを整備し、その円
滑化を図る必要がある。
 具体的には、NTTや電力会社等が保有する電柱・管路等の提供に関する貸与申込、拒
否等の手続を定めたガイドライン−−これは事業法における土地等の利用の認可、裁定の
運用基準となるものでございますが−−を早急に策定することが必要である。
 さらに、公有地上の電柱、管路等に電気通信事業法が適用されることを明確にするとと
もに、道路法における占用許可との調整が可能となるよう措置することが適当であると。
 ・キャリアズ・キャリアの制度化。
 自治体等の保有する光ファイバ等の自営電気通信設備の有効かつ公平な利用の促進を図
るため、キャリアズ・キャリア(卸電気通信事業者制度)を新たに導入する必要がある。
 キャリアズ・キャリア制度のもとで、自営電気通信設備の設置者が全ての電気通信事業
者に対して、芯線貸しや帯域貸し等、多様な形態による設備の提供が可能となり、電気通
信事業におけるネットワーク選択の多様化の促進が期待される。
 当該事業に対する規律は、専ら電気通信事業者に対して電気通信役務を提供するという
第一種事業の特殊な形態であることから、従来の一般ユーザー保護を目的とした規制とは
異なる規律を適用することが適当ではないかと。
 ・光のアンバンドル化の促進。
 光ファイバのアンバンドル化は、高速インターネット・アクセスにとっても、地域通信
分野の競争促進にとっても重要な課題であり、光のアンバンドルを円滑に利用できる方向
で接続ルールの見直しの中で検討すべきであると。
 ページをめくっていただきまして5ページ目でございます。
 ・接続ルールの強化。
 東西NTTと東西NTTに接続料を支払う接続事業者間の公正競争条件を確保する観点
から、東西NTTの設定するユーザー向け料金と接続事業者向けに設定される接続料との
関係のルールなど、現行の接続ルールについて競争政策上見直すべき事項についても幅広
く検討すべきであると。
 ・キャリアズ・レート(事業者向けの割引料金)の創設。
 地域通信市場の活性化を図り、光時代に対応して再販ベースの新たな競争主体を創出す
る観点から、指定電気通信設備を保有している東西NTTに対し、地域通信網における事
業者向けの割引料金(キャリアズ・レート)の導入を急ぐ必要がある。
 6ページ目にお移りいただきまして、(3)支配的事業者規制の導入でございます。
 ・としまして、支配的事業者規制導入の必要性。
 技術革新のテンポが速いインターネット時代においては、事業者が自らの創意工夫を生
かし多彩なサービスを市場原理に基づきスピーディーに提供することが求められるが、独
占市場から競争市場へ移行する過渡的期間にあっては、市場原理が必ずしも十分に働かな
い分野が発生する。このため、市場原理をより有効に機能させるための手法として、市場
シェアの高い事業者による支配力の濫用を防止、除去するために一定の規制措置を講ずる
ことが必要不可欠となる。
 また、支配的事業者以外の一般の事業者については、利用者保護の観点等に配意しつつ、
自由な事業展開ができるよう規制をできる限り緩和することによって競争を活性化させる
という非対称規制の考え方に立つことが適当であると。
 このような事業者の市場支配力に着目した非対称規制は、欧米で既に広く採用され、W
TOにおいても合意(「主要な提供者」の概念)の得られている規制手法であり、内外の
事業者等からこの規制手法を早期に導入すべきとの意見が多数出されている。
 そこで、我が国電気通信分野においても、「支配的事業者」の概念を導入することとし、
既存の規制との整合性に留意しつつ、現在のボトルネック設備のみに着目した非対称規制
を拡充する方向で制度整備を行うことが適当である。
 ・支配的事業者の定義でございます。
 支配的事業者は、全国的な電気通信サービスの提供状況を勘案して、一定の市場におい
て利用者数、トラヒック、売上高等の一定割合以上の高いシェアを有し、当該市場におけ
る価格、供給の条件決定に著しい影響を及ぼす能力を有する第一種電気通信事業者の中か
ら認定することが適当である。
 支配的事業者を認定するに当たり、市場シェア及びその推移のみならず、ボトルネック
設備支配の有無、市場参入の容易性、需要の弾力性・代替性、企業規模等を総合的に判断
すべきであり、今後欧米の例を参考としながら、具体的基準を設けることが必要である。
 その際、市場シェアについては、例えば、欧州指令に基づきイギリスにおいては、関連
市場において売上収入ベース又は利用者数ベースで25%以上超える場合に「顕著な市場
支配力」があると推定されているように、できる限り客観的な基準を検討していく必要が
あると。
 7ページ目でございます。
 認定の対象となる市場の範囲としては、新規参入の容易性といった市場特性(周波数資
源の有限性による事業者数の制約等)や実際の競争の進展状況等を勘案し、例えば、・固
定電話(地域/長距離・国際)、・専用線、・移動通信を市場として画定するなど、今後
欧米の事例などを参考としつつ、さらに詳細を検討していくことが必要であると。
 なお、一企業として又はグループとして、複数市場にまたがりサービスを提供する場合
にあっては、原則としてそれぞれの市場ごとに支配的事業者となるか否かを判断すること
が適当である。
 ただし、支配的事業者と特殊な関係にある子会社等については、公正競争を確保する上
で必要であれば、支配的事業者に準じた特別な規制を課すことを検討する必要があると。
 ・支配的事業者に対する規制内容でございます。
 支配的地位を濫用して、他の事業者との間で不当な競争を引き起こす行為、例えば、略
奪的な料金設定その他の反競争的な内部相互補助、差別的な取扱いや他の事業者から知り
得た情報の目的外利用など一連の反競争的行為を防止するために所要の措置を講ずること
が必要である。
 支配的事業者として新たに認定される事業者に対する料金・約款・接続に係る規制は、
基本的に現行規制を維持すべきである。
 支配的事業者に適用される規制のうち、ボトルネック設備の特殊性に着目したいろいろ
な規制がございます。接続会計の分離、長期増分費用方式に基づく接続料金算定義務、特
定電気通信役務に係るプライスキャップ規制などは現行どおりボトルネック設備を有する
事業者にのみ適用することが適当であると。
 また、ボトルネック設備を有する支配的事業者と特殊な関係にある子会社等の間におい
ては、人、資金、情報面におけるファイアウォールを設けることを検討する必要がある。
 ただし、ボトルネック設備を有しない支配的事業者の接続ルールについては、非支配的
事業者との間の接続協議における支配的地位の濫用の防止及び透明性の向上を図る観点か
ら検討し、速やかに結論を得る必要がある。
 ・としまして、非支配的事業者に対する規制の緩和でございます。これはより自由な事
業展開を可能とし、競争を促すという観点から、契約約款、あるいは非支配的事業者相互
の接続協定の認可制を一定の条件のもとに緩和し、届出制に改めることが適当であると。
 8ページ目でございますが、電気通信事業法の目的規定の改正と。
 今回支配的事業者規制等の導入に伴いまして、電気通信事業法の目的の一つに事業者間
の公正競争の促進を加えてはどうかというご提言でございます。
 9ページ目に入らせていただきます。(4)としまして、公正競争ルールの運用。
 意見申出制度の運用の強化。ここはちょっと下線部分だけをご紹介させていただきたい
と思います。
 現在、意見申出制度の活用事例が大変乏しいわけですが、今後意見申出に係る申請・処
理の窓口や様式、期間を具体的に明示するとともに、処理されるべき行為の類型や処理事
例等についてマニュアルを整備、公表する必要があると。
 また、意見申出の処理結果や実績を定期的に取りまとめた上で公表する必要があると。
 ・としまして、紛争処理機能の拡充でございます。先ほど来からご説明しておりました
とおり、いろいろな新しいルールが出ることに伴いまして、事業者間の紛争をより迅速か
つ簡易な手続により解決するニーズが増大するのではないかというふうに考えられます。
 このため、現行いろいろ裁定という制度があるわけですが、より簡易な当事者間の合意
形成を促進するための「あっせん」「調停」制度を新たに整備する必要があると。
 また、これら事業者間の紛争処理を公正・中立的な手続で迅速に行うため、通常の許認
可等とは独立した紛争処理機能を専門に担う組織、「事業者間紛争処理委員会(仮称)の
ような機関の整備を検討すべきではないかと。
 さらに支配的事業者に対する一層の情報開示を求め、行政による競争状況のモニターを
定期的に行うとともに、NTT再編成の実施状況に関しても定期的レビューを実施する必
要があると。
 10ページ目でございますが、・としまして、行政の在り方。現在いろいろなところか
ら独立規制機関を設けるべきとの指摘がございますが、しかし、「政策立案」と「規制実
施」は情報通信の発展のためには表裏一体のものであり、IT化を積極的に進めるために
は、両者のより一層の連携を進める必要があるのではないかと。
 仮に、「政策立案」と「規制実施」を分離した場合、調整に時間と労力を要するのみな
らず、行政目的の達成が困難となるおそれがあるのではないかと。
 下の方の「また」以下でございますが、郵政省と公正取引委員会が電気通信分野におけ
る反競争的行為の防止に向けて具体的にどのような連携が可能であるのかを検討し、事業
法と独禁法の適用関係をより明確にすることが必要ではないのかと。
 なお、競争の本格的な進展や通信と放送の融合化等に対応して、電気通信事業の規制の
体系は不断に見直していく必要があると。
 ひとまずNTTの経営形態まで半分ぐらいまでのところでございます。ちょっと一旦こ
こでストップをさせていただきたいと思います。
○舟田主査 それでは、一たんそこで切って議論をしていただいて、そしてまたその次と
いうことにしたいと思います。
 それでは、今までのところでご意見ご質問があれば、どうぞご自由にお願いいたします。
 3ページまでは総論と、それから4ページ以下に書かれていることをまとめて書いてあ
ると思いますので、3ページまでについて何かございますか。
○山本専門委員 では一つ。ちょっと、私自身はよくわからないんですが、最近何かIT
戦略というふうに言っておりまして、非常に産業政策的な色彩が濃いそのような政策とい
うのが、まあ世界的な傾向なんでしょうけれども出てきていて、日本でも、例えばここで
書いてある「例えば、2005年までに千倍程度の世界最高水準の高速インターネット常
時接続サービスを世界をリードする低廉な料金で利用できるようにする」とかですね。そ
れから具体的には「ITインフラの整備」といったようなことが述べてあるわけですが、
これは果たして競争政策というものなのかどうか少しやはり考えた方がいいんではないの
かと。そちらはそちらの方でやっていただいて、競争政策という観点に立つと、むしろこ
ういうことを、インフラ整備しやすくする、ないしは民間にこういう高度なインフラをつ
くってもらうインセンティブを与えると。そこまでが競争政策の範囲で、あとは政府の目
標、産業政策−−僕は公共政策か産業政策かどっちが表現がいいかわかりませんが、そう
いうものとはやっぱりきちっと峻別して考えた方が議論がこんがらがらないで済むんじゃ
ないかと思うんですよね。
 例えば、ここでも民間主導と言っていますが、具体的にはITインフラといった場合、
もうこれは民間の事業者が需要があり、そこに採算の見込みがあるからつくるわけでして、
政府が上から、それをつくった、さあやれというものじゃないわけですよね。そうすると
競争政策では、それでは何が課題になるかというと、なるべくそういうインフラをつくる
ときに障害がないように、きちっとルールをつくるというのが競争政策の課題でして、I
T戦略の目標というのを頭に持ってきて、それを競争政策とつなげるというのはちょっと
無理があるんじゃないかという感じを受けたんで、その点をちょっとお聞きしたいんです
が。
○舟田主査 この1ページから2ページに移るときの話ですね。1ページが「将来ビジョ
ン」とあって、2ページに「競争政策」とあると。
○山本専門委員 それで、前、NTTの宮津さんが言っていたんですが、光ファイバをつ
くったんだけれども、実は使い手がいなくてねと。あんなもの全国ネットでつくってみた
って需要がどれだけあるのかと。わしらは商売の観点からすると本当は困っているんだと。
どんどん使ってほしいという発言がありましたよね。多分、実態から言って、その光ファ
イバのような大きな容量のものを全国レベルで考えてですよ。まあ東京はともかく、本当
にどれだけ使われるのかという問題がありますので、こんなものを2005年につくると
いう目標を立てて競争政策を考えるのはおかしいんで、それはそれでまた政府の方のIT
戦略の方でやっていただければいいんじゃないかと。競争政策というのは、そういう事態
になったときに、それをすごくスムーズに円滑にできるようにルールをつくってあげると
いうのがやっぱり競争政策なんじゃないかなというふうに私は思うんですけれども。
○舟田主査 私もちょっと意見がありますけれども、ではまず、事務局の方からこれを書
いた意味をちょっとご説明いただきましょうか。
○貝沼事業政策課長 ご指摘のとおりだと思います。それで、競争政策というのは一つの
手段であって、国民から見ると、競争政策の結果何が実現できるのかというようなことを
国民にわかりやすく示すことが競争政策の意義をより理解していただけるんじゃないかと
いうような趣旨でちょっと(4)とか何か書いたんですけれども、ご指摘のとおり、競争
政策の本筋というのは、競争環境をいかに整備していくのかということだと思いますので、
特に(4)について私どもそんなにこだわっている話じゃございませんので、最終的な段
階の中では整理させていただければと思っております。
○村上専門委員 私はちょっと違う感じを持っておるんですけれども、この競争政策がど
んどん変わってきているわけですけれども、今回こういうタイミングでこういう問題につ
いて議論をするというのは、問題の緊急性とか、どの辺の問題が優先度が高いのかという
ような認識があってこういう問題が提起されているということだと思うんですね。例えば、
光ファイバ10%しか使われていませんよという指摘も片方であるわけですけれども、片
方では常時接続、もっと安いものを常時接続できない環境の中で、例えば電子商取引の事
業者が競争をして体質がどんどん出てきてしまっているというような環境も片方であるわ
けで、こういう環境認識を−−まあ最低限のものでよろしいかと思うんですけれども−−
しておいて競争政策のあり方を考えるというのは、これも必要なことではないかという感
じがいたします。
○佐藤専門委員 私はどちらかというと、多分山本先生が言われたようなことを同じよう
に考えます。これはよくわかりませんけれども、今までのいろいろな事業者の意見の中に
もプロモーションとレギュレーションとかそういう議論もあって、余り何年後に何を実現
するというと、もしかしたら独占の方が逆にこういうことができるじゃないかと。国際、
ユニバーサルサービスは独占でやれるじゃないかとか、インフラ投資がやれるじゃないか
と、そういう議論をさんざんしてきたわけですね。それが今もし、僕の感じからすると、
そのやり方は変えますよと。競争を前提にこれからそういうものをつくっていくんだと。
変わるのをここで示すのであれば、少なくとも競争をもっと中心になるような書きぶりに
するとか、あるいは目標があってもいいですよ。でも、やっぱり競争を中心にして、足り
ないところはほかで補う。そういうことが見えるようなやっぱり書き方をしていただいた
方が、その政策が変わったと。競争政策ですね。そういうふうに周りに理解されやすいと
思いますけれどもね。
○舟田主査 まあ、若干頭書きみたいなところもありますし、私も何かこう、これは基本
的には国民に対して示すものですから、こういうことが期待される。あるいはこういう環
境認識だと。いろいろな言葉を皆さんお使いになりましたけれども、そういう意味では、
1ページは頭書きとして読んでいただいて、2ページへの移り方ですけれども、今、佐藤
先生がおっしゃったように、やはり競争によってよりよいネットワークということを……。
一応、2ページ冒頭そういうふうに書いてあると思いますけれども、もし文章をもう少し
工夫があるのならちょっと佐藤先生とご相談してお願いいたします。
 ほかはいかがでしょうか。
○佐藤専門委員 ここ何回か休んでいたんで、キャッチアップで余りしゃべらないできょ
うは聞いておこうかなと思ったんですけれども。
○舟田主査 いやいや、そんなことないですよ。どうぞ、遠慮しないで。
○佐藤専門委員 目標というのは、ある種あった方がいいし、あることによってマイナス
もあると思うんですよ。だから5年で、要するに追いつくとか追い越すとか、そういうも
のがあってもいいし、あった方がいいかどうか私もちょっと迷っているんですよね。
 それと政策に関しては、ちょっときつく後に入ってくるかもしれませんけれども、何々
をすべきというのは結構たくさんあるんですよ。それで政策のわかりやすい目標を提示す
るということも書いてあるんですけれども、ちょっと厳しく言うと、今まで例えば検討す
ると言って検討だけで2年かかってしまったり、たくさんあって、検討するとか早急にや
るべきと言って、本当にやるんでしょうかと世の中思ってしまうところもあるんで、何か
逆にやることの目標はつくれないんですかと。これから半年以内に、後で何々をやるべき
といっぱい出ていますけれども、例えば何々のルールはこの半年でもうつくってしまうん
だとか、自分たちの仕事の、外に対してこれだけちゃんと時間を区切ってやっていきます
よと。ことしの法律改正ではここまでやりますよと。来年は何月までに例えばこの議論を
終えますよと。そういう議論する立場の僕らの目標なりスケジュールを示すことは難しい
ですか。
○貝沼事業政策課長 私どももそういうことを審議会のご議論の中でお示しいただきたい
というふうに思っておりまして、まずサブスタンスとしてどういうものが必要なのかとい
うことをご議論いただいた上で、最終的にですね。例えば12月の段階ではこれが緊急だ
という……。
○佐藤専門委員 やるものが決まらないうちはいつまでに何をやるかも決まらないと。
○貝沼事業政策課長 そうですね。
○佐藤専門委員 やることが決まれば、いつまでにそれを実現できるか公表もきっとでき
ると。
○貝沼事業政策課長 ということで考えております。
○佐藤専門委員 わかりました。
○山本専門委員 ちょっと補足的に言わせてもらいますと、何か文章で気になったのは、
通常WTOでもOECDでもそうなんですが、規制改革の国民にとっての利益というのは
やはり大命題になっているわけですよね。大体言われるのは料金の低廉化ということと、
それからサービスの多様化、それからイノベーションの促進と。こういったものってかな
り国民に実感できるものでして、例えば、スカイラインが航空3社に入ることによって航
空運賃が劇的に下がるというようなことは国民も知っているわけですよね。ですから、や
はり競争政策の目標といったときには、そういうところで国民に訴えた方が僕はわかりや
すいんじゃないかなと。ちょっと気になるのは、「高度情報通信ネットワークを形成する
ため」というふうになると、これはちょっと待てよと。これは本当に産業政策というか、
IT戦略の方の問題じゃないかというふうに考えちゃうわけですよね。だから、その結果
として、高度情報通信ネットワークが形成されるのは、もちろん大いに結構なことなんで
すが、最初からそれを意図してというような感じでやると、さっき言ったような競争政策
的な意図と産業政策的な意図が合体しちゃって、何だかよくわけのわからないものになっ
てしまうと。
○舟田主査 今のちょっと文章の問題として冒頭に、国民にそういうITインフラをやる
とこういういいことがあるという、これは1ページの一番下に書いてありますけれども、
「低廉な料金で」と。むしろそれを出した方がわかりやすかいもしれませんね。冒頭が「
電話網からIP網へ」というのは。私どもにはわかりますけれども。
○貝沼事業政策課長 わかりました。
○舟田主査 それでは、内容的には4ページ以下で、よろしければ、これは大事なところ
ですから中心に。それから、最後に(「接続ルールの見直し」)と書いてあって、こうい
うのは役所用語で私どもはわからないんですが、先ほど説明を聞きましたからわかりまし
たけれども、これは審議会の別の部会での仕事ですよという印なんですね。もちろん、こ
こでも競争促進方策の一つとして挙げておくけれども、まあ分担とすれば主に別の部会で
接続ルールをきちんと見直してほしいということなので、よろしければこれ以外について、
皆さんのご意見をきょうはお伺いしたいと思います。
 私から一つ。電気通信事業法で土地の利用等の認可なり裁定とか書いてありますけれど
も、電力会社等はどういうふうになるんでしょうか。
○貝沼事業政策課長 どういうふうにとおっしゃいますと……。
○舟田主査 電力会社の電柱を電気通信事業者が使いたいと思う場合も、全くこれは電気
通信事業法にのっかってやればいいことということになりますか。
○貝沼事業政策課長 はい、現在もそのようになっていると理解しておりますが。
○佐藤専門委員 民地じゃないとどうこうという話がありましたよね。その話ですよね。
○舟田主査 73条の話ですよね。
○貝沼事業政策課長 今の電力会社の電柱を現実に通信事業者が使っているわけですが、
それによって何か電気事業法上特別の手続が必要だとかそういうことにはなっていない。
もちろん電柱の技術基準みたいなところで、一定以下でないとだめだとかそういうことは
あるかもしれませんが、基本的にここは、公益事業者の設備を電気通信事業者が使うとき
のルールというのは、土地等の利用に関するルールということで、現在電気通信事業法上
に組み込まれているというふうに理解しておりまして、ただ、今ちょっと佐藤先生からコ
メントございましたように、3番目の公有地の電柱について適用がされないという運用を
していることは直していく必要があるというふうに思っております。
○舟田主査 ですから、夏にまとめた地域アクセス研の研究会の提言をここで実行に移す
ということで、それ以外に問題ありませんか。例えば、何か下水道法上の問題とか。
○貝沼事業政策課長 鉱物管理権者との、まあここは道路法における占用許可との調整と
いうことだけ書いてありますけれども、もう少しその河川だとか下水とか広く考えますと、
一般の鉱物管理権者との調整をどうするかというのはちょっとあるかなとは思っておりま
す。
○佐藤専門委員 ここは地域アクセス研の議論と非常に重なるところがあると思うんです
けれども、一つは線路敷設権をもうちょっとルールを整備して、いろいろな管路・とう道
を使えるようにしましょうという話ですよね。2番目は、光ファイバや何かのキャリアが
持っている、要するにゼロ種というか卸事業者を整備しましょうと。そうすると、電力や
何かが持っている光はこういうところで競争で使えるルールはできますと。3番目はあれ
ですか。
○貝沼事業政策課長 3番目は主としてNTT東西の……。
○佐藤専門委員 NTTですね。これは接続ルールの中でのる話で、そこが・と・の違い
ですね。
○貝沼事業政策課長 そうですね。
○佐藤専門委員 一応聞きますけれども、公衆網の卸料金の話はどこかにあるんですか。
○貝沼事業政策課長 次のページです。
○佐藤専門委員 キャリアズ・レートが卸料金ですか。そうすると、地域アクセス研で議
論してきたことが大体ここに入っていると。
○貝沼事業政策課長 必ずしも地域アクセス研でそれほど議論はなかったかなと思うんで
すが、基本的にはNTT網の開放というんでしょうか。オープン化については、別途の接
続の問題なのでというふうに切り分けた上でアクセス研ではご議論いただいたと思ってお
ります。
○舟田主査 この機会にひとつ発言だけ。今回後で7ページ以下出てきますように、支配
的事業者規制を導入するということで、現在、第一種事業者と第二種事業者があると。今
回の提案は、それにキャリアズ・キャリアという類型をつくり、それとは別に支配的事業
者と非支配的事業者という類型をつくると。非常に複雑な体系になっちゃったんですよね。
それはそれなりの理由があると思いますが、それでいいのかという議論は、規制の簡素化
といいますか、シンプルな規制の方がいいというのは一般論としてはあるので、この線路
敷設権の円滑化に関連して言いますと、一種と二種の区別は要るのかなと。どれだけ、ま
あ大分重要性が減っている。まあ、きょうご提案のこともあって減っていて、もしあると
したら、線路敷設権なり公益事業特権として一種事業者をきちんと責任持ってやらなきゃ
いけないということだけなのかどうかですね。そういう疑問を私ちょっと持ちましたので、
それについて、まあ今でなくてもいいですけれども、やはり一種、二種は残しておく。あ
るいはこれからゆっくり考えたいと。12月までは間に合わないとしても検討課題とする
かと。その辺をちょっと検討していただきたいなという、ちょっとこれ自体ではない。線
路敷設権それ自体ではないですけれども、もし一種と二種の区別撤廃論に対する反論が、
線路敷設権があるではないかということであれば、ちょっと考えるべきことかなと。
○貝沼事業政策課長 事務局としましては、現在の一種、二種区分というのは適当じゃな
いのかというふうには思っておるんですけれども、総論的に舟田先生がおっしゃったよう
な規制の枠組みが複雑にならないようにというようなことは、きちんと対応していかなく
ちゃならないのかなというふうに思っておりまして、ちょっと飛びますけれども、9ペー
ジ目で、今後の行政のあり方というところの一番下ですけれども、これから競争が本格的
に進展していって、支配的事業者規制というのが要らなくなれば、支配的、非支配的とい
うような区分も要らなくなってくるのかなとか、あるいはハード、ソフト、通信、放送の
問題もいろいろございますけれども、ハードの部分とソフトの部分、あるいはコンテンツ
の部分というのを切り分けた規制ということも考え得ると思うんですけれども。
○舟田主査 いろいろな工夫が出てきますね。
○貝沼事業政策課長 そういう変化に対応して、できるだけ規制体系は不断に見直してい
きたいというふうに思っております。今の先生の課題につきましては、ちょっと事務方で
も整理させていただきたいと思っております。
 なお、4ページに戻っていただきまして、ちょっとすみません、事務局からだけで。キ
ャリアズ・キャリアにつきましては、私ども今の一種事業者の特殊な形態というような位
置づけで、何かまた巷間ゼロ種とか何か言われておりますけれども、何か新しい0、1、
2というふうに並ぶんだということじゃなくて、自分の設備を設置している一種事業者の
中で、今はすべての需要にこたえなくちゃならないという規制を緩和することによって、
いわゆるキャリアズ・キャリアができるようにというような規制の枠組みを考えておりま
す。
○舟田主査 第一種事業の特殊な形態だということですね。
○山本専門委員 今、自治体等の保有するこういう光ファイバはどのぐらいあるんですか。
○貝沼事業政策課長 その量的な把握はちょっとまだ十分やっておりません。
○山本専門委員 それで、これは事業をやっているところもあるんですか。
○貝沼事業政策課長 今のところは事業でやっているというのは承知しておりません。
○有冨電気通信事業部長 今持っているのは、例で言いますと、浜松市、岡崎市、岡山市、
それから山口県、これは全部自営の行政ネットワークとして持っています。
○山本専門委員 それというのはもともと通信事業をやる目的ではなくて、どういう目的
で光ファイバを引いたんですかね。自治体は。
○有冨電気通信事業部長 もともと行政の電子化。あるいは行政サービスの電子化。
○山本専門委員 それでそれを電気事業者に貸してもいいわけですね。
○有冨電気通信事業部長 それを普通の電線で引くんじゃなくて光ファイバで引くと。し
たがって行政需要だけでは余りがあると。
○山本専門委員 容量が余っちゃいますね。
○有冨電気通信事業部長 それをできれば有効に使いたいという気持ちがあるんですが、
今の法体系だと、住民一般の人はそれを使って、そのネットワークは外に出るということ
はできない。それを上手に使えば、わざわざもうからないところに国が金を出さなくてい
い部分もあると。そういうふうにして、ネットワーク全体の高度化を全国的に促進をした
い。そのようなことで、またそういう要望も出てきているので、特に自治体からですね。
もうちょっと、事業はしないんだけれども、その事業に貸すような道はないのかというよ
うなこともあって、これにこたえられないかという観点での……。
○山本専門委員 それというのは、例えばNTTとかキャリアに買収させちゃう手はない
ですか。
○有冨電気通信事業部長 卸すという意味ですか。払い下げじゃなくて。
○山本専門委員 いや、卸すんじゃなくて、所有権自体も。
○有冨電気通信事業部長 まあ、それはもし設備をある事業体がもう要らないと。むしろ
事業体に譲渡したいというのがあれば、それは事業体の設備として吸収される余地はある
と思いますけれども。
○貝沼事業政策課長 若干補足させていただきますと、現在、結構通信技術が進んでおり
まして、一方のファイバを使って、そこに幾つもの信号を流すことができると。波長を変
えることによって流すことができるということで、以前ですと、1本の電線に1本の信号
が流れるということですので、部分的に所有権を移譲するということが可能だったんです
けれども、最近は一つの回線の中にいろいろな信号が乗るということですので、自分も使
いながら、よその人の信号も乗せるということで、設備的に分けるのはなかなか難しくな
っていると。
○山本専門委員 だから、逆に言ったらば、そういうようなかなり容量がある光ファイバ
網なんかを築いちゃったわけですから、築いた自治体の責任と言えばそれまでなんですけ
れども、もったいないわけですよね。使われない限りは。だから、電気通信事業者にも使
ってくださいという話だとは思うんですけれども、ただ、今言ったように、非常に多目的
に利用できるならば、逆に所有権を譲渡して、電気通信事業者に譲って、自分だって使え
るわけですよね。そういうことだって考えられるわけで、通したことの責任みたいなのは
やっぱりあるわけですから、そこらあたりは、まああるんだから通信事業者さん使いなさ
いよというふうに言うべき問題なのか、いやもう交渉して勝手に資金があればどんどんN
TTなりNCCなりにもう譲渡してもいいんじゃないですかというふうに進めるか、そこ
は全然違うんじゃないですかね。
○貝沼事業政策課長 それは先ほど先生もおっしゃられましたように、選択の幅が広がる
ということだと思うんですよ。例えば、自治体と通信事業者が話がついて、自治体の方が
ユーザーになるよということであれば譲渡することもあれば、自分としてもやっぱり運営
しておきたいということであれば貸すということで、いろいろな態様の形態が出てくるこ
とがいいことじゃないかと思っております。
○南事業政策課調査官 すみません、参考資料、先ほど全然ご説明しませんでしたが、横
長の参考資料1と言われる紙の14ページ目をめくっていただきたいと思うんですが、そ
こで、自営用の光ファイバが今全国にどのぐらいあるのかという一応数字を示させていた
だいておりまして、電力さんですと、電力10社さん合わせて12万4,000キロと。鉄
道事業者ですと、JR各社合計で業務用の光ファイバですけれども、4,000から5,00
0キロ程度と。地方自治体はちょっと全部は把握し切れないんですが、下水道の施設管理
用の光ファイバというのは全国で830キロぐらいあると。当然業務用ですので、主とし
て業務運行管理のために使われているんでしょうけれども、先ほど言ったいろいろな多重
化技術の進歩によって余剰部分が出てくる部分については、一部貸してもいいとお考えに
なっているケースが最近出てきているというふうにはお伺いしております。
○山本専門委員 一部貸してもいいんじゃなくて、借りてくれというんじゃないの。
○南事業政策課調査官 まあ、借りてくれという面もあるかもしれませんね。もったいな
い余剰部分をどうやって有効活用するかということはあると思います。
○舟田主査 それで、これはキャリアズ・キャリア制度ということで、卸電気通信事業者
というカテゴリーは一応つくるわけですね。一種事業者とは別に。
○貝沼事業政策課長 そこはこれからちょっと具体的な制度設計を考えているところでご
ざいますけれども、一応今のところは3番目のポツにございますように、一種事業の一つ
の形態ということで位置づけるのがわかりやすいんじゃないかと思っております。名前は
別としましても、特定の一種事業者、あるいは卸の一種事業者ということになるかもしれ
ませんが。
○舟田主査 わかりました。その技術的なことはいろいろあるでしょうけれども、異なる
規律。じゃあ異なる規律は何かということについては、例えばどんなことをお考えですか。
○貝沼事業政策課長 これは、例えば一種事業者というのは一般の需要にこたえてサービ
スを提供しなければならないということで、業務区域内の提供義務だとか、あるいは約款
の認可とか、いわゆる消費者保護の規制というのがかかっておるわけでございますけれど
も、そこの部分を外すということがメインなのかなと思っております。
○舟田主査 1対1の取り引きを認めようということですね。そうしますと、既存の一種
事業者は約款ベースでサービス提供することもできるし、同時に自分は卸電気通信事業者
であるから、特定のもとに特別の条件で光ファイバの芯線貸しをすることもできる、そう
いうことになりますか、基本的には。
○貝沼事業政策課長 そこもちょっとご議論いただきたい部分があるんですけれども。
○舟田主査 そこ難しいんですよね。
○貝沼事業政策課長 いわゆる事業としてとらえたときに、一種事業と特定の特殊な一種
形態である卸事業とを兼業できるようにすることの是非という議論だと思うんですけれど
も。また、仮に兼業できるとした場合でも、だれでもそういう兼業をしていいのかと。例
えば、支配的事業者がそういう兼業をするときに、それをそのままでいいのかというよう
な、あるいは会計の話、あるいは形態の話とか、そういう議論があろうと思います。
○舟田主査 東西のNTTが、ああそうか、そんなことができるのかと。じゃあダークフ
ァイバを何とかベンチャーに貸しましょうと。約款じゃなくてね。ということがいいのか
という論点、ちょっと悩ましい問題ですね。プラスマイナス両方、もちろん東西会社の効
率性ということではいいのかもしれませんけれども、そのことが与える競争上の影響をど
う考えるかですね。
○天野電気通信局長 一種事業者は卸の事業の一部についてもう事実上やっているわけで
すよね。別に兼業とかそういう意識をせずに一種事業者が芯線貸しについては自由にでき
るわけです。しかし今の一種事業者はエンドユーザーにもサービスを提供しますし、他事
業者にも提供できるわけですよ。ですから、消費者保護の規定から一切合財のいろいろな
規制を受けているわけです。今回キャリアズ・キャリアは専ら通信事業者だけに設備やサ
ービスを提供しようとするものですから、消費者保護の規定なんかはもう要らないでしょ
うと。そういう規制をどんどん緩めた最小限度の規制だけでいいじゃないでしょうかと、
そういう概念で構成しようと。
○佐藤専門委員 私も確認しなきゃいけないんですけれども、キャリアズ・キャリアはこ
こだとゼロ種に見えるわけですよ。一種がその卸をやるんじゃなくて。卸専門会社と。海
外では多分卸専門会社という概念じゃなくて、一種の人が−−一種って多分概念ないけれ
ども−−卸でも小売りでもできるというのが、ただアメリカの概念じゃないかと思うんで
すよ。ゼロ種的に特別につくるというのは、逆にちょっと普通と違うやり方で、それは日
本だと一種がお互い卸というか、再販できなかったからこういう形になったのかと思った
んですが、一種同士で要するに卸はいいんですか。できているんですか。
○貝沼事業政策課長 主として、こういうキャリアズ・キャリアのニーズがどこにあるの
かと申しますと、自営電気通信設備を持っている人が、余った設備を通信事業者に使わせ
たいんだけれども、通信事業者だけ貸すということが今の制度上できなくなっているとい
うところが、そもそもこの制度の必要性というところなんですけれども、ただ、じゃあ、
一体この制度をつくるということになりますと、兼業は認めず、専業の事業者だけに限る
というオプションと、先ほど議論が出ましたような、既存の事業者でも兼業としてもうや
れるというようなオプションと2つあるんじゃないかというふうに思っておりまして、さ
らに、その後者の場合には兼業としてやれるというときには、だれでもその一種事業もや
れれば卸のサービスも提供できるというようなことで、公正競争上問題ないんだろうかと
いう議論の論点としてはそんなことがあるのかなと思っております。
○佐藤専門委員 例えばこれだと、事業者として見るという発想ですよね。そうじゃなく
て、サービスとして卸というのがあって、という考えはできないんですか。だから、一種
がやろうが、これの特化した人がいようが、卸という例えば事業、サービスがあると。そ
れに対して、独占者がやるときは、例えばじゃあ関連の長距離に安く譲っていいのかとい
う議論が出ますから、何らかの競争上のチェックが入る可能性がある。何々の追加コスト
を下回らないとか、多分何かルールが必要かもしれません。でも、サービスとして見ると
いう発想は今回は議論の余地なし。
○貝沼事業政策課長 いや、そんなことはございません。当然私どももキャリアズ・キャ
リアというのは、アクセス研でもご議論いただいて、ちょっと諸外国の事例なんかも調べ
てみたんですけれども、キャリアズ・キャリアという事業概念でカテゴライズしている国
はほとんど見当たらなかったと。ただ、実際はキャリアズ・キャリアのようなものがアメ
リカでもできているし、ヨーロッパでもできているみたいだと。そのときには恐らく佐藤
先生がおっしゃっているようなサービス概念でとらえて、その通信事業者専用のサービス
もオーケーよというような制度の中で提供しているんじゃないかと思っておりますので、
したがって日本にこのキャリアズ・キャリアを入れるというときに、事業者概念できちっ
とつくるのか、かつ専業の事業者だけに限るのかということと同時に、別のオプションと
しておっしゃるとおり、役務概念で構成するということもあり得るんじゃないかと思って
おりまして、そこはちょっとここの場で、例えばこちらの方が望ましいんじゃないかとか
いろいろご議論していただいた上で、我々ももうちょっと整理して、どういう考え方でや
った方が一番いい制度になるのかということを検討させていただきたいと思いますが。
○舟田主査 では、きょうはそのくらいにしてよろしいでしょうか。だから、この取りま
とめ案はそんな詳しく書けませんけれども、しかしそれと別にちょっと整理を一遍、こう
いうオプションがあるというのはちょっとつくっていただけますかね。
○貝沼事業政策課長 わかりました。
○舟田主査 ほか4ページ、5ページ、よろしいでしょうか。
 よろしければ6ページ、初めて支配的事業者規制を導入することになりますが、前回私
は、基本的にはこういう方向よろしいんじゃないかと申し上げましたけれども、いかがで
しょうか。
 佐藤さん、シグニフィカントというのは顕著なんですか。
○佐藤専門委員 極めて重大意味あるとか何か、影響あるとか……。
○舟田主査 25%で。
○佐藤専門委員 いや、それで僕が事務局に聞くとしたら、普通ドミナントの定義と使わ
れた方とそれからSMPとは違いますよね。それは郵政省はどのように使い分けるなり、
そのルールに取り込んでいかれるのかなとか、あとイギリスかEUでしたっけ。SMPは
余りだんだん意味がなくなってきている。25%のやつは。そんなことないですか。
○南事業政策課調査官 佐藤先生ご指摘のとおり、EU指令の考え方も多分時々刻々変化
していくんだろうと思います。ただ、当初EU指令ができたときは、中身がよくわからな
いといけないのでということで、一応競争制限法の世界とは別に電気通信法の世界独自の、
要するに非対称規制で支配的事業者とそうでない人をカテゴライズするツールとして一応
25という数字を使われたというふうに思っております。
○佐藤専門委員 あえていろいろ言うと、いやこれは違うと多分皆さん言われて、その方
が議論が進むんであえて言うと、私のいろいろな調査した後のというか、私の今の考えで
は、事前規制というと、例えばヨーロッパ型で言うと25%でまずやるべきかなと考え始
めると。事後規制的なドミナントの概念で入るときは、普通は50%を超えた段階で、そ
のほかの要因も見て手をかけるべきかというのを事後的に決めてくるというやり方ですね。
事前規制のときは25を超えたら一応何か必要かなということで、あるメルクマールに今
まで使っていたけれども、事前規制、事後規制で、例えばそういう言葉とか概念の使い分
けをしていたようにも思います。ここでは一緒くたにドミナント規制と言われているけれ
ども、要するに海外で言うと事前規制で使うSMPみたいなものとより事後規制で使うド
ミナントの−−ヨーロッパで言うとね−−概念とは、何かその概念や使う目的が違ったよ
うな気がするんですが、それからアメリカで言うと、AT&Tも25%でドミナントとい
うことはないですよ。普通の市場で見ると50%を切って、彼らで言うと40%ぐらいに
なって、市場ドミナントから外れていったわけですよ、アメリカは。それでそういう意味
で、25というのが一応考え始めるきっかけとして一つの最低限の基準になるかもしれま
せんけれども、25でドミナントというと、何かいっぱいいろいろな企業がドミナントに
なりそうで、何か規制強化で心配だと皆さん思われるんじゃないかと。
○山本専門委員 マーケットシェアはちょっと古いかもしれないね。ちょっと合併規制な
んかを見ると、ハーフィンダール指数を使っているでしょう。今の公取もそうだけれども。
僕もちょっと書いたんだけれども、合併を審査するときに、1社で何%、3社で何%とか
やっていたんですよ。ところが、それってかなり市場の実態に即した対応じゃないねと。
機械的だねということで見直したと思うんだけれども、公正取引委員会も。だから、ドミ
ナントの規制というのは何%というような形で明確に数字を出すというのは、ちょっと僕
は危険な感じがするけれども。ヨーロッパはおくれているからマーケットシェアでやって
いるけれども、むしろハーフィンダール指数なんかの方がずっと市場集中度とか調べるに
はいい数値なんじゃないですかね。だからちょっと、アメリカが具体的にどうやっている
かというと、僕はかなりコンテスタビリティなんかをさっき言っているから、かなりケー
ス・バイ・ケースで具体的にはやっていると思うんだよね。分析して。何%だからやると
かそういう話じゃないと思います。
○舟田主査 ですから、ここはアメリカ型じゃなくて明らかにヨーロッパ型の、佐藤さん
おっしゃったまず一たん25で薄い網をかけておくという場合ですね。ですから、実際に
市場支配力があるかどうかという場合にはもちろんハーフィンダール指数の方が正確なん
ですけれども、まず一発薄い監視をするというぐらいの、その意味で非常にラフなとらえ
方ということですね。
○佐藤専門委員 ただ、世の中的にやっぱり何か私の企業も含めた結局規制がふえて、み
んな何か調査を受けそうな対象になりそうだと思われるようじゃ、何か変ですよね。
○舟田主査 さっき事前に言っていたんですけれども、これは25%超で、市場は7ペー
ジの上から3行目にありますように、一応固定電話、専用、移動通信。いかがですか。2
5%で専用といったら、NTT以外にも入ってきますね。
○山本専門委員 入ってきますね、これは。
○舟田主査 Nコムだけじゃない。ほかのNCCはまだ25までいっていませんかね。
○貝沼事業政策課長 いってないんじゃないんでしょうか。
○山本専門委員 いや、3社に、3つにグループ分かれたら入ってくるでしょう、多分。
どこかの市場で。
○舟田主査 それから移動通信は明らかに25を超えるNCCがいるんですね。あ、そう
でもない。
○貝沼事業政策課長 いや、現在はいないですね。
○舟田主査 25を超えていないですか。
○貝沼事業政策課長 ドコモが58%、60%弱で……。
○舟田主査 Jフォングループは25いってないんですか。
○貝沼事業政策課長 Jフォンが15。
○舟田主査 ああ、そうですか。
○佐藤専門委員 携帯とPHSを同じマーケットとして見るんですか。
○南事業政策課調査官 今までの例えばいろいろなカウント方法は常に一緒にカウントし
ているということからして、もし携帯電話とPHSを一緒にすれば、多分25には至らな
いかもしれないと。
○佐藤専門委員 KDDIグループでどのぐらいになりますか。
○南事業政策課調査官 20ちょっとぐらいでしょうか。そんなにもいってないかもしれ
ないです。PHSを入れますと。
○貝沼事業政策課長 経過的なことなのかもしれませんけれども、東名阪という大需要の
ところは今は4社があるわけですね。セルラーとドコモとauというIDOと合併したも
のと、それから……。ドコモとセルラーとJフォンとツーカーというのがございまして、
ツーカーもそこそこのシェアを持っておりますので、正確ではございませんが、十三、四
%ぐらいだと思うんですが。
○舟田主査 まあ、私の個人的な感じは、6ページの冒頭のようなことから一定の規制措
置を講ずることが必要不可欠となるというところを受けて、25%というのは若干低いよ
うな感じがするんですね。ですから、佐藤先生がおっしゃった50%というのが、まあ一
つの常識論で、これはもちろん学問的な基準ではありませんけれども、一つあるんじゃな
いかというのが一つ。それは先ほど山本先生がおっしゃったように、市場シェアがそれほ
どオールマイティというわけじゃないというのは、もう皆さんおっしゃるとおりなので、
それに何を加えるかということですけれども、これは私の個人的な考えですけれども、7
ページのポツの3つ目、「支配的事業者と特殊な関係にある子会社等については、支配的
事業者に準じた特別な規制を課すことを検討する必要がある」と書いてありますけれども、
具体的に言いますと、東西NTTによって支配されている子会社であれば、50%超とい
うことと、それからNTTグループの一員であると、その2つが加われば非対称規制を受
けてもやむを得ないと。単に50%を超えたから乱用規制のウォッチをするというのは、
まあ日本では今までなかったし、ヨーロッパでそういうことはありますけれども、若干き
ついかなという……。それは私の全くの感覚みたいなものですけれども、そういうつくり
方というのはいかがなものなのでしょうかね。ここの「ただし」以下はちょっと違う考え
方ですね。これは別に、私の場合は2つ要件をくっつけて、50%超プラス東西NTTの
グループの一員であると。その2つの要件が加われば支配的事業者規制−まあ、ちょっと
どぎつい言葉ですけれども、まあしかしもう率直に言った方がいいかと思いまして、固有
名詞を出しますが、余り一般的に支配的事業者という場合、これはかなり議論に、一般論
として出しますとね。過剰規制ではないかと言われはしないかなという気がちょっといた
します。どうぞ、これは私の個人的な考えですから……。
○佐藤専門委員 子会社というときは、その地域の子会社なのか、兄弟会社、親のもとの
別の子会社なのか。別の子会社もやはり何らかの地域の独占力を使える可能性がもしある
なら、ここの子会社と書かれているときはどちらだという意識があるんですか。そちらが
書かれているのは。
○南事業政策課調査官 この「特殊な関係にある子会社」いう言い方自体、いわゆる銀行
法だとかの世界で言いますアームズレングスルールみたいな、もし同じイメージで考える
のであれば、銀行の世界でも当然持株会社というのはございますので、その場合は当該銀
行の子会社のみならず、親会社である持株会社、もしくは持株会社の子会社も入りますの
で、いわばコムも含めうる形になろうかと思います。
○山本専門委員 ちょっと私、今舟田先生のおっしゃることに関連して言うと、ちょっと
気がかりなのは、アメリカを見ていると、ここに市場の画定の問題が書いてあるんですが、
市場の画定なんですけれども、市場の方は具体的に、ある意味で言ったら相互参入が徐々
に、今は分離子会社方式かもしれませんが、徐々に認められていって、あと三、四年たつ
と、何かやっぱりワンストップサービスをやる会社が出てくるんじゃないかなというふう
に思うわけですよ。そうすると、地域とか、まあ長距離、国際とか余り意味がなくなっち
ゃって、やはり分割したんだけれども、最終的にはAT&Tもケーブルを使って地域をや
るし、地域も長距離やるし、そういう感じでかなりまた相互参入が進んじゃうんじゃない
かと。それをもう認める方向に移っているんじゃないかと思うんですよ、アメリカは。そ
ういうのを見ると、もう今の日本のあれから言っても、例えば、細かく分けて市場を画定
して25%とかいうことにどれだけ意味があるのかという問題は何か出てきそうな感じが
するんですよね。支配的事業者が何%だと。マーケットシェアは何%だというのもちょっ
と問題ですけれども、市場を画定して20何%だというのも、これもまた何かちょっと、
あと三、四年たったら、そんなことで何か実勢は規制できないような感じ……。
○貝沼事業政策課長 おっしゃるとおり、数字だとか市場の画定も、マーケットの動きに
応じて常時見直していくということだとは考えております。
○村上専門委員 先ほどのNTTグループの一員、というのを入れるか入れないかという
ことなんですけれども、この今回の検討が、電気通信事業法が競争促進法的なものに転換
する歴史的なものだという考え方に立ちますと、今回決めることができるだけ長い射程を
持った方がいいんじゃないかというふうに思います。NTTの一員というのは、2000
年の10月の段階で我々の知識で考えるとそういうふうになるわけですけれども、あと3
年たったらどうなるかというのは全くわからないわけですので、そこはもう少し一般的な
表現の方がいいんじゃないかと思います……。
 もう一つ、一般的な表現になるんですけれども、6ページの・の3行目で、この考え方
のベースとして「独占市場から競争市場へ移行する過渡的期間にあっては、市場原理が必
ずしも十分に働かない分野が発生する」とあります。従ってこういうルールを、というこ
となんですけれども、これも今の2000年の10月段階の考え方かと思います。この分
野は、一種でも新しい業態が出てきたときには、逆に競争市場から独占市場に移るような
形態もあり得るわけですので、こういうふうに「独占市場から競争市場へ」という限定を
するのはちょっといかがかなということが一つ。
 そういう考え方に立ちますと、この市場シェアからみてドミナントであるという認定を、
いつするのかという問題があります。今の独占から競争へという移行期はこれで明快なん
ですけれども、これから新しい業態が出てきたときに産業の萌芽期に、最初に出てくると
きは必ず100%なわけですけれども、その段階でドミナントであるというのか、という
問題があります。この市場シェアの認定とかドミナント性の認定をいつから行うか、につ
いて何らかの規定が要るんじゃないかと思います。それから、一つの産業、業態がある程
度成熟し始めたということが認定されるときなんだと思うんですけれども、それがいつな
のかというのを規定する必要があるんじゃないかと思います。
○舟田主査 ちょっと時間の制約もございますので、まだご発言いただいていない吉原委
員と古川委員、よろしければ、今、6ページ、7ページの議論、どうかということで議論
していますので、もしここについて何かご意見があったら。
 吉原委員、何かございますか。
○吉原専門委員 余り実質的なことではないかもしれないんですけれども、8ページのと
ころに、最後に・で電気通信事業法の目的を改めると書いてあるんですね。支配的事業者
規制を導入する必要が出てきたので目的も改めなきゃいけなくなったというような書き方
になっていて、まあ実質はそうなのかもしれないんですけれども、物の考え方の筋からい
けば、公正な競争を促進するということが必要になったから支配的事業者規制を導入する
ということにしなきゃいけないので、目的条項を改めるのは、もっと前の方に出てこなき
ゃいけないと思うんですけれども。
 それから、先ほど出てきた過渡的な問題なんですかね。それとも、そもそも割と独占的
な形態が生じやすい分野であるということから必要になると。過渡的なものであるとする
と、将来的には支配的事業者規制をなくしてもいいというような性格のものなのか、ある
程度恒久的に公正な競争を促進するためにはずっと残しておかなきゃいけないものなのか
というのがちょっとよくわからないんですけれども。
○舟田主査 その問題ですね。
○山本専門委員 それは電気通信事業法が必要なのか、競争法でいいのかという話とダブ
りますね。
○佐藤専門委員 先ほどの質問で、一回ドミナントになって外れるときはどうするんだと
いう話で言えば、アメリカはドミナントになると、多分自分で、これはペティションにな
るかどうかわからないんですけれども、私はもうドミナントじゃないですよと言い出して、
それで何カ月か意見をみんなからとって審査すると。そういう形で外れていくと思います
ね。あるいは、地域会社が長距離に出るときも、いや、こういうチェックリストは自分は
もうクリアしましたよと。十分競争ですから外に出してくださいというのを、何か書類を
多分持っていって、それでほかの人がいろいろな意見を持ってきて、それで何カ月かの審
査の後解除されるかどうかの決定を役所が下すと、そういうプロセスがあるんだと思いま
す。
 それからここに戻って、グループ企業の話に戻りますと、要は競争を機能させるため、
そのために議論していますと。そういう意味では、理屈で言うと、多分ファイアウォール
がきちっとできれば、もしかしたらこういう子会社ということの縛りはより意味がなくな
るかもしれない。でも、ファイアウォールが十分できてない状況であれば、あるいは現状
で多くの人がグループとしてのドミナント性を問題にしていて、そういう声が大きいので
あれば、やっぱりグループとして何らかの競争上の問題を抱えていると思いますので、そ
れに対して何かこういうある要件が入ってくることは、当面必要なのかという気はします。
 それからドミナント規制が要らなくなるという話で言えば、ドミナント規制が残ってい
てもドミナントがなくなる可能性がありますから、ドミナント規制が残っていても、その
ドミナントと認定されないという意味ではなくなって、またドミナントになったらまた認
定されたり、そういう形なのかなという気もしますけれども。
○山本専門委員 だけどそれは、具体的には競争制限行動とか独禁法もあるし、電気通信
事業法でドミナントを規制しなきゃいけないかどうかというのはまた一つの問題でしょう。
○佐藤専門委員 もしかしたら10年たつと、そもそもそういう規制法みたいなものはほ
とんど要らないよと。独禁法でかなりできるんですという時代になるのかもしれませんけ
れども。
○舟田主査 じゃあ何を規制するか。7ページはまだこれは議論していないんですけれど
も、私の理解は、支配的事業者になったらどんな規制を受けるかというと、いや、実は大
したことないと。大したことないといいますか、非常に厳格な規制がないという理解だと
思いますね。「略奪的な料金設定」というのは、実はどんな企業でも、例えば20%のシ
ェアでもあり得るんで、それは違法なことですし、反競争的な内部相互補助というのは、
やはり支配的事業者でなくても違法なこと。あるいは、差別的取り扱いもそうですし、そ
の情報のことは特殊なことなのでしょうかね。
 その次の黒ポツに書いてある「料金・約款・接続に係る規制は現行規制を維持すべきで
ある」ということなので、例えば、約款、接続協定は認可ですから認可が残ると。それに
対して、7ページの一番下の・ですね。非支配的事業者に対しては認可制から届出制にな
るということになるわけで、こういう、内容としてはこれでよろしいのかどうかももしご
意見がいただけたらと思いますが。
○山本専門委員 僕は一つ論点に加えてほしいんですが、その論点というのは、96年の
アメリカの通信法を見てみると、設備ベースの競争をさせなきゃいけないというので、支
配的事業者の規制が入っていたと思いますけれども、そのときにやっぱりボトルネック設
備を持っているもの、これが卸の段階、接続の問題でこれはかなり優位に立ちますので、
何らかの競争妨害的な行動するおそれがあるというのは、やっぱり規制の一番大きなポイ
ントはそこにあったと思うんですよ。ただ、アメリカの場合、そういう設備ベースの競争
を促進するためには、バイパスも安易にさせましょうとか、バイパスを容認させるように
しましょうとか、リセールをもっと促進しましょうとか、いろいろな選択肢を出している
んですね。地域競争を促進するための。僕、それは意外とボディーブローのようにきくん
じゃないかと思うんですよ。コモンキャリアに対しては。そういう視点というのはぜひ入
れていただきたいというふうに思います。要するに、競争を促進するいろいろな選択肢が
あるよと。一つじゃないよという、それはやっぱり入れていただきたいなとは思いますけ
れども。
○舟田主査 これはちょっとお答えいただいて。
○貝沼事業政策課長 おっしゃられました点は、先ほどご議論いただきました4ページの
接続ルールの話だとか、5ページ目の卸料金の話だとか、そういうところの議論なのかな
と思っておりまして。
○山本専門委員 あとアンバンドルのところと。
○貝沼事業政策課長 はい。設備ベースでの競争のほかに、既存のボトルネックを持って
いるいわゆる支配的な事業者の設備をオープン化すると。その両方によって競争を促進し
ていくということについては、私どもも同様に必要な政策じゃないかと思っております。
○山本専門委員 バイパスはどうですか。
○南事業政策課調査官 地域の再販のですね。それがキャリアズ・レートの創設というこ
とで、5ページ目に書いてあるのがそれでございます。
○貝沼事業政策課長 あと、既に実施することにしております一種事業者が再販ベースで
設備を調達する……。
○山本専門委員 それはリセールなんですけれども、私が言っている再販というのは、接
続料金が高過ぎるから専用線でつないじゃって市内を通さないよという……。
○貝沼事業政策課長 それは自由というか、事業者のネットワーク構成について特段制限
はやっておりません。
○山本専門委員 ああ、そうですか。それはもう自由にしている。
○貝沼事業政策課長 ええ、事業者の選択でですね。
○佐藤専門委員 私もよくわからないんですけれども、設備バイパスと例えばサービスバ
イパス。設備バイパスは線路敷設権とか掘削の規制緩和とか、そういうことで事業者が自
分でできるようにするんですよと。
○山本専門委員 実はなっていると。
○佐藤専門委員 いや、今、多分余りできないんですよ。それをしますよ。行政ルールを
つくる方向ですよと。はっきり書いてないけれども、ガイドラインはぐらいはつくるよと。
いや、わからないけれども。少しよくなるよと書かれていて、ただ、ほかの省庁もあるか
らそう簡単にはできないよと、書いてないですけれども。
○山本専門委員 アメリカのバイパスだってあれでしょう。ベルの子会社が驚異に感じる
ほどすごいんでしょう。接続料金だと言うとどんどん逃げちゃうという……。
○佐藤専門委員 バイパスを使うというのは、市場構造がいい方向に移っていくには一つ
のやり方ですよ。全部役所が料金をつくるのも一つだけれども、ゆがんでたら、自分でバ
イパスをして競争に挑めるというもう一個の仕組みを……。
○山本専門委員 そのバイパスをだから促進してあげるための措置ですよね。
○佐藤専門委員 その自由度を与えるというのがもう一つの競争のやり方です。ただ、日
本だと多分それが卸もなくて、サービスバイパスもできないし、つくるのも大変で、なか
なかアメリカ的なバイパスができないんだと思うんですね。
○舟田主査 私は一応日本の制度でも備えていると思いますけれども、まあ次回でもアメ
リカのバイパスとどう違うか、今の場合どうなっているか。
○貝沼事業政策課長 一応フルセットで我々はメニューは用意しているつもりなんですけ
れども。
○舟田主査 用意しているはずですよね、本来は。
 以下、6・7・8ページ、ほかにございませんでしょうか。
○村上専門委員 ヒアリングの中では情報開示に対する要望というのが非常に強かったよ
うに思うんですが、そういうのはこの中には入らないんですか。
○貝沼事業政策課長 7ページの例示の中にはおっしゃるとおり情報開示というのは書い
ていなかったんですが、情報開示というのは確かに重要なアイテムかなという感じもして
おります。
 失礼しました。9ページの一番下の紛争処理のところにちょっと記述をしているんです
か。
○村上専門委員 紛争、ADRなんかにのっかっちゃってからですよね。その前の競争条
件を公平にするために情報開示を求めてきたときに、こういうリアクティブな規制と、も
うちょっとプロアクティブな、開示を求められたときに速やかに応じるというようなとこ
ろが……。
○貝沼事業政策課長 ここの9ページの一番下のポツの情報開示も、紛争が生じてからと
いうことじゃなくて事前のことなんですが、ご指摘のとおり、支配的事業者規制の一般的
な規制内容の中に情報開示のことも例示として入れておくことにさせていただければと思
うんですが。
○舟田主査 そうですね。今のご意見、これは7ページの最後のポツですね。「支配的地
位の濫用の防止及び透明性の向上」と。その透明性の向上の中身に、例えば接続協定を公
開させるとか、ほかに用語を考えて……。その透明性の向上の具体的な中身を、じゃあも
う少し考えるということにいたしましょうか。
 急がせて申しわけないんですけれども、9ページ、10ページ、これは世間ではかまび
すしい議論があるので、これについても何かご意見があれば。ここでは9ページの・の下
から2つ目のポツで、「事業者間の紛争処理を公正・中立的な手続で迅速に行うため、通
常の許認可等とは独立した紛争処理機能を専門に担う組織を検討すべきである」という新
しい提案を事務局案としては出してきたというふうに理解しております。
○佐藤専門委員 具体的にどういうイメージでというのは、もうあれですか。前回聞かれ
ているんですか。
○舟田主査 前回ここで審議会を2つに割って政策と調停というような議論はあったんで
すけれども、私は審議会とは違う形でやった方がいいんじゃないかということで、事務局
の方ともご相談して、まあただ具体的な、もう少しご説明、今何か詰めたご説明できます
か。まあアイデアの段階だとは思いますが。
○佐藤専門委員 でも、最後多分これはまた外に出してパブリックコメントをとるような
ものですよね。だから、何か具体的に出して皆さんの意見を募集するという形だから、そ
れまでにまた出てくるということで。そうでもないんですか。何か具体的なものは余り出
てこないんですか。
○貝沼事業政策課長 いろいろな紛争処理のための組織というのがあろうかと思うんです
けれども、前回の小委員会では、例えば公益法人みたいな考え方もあるんじゃないかと。
また、今舟田先生からご紹介あったような別の審議会という考え方もあるんじゃないかと
いうことなんですけれども、今のところ事務局としては、やはり民間というか、指定法人
よりは、やはり国の組織としてきちんとやる必要があるんじゃないかということと、許認
可、あるいは政策をやる審議会とは別の、審議会と呼ぶか名前は別として、委員会として
迅速な対応ができる。例えば、イメージとしましては、郵政事業でいえば、簡易保険のと
ころには簡易保険審査会というような事業体と契約者とのトラブルだとか、あるいは……。
○佐藤専門委員 アメリカは調べられましたか。
○貝沼事業政策課長 アメリカは直接ここの組織を考えるときには行政組織の中でかつ通
常の行政とは独立したようなファンクションを持っているような委員会のイメージという
ことで……。
○佐藤専門委員 州の公益事業委員会でイグザミナーというのを外から選んで、仲裁の権
限を与えて、何かそういう弁護士じゃない人にやらせているような形もありますよね。州
のレベルでね。
○貝沼事業政策課長 また後で。ちょっと教えていただければと。
○佐藤専門委員 いや、教えるほど知っていませんけれども。
○田中業務課長 今おっしゃったようなことにちょっと近いようなイメージでは考えてお
ります。アメリカの制度はちょっと知らないんですけれども。
○舟田主査 3時半を過ぎてしまいましたが、今までのところ、10ページまでについて
何かあれば。
○村上専門委員 配付していただいた資料にはノーアクションレターのことが書いてあり
ましたが、ノーアクションレター方式は今回は盛り込まないということでしょうか。資料
1の主要論点の一番最後に書いてありましたけれども。
○南事業政策課調査官 そこは特段予断を持っているわけではございませんで、ノーアク
ションレター制度をつくってくれというご意見が意見募集の中で出てきたのは事実でござ
いますので、それは論点の中で取り上げさせていただきましたけれども、余り深く立ち入
った議論は今までなされていなかったものですから。
○山本専門委員 紛争処理に関して少し懸念があるのは、例えばイギリスなんかを見ると、
OFTELとBTなんか何回もけんかやっているし、要するにオファーもけんかやってい
るし、要するに独立規制機関と言われるものは結構事業者とけんかをやるんですよね。そ
れで、あちらの場合はそれでなかなか解決つきませんので、どうしようもないときはMM
Cに上げるわけですよね。だから、そのぐらい何か一つの問題でも紛争が長引くというの
は往々にしてあるわけでして、紛争処理を迅速に行うというような機関が、かなり強制力
のある法的権威のあるところがやらないと、そんな簡単に、両方の話は聞くことはできる
かもしれませんが、何か調停はできないような感じがするんですよね。例えば、公取は今
度私訴訟の思想を導入しますよね。制度をね。だから、あれは独禁法に違反して、何か公
取に行っても今まで取り合ってくれない。いつも門前払いみたいな形だから、もうとっと
と訴訟を起こせるようにするというわけでしょう。それと同じように、多分アメリカだと
問題が起こったときは訴訟になるんですよね。だから、事業者間に対して第三者的な行政
だから調停できるというような、そういう問題じゃないような感じもするんですよ。意外
と規制当局と事業者も対立しちゃう。そういうときの最終的な解決の担保というのはどこ
にあるのかという問題をやはり考えておいた方がいいんじゃないかなと思います。これは
これでつくってもらって結構なんですけれどもね。とは思いますね。
○佐藤専門委員 ちょっと関連して。民間が今のルールで何か問題が起こったら、これは
郵政省が調停、今のルールで例えばするんだと思うんですよ。今のは多分民間で何か問題
があったときに調停ルールが郵政省として必要ですよと、これが一つですね。郵政省なり
今のルールに民間が何らか不服がある場合、それは郵政省に訴えるのか、今度事業者間じ
ゃないんですけれども、そうすると、イギリスだと例えば、接続の厳しいルールが嫌だっ
たらMMCに持ってきなさいよと、そういう別立ての今度は民間が今のルールに対して意
見を申し立てるときにどういうルールがあるかと2つの面があるわけですね。アメリカで
はもう一つはペティションルールで、常にルールに対して持っていける場があるわけです
ね。そういう意味ではここはペティションルール的なところが、あるいは山本先生が言わ
れた行政の決めた判断なりルールに対してチャレンジなり何か議論する場をつくりたい、
そのルールが欠けているのかなとは思うんですが。
○舟田主査 欠けている、ああ、そうですか。
○佐藤専門委員 いやいや、知りません。
○舟田主査 私の理解では、ここはむしろ民間事業者間の紛争処理ということですね。
○佐藤専門委員 ペティションルールは考えておられないと。
○舟田主査 それは裁判やるしかないんですよね。基本的にはもう、だから私はキャリア
に文句あったら訴えてくれといって……。
○佐藤専門委員 だから、だれもチャレンジできないルールにね。今の日本だと。お願い
はできてもチャレンジはできない。いや、公取に持っていけるのかどうかわからないです
けれども。
○舟田主査 いや、持っていけると思いますし、郵政大臣の名前で許認可なり接続協定が
あって、それを訴えると。
○佐藤専門委員 接続だと接続の場があるんですよ。小売りの料金だと申立制度がある。
でも、一般的にアメリカのペティションルールだと、例えば、業務課が決めたことに業務
課が考えてくださいと持っていくんじゃなくて、別の公の窓口があって持っていくわけで
すね。こういう規制緩和の新しいものを考えてほしいとか、そういうペティション、アメ
リカ型のペティションが日本にはないと。
○天野電気通信局長 日本の行政で、行政庁の処分に不服がある場合には、行政不服審査
法で争うという法的手続は用意されているんです。さらにそれは、最終的には行政事件訴
訟として裁判でいくと。まず、第一審として行政不服審査として当該大臣に対して異議申
し立てをするわけです。特に電波の場合には電波法にもよりまして、それをさらにある程
度準裁判的な手続を入れているわけですけれども、それが第一審で、裁判で争うといきな
り高等裁判所に訴えると。二審目はもう地裁からじゃなくてとか、そういう一般の省庁の
行政不服審査法をより厳しくしているのが電波法の世界なんですね。ですから、今日本で
は当該大臣に対して処分を受けた民間事業者はまず異議申し立てをする。あるいは行政不
服審査法による争いをすると。これは各省庁共通の行政に対しては争いの仕方として整備
されている。これは別に電気通信事業に限らずすべての許認可に対する扱いなんです。
○佐藤専門委員 わかりました。そうすると事業者がそういうペティションルール的なこ
とを要望するというのは、それを知らないか、そちらがなかなか彼らにとって持っていき
にくいのか、よくわかりませんけれども……。
○舟田主査 持っていきにくいんですよ。はっきり言いますけれども、持っていきにくい。
 よろしければ、先ほどのノーアクションレターとペティションについて、事務局として
はこう考えるというペーパーをちょっとつくっていただいて、まあ議論できるかどうかわ
かりませんけれども、まとめていただいて、時間が、きょうは一応私の仕事としては11
ページ以降もちょっとやってくれということのようで、あと20分しかないんですけれど
も、簡単にご説明いただいて、ご意見はそれぞれの委員から次までに個別にいただくこと
になりますかね。まあ、きょうまず11ページ以下、ちょっとお願いいたします。
○南事業政策課調査官 では、11ページ目以下NTTの経営形態の問題につきまして、
簡単に下線部を中心にご説明させていただきます。
 まず、基本的視点でございます。IT革命推進のためにNTTが果たすべき役割が何か
ということで、NTTグループ各社が県内・県間、音声・データ、固定・移動、国内・国
際等のいわば「電話の時代」の枠組みを超えて相互に競争しつつ、技術革新とニーズの変
化に対応したダイナミックな事業展開を自主的経営判断のもとに行うことができるように
すること。すなわち「インターネット時代」の枠組みに適応したIT企業に進化すること
が必要ではないかと。
 したがいまして、NTTグループのすべての事業領域において公正な競争が実現される
環境を整備することに加え、NTTグループの各社が徹底的な競争にさらされることが必
要であるという基本的視点のもとに、12ページ目でございますが、まず、東西NTTの
在り方でございます。NTTはご承知のとおり中高年が高い比重を占める社員構成等、そ
のコスト構造の改革というのが急務であろうというふうに認識をしております。
 それで市場環境が、先ほど来からご説明申し上げましたとおり、電話からインターネッ
トへと急激に変化しておりまして、電話収入に依存している今の東西NTTの収益に今後
大きな影響が及ぶ可能性があるのではないかと。したがいまして、東西NTTが新たな経
営環境を踏まえた、現在中期経営改善施策というものを講じておるわけですが、その改定
といいますか、見直しに早急に取り組むことが期待されるのではないかと。そして、そう
いった施策が国民の理解を得るように、できるだけ透明な形で経営情報の開示に努め、も
し制度面での経営改善要望があれば、それは速やかに提示することが望ましいのではない
かと。
 なお、これに関連しまして、東西NTTの併合という議論もあるわけですが、東西間の
ヤードスティック競争の促進というものですとか、将来的な直接競争の可能性を展望しま
すと、再編成の趣旨に逆行する形での単純な併合は認められるべきではないのではないか
と。
 公正競争の確保については、先ほど来からご指摘のありますとおり、東西NTTによる
ネットワークの開放度が低いというご指摘や、東西NTTと他のグループ会社、特にNT
Tコミュニケーションズとの間のファイアウォールが不十分であるという指摘がございま
す。
 ページをちょっとめくっていただきまして13ページ目でございますが、したがいまし
て、東西NTTとグループ内他社との間のファイアウォールが不十分であるとの指摘があ
ることを踏まえ、定期的にファイアウォールの遵守状況のレビュー、見直しを行える仕組
みを早急に構築すべきではないかと。
 また、インセンティブ規制の導入については、より抜本的な公正競争確保方策としまし
て、NTTみずからの経営判断としてネットワークの開放と実質競争を促進するための措
置を講ずるように動機づけをすることが必要なのではないかと。したがいまして、東西N
TTのネットワークの開放度、地域通信分野の実質的競争の進展度合い、NTTグループ
間の相互参入の度合いなどに応じて、東西NTTがインターネットを中心とする新たな事
業領域に進出することを可能とするように、いわゆるインセンティブ規制手法を採用する
ことが適当ではないのかと。その際、インセンティブ規制に対する国の裁量の余地が広が
り過ぎることのないように、できるだけ客観的な指標を用いることを検討すべきではない
のかと。
 東西NTTの業務範囲については、現在再編成時点におきまして、県内通信に限定をい
たしているところでございますが、この3つ目のポツでございますが、県内・県間の区分
のないインターネット時代に対応した新しいサービスの提供や県内・県間を通じたワンス
トップサービス、割引サービスの提供というものができない状況になっております。これ
が事業展望が得られない結果につながりまして、社員の士気の低下につながっているので
はないかという指摘がございます。
 次のページ、14ページ目でございますが、したがいまして、東西NTTに対する現在
の業務範囲の制限は、インターネット時代に対応する形で見直されることが必要なのでは
ないかと。そういうコンテクストのもとにインセンティブ規制手法の採用等の措置を講ず
ることによって、一定の競争条件を満足すれば東西NTTが業務領域をみずからの経営判
断に基づき拡大できるようにすることを検討すべきではないかということでございます。
 ページをおめくりいただきまして、関連会社でありますコム、ドコモの在り方でござい
ます。
 NTTコムの位置づけについては、これは現在、一般の普通の民間会社ということでご
ざいますが、持株会社が100%今株を持っているという状況にあるわけでございます。
それでファイアウォールの話が出ておりますが、この下線が引っ張ってありますとおり、
独自の顧客情報システムですとか、共通線信号網の構築という点では、まだ未実施のファ
イアウォールがございまして、その構築時期をできるだけ前倒しすることや、持株会社と
役員を兼任することにより、東西NTTと情報の流用が可能な体制についても早急な是正
が必要なのではないかと。
 コムの経営の自主独立性の確保については、コムが現在持株会社によって事実上業務範
囲の制約を受けていることを取り除いて地域通信市場へ積極的に参入することが市場の活
性化という観点から望ましいのではないかと。
 また、持株会社に長期資金の調達を現在依存しておりますが、この体制を改めることが
諸外国のキャリア等との合従連衡を、みずから進んで機動的に行えることにつながるので
はないかと。したがいまして、NTTコムができるだけ早期に上場会社となれるよう、現
在のNTT法附則に規定されております規制、これは持株会社によるNTTコムの株式売
却に関します認可制があるわけでございますが、これを必要に応じて撤廃、または緩和す
べきではないのかと。
 そしてNTTコミュニケーションズを地域通信市場における競争相手として育成する観
点から、経営の実質的な独立性が確保される程度まで、持株会社の出資比率を低下させる
ことが重要なのではないかと。
 めくっていただきまして、16ページ目でございます。これはドコモの扱いでございま
す。ご承知のとおり、地域通信市場でダイナミックな競争を実現する観点から、ドコモを
東西の有力な競争相手として育成する観点、あるいはドコモ分離の趣旨を徹底させる観点
から、ドコモ株の保有比率をその経営が実質的に独立できる程度まで引き下げるべきだと
いうご指摘がございます。また、規制緩和推進3カ年計画の改定におきましても同様の閣
議決定がされいてるところでございます。
 したがいまして、インターネット時代に対応しまして、こういった業務領域の制約を受
けずに事業展開を行うという観点からは、これらの指摘どおりNTT持株会社のドコモ株
保有割合を一層低下することが望ましいのではないかと。
 また、株式の外国上場等を通じまして、持株会社の保有株式比率をできるだけ低下して
いく努力が望まれるのではないかと。あるいは、それ以外のNTTデータ等を含めまして、
グループ各社がインターネットを中心とする新たな事業領域において、自分の経営判断の
もとに自由な事業展開ができるようにすることが重要であるということでございます。
 17ページでございますが、まずNTTグループ全体の在り方ということでございます。
ご承知のとおり、NTT持株会社は、現在、資金、人事いろいろな面で統括機能を有して
おります。
 また、グループ内各社のダイナミックな事業展開ということで、先ほど来からご説明申
し上げているとおり、グループ内各社が自主的な経営判断のもとにインターネット時代に
対応したダイナミックな事業展開が行うことができるようになれば、公正競争が確保され
る中で我が国通信市場の全体の活性化に寄与し、ひいては国民が低廉、高速のインターネ
ットサービスを享受できるようになることが期待されております。
 持株会社の在り方そのものの検討とは別にしまして、当面の措置としまして、持株会社
の運営方法として、できるだけグループ各社の自由な経営判断を尊重し、グループ内の競
争を促進させる方向でのグループ運営が求められると。したがいまして、先ほど来ご説明
申し上げましたとおり、できるだけ早急にコム、ドコモの持株比率をそれぞれの経営の自
主独立性を発揮できる程度まで低下することが必要であると。
 自主的な経営判断として実施されることが望ましいわけですが、持株会社がそのような
判断をしない場合の実効性確保のための措置の在り方についても今後検討する必要がある
のではないかと。
 最後から2ページ目、18ページ目でございますが、これはNTTグループ全体の在り
方でございます。下線の部分だけ強調させていただきますと、人為的に事業会社の事業領
域を設定するという今のやり方にはやはり限界があり、事業会社間の事業領域の垣根を撤
廃し、各社の経営判断を最大限尊重できる体制が望ましいのではないかと。あるいは人員
の流動化や研究開発面におきましても、必ずしも持株会社によるグループ運営が唯一不可
欠の方法とは考えられないのではないかと。いずれにいたしましても、そのメリット・デ
メリットを踏まえて、グループ事業会社各社の経営改善の在り方や公正競争の在り方など、
総合的な観点から十分に再評価した上で結論を得ることが必要ではないかと。
 最後でございます。19ページ目でございますが、NTT法における諸規制の在り方で
ございます。現在、会社法に基づきまして、持株会社、あるいは東西NTTに経営の安定
化を図るためにいろいろな規制を課してございます。新株発行、事業計画、利益処分の認
可等々もろもろでございます。しかしながら、これらの規制は、我が国における特殊会社
に共通した会社の適正かつ安定的な経営を図る観点から課される必要最小限の規制である
というふうに考えられております。したがいまして、NTTの経営形態の在り方全般につ
いての検討を踏まえて今後措置すべきでありまして、一部の規制のみを取り出して緩和を
検討することは必ずしも適切ではないのではないかと。ただし、グローバルな事業展開を
弾力的に実施する上で支障があるのであれば、新株発行の認可についての規制緩和等、緊
急性の高いものについては別途検討、緩和する方向で検討する必要があるのではないかと。
 最後に、NTT法の在り方の見直しの際には、通信・放送の融合を踏まえたNTTグル
ープの放送分野への参入の在り方についてもあわせて検討することが必要なのではないか
ということでございます。
 以上、駆け足で大変恐縮でございました。
○舟田主査 ありがとうございました。どうぞ、若干5分程度ありますから、ご意見なり
ご質問をしていただいて。
○山本専門委員 じゃあ、すみません。前々からちょっと気になっていたんですが、「イ
ンセンティブ規制」という用語の使い方なんですが、中身がよくわからないです。申しわ
けありませんが、その効率化インセンティブとか、そういうものというのはプライスキャ
ップ初め出てくるんですが、ここで言うインセンティブというのは、どうも事業を拡大成
長させるインセンティブみたいな言われ方もしていて、具体的にはどういう規制を指して
インセンティブ規制と言っているのかちょっとよくわかりません。それが一点です。
 それからヤードスティックなんですが、これもできれば私は外していただきたく思うん
ですが、ヤードスティック競争の促進とか言っても、2社しかないヤードスティックとい
うのは、ちょっとこれは余り意味がないんですね。ですから、将来的な直接供給の可能性
を展望すればという論点だけで十分なんで、ヤードスティックがどういう効果があるのか。
持株会社が100%ずつ持っていて、何か言っても話にも何もならないんじゃないかなと
いうふうに思うんですけれども、だってどこまで独立性があるかわからないんですよ。1
00%子会社同士で。だから、ここもちょっとよくわからないですね。
 それから最後に、ちょっとこれは調べてほしいんですが、NTTの名称なんですが、携
帯の方は「NTTドコモ」になっていますよね。ただ、ヨーロッパの各国等、アメリカを
見ても、必ずしも親のコモンキャリアの名前を使わせない例もあるような感じがするんで
すよね。そういうことって、意外とかなり大事で、我々はNTT今まではやっていました
から、ドコモに入ってiモードを使うのが一番安心だという、これは物すごいブランドロ
イヤリティーでして、そういうところのハンディキャップみたいなものもやっぱりあるん
だとするならば、「NTTドコモ」とか名称自体もやはりかなり大きな問題になってくる
んじゃないかというんで、ちょっとそこは他の先進諸国がコモンキャリアと携帯の関係、
子会社の、どういうふうな名称を使っているかというのはちょっと調べておいてほしいと
思うんです。
○貝沼事業政策課長 お時間の関係もございますので、できれば各先生方からコメント、
あるいは宿題をいただきまして、それをまとめて次回にご報告させていただくということ
でお願いできればと思うんですが。
○舟田主査 今読んで急にコメントなり質問なりあれば……。なければ、また出していた
だくと。それで、出していただくと、皆さんお忙しいですから、ちょっと失礼ですけれど
も、事務局の方からそれぞれご連絡いただいて、何かご意見ありませんかと聞いていただ
いた方がいいかと思いますけれども、今あと特に……。村上さん何かございませんか。ま
あ、たくさんあるでしょうけれども。
○佐藤専門委員 後でゆっくり読んで何かあれば書いて……。
○貝沼事業政策課長 すみません、16日までの時間が短くなっておりますので、一言、
二言でも今気づいたことを出していただければ、我々も宿題の処理ができますので。
○佐藤専門委員 きょうしゃべり過ぎたからちょっと静かにしようかなと思っていますか
ら、帰ってきょう何かあればきょうでも……。いや、それなりに必要なことはある程度書
き込んでおられるようにも思いますが、何か後で気がつけばできるだけ早くメモを送るよ
うにします。
○舟田主査 よろしければ。
○村上専門委員 では、一つだけ。19ページの諸規制の中の事業計画提示というのがあ
るわけですけれども、その下から2番目のポツの中で「緊急性の高いものについては」と
いうのは、新株発行のところだけを書き込んでおられるようなんですが、これは事業計画
については今後も提出を求めるというふうに読み取れます。その提出された事業計画に対
する規律というのはあるんですか。
○貝沼事業政策課長 認可になります。
○村上専門委員 認可されて、そのとおり実施されなかった場合はどうなのですか。株式
市場では何らかのパニッシュメントがあるわけですけれども。
○南事業政策課調査官 会社法の世界では一応、本当に会社法の適用について問題があれ
ば監督上命令ができる制度というものは担保はされております。
○村上専門委員 大きくずれるとどうですか。
○南事業政策課調査官 もし万が一会社の安定経営に何らかの問題があるんであれば、最
後のラストリゾートは持っていく形にはなります。
○村上専門委員 企業経営という立場から見て、5年先まで毎年事業計画書を出して、そ
れに責任を負うというのは、このドッグイヤーの時代につらいだろうなという感じを持っ
ております。
○舟田主査 これは会社の経営者からすれば当然のご批判ということで。
 ほかにいかがでしょうか。古川さん、せっかく来たんですから、何か一言。
○古川専門委員 いつか新聞で取材を受けて、質問をされたときに聞いているだけでそれ
が記事になってしまったりとか、ちょっと発言に対してはなかなか口が重くなっているん
ですが、あの件に関しては、いや、新聞で本当にあんなこと語ったのかと言われたときに
は、いや、あれは記者さんが勝手にしゃべっていて、「ああ、そうなんですか」と言った
瞬間に私がしゃべったことになってしまって、そういう意味ではちょっと誤解をいろいろ
生んでいるのかもしれませんということをちょっと申し上げさせてください。
 それから、あわせて放送の方でちょっと過激な発言が過ぎて、少しちょっと自嘲気味と
いうこともありまして、ただ、今回のインターネット時代に向けての競争政策という意味
では、たびたびいつも考えておりましたのは、通信としてのパイプそのものを余り偏った
形での状態を避けるために何らかの政策が必要だということはわかるんですけれども、今
度逆に追い詰めた先の矛先といいますか、要するにそのエネルギーはどこへまた向けてい
ただくのかという部分がないと、なかなか厳しいかなといつも思っていまして、この中で
きょう委員の方々が語られた本筋からは少し外れることになるかもしれませんが、やはり
たびたび私は口に出させていただいているケースというのは、欧米の場合には、通信に関
して一定の規制をはめた以外に、海外への展開とそれから放送への進出に関して非常に今
度は逆に緩やかにして、その持てる力をそちらの方にむしろ逆に振り向けるということで
バランスを保ってきたような経緯があると思うんです。もちろん、通信の立場から語る中
で、放送に対して進出して構わないという話というのは、この中で語れることなのかどう
か非常に悩ましいことがあると思うんですけれども、ただ実際にはそれとペアリングした
形で実は海外ではブリティッシュテレコムの場合でも、非常に企業としての中のエネルギ
ーをうまく生かすという意味では成立しているようなところがありまして、ですから、今
回の各委員のお気持ちの中に、幾つかの枠をとにかくはめていく。それに関して、それ以
外に今度は逆に、じゃあ結果として宮津さんがおっしゃるように、雇用が維持できないん
で、とにかく首をくくらにゃいかんのだという話に、そういうふうになってしまう前に、
だったらこちらの方に雇用をうまく使う、要するに圧力弁といいますか、それがあるんじ
ゃないでしょうかというようなところもあわせてご配慮いただきながら進めなきゃいかん
といつも思っていました。
○舟田主査 まあ、13ページではそういうご指摘があって、社員の士気が低下すると。
大問題だということは私どもも考えていますけれども。今、きょうのご指摘を受けまして。
 それからここでの発言、もしご心配でしたら後で議事録をお回ししますので。
 それでは、4時になりました。時間ですので、不十分な議論だったと思いますけれども、
追加のご意見等がございましたら、早急な話でございますが、事務局としては11月8日
までに事務局までお申し出いただきたいということでございます。
 私も家へ帰って土曜・日曜読んで、何か出そうと思っています。

             (3)次回の開催予定について

○舟田主査 次回の小委員会ですが、11月10日(金曜日)午前10時で、ここでこの
小委員会としての取りまとめ案を確定ということになります。それで特別部会へ持ってい
くと。小委員会としては、ある意味では案の確定の作業に入りますので、ぜひご出席、あ
るいはご意見をいただきたいと思います。
 よろしゅうございましょうか。

               閉  会

○舟田主査 それでは、きょうはこれで終わります。ありがとうございました。

    






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