第6章 政府の役割

1 規制緩和の推進

  
   情報通信産業のダイナミズムを創出するためには、第2次情報通信改革
  に向け、第4章及び第5章で述べた措置を着実に実施するとともに、社会
  経済情勢の変化や急速な技術革新を踏まえ、積極的に規制緩和を推進して
  いくことが望まれる。また、情報通信インフラ整備の円滑化を図るため、
  土地等利用関係の諸規制の見直しを進めるとともに、社会の幅広い分野に
  おいて、情報通信の高度化のもたらす利益を最大限に活用するため、情報
  通信の高度利用が期待される分野の諸制度の見直しを積極的に推進するこ
  とが必要である。
  
  (1) 電気通信分野の規制緩和
  
   電気通信分野の規制については、透明性の確保に十分配意しつつ、事業
  者のおう盛な事業意欲を促すべく、積極的に規制緩和を推進していくこと
  が必要である。
   なお、(ア)以下の規制緩和を進めるに当たっては、市場支配力の濫用を防
  止し、公正有効競争の確保と消費者の保護を図るなどの観点から、支配的
  事業者に対し、いわゆる非対称規制を導入することを検討すべきである。
  ただし、これについても、競争の進展状況に応じ緩和し、最終的には廃止
  すべきである。
  
   (ア) 参入規制
     電気通信事業法においては、第一種電気通信事業に参入する場合は
    郵政大臣の許可が必要とされており、その許可基準は同法第10条に規
    定されている。このうち第2号の「電気通信回線設備が著しく過剰と
    ならないこと」という過剰設備防止条項について、需給の厳密なマッ
    チングを求める需給調整条項として機能し得る等の指摘がある。
     他方、第一種電気通信事業者は、ネットワーク設備を設置する必要
    があるが、現在、各種の公益事業特権(国公道等の優先的利用や他人
    の所有に属する土地等に対する強制的使用権)によって、こうした第
    一種電気通信事業者のネットワークの構築が円滑に行われているとい
    う事情があり、こうした公益事業特権の維持は、今後とも第一種電気
    通信事業の運営にとって必要不可欠である。
     したがって、過剰設備防止条項と切り離して公益事業特権を付与す
    る新しい仕組みが確立されることを前提条件として、同条項の削除を
    検討することが必要である。
   
   (イ) 料金規制
    (a) 基本的考え方
      現在の料金規制は、国民生活、国民経済に密接に関連した基本的
     な料金については総括原価方式による認可制としているが、その他
     の料金については、平成7年10月から事前届出制を導入し、認可対
     象となる料金の数は半数以下に縮減されたところである。
      今後は、市場の公正有効競争条件の整備状況や競争の進展状況等
     を踏まえつつ、市場の実情に対応した料金規制の在り方について検
     討すべきである。
      市場における料金規制の在り方についての考え方は以下のとおり
     である。
    (b) 地域通信市場
      NTTの経営形態を見直した後においても、地域通信サービスに
     ついては、相当期間、地域NTTの事実上の独占が続くことから、
     地域NTTに対しては、現行の総括原価主義に基づく認可制を維持
     するのが適当である。この場合、認可に際してはヤードスティック
     方式などのインセンティブ規制を導入し、経営効率化のインセンテ
     ィブを与えることが適当である。
      また、その際、その他の事業者については、認可制から事前届出
     制へ移行し、非対称規制を採用することを検討すべきである。
    (c) 長距離・国際通信市場
      長距離通信市場については、NTTの再編成により公正有効競争
     条件の整備が図られた段階で、事前届出制に移行することを検討す
     べきである。
      この場合、支配的事業者に対しては、柔軟かつ機動的な料金設定
     を促進しつつ、消費者保護を図る観点から、インセンティブ規制を
     導入することを検討すべきである。
      国際通信市場については、KDD以外の事業者により、KDDに
     そん色のない対地が安定的に確保された段階で、事前届出制への移
     行を検討すべきである。この場合、支配的事業者に対しては、イン
     センティブ規制を導入することを検討すべきである。
      なお、支配的事業者に対する料金規制の検討に際しては、消費者
     保護の視点、公正有効競争確保の観点から、消費者や他事業者が不
     服を申し立て、これに基づいて行政が調査する等の制度の導入につ
     いても検討することが望ましい。
    (d) 移動体通信市場
      移動体通信市場(携帯・自動車電話、PHS、無線呼出し等)に
     ついては、
     I NTT移動通信網(株)がボトルネック独占であるNTT地域通信
      網から平成4年7月に分離され、平成5年に地域分割された結果
      、公正有効競争条件が整ってきていること、
     II 近年、同市場への新規参入が相次ぎ、全国的に6又は7社での
      競争体制が形成されつつあること、
     等から、認可制から事前届出制に移行するとされているが、これを
     着実に実施していくことが望まれる。
   
   (ウ) 専用線の利用自由化
    (a) 専用線の利用自由化は、情報通信ネットワークを活用したニュー
     ビジネスの展開や料金の低廉化等を促進する観点から早期に実現さ
     れることが望ましい。
      専用線の片端で公衆網と接続する「公専片端接続」については、
     平成7年4月に実現し、その影響を1年後に評価することととなっ
     ているが、専用線の両端で公衆網と接続する「公専公接続」につい
     て、従来平成9年中とされていた実施時期を前倒しし、平成8年中
     の完全自由化を目指し、可能な限り早期化することとなっている。
    (b) また、国際VANサービスにおける基本音声サービスについて、
     平成7年4月に公衆網との接続のない形で実現し、その影響等を2
     年後に評価することとなっているが、公衆網との接続について、従
     来の方針(平成9年度に実施時期及び内容を決定)を前倒しし、平
     成9年中の完全自由化を目指し、可能な限り早期化することとなっ
     ている。
    (c) こうした専用線利用の完全自由化について、着実に実施すること
     が望まれる。
   
   (エ) 外資規制等
    (a) 我が国は昭和60年の制度改革の際、NTT及びKDD以外の第一
     種電気通信事業者については3分の1未満まで、第二種電気通信事
     業者については無制限に外資参入を認め、また国際通信専業の衛星
     通信事業については平成6年に外資規制を撤廃した。
      この結果、平成8年1月現在、第一種電気通信事業者 122社のう
     ち34社、特別第二種電気通信事業者47社中17社に外資が参入してい
     る。
      外資規制の在り方は、本年4月末を交渉期限としてWTO(世界
     貿易機関)において行われている基本電気通信交渉の交渉結果等を
     踏まえ、世界的な自由化に向け、我が国として、一層の緩和につい
     て検討すべきである。
    (b) NTT及びKDDについては現在5分の1未満まで外資参入が認
     められているが、経営形態見直し後の長距離NTTについては、他
     の第一種電気通信事業者と同様の取扱いとなる。
      また、地域NTTについては、地域通信市場の競争の進展に応じ
     て、緩和を検討すべきである。
      KDDについては、KDD法の廃止を検討する際、廃止後の外資
     規制の在り方について、我が国及び国民の安全の確保等の観点を含
     め検討すべきである。
    (c) 今後、我が国事業者の海外市場における事業展開を促進する観点
     から、諸外国に対しても、参入に関する審査基準の明確化、標準処
     理期間の設定を含む審査の迅速化等の規制の緩和を求めていくべき
     である。
  
  (オ) その他
     上記に述べた各種規制緩和措置のほか、内外の意見・要望を踏まえ
    つつ、適時適切な規制の見直しを進めていくことが望まれる。
  
  (2) 土地等利用関係の諸規制
   (ア) 第一種電気通信事業者のネットワーク構築を円滑に進めていくため
    には、線路設備を収容するのに適した各種の公共空間を開放すること
    を検討すべきである。具体的には、下水道管きょや高速道路に第一種
    電気通信事業者が事業用光ファイバを敷設することが弾力的に行える
    ようにすることが望ましい。

   (イ) また道路占用については、地下部分の占用料の低廉化や手続の簡素
    化など一定の改善が行われてきているところであるが、許可手続の一
    層の簡素化、占用期間の延長、いわゆる二次占用に係る占用料の在り
    方の見直しなど一層の改善が期待される。
    
  (3) 情報通信の高度利用が期待される分野での諸制度の見直し
   (ア) 現行の各種制度の中には、近年の急速な情報通信の高度化を想定し
    ていないものがある。情報通信の高度化のメリットを最大限に活用す
    るためには、教育、医療、行政、商取引等の幅広い分野において、諸
    制度を見直すことが必要である。諸制度の見直しによって、情報通信
    産業の活性化のみならず、新規事業の創出や国民利用者の利便向上を
    通じて、我が国経済全体の構造改革が促されることが期待されるもの
    であり、関係省庁が連携しつつ、柔軟な見直しを行う必要がある。
     政府は、平成7年2月に内閣総理大臣を本部長とする高度情報通信
    社会推進本部が決定した「高度情報通信社会推進に向けた基本方針」
    を踏まえ、同年8月、同本部に「制度見直し作業部会」を設け、当面
    、書類の電子データによる保存及び申告・申請手続の電子化・ペーパ
    ーレス化について検討を行っているが、今後その検討結果等を踏まえ
    つつ、着実かつ早期に見直しを実現することが望まれる。(詳細は、
    資料21を参照)

   (イ) また、高度情報通信社会の推進により、情報の自由な流通と共有化
    が図られるが、その際、プライバシー保護やデータ・セキュリティの
    確保が重要な課題となる。こうした課題を克服し、安心してネットワ
    ークを利用できる環境を整備するためには、(a) 暗号・認証技術の開
    発・活用による電子情報の安全・信頼性の確保と当該電子情報への法
    的効力の付与、(b) 公序良俗に反する電子情報のコンテントの取扱い
    等に関するルール作り、(c) 電子商取引における消費者保護など、所
    要の環境整備を図る必要がある。
     同時に、魅力あるソフトの制作・供給・利用の環境整備を図るため、
    ソフトに係る知的所有権の保護・流通策について検討する必要がある。

2 接続に関する政策の推進

   
  (1) 基本的な考え方
   (ア) 現在の接続に関する制度は、事業者間で接続の可否及び条件を協議
    し、合意が成立すれば接続が実現する仕組みとなっている。この際、
    一方の当事者が不当な条件を設定することを防止する観点から、接続
    協定について郵政大臣の認可を要することとし、当事者間で協議が整
    わない場合、公共の利益を確保する観点から、当事者の申立てを受け
    、郵政大臣が接続命令や裁定を行う。
   (イ) しかし、NTT地域通信網のように、他事業者にとって当該ネット
    ワークへの接続が不可欠な設備の場合、電気通信事業全体のサービス
    多様化の実現や料金の低廉化の観点から、この設備との多様な接続が
    合理的かつ無差別な条件により迅速に実現することが不可欠である。
   (ウ) したがって、事業者間の協議に委ねる現行の制度を改め、NTT地
    域通信網などの一定の市場シェアを有し不可欠な設備を有する事業者
    (以下「特定事業者」という。)と他事業者との接続に関する基本的
    ルールを策定するとともに、ルール遵守の実効性を担保する観点から
    必要な措置を講じる必要がある。
   (エ) こうした接続の基本的ルールの策定により、他事業者にとっては接
    続に係る事業者間協議に要する期間の短縮等が実現するとともに、将
    来の事業計画の予測可能性が高まり、新サービスの円滑な導入が促進
    されることが期待される。
   (オ) また、他事業者にとって地域NTT各社の接続条件を比較検討の上
    、選択することが可能となり、地域NTT相互の競争を通じて、接続
    料金の低廉化や接続協議の一層の迅速化が期待される。
   
  (2) 接続の基本的ルールの具体的内容
    接続の基本的ルールとしては、当面、特定事業者に対する以下の項目
   について早急に検討を行い、具体的内容を決定した上で、制度化を進め
   ることが適当である。
    接続の基本的ルールの策定に当たっては、利害関係者である事業者に
   意見を述べる機会を与えるなど、公正・透明な手続を確保することにつ
   いて、十分留意すべきである。
    また、接続の基本的ルールの実際の運用状況を踏まえ、随時その見直
   しを図っていく必要がある。
   
   (ア) 接続の義務化
     他事業者との迅速な接続の実現を確保するため、接続を義務づける。
   (イ) 接続条件の料金表・約款化
     迅速な接続の実現及び透明かつ無差別な接続条件を確保するため、
    接続条件の料金表・約款化を義務づける。
   (ウ) 接続に関する会計方法・基準
     内部相互補助を防止するとともに、接続費用が合理的であるかどう
    かを他事業者が判断できるようにするため、接続に関する会計基準を
    国が定め、接続に関する会計の開示を義務づける。
     また、他事業者が設備のうち必要な部分又は機能だけを利用し、当
    該部分又は機能に係る費用だけを負担すれば足りるようにするため、
    接続費用を設備の構成要素や機能ごとに細分化(アンバンドル化)す
    る会計方法を定める。
    
   (エ) 接続の技術的条件
     信号網接続の実現や、他事業者が設備の必要な部分や機能だけを独
    立して利用できるようにするため、接続に関する約款において定める
    べきインタフェース条件を定める。
   
   (オ) 局舎、電柱、管路等の使用
     他事業者が特定事業者の局舎での物理的接続を希望する際、
    (a) 他事業者の伝送装置の特定事業者の局舎への設置(コロケーショ
      ン)
    (b) 局舎への引込みのための特定事業者の電柱、管路等の使用
    が必要な場合がある。
     したがって、不可欠な設備との接続に必要となる局舎、電柱、管路
    等について、その提供を義務づけるとともに、提供条件を料金表・約
    款に含める。
   
   (カ) 番号ポータビリティ
     特定事業者の加入者は、事業者の変更により電話(アドレス)番号
    が変わる場合には、経済的に不利益が生じるため、事業者を変更しな
    い可能性があり、この場合、特定事業者が優位性を保持し続けること
    となり、公正有効競争を阻害するおそれがある。
     したがって、接続を希望する他事業者が番号ポータビリティの実現
    を求めた場合は、これを提供することを義務づける。あわせて、その
    際の費用負担の在り方についても検討する必要がある。
   
   (キ) 優先接続
     NTTの再編成時に、長距離NTTと他事業者の公正有効競争条件
    を整備するため、優先接続制度を導入することとし、その実施方法に
    ついて検討すべきである。
   
   (ク) 網機能提供計画の開示
     他事業者との接続を円滑に進めるためには、接続を希望する事業者
    からの要望が出された後の事後的な対応を行うだけではなく、自己の
    ネットワークを構築するに当たって、あらかじめ他事業者との接続を
    考慮した設計を行っていくことが必要である。このことは、多様なサ
    ービスを提供するための様々な接続形態での網機能の利用要望を有し
    ている第二種電気通信事業者にとって、特に必要である。
     したがって、他事業者との接続を円滑に進めるためには、特定事業
    者が、ネットワーク設計から他事業者の網機能に対する意見・要望を
    反映させてネットワーク構築を行っていく必要
     具体的には、特定事業者が提供する接続に係る網機能について、ネ
    ットワーク開発に着手する前に網機能の提供計画を公表することを義
    務づけ、他事業者の意見をその開発に反映させるための手続を制度化
    することを検討すべきである。
   
   (ケ) その他円滑な接続を確保するための措置
     上記のほか、特定事業者による接続を希望する他事業者に対する不
    当な差別的取扱い、接続協議の意図的な遅延、接続に不要な資料の要
    求等の円滑な接続を阻害する行為を防止するための措置について検討
    すべきである。
   
  (3) 接続の基本的ルールの策定、監視機能の充実
    接続の基本的ルールの策定及びその見直し、ルール遵守状況の監視等
   、接続に関する行政事務が今後増大するものと考えられる。
    その際、電気通信市場のように急速な技術革新による市場の変化が激
   しい分野においては、接続の基本的ルールの策定等、接続に関する政策
   を立案する機能と、その遵守状況の監視・裁定という行政機能とを一体
   として遂行することが、ネットワークの高度化・多様化に対応した的確
   かつ迅速な行政の遂行に資するものと考えられる。
    したがって、これらの事務に的確かつ迅速に対応するため、接続の基
   本的ルールの策定・監視・裁定を行うための専門的スタッフを擁する新
   たな部署を設置するとともに、審議会の中に専門有識者をメンバーとす
   る接続に関する部会を設置するなど、郵政省における接続行政に係る機
   能の充実・強化を図ることについて検討すべきである。
    また、接続の基本的ルールの策定と同様に、監視・裁定といった行政
   に対する公平性・中立性確保の要請に応えるため、これらの手続を明確
   にするとともに、可能な限り関係資料の公表を行うなどの透明性の確保
   に十分努めることが必要である。
    なお、我が国と同様に競争を導入している米英においても、接続の基
   本的ルールの策定、監視・裁定は、他の規制行政と合わせて、同一の行
   政機関において遂行されている。

3 NTTの再編成の実施

 
   前述したようにNTTの再編成の実施は、平成9年度末のデジタル化完
    了の後、速やかに実施することが望ましい。
   したがって、政府は、平成10年度中(1998年度中)を目途に再編成を行
  うべく、再編成計画案の策定等の検討作業を直ちに開始するとともに、所
  要の立法措置について準備を進めるべきである。

4 その他の政策措置の実施

  
   上記の規制緩和の推進、接続に関する政策の推進、NTTの再編成の実
  施のほかにも、情報通信産業のダイナミズムを創出し、国民利用者にとっ
  て望ましい情報通信を実現するため、以下の措置、方策を講ずることが必
  要である。

  (1) 研究開発成果の普及
    NTT(再編成後は地域NTT)の研究開発成果の普及を実効的なも
   のとするため、研究開発成果の開示について透明性の確保を図ることが
   必要である。

  (2) 合理化の推進
    NTTは、再編成までの間の要員削減、それによるコスト削減効果、
   具体的な措置内容及び実施時期等を含む合理化計画を作成、公表し、そ
   れを着実に実施することによって、一層の合理化の推進を図る必要があ
   る。

  (3) ユニバーサルサービスの確保
    地域における競争の進展状況を踏まえ、例えば、ユニバーサルサービ
   ス確保のための基金を設置するといった新たな制度について検討する必
   要がある。

  (4) 研究開発の推進
    我が国の電気通信分野の研究開発の発展を図るため、ベンチャー企業
   の育成、デファクト標準への対応、研究開発リソースの充実、基礎的・
   先端的研究開発に対する研究開発費及びこれを行う研究機関の充実、産
   学官の連携強化等の措置を推進していく必要がある。
  
  (5) 安全・信頼性の向上
    非常・災害時の通信のふくそう・途絶を最小限のものとし、また、公
   的機関の優先利用を確保する等通信の安定的確保を図るため、通信事業
   者による中央安全・信頼センターの設置等の施策を講ずる必要がある。
  
  (6) 基盤整備の推進
    光ファイバ網整備に関する特別融資制度、モデル事業やモデル都市の
   指定・支援、アプリケーションサービスの事業化支援などの施策を推進
   することにより、2010年までに光ファイバ網を全国の家庭まで敷設する
   目標の達成や高度なアプリケーションの実現を図ることが期待される。

  (7) 消費者行政の推進
    消費者が電気通信サービスに関し、行政に対して苦情申告等を行える
   仕組みの法制度化について検討するとともに、電気通信分野の消費者行
   政にかかわる行政機能の充実を検討する必要がある。

  (8) 新しい行政の展開
    上記の各措置を推進していく中で、通信行政の力点は、(ア)情報通信ビ
   ジョンの提示、(イ)インフラの整備、(ウ)事業者の事業環境の整備(番号計
   画の策定、安全・信頼性、ハッカー対策など)、(エ)事業者間の調整(相
   互接続など)、(オ)消費者行政、(カ)国際的な環境づくり(国際標準化、相
   互認証制度、海外での普及支援、情報通信外交など)、(キ)周波数資源の
   開発、(ク)基礎的・先端的な研究開発の充実、(ケ)コンテント事業の振興など
   となっていくことが望ましい。