電気通信審議会接続の円滑化に関する特別部会第3回会合議事要旨(平成8年7月9日公表)






1 日時
  平成8年5月24日(金) 午後3時30分〜5時25分

2 場所
  郵政省審議会会議室(郵政省12階)

3 出席者
 (1)特別部会
   ア 委員・臨時委員
     増澤高雄(部会長)、舟田正之(部会長代理)、後藤守正、篠原滋子、
    月尾嘉男、林敏彦

   イ 専門委員
     相田仁、青井浩也、井上伸雄、大野幸夫、酒井善則、佐藤治正、
    関口博正、醍醐聰、手塚仙夫、東海幹夫、三谷政昭

 (2)事務局
    佐村知子審議会室長

 (3)郵政省
    五十嵐三津雄電気通信局長 他

4 議題
 (1)開会
 (2)関係者からのヒアリング
   ア 日本移動通信株式会社 塚田社長
   イ ディーディーアイ東京ポケット電話株式会社 日沖社長
   ウ 株式会社ジュピターテレコム 西村社長
   エ 社団法人テレコムサービス協会 一力会長
 (3)討議
 (4)閉会

5 模様
  関係者からのヒアリングの後、次のような質疑応答があった。

 (1)日本移動通信株式会社 塚田社長

  ア 携帯電話の接続料金は、NTTに対して、加入電話料金と同様の料金を
   支払っているのかとの質問があり、以下のような回答があった。

   ・ 現在携帯電話業界では、地域・中継系のアクセスチャージとは異なる
    カールソン課金(以下、「K課金」という。)という形で精算を行って
    いるが、この4月からNTTとの間でアクセスチャージ導入に向けて協
    議を開始したところ。

   これに対し、どうして中継系と違うのかとの質問があり、以下の回答があ
  った。

   ・ 歴史的にはK課金方式まずありきということでスタートを切ったが、
    中継系の動き等から遅まきながら、その方向で話し合いを始めたところ。

  イ 全事業者に対する平等な相互接続条件の整備の意見について、この全事
   業者というのは、NTT関連会社も含めて考えているのかとの質問があり、
   NTTが一方の事業者であり、ドコモも含めてというふうに理解してほし
   い旨の回答があった。

  ウ 現在県1ヶ所のPOIで接続されているということだが、将来的に、よ
   り下位の接続点での接続も経営判断の中にあるのかとの質問があり、これ
   を肯定する旨回答があった。

  エ 「料金改定の過程で、他事業者が意見を述べる場」の内容を問う質問が
   あり、以下のような回答があった。

   ・ 裁定ということで考えているわけではなく、交渉において、当事者間
    の話し合いに限界がある場合、決定を行う違った土俵が場合によっては
    必要となる、という趣旨である。

 (2)ディーディーアイ東京ポケット電話株式会社 日沖社長

  ア 事業計画の段階での対NTT接続の費用負担と実際の費用負担の実績と
   の違い、売上げの中のどの程度がNTTへの支払いになるのかという質問
   があり、以下の回答があった。

   ・ 大体最初の試算と同じようになっているが、非常にそこのところは問
    題を含んでいる。

   ・ 新事業であるのではっきりとは言えないが、1つの事業者が約400
    万から500万の加入を得て、やっと採算が合うというぐらいの負荷が
    かかっている。

   ・ コール・バイ・コールのベースで大体50%支払う構造になっている。

  イ 設備使用料等について、次の質問があった。

   1.NTTパーソナルはDDIポケットと同じ条件か。

   2.B方式による算定の問題点は、NTTが独自に算定したコストだから、
    支払う側はその検証ができないということか。

   3.報酬率は、サービスの提供の中に盛り込むべきものであって、サービ
    ス提供のベースになる接続のような行為の中に盛り込むのは、ダブルカ
    ウントになっているのではないかとの趣旨か。

   4.PHS事業者が全額負担するのは適切かどうか、PHSのトラヒック
    が増えればNTTの利用も増えるという意味で互恵的なものであり、折
    半があってしかるべきではないかという指摘か。

  これに対し、以下の回答があった。

   1.ほぼ同じ条件ではあるが、NTTパーソナルはNTT網に殆ど100
    %依存しているという点で(コストの)負担構造が違った部分がある。

   2.B方式は不透明であり、我々は積み上げ方式を主張しているが、NT
    Tは積み上げ方式はやれないと主張し、現在平行線となっている。また、
    不必要なところを省いた長期増分コストだけにすべきである。

   3.報酬率について、接続装置の部分については、実費を負担すればよく、
    最低限その金利部分を負担すれば利益を出す必要はないと主張している。

   4.全額負担となっている理由の一つは、PHS事業者がPHS発着両方
    とも料金を決め、その料金の中でコストを回収する構造になっているた
    めであり、ランド発(固定網発)はランド事業者が決めれば、折半でい
    いのではないかと主張している。

 (3)株式会社ジュピターテレコム 西村社長

  ア CATVの回線を既に引いている場合は、電話のための設備が既にイン
   プットされているのではないかとの質問があり、以下のような回答があっ
   た。

   ・ 現在まで日本で構築されてきたCATVの殆どは電話対応にはなって
    おらず、現在の同軸ケーブル系のCATVを電話対応にするためにはシ
    ステム改造が必要である。

  イ 付加サービスについて、これはNTTの付加サービスにアクセスできる
   という意味なのか、又はCATV事業者が独自に付加サービスを提供して、
   それを接続することができるという意味なのかという質問があり、以下の
   ような回答があった。

   ・ 付加サービスの中には、非常通報のように独自に提供できるものもあ
    るが、番号案内のように、小規模事業者が独自につくることはほとんど
    困難なものもある。

 (4)社団法人テレコムサービス協会 一力会長

  ア ルールの策定機関について、何か長期的に存続する機関を想定している
   かとの質問があり、これに対しては、郵政省が行なえばよいとの回答があ
   った。

  イ ネットワーク改造費用の負担はNTTと他事業者間でどう分けるべきと
   言っているのかとの質問があり、以下のような回答があった。

   ・ お互いの網が標準化のために改造するのであれば、お互いが負担すべ
    きであり、NTT網の標準化の費用はNTTが負担するべきである。


  (文責:電気通信審議会事務局。速報につき、事後修正の可能性あり。)