電気通信審議会接続の円滑化に関する特別部会第12回会合議事要旨(平成8年12月27日公表)





1 日時
  平成8年11月27日(水) 午後1時31分〜2時53分

2 場所
  郵政省審議会会議室(郵政省12階)

3 出席者

 (1)特別部会

  ア 委員
    増澤高雄(部会長)、舟田正之(部会長代理)、後藤守正、篠原滋子、
   園山重道、百崎 英

  イ 専門委員
    相田仁、青井浩也、浅野正一郎、伊東 晋、井上伸雄、大野幸夫、関口
   博正、手塚仙夫、東海幹夫、三谷政昭

 (2)事務局
    渡辺信一審議会室長

 (3)郵政省
    谷公士電気通信局長 他

4 議題

 (1)接続の基本的ルールの在り方について
 (2)接続の基本的ルール案に関する意見及びそれに対する考え方

5 模様

 (1)討議
    前回の審議及び各小委員会における検討を踏まえてとりまとめた「接続
   の基本的ルールの在り方について」答申案及び「接続の基本的ルール案に
   関する意見及びそれに対する考え方」について、事務局からの説明の後、
   これについて討議を行った。
    主な意見等は次のとおり。

  ア 事業者間協議が不調になった場合に裁定があるが、その裁定は審議会で
   行うのか。

  (事務局より以下のように説明し、了解を得た。)

  ・ 例えば、裁定申請があったときに、審議会自身が両当事者から意見を聞
   いて、その裁定内容を確定し、それに基づいて郵政大臣が裁定を行うとい
   った、中立性、透明性をより高めるため審議会機能を強化・充実するとい
   った対応を想定したものである。

  イ 接続ということを考えると、よく公正有効競争ということが言われるが、
   公正有効な協調原則というようなものが根底になければいけないという気
   がする。執行の段階等に入ったときに一つ、その辺についても念頭に置け
   ばよいと思う。

  ウ 公開の方法について、透明性及びデュープロセスを十分確保することに
   よって運用を公正に行うとあるが、その方法としては、文書で出すのか、
   官報等に出すのか、どんな方法なのか。

  (事務局より以下のように説明し、了解を得た。)

  ・ 通常は、例えば議事内容については、議事要旨を閲覧に供し、インター
   ネット等でも見れるようにしており、これらの方法によることを想定して
   いる。

  ・ 例えば、認可する、しない、あるいは裁定をするといったときに、今回
   実施したように案を示して意見を聞くというプロセスが必要かどうか、馴
   染むかどうかという問題があるが、今後、例えばルールの見直しをしてい
   くときにも、当然そういったやり方を踏まえる必要があると思う。

  エ 接続料金の現状のところで、(各国の比較は)日本のデータは古く、ア
   メリカ等の新しいデータと比べているような印象があるので、可能であれ
   ば更新に努めてほしい。

  オ 不認可になった場合に、特定事業者はその理由を踏まえて速やかに再申
   請を行うべきであると書いてあるが、この中の「べき」というのは、行わ
   なければいけないというふうにも読めるので表現を検討すべきである。

  カ 9月の中間報告以降、いろいろなご意見を各方面の方からいただいて、
   それを反映する形で字句の修正とか、何かはっきりしなかったところを追
   加するという形で随分はっきりすることができたと思う。

  キ ニ種事業者の扱いに関し、卸売について、「第一種電気通信事業者が利
   用者約款において、いわゆる卸料金を設定することが望ましい」というふ
   うに書いてあるが、これは、郵政省がこれを受けて卸売制度というものを
   制度化するかどうかを判断するのか、それともこれ自身はNTTに投げか
   けて、それに従ってNTTの自主性によって設定されることを希望すると
   いう意味なのか。

  (事務局より以下のように説明し、了解を得た。)

  ・ NCCを含めて一種事業者が卸料金を設定することが望ましいという点
   が一点と、一種事業者が自ら卸料金を設定して、ニ種に対していわばコス
   トベースでの提供を行うということを期待もしているし、促していきたい。

  ク 一種とニ種、特に特定事業者と二種事業者の間の不公正競争が非常に深
   刻な問題になっていることを背景として、ニ種を中心とする卸料金の導入
   が必要だとされている。この卸料金は、ニ種にとっては非常に重要な問題
   なので、一種事業者の自主性に任せるということではなくて、何等かの形
   でもっと強く導入されるべきであると断定した方がよい。

  ケ ニ種の場合には、専用線の料金が一番重要になってくるわけだが、専用
   線の場合は、相互接続よりも卸料金が中心になってくるのではないかと考
   える。

  コ 委員、専門委員の皆様方の大変なご努力で立派な答申案がまとめられた
   ことに敬意を表したい。

 (2) 総会報告案の決定
   特別部会として、細部の修正を部会長及び部会長代理に一任の上で、12
  月19日開催予定の電気通信審議会総会に本答申案を報告することが、了承
  された。


     (文責: 電気通信審議会事務局。事後修正の可能性あり。)