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情報通信審議会
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IT革命を推進するための電気通信事業における
競争政策の在り方についての特別部会
競争政策・ユニバーサルサービス委員会(第10回)



日時  平成13年12月7日(木)
  午後2時00分〜午後4時30分
場所  総務省8階第一特別会議室




(速記録)




開会

醍醐主査  それではただいまから競争政策・ユニバーサルサービス委員会の第10回の会合を始めさせていただきたいと思います。
 本日の会合は前回と同様、第二次答申の競争政策部分に関連する草案の最終の議論でございますので、審議につきましては非公開とさせていただきたいと思います。

議事

 (1)第二次答申草案(競争政策関連部分)について

醍醐主査  それではお手元の議事次第に従いまして議事を進めていきたいと思います。本日予定しております議事は2点でございます。
 まず最初に、第二次答申草案につきまして、前回に引き続いての議論をお願いしたいと思いますが、この答申草案につきましては、本日の会合においてご審議をいただいた後に、先に11月29日の第8回のこの委員会の会合でご審議をいただいた、ユニバーサルサービス関連部分と合わせまして、今月11日の特別部会に報告をさせていただく予定としております。
 それでは時間も限られておりますので、前回12月3日の会合でのご議論を踏まえまして、修正した部分を中心に、事務局からご説明をいただきたいと思います。
南事業政策調査官  それではお手元に資料1、「委員限り」としまして、第二次答申草案のうち、競争政策関連部分の資料をお配りしております。実質的に変わりましたところを中心にご説明をさせていただきます。
 まず目次をお開きいただきまして、2の「競争政策の概念整理」のところは、後ほど出てまいります記述にそろえるということで、bとcの位置をひっくり返しているというだけでございます。
 競争政策の分類に従って、後ほど、競争政策一連のものが出てくるわけですが、その間に消費者政策が挟まっているような形で、多少窮屈な形がしたものですから、3という形で章立てを移させていただいて強調させていただいているということでございます。
 大きな変更点は、目次上は以上でございます。
 ページをおめくりいただきまして、1ページ目でございますが、これは活用業務といわれる、東・西NTTの活用業務の定義をここに書かせていただいているということでございます。
 2ページ目も公正取引委員会との共同ガイドラインも、この後繰り返し出てくるものですから、定義づけを置かせていただいております。
 3ページ目でございますが、これは実質的にご指摘をいただきまして手直しをしております。
 要はIT不況が進みまして、電話のほうの競争ルールにブレーキがかかるんじゃないのかということに対します、言ってみれば反論でございますけれども、若干修正をさせていただいております。
 要はDSLなどのインターネット向けサービスについても、現段階においては、メタル系の地域アクセス網に依存しているということから、単に電話サービスのためだけではなくて、これから発展が期待されるインターネット関連サービスの提供のための共通の基盤として、地域アクセス網に関するルール整備といわれるものはやはり停滞させることなく、引き続き推進させることが必要なんだというふうに、趣旨を明確化させていただきました。
 4ページ目でございますが、字句的な修正を省きまして、ブロードバンドアクセスの1)のイのところ、一番下の行でございますけれども、前回ご指摘をいただきました点を加えております。
 要は2.4GHz帯を使用する無線システムの高度化のための制度整備というものが進められておりますということで、5ページ目をおめくりいただきまして、その一番下のほうに注釈をつけ加えておりますが、いわゆるホットスポット的に、高速インターネット接続環境を実現するための手段といわれるものの省令改正が進んでいるという点をつけ加えさせていただいております。
 7ページ目に行きまして、下のほうに「電柱・管路等」と、これは字句的な修正でございます。「電柱」が抜けておりましたので、「電柱・管路等」ということで、以降、すべて修正をさせていただいております。
 8ページ目、9ページ目は、bとcと位置を入れかえただけでございます。
 ずっとさらに進んでいただきまして12ページ目、消費者関係のところの施策の説明でございます。
 12ページ目の(1)は1)と2)というふうに列記をしたということに加えまして、一次答申の表現のところを、「指摘した」「提言した」というふうに主体的な表現に改めさせていただいております。
 おめくりいただきまして13ページ目でございますが、cのところに「今後の政策」とありましたが、他のところと並びをとらせていただきまして、「今後の方策」というふうに修正をさせていただいております。
 14ページ目でございますが、アンダーラインを引いてありますところでございますが、これは趣旨を明確化するということで、「ホームページ、マスコミ等を通じて幅広く情報を提供して、さらに利用者の情報通信サービスの活用能力の開発を図るという観点からの、より効果的な情報提供の体制について検討する」というふうに趣旨を明確化させていただきました。
 15ページ目でございます。次のページでございますが、これも冒頭のところに、国民生活センターの役割としまして、「はじめとする各機関が消費者に対して広く情報提供を行うためのチャンネルとして極めて有益である」という点を明記をさせていただきました。
 15ページ目の一番下、いわば消費者行政の締めくくりの部分でございますが、ここを若干膨らませていただいております。
 読み上げさせていただきますと、「なお、上述の電気通信分野における消費者対応組織の在り方、消費者を支援するための情報提供の体制整備、専門知識を有する人材(例えばNPOを活用した「通信サービスプランナー」等)の育成等の消費者支援策について総合的に検討するため、関係者から成る研究会を早急に立ち上げることが望まれる」という前回のご議論を踏まえまして、ここの部分をつけ加えさせていただいているところでございます。
 それからずっと飛びまして、字句的な修正を省きまして、25ページ目まで飛んでいただきたいと思います。
 25ページ目、これは接続料と利用料との関係の在り方の記述の部分でございますが、ご指摘を踏まえまして、利用料金と接続料金の逆転といわれるところの前提としまして、「接続料が適正な原価に基づいて算定されている状況においては」というふうに一文をつけ加えさせていただいております。利用者料金と接続料の関係の在り方については、これこれの場合は反競争的ではないというふうに趣旨を明確化させていただいております。
 4)のところですが、「ルールが整備されるまでの間にあっても、できるだけ」という趣旨を、もう少し前向きなトーンに変えるということで、「可能な限り客観的に検証できる資料を公表するよう」というふうに趣旨を明確化しております。
 次のページ26ページ目でございますが、これは線路のガイドラインの見直しのところでございますが、前回、国際的なベンチマークみたいなものも検討に入れるべきだというご指摘を踏まえまして、「諸外国における電柱・管路等の開放に関するルールづくりの動向等を踏まえながら」という、国際的な動向もよく踏まえながらという趣旨を明確化させていただきました。
 29ページ目に飛んでいただきたいと思いますが、これは異業種からの参入に当たっての、いわゆるバンドルサービスの在り方の部分でございます。
 3)のイのところ、藤原委員からのご指摘を踏まえまして、電力会社本体といっても、本体事業で提供する料金というものもさまざまなものがあるわけでございますので、そのうち独占的な分野の料金と、電気通信料金とのセット割引はいろいろ問題がある可能性があるということで、趣旨を明確化させていただいたところでございます。
 ずっと飛んでいただきまして33ページをお開きいただきたいと思います。
 これも委員の方からのご指摘を踏まえまして、公益事業分野の支配的な人間が参入していった場合の会計分離の趣旨の説明としまして、「本体業務と進出する業務との間の会計分離の徹底」ということで、会計分離の中身の趣旨を明確化させていただいたところでございます。
 続きまして35ページ目を見ていただきたいと思いますが、一種、二種区分の事業区分の在り方にかかわる部分でございます。4)のところは表現の適正化を図らせていただいたということでございます。
 6)のところは、これも趣旨を明確化するという観点から、事業区分の見直しに当たっては、制度全体の見直しに直結する論点なんですが、「通信と放送の融合といった将来の市場の変化を十分に見据えつつ、従来の事業区分にかわる多様なビジネス環境に適合した新たな事業区分の在り方」というものにつきまして、全体として規制水準を引き下げていくという方向で検討を進めることを基本とすべきだという趣旨を明確化させていただいたところでございます。
 36ページ目も、今の変更に伴いまして趣旨を明確化させていただいているところでございまして、現行区分の単なる見直しにとどまらず、上記の新しい区分のメルクマールに従って、有効と考えられる多様な政策パッケージを比較検討し、現実性が高く、将来にも通用する選択肢は何かを見極めることが必要だ、という趣旨を明確化させていただきました。
 ページをおめくりいただきまして38ページ目でございますけれども、前回、構造的な競争政策の各施策の意義、課題を述べているパーツでございますけれども、(3)のところの書き方でございますが、この中身を、事業者の意見、(a)という形で若干表現も修正をさせていただいております。
 39ページ目をおめくりいただきまして、構造分離のメリットとデメリットが、この章と次の章とに、いわば分かれて書かれておりましたところを、この章に一元化するということで、メリットとデメリットそれぞれまとめて明確化を図らせていただいたということでございます。
 bとして、構造分離のメリットということで、前回からご議論いただいているたとおり、公正競争を徹底させるというメリットが1)であるわけでございます。規制が緩和されて、経営の自由を考慮することができるというメリットがあるわけでございます。
 2)を若干、表現の適正化をさせていただいておりまして、いわばネットワーク部門と小売部門の利益相反ということが、経営のマイナスインセンティブを生み出している。
 真ん中のところでございますが、接続料金の変更と、東・西NTTのユーザー料金の変更の先後や、独占的サービスと競争的サービスのジョイントマーケティング等をめぐって、競争事業者からしばしば意見申し出が出されている、そういう究極の原因は、こういった利益相反にある。従って、これが解消されれば、ネットワークの開放が図りやすくなる。これをメリットとして、表現の適正化を図っております。
 cとしまして、構造分離のデメリットという形で、以前、別の章にあったものも移しかえて整理をしております。
 1)のところで書かれておりますデメリットは、政府の措置として実施する際に合意形成が難しい。多大な時間とコストを要する。諸外国にも例がなく、実効性を予見しにくく、円滑な実施が可能かどうかについて確信がもてないと。
 そして、このページの一番下に注釈をつけさせていただいております。
 これは委員の中から、卸・小売と一口に言っても、いろんな分離の仕方がある、いろんなタイプがあるというふうに考えられますので、以下、卸・小売という場合には、ボトルネック設備へのイコール・アクセスによる公正な競争条件の確保という政策目的に照らして、卸会社の業務範囲といわれるものを、ここではもっぱらアクセス網の保有管理とするという案を想定して書いたということでございます。
 しかし、卸会社の業務範囲については、これ以外にもさまざまな考え方があり得るので、今後慎重に検討を進めていく必要があるという注釈を39ページの下につけさせていただいております。
 以下は、この前提に立って議論を進めているということでございます。
 40ページ目でございますが、2)としまして、分離された卸会社の経営インセンティブが失われ、効率化の誘因が働かなくなるというデメリットを指摘した上で、新しい3)の中で、これがメリットなのかデメリットなのか、書き方としてよく分からないというお話でございましたので、インセンティブが低下するんですけれども、ユニバーサルサービス基金で補てんされる部分もある。ただし、それがすべてではないので、それを超えるコスト部分は自助努力で吸収することが必要であると。
 従いまして、卸会社の経営効率化に向けたインセンティブを確保できる見通しがあるのかどうか、業務範囲の問題に合わせて慎重に検討する必要があるというふうに表現を修正をしているということでございます。
 41ページ目でございますが、これが競争政策の展望に関わる部分でございます。
競争政策の一番締めくくりの部分でございます。これにつきましては、「21世紀」という表現を、「今後の」というふうに改めさせていただいた上で、(1)を若干膨らませているところでございます。
 これはビジネスモデルの進展、いわゆる新しい動きを踏まえた環境整備なんだというところを強調すべきだというご意見を踏まえまして付け加えております。
 1)でございます。21世紀当初のわが国の電気通信分野の競争環境を展望する際には、この分野に存在する、古くて新しい公正競争上の問題を念頭に置くと同時に、現在急速に普及しつつあるネットワークのIP化、ブロードバンド化とアクセス網の多様化といった、新しいビジネス環境に適合した競争環境の整備を検討することが重要である。
 2)としまして、その場合には、現在、通信、放送、電力といった事業毎の縦割りの規制の体系の下で、範囲の経済性等を活かした垂直統合型の事業展開が見られる一方、音声、データ、映像等を融合する事業展開も進展しつつあること。また、ネットワークのブロードバンド化の中で、コンテンツ、プラットホームといった、各レイヤーを横割りにアンバンドルしたり、組み合わせたりするビジネスや、自己が保有する光ファイバ網をISP向けに卸売りするビジネス、さらには、限定されたエリア内でワイヤレスのスポット・サービスを提供するベンダー型のビジネス等が多数登場してきているということにも留意する必要がある。
 以上のような視点を踏まえつつ、今後の電気通信分野の競争政策を展望すると、2つのステージに区分される。
 その場合、第1のステージの実施された非構造的な競争促進措置が実効を挙げ、地域通信分野においても競争が十分に進展し、料金の低廉化、サービスの多様化等、利用者利便の向上が図られた場合には、第2ステージの競争政策として想定する、NTTの経営形態の抜本的見直しといった構造的競争促進措置は必要ないものとなるとした上で、(2)の第1ステージでございます。
 第1ステージは、公衆網の再販といったもの、あるいはファイヤーウォールといったものがございます。
 42ページ目をおめくりいただきまして、電話系のネットワークのオープン化だけではなくて、今後急速な普及が予想されるデータ系の分野で多様なサービスの展開を推進する意味から、光ファイバ等のアクセス網のオープン化を促すこと、これも重要だというふうに付け加えているところでございます。
 bのところでございますが、これは異業種等の多元的な競争相手の出現というところの記述でございますが、ここの部分の2)のところで、電力系の話を書いておりましたところ、それに加えまして、3)4)をつけ加えております。
 3)でございますが、異業種からの新規参入による競争促進という点では、先に指摘した、MVNOという形態に基づく移動体通信分野での再販事業者の参入を積極的に促進するとともに、規制水準の全般的引き下げを図っていくことが重要でございます。
 4)で、そういった新しいビジネス形態の進展との関連では、垂直統合型の事業展開が持つ範囲の経済性等のメリットを、利用者利益の見地から評価しつつ、下位のレイヤーが、上位のレイヤーのフェアなビジネス展開を抑制しないよう、所要の措置を講じていくことが必要であるといった点を付け加えております。
 43ページ目をおめくりいただきまして、(4)の第2ステージのところでございますが、ここの部分の1)の前段の部分は、先に冒頭で述べましたので削っております。
 そして、前述のように、第1ステージで問題がなければ構造分離を検討するには及ばないとした上で、例示の中に、公衆網の再販だけでございましたので、光ファイバのオープン化といわれるものも付け加えております。
 44ページ目をおめくりいただきまして、最初の、在り方のところを明確化した。3)のところも、下の3段がメリットを書いている部分でございましたので、それは前章の方に移しかえておりますので、削除をしております。
 4)のところは、規制の中身の説明でございますので、この章に残しているということでございまして、5)のほうは若干表現を適正化しているということでございまして、要するに卸・小売を分離した後の小売会社も、ユニバーサルサービスを提供する適格電気通信事業者として指定される必要がありますと。卸会社だけではだめですということでございます。
 45ページ目に移っていただきまして、なお書き以下でございますが、卸会社についても、やはり適格電気通信事業者としての指定を受ける必要があるとともに、接続約款の認可等の規制も残るというふうに表現を若干修正をしております。
 古い6)のほうは、新しい6)に若干圧縮をしております。
 読ませていただきますと、「昨今、固定電話から移動体通信への需要シフトやマイライン獲得競争による市内通話料金の値下げ等によって東・西NTTの業績は悪化している。しかし、このようなときこそ、東・西NTTは、このたび両社が得た業務拡大の自由を活かして、どのような経営の将来ビジョンを示すのか、ブロードバンド関連を中心とした新たな事業ドメインをどのように開拓していくのか注目されている」と書いております。
 7)がメリットの話で、先ほど述べましたので削除しまして、新しく後ろのほうから、構造的な問題としまして、デメリットに加えまして、持株会社体制を前提にして、卸・小売を分けるというふうにしました場合には、両社が持株会社の傘下にとどまりますので、そうした場合に問題がないかどうかというのは、持株会社体制の是非も含めて、それと並行して検討する必要があるという指摘でございます。
 46ページ目でございますが、8)を削除しておりますのは、もうすでに前の章に移してあるからでございます。
 ここの古い6)を削除したのは、いま申し上げた持株会社の表現に移しかえたからでございます。
 8)のところはブリティッシュ・テレコムだけを例示しておりますが、それ以外の例もございますものですから、「諸外国の一部」というふうに修正をしております。
 最後の47ページ目の行動プログラムでございますが、これにつきましては、実施時期を書かせていただくと同時に、締めくくりの結論時期も合わせて表現をさせていただいたということで、ほとんどすべての研究会につきましては、6月を目途に結論を出すということでございます。
 各種ガイドラインにつきましては1年以内の見直しということでございますので、14年中だったり、3月中だったり、これは従前どおりでございます。
 消費者支援策に関する研究会、これも1月に設置して、6月に結論を出すという点をつけ加えさせていただいております。
 以上でございます。
醍醐主査  どうもありがとうございました。12月3日以降、この間の流れにつきまして、事務局から大変的確なご説明いただいたと思います。
 この間、ちょっと前後いたしますが、12月3日のご議論を踏まえまして、昨日、3回目の起草検討会を開かせていただきました。
 いまご説明いただいたのが、そこでの議論を踏まえたものでございます。極力、12月3日にご議論いただいたことを、この中にどのようにして反映させればよいかという議論をいたしまして、それから、起草委員相互の間で、全体の仕上げ方といいましょうか、組み立て方をよりわかりやすいもの、趣旨が理解しやすいものにする。
 この中には、なるべくなら具体性のある表現にするということを考えさせていただきました。
 それから最後にご説明のありました、競争環境整備に向けた行動プログラムですが、前回は、いつから始めますかということだったのですが、いつまでをめどに結論を得るんでしょうかという、そこもちゃんとすると。
 これは最終的な答申を受けて、行政に要望することでありますので、総務省との間で、起草委員とでいろいろ議論をさせていただいたところでありまして、総務省としては非常に前向きに受けとめていただいて、このようなプログラムに組み込んでいただいたんじゃないかと考えているところです。
 もちろん中には、他の省庁と団体との共同で合わせていかないといけないのがございますので、すべてが総務省だけの意向でここで決められないというところがあるということはご了解いただきたいと思っております。この後、活発なご意見をいただきたいと思います。
 前回いただいたご意見、このように反映させていただこうとしているわけでありますが、それについていかがでしょうかということと、前回、十分にご議論が行き渡らなかったところにつきましても、ぜひとも本日、活発なご意見をいただきたいと思っております。
 それじゃ、特にどこからともなく、ご意見、ご質問をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
加藤専門委員  2つばかりお伺いしたいんですが、まず1つは、今回の草案の最終ですね、これの14ページの、まず消費者関係のところは、やっぱり市場のプレーヤーとしての位置づけが上のほうに来て、大変これは結構だと思っております。
 ただ、14ページのエですが、前回12月3日のときには、エの一番最後の下から2行目の線ですが、「さらに利用者の情報通信サービスの活用能力の開発を図り、消費者の適切な選択を可能とする」云々、「環境を整備していくことが重要である」というふうに書いてあったんですよ。そうすると、「消費者の情報収集利用能力の開発向上を図り」という前の文章だと、消費者の情報リテラシーですね、それを向上させていくというような、消費者に力をつけていくという政策も1つ含まれていて、さらに情報提供体制を環境整備していくというふうに、2つに読めていたんですが、この最終案を読みますと、「利用者の情報通信サービスの活用能力の開発を図る観点からの」という形容詞句になっちゃったんですよ。情報提供だけが主語になった。そこのところ、いろんないきさつがあるのかもしれませんけれど、デジタルデバイド解消は、やはり消費者政策として、総務省の消費者政策の中に位置づけることが無理なためにこうなったのか、それとも何とはなしにこうなったのか、そこのところを伺いたいんですけど。
 前の文章だと、要するにデジタルデバイドの解消は、地域利用促進課とか、何か別の部署のほうのお仕事になっているものだから、例えば郵便局でもって、そういう場所があいていたり、時間があいていると、パソコンにちょっと親しませるような機会を提供するとか、そんな感じだったんですよ。
 だけど、やっぱり私は、これは消費者の実力をつけるというのは、情報をもらうだけじゃなくて、パソコンとか携帯とかの端末を正しく使いこなす能力というのも養成していく必要があるんだろうと思ったので、前回のときにはそういう理解だった。そこがちょっとどうなんでしょう。
醍醐主査  この間の経緯の中で、特に文章が変わっているということは、内容の変更を意識したということではないと思っております。
 ただ、13ページの1の「今後の方策」とした中で、3行目あたりから、「消費者の情報収集能力の開発向上を図り、適切な選択を可能とする」、これを冒頭に謳っているわけです。
 従って、これは当然受けているということかなと思っておりまして、むしろこの間、3日以降議論いたしましたのは、最後の読み上げていただいた15ページから16ページにかけて。
加藤専門委員  かなり具体的になって結構だと思います。
醍醐主査  このような手だてで、これは前回のご議論の中でも積極的にいただいたので、これは是非とも答申としての、その精神を具体的な形で盛り込めないかという形で議論させていただいたところなんですが、事務局あるいは担当部局の方から何か、この間、ご説明ございますでしょうか。今のような説明でよろしいでしょうか。
山田利用環境整備室長  結構でございます。
醍醐主査  特にご懸念のあるような内容の変更を意図したことでは全くないということと。
加藤専門委員  そうすると、情報を活用する能力だけじゃなくて、端末を使いこなす能力の養成にも、方策として手を貸すということが、13ページの一番最後の、「選択していける能力」と、この「能力」という言葉の中に含まれているというふうに考えればいいんですか。
南事業政策課調査官  先生のご指摘は、サービスを、いろんなサービスの中から選択するだけじゃなくて、端末を使いこなせる能力開発も必要だと。
加藤専門委員  使いこなせなければ、いくら情報をたくさん提供してくれても、もらえる能力がないわけですよね。もらって認知して、そして、自分の需要にあったものを拾い上げていくという段階があると思うんですね。
 そうすると、いまは一番最初の段階すら、全部がオンラインで来るわけじゃないですから、紙の宣伝もありますし、口頭の宣伝もありますから、いいといえばいいけど、やっぱりIT社会と言うからには、これからデジタルテレビやデジタルラジオなんかも出てきますと、テレビやラジオを通じてコミュニケーションをしていくという時代になっていくと思うんですね。
 そういう場合には、単なる選択能力だけじゃなくて、使いこなし能力の養成ということを相当やっていかなくちゃいけないんじゃないか。
 だから、それは子どもたちに対しては文部科学省の方でやったり、高齢者福祉の方で、生涯教育の方でやったりとかするんだけど、やはり全般的な幅広い消費者の力量を向上させていくというのは、総務省あたりの仕事ではないかと思っています。
南事業政策課調査官  全然私ども異議はないんですけど、通常、われわれはそれは情報リテラシーというふうに言っておりますけれども、その向上も図るという趣旨を明確化したほうがよろしいというご指摘でしょうか。
加藤専門委員  そうです。それで、前のは、全体的構成とか文章の量とかは全然今回のほうがいいんですよ。
 いいんだけれど、前の方は、「今後の政策」という言葉の中に、頭のところで、「消費者の情報収集利用能力の開発向上を図り」と、そして、「消費者の適切な選択を可能とする環境の整備充実に積極的に取り組んでいくことが重要だ」と2つに、1つの長い文章の中で両方込められていたんですね。
 だけど、今回は、エの中では、効果的な情報提供の体制は何で必要だというと、利用者の情報通信サービスの活用能力の開発を図る観点からだというふうな形容詞句になっちゃったわけです。形容詞節というのか、よくわかりませんけど。
 そして、いま醍醐先生がご説明くださったように、そういう選択能力、リテラシーの問題は心配しなくても、13ページの一番最後の、適切に選択していける能力を高めることが不可欠だと。その能力いうのは、リテラシーの問題と、リテラシーというか、端末使いこなしと、情報を拾い上げて、それを利用していくという3段階全部を入れているんだとおっしゃってくださったんで一応安心はしてるんだけど、読み取り方としてはかなり複雑ですよね。
南事業政策課調査官  そうしますと、例えば「情報通信サービスの、例えば選択能力や情報リテラシーの向上を図るため」とういような、明示的にそこは書いていただいた方がいいというご指摘でしょうか。
醍醐主査  ご趣旨は、単に情報をもらうだけじゃなくて、自分でも情報を処理して、自ら主体的に選択する基礎的な能力を養うということも重要じゃないかと。
加藤専門委員  それを支援していくということ。そうです。
山田利用環境整備室長  このエの下線のところは今回加筆していただいた部分でございますが、今、加藤先生ご指摘の、活用能力というのは、情報リテラシーとかそういうことも含めて、私どもも認識して入れていただいたという理解でおります。1)の「情報提供」という項なのでこういう書き方をしておりますけれども、先ほど醍醐先生がおっしゃったように、消費者の利用能力ということも含めて、全体的に取り組んでいくということでございます。
加藤専門委員  わかりました。ごめんなさい。私、もっと前を見なきゃいけなかったんですね。13ページのcの、「政策」が「方策」になったところの4行目ですね。そこにも。
醍醐主査  先ほど私が紹介させていただいたところです。
加藤専門委員  長く時間をとらして申しわけなかったけど、十分了解しました。
 ごめんなさい。本になったのを初めて見たものですから。失礼いたしました。それで結構です。
 もう1つ質問は、41ページの、競争のステージを、政策の、どのレベルになったらどうするというところで、41ページの(1)の3)の最後のところに、こうこうこういうふうに図られた場合は、「第2ステージの競争政策として想定するNTTの経営携帯の抜本的見直しといった構造的促進措置は必要ないものとなる」と言っているわけですね。
 そして、43ページの一番下の(4)の1)のところで、しかし、例えばこういったような場合には、44ページにわたって、見直しを行うことが必要になるということを言っているわけですよね。
 そこは、前のところでは、但し書きなしで、全くないみたいな印象で、詳しく読んでいくと、こういう場合はというふうにちゃんとあるわけですよね。そこのところいいんでしょうか。
醍醐主査  まず41ページの(1)の3)では、ただし、条件なしでということではなくて、その前に、「第1ステージで実施された構造的措置が実効をあげて、利用者利益の向上等々が図られた場合には必要ないものとなる」という意味なんです。
佐藤専門委員  たぶん同じことを加藤さん言われていて、43ページの「しかし」以降は、前のところは41ページのところと同じで、書き直していて、「しかし」以降は、しかし、こういうことが実現せずに、実現しないことの第1ステージで競争がうまくいかないこととしての「例えば」が入って、その場合には、第2ステージの議論をしますよと書いてあるんだと思います。読んだときに読みにくい感じがする。
山本専門委員  私もここが一番大きな問題だと思うんですが、やっぱり表現方法を変えないと誤解を生むんじゃないかなと思うんですよ。
 誰もが素直に読んだときに、第1段階が実現されたらば、第2段階は必要ないというふうに最初に書いちゃうと、なぜ第2段階のことをそんなにこだわって書かなきゃいけないのかというふうな解釈の仕方が生まれてきちゃうわけですよね。
 だから、私、思うんですけれども、ここでキチッと最初に、43ページに書いてある方を最初に持ってきたほうがいいと思うんですよ。
 すなわち第1ステージのことをキチッとやるかどうかを、2年後を目途に検討すると言っているわけですよ。そこのところは僕は絶対必要だと思うんです。最初のところに。
 もしその検討の結果、第1ステージの競争政策が進んでいないならば第2段階に入るんだ、そういうふうに書かないと、ここのところで、「図られた場合には」って、図られたか図られないか、だれが責任を持ってそれを判断するのかという問題があるわけですから、期間と、だれが図るのかというのを明確に言わないとだめですよね。
 もしそこでだめならば、第2段階が用意されているというような形で書かないと、こういう書き方をすると、第2段階をなぜわざわざ書くんだ、第1段階に期待していればいいじゃないかというような議論が出てきちゃう可能性がありませんかね。
醍醐主査  ちょっとご説明いたしますと、まず第2段階まで行くのか行かないのかについて、私どもというか、起草委員としては、予断を交えないということを基本に書きたい、また、書くべきであるという、まずスタンスがあります。
 前回の3日の段階で、こういう文言を入れたのは、第1ステージ、第2ステージというと、例えばお芝居で、第1幕があって、第2幕がありますといったら、当然、第1幕で終わったらおかしいわけで、そうじゃなくて、第2幕まで行きますということを予断している。そうは思わないんですけれども、こういうステージという言葉もあるかもしれませんが、そういうようなことで、これはお芝居ではないんだと。いまは当面、第1幕のところで全力を挙げてやりますというさなかに、上手くいかなかったら第2幕というふうな言い方をあまり、そこを逆に予断を持って強調しているんだという受けとめ方をされると、山本委員とは逆の意味なんですけど、それもまた建設的な議論にならない心配があるという懸念も、これはいろんなところからそういう議論をしている中で、第1ステージ、第2ステージと書く以上は、そこはきちんと意味が通じるようにしないといけないということで、それを前回は、第1から第2に移るプロセスで裸で書いたんですが、最初にそのスタンスを、2つのステージに区分されると、最初にキチッと言ったほうがいいんじゃないかという起草委員会の議論で、ここにもってきました。
 それはご理解いただけると思います。
山本専門委員  それは理解してます。
醍醐主査  ここまでいいですね。次に、それとまた反対の振り戻しのようなことになったけど、このあたりになるとわれわれ、行きつ戻りつというんでしょうか、非常に困るんですけど。その中で、いま山本委員がおっしゃった中で、特に気になるのは、そうすると、41ページの(1)の3)の中で、2年を経過してとか、経過を定めて、それは判断するんだというようなことを、ここで謳うべきだと。
 誰がやるんだということになると、それは行政が判断するでしょうし、われわれ審議会にも、それについては意見を求められるかもしれないということですよね。
 それはそのときの審議会で、例えばどういう委員会とか受け皿が、審議会なのか、どこなのかということもありますので、そこはあまりここでは言えないです。
山本専門委員  ただ、第1段階、第2段階というふうに設けたときの、第1段階、第2段階の一般的な説明として、ここに書いてある、「2年を経過してもなお、地域通信市場における十分な競争の進展が見られない場合」という表現があるわけですから、それはもちろん、ここにあってもいいんですが、むしろ1段階と2段階をつなぐ論理として、キチッと前のほうに入れててほしい。
佐藤専門委員  山本先生の言われることは、僕も読んでみるとわかります。第1ステージが3年続くのか、10年続くのか、ここでは何も読めないので、ちょっと何か書いたほうが、1行ぐらいは入れた方がいいでしょうと。
 そういうときに、例えば第1ステージのシナリオは2年は、例えばやりますよとか、その間、随時、競争進展をレビューしながら、結果を見て、何かそういう言葉を入れる必要があるなと。
醍醐主査  わかりました。そのご意見は趣旨としてはわからないではない。
 ただ、ここで入れてなかったのは、「2年を経過しても」というところが、他でだいぶ出てきております。
 例えば37ページで書いているということがありまして、ここでは、そのようなスタンスであるということは。
山本専門委員  自明だと。
醍醐主査  そう言うと語弊があるのですが。
佐藤専門委員  「競争状況をレビューしながら、当面は」とか何か。
醍醐主査  そういう意味で特に謳ってなかった。
山本専門委員  第1段階、第2段階という言葉が出てきますから、ここでやっぱり説明しておいた方が。
佐藤専門委員  ある種時間の感覚があることはあるんですけど。
醍醐主査  そうしたら、ミニマムな、ミニマムって失礼ですが、ご要望として、41ページの(1)の3)、ここでどのようなタイムスパンでウオッチングするのか、見守るのかということについて明記したほうがスタンスがはっきり伝わるんじゃないか、そういうご趣旨でしょうか。
加藤専門委員  そうです。
醍醐主査  わかりました。それじゃ、これにつきまして、特にご異存ございますか。
加藤専門委員  お任せします。
醍醐主査  内容は、どこにどういう形で書くかが問題だと思うんですが、そのような方向で、じゃ、少しここの文章に手を入れるということでよろしいでしょうか。
(「はい」という声あり)
醍醐主査  よろしければ、これは大事なところですので、ご一任をというのは、私たちはちょっとはばかりますので、事務局でこの部分、いまの、2年の経過を見守るという趣旨を、3)の中に入れた修文案を、この時間帯の中でご準備いただいて、配っていただけないでしょうか。
 それで、皆さんに、最終的によろしいでしょうかというお諮りをしたいと思いますので、ちょっとお願いできますか。
南事業政策課調査官  はい。
醍醐主査  じゃ、いまの件は少しペンディングにさせていただきまして、その他いかがでしょうか。
山本専門委員  これは加藤先生に怒られる話かもしれませんが、3という形で、大きな構成なんですが、「公正で透明な市場環境の整備」の1番のところに、「消費者の自立と合理的選択を促す環境の整備」ということを入れたんですけれども、競争政策上で、消費者問題がどういうふうな形で問題になるのかという、かなり基本的な考え方なんですけれども、通常の経済学の場合だと、とりあえず競争を促進して、社会構成なり消費者の利益、利便、これを向上させる。競争政策の成果を消費者に分与する。ある意味で言ったら、消費者に還元する。そういった形で競争政策と一体で、消費者問題って論じられるんですよね。だから、ある意味で言ったらば、競争政策の成果であり、結果であるわけですよね。
 そういう点でいうと、競争政策の中で1章つくって筋を立てるような問題なのかどうかというのはなかなか難しい問題。
 要するに、これは本来の競争政策という本筋からいうとちょっと外れる問題というか、競争政策の、いま言ったように、成果をちゃんと消費者に還元するという話ですから、そのために、もちろん消費者そのもの自体も、ここに書いてあるように、合理的選択とか、そういう選択の幅が広がるとか、利便を得るという形で、競争政策ってすごく大事だと。これをサポートしなきゃいけないのは確かなんですが、どうも上にも入れにくいし、こういうような形で、3の1という形で、こういうふうにやってしまうと何かちょっと座り心地が悪いなという感じがするんですよね。
加藤専門委員  そこは非常に古典的と言ったら失礼だけど、考え方で、消費者の利益とは、競争の結果をもって得られるべき反射的利益だという論なんですよね。
 従来の、独禁法始めそういう考え方で来たと思うんですよ。
 しかし、それを補完する、例えば景表法ができてきたり、いろんな特定の商取引における、消費者を市場のプレーヤーとして位置付けていくような別の法律ができてきていますね。
 というのは、どんなに競争の環境を整備していても、消費者が動き出さなければどうしようもないわけです。物が売れないわけです。
 そして、それはやっぱり魅力的な供給があれば、消費者はそこのところで選択していくわけだから、うんと大きな話をしてしまえば、憲法における主権在民とは、経済社会における市場のプレーヤー、主権者は消費者だという視点を、やはりいろいろな場面で入れていくべきではないかと。
 私は、消費者という立場でずっといままで仕事をやってきてるから、そう考えているわけです。
 理論的にそのへんを、消費者とは何かとか、いろんなご本が出ていますけれども、最近はそこのところを意識していく、産業政策をする前に、消費者の希望とは一体何なのか、消費者に喜ばれる市場をつくるにはどうしたらいいのかということを、本当はお国の各官庁なんかも考えるべきであったと思うんですね。
 確かに考えてはいただろうけれども、こういうことをやれば市場が伸びて、その結果、消費者も喜ぶだろうし、プラスになるだろうという発想は、産業育成が先にきているのは、霞が関の通りに産業官庁はあるけれども、50年、消費者保護庁をつくれと言ったものが、いまだにできていないという状況を見てくださればわかると思うんですね。
山本専門委員  ただ、僕がすごく不思議に思うんですけれども、内閣府には国民生活局がありますよね。公共料金をはじめ消費者問題を扱っていますよね。公取委も消費者の課がありますね。どの省庁にもあるわけですよね。
加藤専門委員  あるけど、みんな、どこの省庁も「ついで行政」なんですよ。
山本専門委員  それは、ある意味で言ったらば競争政策という、例えば先進国には、いろんな競争政策、当局の作り方があるけれども、そこに消費者問題と競争政策を一体にしている国もあれば、いま言ったように、内閣府的なところでやっているところもあるし、僕がちょっと聞きたいのは、競争政策の中で、消費者の問題が、構造的政策とか非構造的政策をやってるわけですよね。競争政策として。
加藤専門委員  確かにそうですね。
佐藤専門委員  私、昨日、経済産業省のガス規制緩和に出たんですけど、そうすると、ガス協会や何かはこう言うんですよ。
 消費者は自分でいろいろ判断することができないんですと。安全性や何かは、国や企業が面倒を見てあげなきゃいけない。
 アメリカでは自由化を進めた結果、スラミングや何か、いろんな苦情が起こって、1万件来ました。競争はよくない。いろんな混乱を起こす。こんなことをたくさん言うわけですよ。
 僕らいままでそういう意識があったんだけど、やっぱり消費者がちゃんと合理的に判断して、競争ってやっぱりいいですねと言ってくださることが非常に大事で、そういうことを、いままで事業者間の、競争の理屈を通して、最後は事業者間の利害が声の大きいものとして、いろいろ僕ら考えてきたけど、消費者がこういう競争政策を理解して、自分で判断して自己責任をとって、競争はいいです、なぜちゃんと競争を機能させてくれないんですかという声をやっぱり上げるような国にした方が競争政策が進みますので、よしいんじゃないですかというのと、途中に入れるのは難しいので、ちょっと前に持ってきたのは、逆に後ろの方が連続的に、構造問題から展望になっていますので、一番最後につけるか、前の3章あたりに入れるかの選択肢しかなかったんです。
 そういう意味では、3章に今回入れるということで、競争でいろいろな問題が起こっていますので、光を当てる意味ではいいんじゃないかなと思っております。
直江専門委員  僕はもっと佐藤先生よりも積極的で、競争市場というのは事業者同士が競争しますけれども、事業者はお客さんなしで競争しているわけじゃなくて、お客さんを獲得するために競争するわけですね。ですから、公正競争というときに、事業者間で結託をしないようにさせる。これが公正取引委員会がやってることですね。
 もう1つ公正取引委員会がやってる重要なことは、お客さんを騙さないようにするということなんですよね。
 要するに最終消費者がちゃんと、どちらが自分にとって有利かが判断できなくちゃいけない。そういうルールが必要なんですけれども、次第にこの分野というか、あらゆる分野で消費者が簡単に判断、サービスやいろんなものを判断できなくなりつつあるわけです。
 判断させないようにするのが一番、供給者にとっては便利かもしれない。独占ですと完全に判断させないようにしてしまうわけです。
 あくまでも消費者が選択をするということで初めて競争になるわけですから、消費者の選択が可能な情報を提供し、消費者がまた選択可能な能力をつけさせるというのは自明の理なんですよね。
 経済学者はしばしばそれを忘れて、その部分をなしで、それはもうすべて情報はパーフェクトですと考えちゃうわけです。
山本専門委員  それは全然違うんじゃないですか。考え方が。
 私が言っているのは、情報の非対称性の問題があると今まで言われていたわけですよ。事業者の方ばっかり情報を持っていて、消費者はない。だから、いろんな問題が生ずるんだということで、その取組みはどこがやるかというと、日本の場合だと、いま言ったように、全省全部やるわけです。消費者問題というのは。
 そういうやり方というのはいいのかどうかというのは1つ問題がありますが、競争政策という形で言うならば、確かに日本の消費者運動と独禁当局というのは仲がよくないのかもしれませんが、本来的にいうと、あそこが一番やらなきゃいけないところなんです。まさに。
直江専門委員  少なくとも専門分野ではできないんじゃないですか。
山本専門委員  そういう現実がないということが1つと、それから、今、例えばインターネット時代って、消費者問題で何が言われているかというと、意外と逆転するかもしれないよということを言ってる会社が増えてきているわけです。すなわち消費者の方が、ある意味で言ったらば、情報的には、事業者に対して有利に立つ。選択という点では。そういう可能性も出てきていますよと。
 そういう点で言うと、僕ら内閣府の国民生活局というのがどういうことをやってるのかよくわからないんですけれども、あそこにもすごくスタッフがいて、消費者行政をやってるはずなんですよ。
加藤専門委員  だけど、そんなに大勢いませんね。
山本専門委員  電気通信分野に限定してはやってないから、これはここでやってもらって結構なんですけれども、ただ、僕が一番問いたかったのは、本来の競争政策と、ここでの消費者問題の扱いを論理的にどうやって脈絡をつけているんですかというのがわからないと、ここでこうやって出てきたときにちょっと唐突の感を免れないなと。例えば直江先生はどのように、競争政策と消費者問題を。
直江専門委員  要するに競争市場を創るというときに、事業者だけの問題ではなくて、消費者をどう獲得するかという競争をさせるわけですから、そういうときに、消費者を騙してやるということは可能なわけですよね。特に技術的によくわからないという問題がたくさんあって、この分野では非常にわかりにくい。
 ですから、そういう問題がたくさん起こってきているので、競争市場をつくるという視点から、消費者対策というのは非常に重要な柱であるし、それが一般的に言えるような話以外のところがたくさんあるわけです。
 ですから、マイラインの問題にしようと何にしようと、わからないところがあって、消費者が選択ができない。競争が成り立たないようなことになる。
 例えば一番簡単なことは、今度のマイラインで指摘されているのは、NTTは何も言わずに、信頼はウチだと、これだけですよね。相手は信頼できないだろう、小っちゃいだろう、従来からやってんだと、これだけでやるわけですね。要するに消費者に選択させないようにするという方法をとったわけです。
 細かなことを言えば言うほど、自分の方は不利になるからということで、そういうことは書かないやり方をして、要するに競争をさせない形をとった。
山本専門委員  そこまで言えるんですか。NTTさんが騙して。
直江専門委員  宣伝の政策というのはそうやってやっていってるわけですね。
加藤専門委員  この前に言ったかもしれないけれど、やはりNTTの広告に対しても文句があるし、NCCの別の社の問題でも、消費者の不満もあったりしてるわけですよね。
 それで、比較広告なんか特にひどいですよ。私、いつか利用環境整備室長さんにもお見せしたことがあるけれども、特異な例をもって、他社と比較したりするわけですよ。
山本専門委員  比較広告って日本で許されているんですか。まだ原則的にはだめなんじゃないですか。
加藤専門委員  だから、そういうことが実際問題としてあるわけですよ。許す許されないを別として、私、きょう公取委告示を持ってないんですけど、そういうものが野放しになっていれば、消費者が公正な情報を手に入れたり、自分の需要を見極めてきちんとした選択ができるという市場ではないから、どさくさ市場のまんま、公正競争の、いくら接続がどうのこうのといったって、最終消費者が合理的選択のできない環境があったんじゃだめだということで、例えば事業者間の環境整備と同時に、消費者のところでは公正競争のためのガイドラインを進める、サポートを行政官庁がしていくというようなことを書いていますよね。
 例えばそれは、さっき言った、広告表示における公正競争規約を推進させていくとかということだと思うんですよ。
 マイラインについてだって、マイライン事業者協会の運営についてもう少し、私たち消費者団体の方も気がつくのが遅かったけれど、ああいうマイライン導入の仕方というのはあまりよろしくなかったと思うんですね。
 だから、そういう運営の仕方とか、消費者の関わり方がなかったものですから、そういういろんなことを含めると、市場の環境整備と言った場合は、事業者間の環境整備と、エンドユーザー、市場プレーヤーの消費者についての環境整備と両刀でやっていかないと、公正市場は構成されないのじゃないかという視点があると思うんですね。
 その場合、そういったときに、この位置のところに、今までの従来の競争政策の提言というと後ろ側にいたんですけど、消費者が付け足しという形で出てきていたんですが、今回、そういうことを上の方に持ってきたということは、大変理念として高い理念であるというふうに評価しているんですよ。でも、山本先生の豊かな発想はすばらしいと思いますよ。
醍醐主査  まず一番最後に出た、位置を変えたということは、これは純粋に、全体を通して見たときに、流れをわかりやすくしようということで、競争政策の中でそれが入っているということで、特にいろいろ皆さんのご意見とか、6章と8章のところでいろいろ議論している中で、その間に7が入っているということで、先ほど事務局から説明していただいたように、重複は極力省こうと、もう少し圧縮しようという趣旨でやったわけですけれども、流れがそこで一旦切れてしまうような形になるんじゃないかということで、少し場所を考えようと。
 そのとき、佐藤委員がおっしゃったような考え方で議論したわけですが、「21世紀」という大仰なネーミングはやめましたけれども、これは展望でして、これを一応最後に持ってくるというのは、締めくくり的にはやはり必要じゃないかということと、2の「基本的考え方」の中の視点で、消費者行政の在り方ということは、視点ですでに謳っておりますので、その後で、3で各論が入ってくるということは、順序としてはうまくつながるんじゃないかという意味で、競争政策のスタートのところを前に持っていって、以下は競争政策でずっと一貫して通そうという趣旨がまず1点です。
 それから山本委員がおっしゃっている中で、結局、各省庁ごとに縦割り的に消費者対応部局があると。もっと横断的に、政府なりどこかが一括りで対応することのほうがエフィシェントだし、いいんじゃないかというご意見も含まれているのかと思ったんですが、この審議会として、政府全体の消費者行政まではちょっと踏み込めませんので、われわれとして言えることは、確かに縦割りになっている。これが専門的なサービスの中身について対応する上では、それなりの専門的な知見の蓄積がある。それぞれごとに、やはり何らかの意味で縦割り的なものは残らざるを得ないんじゃないんだろうか。
 しかし、ここに書いてあるような連携ということもないとうまくいかない。特にこれは政府の中だけじゃなくて、民間も含めてやらないといけないんじゃないか。単なる連携とか情報共有と言うだけでは、ここもおざなりですので、具体的なそういう場をいついつまでに検討始めてくださいと。
 現にこの議論をしている中で、連絡会の設置というようなことは、内閣府とも少しお話し合いを始めさせていただいているというふうにも伺っておりまして、着実にそれが進んでいくことを、こういう議論が確実に進むのであれば、こういうふうな議論をしたかいもあったのかなと思っているということで、山本委員もおそらく、この内容について特にご指摘ございましたらお聞きしたいと思うんですが、消費者行政をこういう形で位置づけているということについては、これまで実は事務局がとか、起草委員がというか、ここでの議論で毎回こうやって、消費者行政のことが時間的には一番多いぐらいやっているんです。
 それを踏まえた内容にしないと、答申としては、委員会の議論を踏まえているということは私は非常に大事だと思っておりますので、できましたら、内容についてあればお受けしたい。
 それから、迷惑メールというようなことまでが競争政策なのかとか、そういう具体的なお話であれば、いろいろ受けとめ方はあるんでしょうが、迷惑メールは、別の場ですでに研究会を立ち上げられたと伺っておりまして、ここでは、それについては1カ所は触れてると思うんですが、それを全面に出すというようなことは控えているということでございます。
佐藤専門委員  文言で一言いいですか。そういう意味では、山本さんの言われることもわかって、12ページの初めの出だしのところなんか、もうちょっと、本当は書きぶりが思いがこもる、消費者だって大事だよというのがあってもいいと思いますが、ただ、全体を直すのは無理ですから、一言二言で言うと、1)の2行目は、競争は、消費者が適切な選択を行えるようにすることによって、ことからというか、ここは競争ルールが機能するんじゃなくて、競争が適切に機能する状況が実現するので、「ルール」は要らないかなと。
 最後の、「多様化、複雑化したサービスから」、「適切」ってよく使ってるんですけど、経済学者はよく「合理的な」と。
加藤専門委員  「合理的」ですね。
佐藤専門委員  「合理的な選択を行い」、消費者に厳しめに言うと、「自己責任のとれる環境を」と入れると。
醍醐主査  見出しでは「合理的選択」なんです。
佐藤専門委員  そういうことを文言としてどうですかということです。
醍醐主査  そうすると、ここでは、加藤委員が最後でおっしゃった、公正な市場環境と言う場合には、事業者間の競争環境ということと、事業者とユーザーとの間での関係の、フェアな、透明な環境という、その両面を含んでいるんだというような趣旨を書くということでいかがでしょうか。
加藤専門委員  結構ですけど、難しいですね。
醍醐主査  理念的ですから、具体的なことをここでは書けませんけれども、趣旨としてはそういうことかなと思うんですが、いかがでしょうか。
 山本委員、いかがでしょうか。
山本専門委員  内容的にはあんまり問題ないんです。ただ、消費者は弱者でというふうな発想があると、ちょっと。合理的な選択をやるわけですから。
醍醐主査  それ以外で。
加藤専門委員  ただ、消費者は弱者だとは言ってないんで、それは昔から、消費者保護基本法をつくるときから、主婦連は、保護なんか要らない、消費者の権利宣言さえしてくれればいいんだと言ったんですよ。消費者憲章みたいなもので。
 それなのに、有権者に対して温かい気持ちでくるんであげたい、という気持ちが多かったから、消費者保護基本法になった。
 私たちは長い運動の中で、いまでも消費者保護基本法の名前も変えたいし、あの中身も変えたいということをずっと思い続けているんです。なかなかチャンスがないんです。
 ただ、消費者は弱者かと言った場合、私はやっぱり、事業者に対しては弱者だと思いますよ。
 どんな利口な先生でも、この分野についてはご専門かもしれないけれど、この別の、例えば山本先生も、これについては大変ベテランでいらっしゃるかもしれないけれども、例えば変な話だけれども、やせ薬についてはあまりご存じないかもしれない。
 そういう意味では、事業者の戦略にコロッと乗せられてしまう可能性があるという意味で、専門的集団組織的に迫ってくる事業者と消費者との間にはどうしても情報格差、それから交渉力の格差、そのへんがあるので、消費者というのを弱者というふうに、事業者との間での交渉力と情報収集能力の格差というのはあるから、そういう意味では弱者かもしれない。だから、消費者契約法という新しい民事ルールをつくって、事業者に対してハンディキャップのある誠実な対応を要求されるということになったわけです。
 是非私は、山本先生みたいな方に幅広く、今後、消費者問題と消費者行政の在り方について検討して、新しい経済理論の中に位置づけていっていただければうれしいです。
醍醐主査  時間的な関係もあって先に進めさせていただきたいと思いますが、大変僣越ですが、私が先ほど申し上げた趣旨を、12ページの(1)の1)の、縦と横といったら語弊があるんでしょうか。事業者と利用者間の関係を律する整理が必要だという趣旨を書き込んでいただくということでよろしいでしょうか。
 また、事務局、戻ってこられたばかりなんですが、次にまた1つ宿題をお願いしたいんですが、できましたら、ちょっと時間を置いて、最後でも結構ですので、いらっしゃる場で、表現ぶりとか含めて、ちょっと議論いただきたいと思いますので、案文をちょっとお願いできますか。次へ進んでいる間に。
 それじゃ、前回と今回でご議論がまだ十分いただけていないと思われる、6の、異業種からとか事業区分、7の構造的競争政策、8の今後の展望、このあたりにつきまして。
直江専門委員  11ページのイのところなんですけれども、「株主利益と競争政策の関係」というところで、NTTの株主対策は書かれているんですが、競争政策の最大の問題の1つのされているのが、どうやってインセンティブを働かせて投資をさせるかという部分があるわけです。
 要するにアクセスの部分、独占的であれ、競争的であれ、だれかにつくってもらわなければいけないわけです。
 そういう点で、「株主利益」と書いて、NTTの株主だけなんですけれども、実はNTTじゃなくても全然問題なくて、だれでも投資をしてくれればいいということで、やっぱりフェアな競争が投資にインセンティブをもたらすのかどうか。特に独占的になりやすい部分についていろんな制約を課す形になっていますから、将来にわたって、アクセスの部分やいろんなところが確保し続けられるのか。
 ここでは、ユニバーサルサービスで確保しようというのが書かれているんですけれども、それだけで十分なのかなという心配があります。
 MVNOのようなものが入ってくる。そういうものを今後考えようとやると、例えばベースステーションというところに一番リスクが大きいわけですから、だれもベースステーションをつくらない。誰かつくってくれるのを待とうという話になってしまうという可能性があるわけですね。
 たぶん長期的に見れば、これから日本で5年以内に光を全部引きましょうという話になっているわけですけれども、だれが、そういうインセンティブをちゃんとここでもたらすのかどうか。
 株主というのは投資家で、資本を出してくれる人ですから、そういう人たちへの配慮みたいなものが、NTTの株主だけではないわけで、投資のインセンティブみたいな部分が、この部分でなくてもいいのかなというのが私の、この間、帰って見ていて、懸念でした。
醍醐主査  投資というのは、株主からIT産業への投資ということなのか、IT産業が主体となって行う、光等への投資という。
直江専門委員  どちらでも構わないんですけれども、要するにここで一番問題になってきているのは、アクセスのところを開放しよう、そこに競争を入れようという努力をしているわけですけれども、それを利用面で競争促進をしているという話なのですが、電力会社やそういうところも入ってくるであろうという期待はしているわけですね。
 そういう更なる新しい投資があまり障害を受けないようになっている。喜んで投資してもらえるような環境をつくっていく。競争環境の中でできるかどうかということについて少し考えていただければと思ったんです。
醍醐主査  投資のインセンティブ、環境では、おそらく直江先生のおっしゃってることと必ずしもオーバーラップしてないです。
 直江先生のはもっと広い、光等も含めた意味だと思うんですが、お隣の10ページのcのところで、問題意識としては、いまのような問題意識と同じ意識で、まさにおっしゃってるとおりでして、やはりリスクを、だれが、どういう形で負担し合うのかということについての、まず事前的なルールがないと、いくら規制だけで言っていても、競争政策上必要だと言っていても、そこはなかなか動かないという問題意識が、OSSについてございまして、ここではどちらかというとOSSを念頭に置いているんですが、いまのお話はもっと広い投資のことを、インセンティブをご指摘になったようですね。
直江専門委員  この間、私、ヨーロッパで議論していたときに、MNOについて非常に後ろ向きな国が多かったんですね。特に次世代に関してオープンにするのを少し待とうというところが多かった。
 その理由として、設備をつくらない人に参加させるようなことをすると、ベースステーションを広げていくというか、エリアを広げていくリスクが非常に大きくなるので、投資をしない。投資をする人が非常に大変になる。投資誘因をもたらさないんじゃないかというような議論が非常に強かったんです。
 ですから、何かそこを欲しいなという感じがする。
醍醐主査  わかりました。もう少し膨らました方がいいのか。
佐藤専門委員  まず、僕らずっと古典的な議論があって、競争が投資を加速するのか、競争は十分な投資を満たさないのか、どっちなんだという議論がやっぱりあると思います。
 アクセス網もある種、ADSLなんかを見てると、競争が投資を促進する部分もあるし、光を見てると、もしかしたら競争では、過去のNTTほどの投資が進まない危険性もありますね。
 でも、第1原則の競争政策で言えば、やっぱり競争の中でできるだけ投資をさせて、競争でできない、例えば地方や何かで特別な処置が必要であれば、将来、ユニバーサルアクセスとか、多分そういうことの議論が必要になってくる。
 2番目に、普通の都市部を含めた投資のレベルが、競争より独占のほうが、やっぱり投資が加速して望ましいとした場合に、われわれ、競争から独占に戻って投資を加速することはできませんから、競争環境を維持しながら、国の別の政策として、投資に対して何か考える余地はあると思います。
 その場合でも、海外というのは、例えばFCCが補助金をつけるんじゃなくて、そういう競争以外の政策はたぶん商務省レベルとか、あるいはオフテルじゃなくて、貿易産業省とか、国としての政策として、そういうことを議論する必要はあると思いますが、ここは競争政策ですので、第1は競争政策と、もう1つはユニバーサルアクセスを中心の議論でやっておいた方がよろしいかとも思います。意見だけですが。
直江専門委員  株主利益のところは、NTTの株主に限定しているものですから、投資のインセンティブという点から少し見ておいた方がいいのかなというふうに思ったんですね。
 それは、ここを見てると、NTTとそれ以外、NTTの株主との対立という構造でとらえられてしまうのではないか。
佐藤専門委員  書きぶりを中立的にしないと、NTTがいつも、競争すると当社は危ういですよ、だから、競争は遅らしてくださいという論理を、いろんなところで持ってきますよね。
 だから、われわれは議論を続けなきゃいけないんですが、その議論に対しては中立的でなきゃいけないと思っています。
醍醐主査  一応この審議会としては、NTTさんと株主との関係というのは、基本的には、ここではちょっとコミットはちょっとできにくいのかなと。
 それは国の政策として、光をどうやって国策として進めていくかということはあり得ると思うんですが、ここでは、今出ました競争政策のフレームの中でということで、その中で書けるとしたら、今おっしゃったように、ベースをつくってくださいと。現状ではね。
 じゃ、そちらの方では株主を抱えておりますという話になりますね。そういう流れになるんですよね。
山本専門委員  ただ、この問題、私もヨーロッパで、やっぱりこういう問題が一番大きいんですよ。今。
 産業政策的に、上から光化するとかいうことはできる国もありますから、そういう国は問題ないんですが、日本の場合はe−JAPAN構想を出したって、結局、インフラの整備は事業者、民間主体でやるということになっているわけでしょう。
 やっぱりNTTに光化をやってもらわなきゃいけないですよね。そうすると、やっぱり投資インセンティブを与えなきゃいけないですね。
 そうすると、うまみがない限りは、やっぱり投資はなかなかしないわけですから、佐藤先生が言ったように、競争の中で投資インセンティブを与えるというのはなかなか難しい問題になってくる。
 ライバルがいて、あそこが光化するんなら、うちも光化もっと進めなきゃいけないみたいな、いい環境が生まれればいいんだけど、必ずしもそうでないようなときは、やれ、光を引いた、すぐ開放しろ、オープンアクセスにしろ、これじゃやっておられん、光化の設備投資のうまみがないとやっていられんというのが、たぶんいま起こっている現実的な問題だと思うんですね。
 それに対してどういうインセンティブを与えるかという考え方は二通りあって、他業種も、そういうようなブロードバンドに向けて設備投資をしてるから、NTTも競争上、敗北しないためにはやらざるを得ないだろうと。だから、この程度のもので済ましておくかということと、もうちょっと積極的に、そういうところに光投資をやるような投資インセンティブを、競争政策と一緒に考えてあげようというのはあってもいいような感じがするんです。
 だから、われわれが、それをどういうふうに見るかですよね。
醍醐主査  とりあえずここでは、具体的に、積極的に、例えばこういうことというのをご指摘いただければ、議論していただいた上で、皆さん方の了解をいただければ、別に書き込むことは、私は大事なことだと思っています。
 これまでの経緯から見れば、光については、例えば接続の中でいろいろ議論してきまして、いきなりというのは無理ですよねというような言い方をしてきておりまして、NTTがいま設置したようなものを、他事業者が使いたいというだけで、自分が使う予定はないところまでちゃんと、そういうところまでは言ってこなかった。そのような競争政策の中で、どういう謳い方ができるかというのを、知恵があれば出していただきたいと思います。
直江専門委員  実はいま言ったのは前段のところでして、いま醍醐先生が言いましたように、既にでき上がっている部分で、かなり独占的になってしまっている部分、電話のアクセスのネットワークのような部分や、幹線のネットワークというのはほとんどでき上がっているわけです。
 そういう部分についてはできるだけ早くオープン化して、だれでもが使えるようにする必要性がある。
 多分光のアクセスというのはこれからやっていくことになると思うんですけれども、そういう部分についても、ほかのところと全く同じだとやると、じゃ、誰かやってくれるのを待とうという話になりかねないのではないか。そこを投資させる方法というのはないのかしらというふうに考えていたんですね。
 ですから、みんな光を引いてくれたら、ウチが借りますよ、その借りるのを長期増分費用で借りられるんだからと。だから、ダークファイバーもすべて、アクセスであれ何であれすべてオープンにせえという言い方を今してるわけですけれども、その部分についてはやはり少し分けたほうがいいのかもしれない。
 これから整備を進める部分と、既に整備が進んだ部分とでは分ける必要性があるのかと。
佐藤専門委員  難しいのは、いろんな投資のインセンティブのやり方があって、利益の中から、料金を下げないで投資に向けろとか、ある利益を保証してあげるとか、あるいは競争、僕らからすると、たぶん競争に中立的で、それはもしかしたら電力も引いてくるし、これからNTTも引くような形で、中立的な補助金というのはやっぱり必要で、そうすると外部補助で何か、光投資に対しては国が税制か何かの優遇措置をとるとか、あるいは供給側に出すんじゃなくて、結局コンテンツというか、需要者側にある種お金が出て、学校やいろんなところは、光を使うと非常に特別な補助金を国からもらえて、そこまで需要が起こることで投資を加速するとか、いろんなやり方があると思うので、ちょっと簡単には。
山本専門委員  ただ、基本的な考え方として、いままでの大きな電気通信の流れを見ると、やっぱり規制の緩和ですよ。
 具体的にやってるのは卸・小売の料金規制、ここを緩和して、かなり新しいブロードバンドサービスに関しては規制は一切しないよ、ないしは、ブロードバンドの接続というのはまた新しいルールをつくるよというのは意外と大きなインセンティブになるように僕は思っているんですね。
 ただ、それはこれからワーキンググループでやる話ですから、ここに入れていいのかどうかちょっとわかりませんけれども、とりあえずそういうような形で、自由な領域をつくってあげる。新しいブロードバンド投資に対して。それが最大のインセンティブだと思いますけどね。
酒井専門委員 いまのお話非常にもっともだと思うんですけれども、そういう意味からすると、株主利益と競争政策の関係の中で、結局、NTTに対して特別に期待することが、儲からないかもしれないけど、ユニバーサルサービスはやってくれよと。
 それからもう1つ、すぐ儲かるどうかわからないけど、光投資を積極的にやれよと。
 それについてはどういう方法でやるのが一番いいのか。あるいは国がお金を出すというのは難しいでしょうけれども、規制緩和がいいのかわかりませんけど、どちらにしても、すぐ競争で出ることじゃなくても、そういった新規投資については積極的にやるような形の政策が望ましい。
 ユニバーサルサービスとe−JAPANに関係するそういったものについては、例えば4、5でつけちゃうとか、書き方はわからないんですけれども、eのかわりにfをつけて、そこに「ユニバーサル」ともう1個つけるのがいいかわかりませんけれども、何らかの形で、そういうことを書いてしまったらどうなんでしょうか。ちょっとユニバーサルとは全然対極のものなんですけれども。
 どっちにしても、競争だけから出てこないかもしれないものという意味で。
醍醐主査  そうすると、おそらくいまのご意見、もしこの段階で書くとすると、eの中でやるというのはちょっと違って、fですね。
 ここはちょっと、これまでのNTTが競争促進措置について、自らこういうことを、求めに応じてやるというときの制約条件として出てきた株主利益ということの、もう少し内容を詰めてくださいというお話だったので、いまのご意見はもっと広いと思うんですね。
 それで、fを立てるとなると、事務局に、案文を考えてくださいというわけにいきませんので、かといって、おっしゃってる趣旨は非常によくわかります。
 このようにさせていただけないかということで、これはパブリックコメントに、11日を経て出す意見で、パブリックコメントをいただくためのものです。
 もちろんそうはいっても、われわれは、これがベストではないかと思うものを出すわけですが、それで、そのコメントを経て、来年1月末に最終の答申を出すまでにもう1度議論の場が、この委員会である予定だと聞いております。
 いまご指摘の点は、パブリックコメントでどんなご意見が出てくるかを受けて、その後で開く委員会で議論させていただくとして、それまでにもちろん、事務局とかで、どのような書き方ができるかということは検討させていただいて、その段階での議論というふうにして、今回これを留保させていただくということではいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(「結構です」という声あり)
醍醐主査  議事録としてちゃんと残していただきまして、これは懸案事項として残っているということで、この次に議論するマターだということで、事務局にも、私も記憶にしっかり入れさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」という声あり)
藤原専門委員  新しい8章のところでありまして、前回発言いたしまして、表現の整理等、新しい7と8に分けておやりいただいていて、前よりも理解しやすくなりました。 ただ、もう1つわからないのは、41ページの3)のところで、ファーストステージとセカンドステージと分けてるうちの、セカンドステージのイメージがちょっとわかりません。と申しますのは、構造的競争政策については、新しい7のところで、非常に難しさがあるということを言っておいて、43ページの(3)のところでは、ファーストステージにおいても、こういう論点は内蔵しているということで伏線にしておいて、(4)でセカンドステージを論じております。
 しかし、セカンドステージの内容をよく見ますと、いろんな選択肢があるとか、あるいは検討しなきゃいけないという表現でありまして、そうすると、ここでセカンドステージというのは、何らかの明らかに構造分離的な政策をセカンドステージで選択しますよという予告なのか、あるいはそうじゃなくて、構造分離を含めて、いろんな選択肢を議論はします、議論はしますけど、その後はどうなるかわかりませんと。
 だから、積極的に何か政策をとるということを宣言しているのか、あるいは検討することを宣言しているのか、そこのところは、まだ読み手としてははっきりしないところがあるんですけど、もちろんそこは、いまの段階でははっきりしたくないというのならそれでもいいんですけど、もしどちらか、いま固めておられるならば、ご意向を伺いたいなと思います。
醍醐主査  わかりました。固める、固めないのはこの委員会で、あくまでも起草検討会のペーパーは、そのための議論の素材ということだと思っておりまして、確かにご指摘のところは、おそらく読まれた方については、そういうご質問が出るかと思いますが、もし起草委員の皆様方から、この間の経緯等をご説明いただくのであればお願いしたいと思いますし、私からも少し経過をご説明したいと思いますが、何かご発言ございますか。
酒井専門委員  私も41ページの3)を、こうしたほうがいいんじゃないかと申し上げた方なんですけれども、第2ステージの構造分離については、個人的には私、この構造分離、本当にできるかなという気がしておりますけど、どちらにしても選択肢の1つであると。
 それについて、いまから、こういう方法がいい、こういう方法がいいと検討して出すのはとても無理だろうと。ただ、選択肢には確かになっている。
 そういう意味からして、まず第1ステージでやってみて、第1ステージを始めると同時に、別のところで検討するのかもしれませんけど、第1ステージが上手くいかないと分かった段階で、初めて構造分離ということをもうちょっと真剣に考えて、その結果として、それが非常に有効ならとるという案のスタンスだろうと。
 そういった意味で、今はまだはっきりしてないけど、1つの選択肢だよという程度にとどめておいたほうが無難じゃなかろうかというような書き方をすると、例えば新聞をパッと読んで、「情報通信審議会、上下の構造分離を決定」とか書かれかねないわけですよね。
 そこまですることないんじゃないかという意味で、多少は第2ステージの検討を抑えたというのが私の意見なんですが。
醍醐主査  佐藤委員、何かありますか。
佐藤専門委員  特別ないんですが、読んだときどういう印象なのかなというのがいろいろありまして、ここでは第1ステージで、今考えられる、すぐできることはすべてやりますよ、それで十分に競争が進展したら、それでわれわれの目的は達成できるんですと一応書いてあるんですよね。
 そこを書いたことは、たぶん酒井さん言われたようにプラスで、われわれとしては、そういう考え方を示すのはいいかなと。
 ただ、もしかして、藤原さん読まれたときに、そういう意味では、第2ステージって何なのってところがはっきり書かれてなくて、第2ステージというのは、イコール構造的処置なんだと見た方がいいのか、抜本的な処置で、今挙がっているのは構造的な、今われわれの間にはそういうものしかないんだけれどというふうに、第2ステージの説明がもうちょっと要るのか要らないのか。
 ここで説明していることは、第2ステージを説明しているんじゃなくて、第1ステージと第2ステージがあって、第1ステージが機能すれば、第2ステージに行かないと書いてあって、第2ステージというものに対する記述がなさすぎるので、藤原さん読まれたときに、いろいろクリアじゃないようなところも残るのかなと、もう1つ思ったんですけどね。
藤原専門委員  表現として、ステージに並べる場合、これは並べてますよね。並べてなければ問題ないんだけど、これがファーストステージ、これがセカンドステージと書いちゃうと、セカンドステージもファーストステージ並みのかなり具体性を帯びた競争政策であれば問題ないんだけど、セカンドステージが、これから検討するということであれば、ファーストステージ、セカンドステージの並べ方自体は非常に誤解を招く危険性もあるなという気がするんですね。
醍醐主査  一次答申からの経緯ということもあると思っておりまして、41ページの(1)の3)は、先ほどのご指摘を踏まえて、この後修文していただいていると思いますが、具体的には第一次答申から2年の経過を見守ると。これが第1、第2ステージの意味が、そこに重なるということですね。そこは、先ほどのご指摘も踏まえてはっきりさせるということだと思うんですね。
 そうすると、第2ステージという言い方を今回しておりますが、一次答申から2年経過して、うまくいけば、それで、いかなかった場合にはこうすると言っていたのは、引用しておりますとおり、NTTの持株体制の再検討、完全分離も含めて抜本的な経営形態の見直しをするということを書いておりまして、これが第2ステージに該当しているんだということなんですね。
 第一次答申では、資本の完全分離も含め、経営形態の抜本見直しという言い方をしたわけですね。
 ですから、じゃ、第2ステージの方策はというと、一次答申の段階では、いま言った資本の完全分離、持株体制の見直しということを言ってきたわけですね。
 それ以降なんですけれども、このあたりは起草委員会でいろいろやりとりをした、議論をしたところですが、いまこの二次答申で、やはり一次答申で言った完全資本分離ということは、第2ステージで考える方策の、これはもうすでに既定の1つの方策として謳っていますから、それについては二次答申でも踏襲して、引き続きそういう選択肢は、われわれは考えているということは謳っていますということですね。
 資本の分離ということと合わせて、もう1つ言った意味は、資本の完全分離というのは、一次答申で想定したのは、コム、ドコモの経営の自立性ということを促して、グループ間の競争を喚起するという趣旨の中で、完全分離、資本分離が言われたわけですね。
 それに対して、もともと地域通信網というところの競争促進ということが、平成十年度の答申以来、大きな難関だったわけですが、それが今回の一次答申では、業務範囲の拡大ということとのリンケージで、地域通信網の競争促進に見合ってということで、それはインセンティブ型で、NTTが業務範囲を拡大するということとの兼ね合いで、これはいわば1つのトリガーとして、地域通信網の共同促進と謳ったわけですね。
 ところが、基本的考え方、第3章のところで、今回の改正では、業務範囲の拡大は、申請があった個々の業務ごとに、公正競争のおそれがないだろうかということを判断するということで、一般的な地域通信市場での競争の進展ということと、そこにリンケージを持つことは、法の仕組みとして想定していないということを言い切っているわけですね。
 これは、法解釈に責任を持っておられる総務省のご判断ということも十分にすり合わせて、これはそうなんだと。それを受けて、われわれもそれはそう理解するしかない。
 そうすると、一次答申で謳った中で、地域通信網の競争促進という策が、その限りにおいては、趣旨としてはそのとおりになってきてないという状況です。じゃ、そこのところをどうするのかということを考えていくということが1つと、競争進展のヒアリングで、他事業者から具体的に、小売・卸といったような構造分離型の提案もありました。
 それを受けた審議会としては、その意見について、あるいはNTTからは、ここに書いてあるとおり、アウトソーシングとかという形の構造改革をという強い意向が出されております。
 それそれの意見、意向を、審議会としてどう議論したのかということを説明する、そういう責任をわれわれ負わされたんだと。その意味では、メリット、デメリットという形で議論してきたと思うんですね。1つの結論を得るということにはもちろん至っていないわけですね。その状態を、こういう形で書かせていただいた。
 ただ、パブコメであるところが、一番右端にある「考え方」という欄をつけましたよね。そこで書くような内容を、こういう形に盛り込んでいるんだろうと理解しております。
 ところが、構造分離型といっても、小売・卸というのは、唯一これが選択肢だけじゃなくて、1つです。これまで出された意見、われわれが海外の動向等で得た知見の中で、テーブルに乗せたのはこれだと。従って、これ1つというような言い方は決してするべきではないということです。
 ですから、今後、もし第2ステージの議論を仮にするとしたときに、いろんな選択肢が今後出てくる可能性は全然閉じていないということです。
 もう1つは、小売・卸といっても、(注)で書きましたように、どこで切るのかという部分ですね。卸会社の業務範囲はどこなんだということについてもいろいろな考え方があり得るということが、起草検討会ではだいぶ議論いたしました。
 ただ、ここのネットワークというのはインコール・アクセスということから見れば、アクセス網のところでやらなきゃいけない。卸会社の業務範囲とか何か想定しないと、この先、書けませんので、そういうオーソドックスな想定をひとまずやります。
 しかし、いろんな政策判断、経営インセンティブをどう考えるということを考えれば、切り方としては幾つかある。しかし、ここの審議会では、こういう仮定で書いていますということを書いているという流れになっているんですけど。
藤原専門委員  要するにここでいう第2段階というのは、構造問題に踏み込みますよと。第1ステージの競争の成果が思わしくない場合は、第2段階として、構造まで踏み込みますよと書いてなくて、いろんな選択肢があるということは書いてあるんですけど、現時点で、どういう具体的な構造政策をとるとは書いてない。
 但し、その問題に踏み込んで検討して、その結果如何によってはそれを実現するという予告編のようなものであるという意味ですね。
醍醐主査  そうです。その場合に、例えば資本分離の構造政策だと、冒頭の2の整理で、例えば上下に分けるとしても、ここに書いてありますが、結局分けても、現在の状態だと、持株主の共通子会社に、現状ではなるわけです。
 そうなると、別会社がするという分離の仕方と、持株会社という資本分離の問題とが、ここではオーバーラップする部分がある、そういう見通しとして、現在見通せる範囲内のことは書きましょうということなんです。
 だから、そういうふうなことが見通されるときに持株会社はどうするのかについては、ここではあくまで、現に委員会では議論をしておりませんので、見通しはこうだということまで言える範囲のことは。
山本専門委員  正に今のところに関連するんですが、39ページの文章が非常に気になりまして、cの「構造分離のデメリット」というところですが、これが非常に問題になるんですよ。
 例えば、読ませてもらいますと、「それを政府の規制措置として実施するとなれば、利害関係者との合意形成が容易でなく、多大な時間とコストを必要とすることから、迅速性」って、ここのところは断定しちゃっているんですが、やったことがないのになぜ断定できるんですかね。例えば小泉総理がやろうと言えばいくわけでしょう。だって、「実施すれば利害関係者との合意形成が容易でなく」と書いたらば、NTTがすごく抵抗するのかなってだれでも思いますよね。だって、それはわからないじゃないですか。NTTだって、考え方が変わるかもしれないんだし。それから、「多大な時間とコストを必要とする」と、これも断定的に言っているんですが、せめてここらあたりは「予想され」とか、そういう表現にしてほしく思いますね。
 それはデメリットかどうかわかりませんが、もうちょっとここのところは中立的に書いていただきたい。デメリットというよりもね。
 もう1つ、その後なんですけれども、例えばこのようにネットワークを持ってる会社が分離したケースと言っているのは、電力の送電なんかがそうなんですよね。
 例えばイギリスのナショナルグリッドというのはもっぱら送電事業をやっているんですが、設備投資をやってないとか、インセンティブがなくなった、上手くいってないというのを僕は聞いてませんけどね。
 だから、そういう点で言うと、経営インセンティブというのが、「管理運営を主たる業務とする会社となるがゆえに」となっているんですが、本当に「なるがゆえに」なのかどうかもよくわからないし、経営インセンティブが損なわれるのではないかという懸念はあるけど、「大きく損なわれるのではないか」という、「大きく」なんていうのは全然ないと思いますね。
 だから、そういう点でいうとちょっとおかしいんですよ。要するに、まだやったことがないものに対してデメリットということを言うのは。それはちょっとおかしいですね。論理が。
醍醐主査  このあたりは議論をいただいたほうがいいと思いますので、時間はあまりないんですが、しばらく議論いただきたいと思います。
佐藤専門委員  私も「大きく」は取っていいかなという気はしますね。
 それから39ページの、山本さん読まれたところでは、「利害関係者」は除いてはだめなんですか。
 合意形成は、利害関係者の合意形成なのか、われわれの合意形成もあるし、政府が決めればいいことでもある場合もあって、利害関係者の合意形成がないとできないみたいに読まれるのもちょっと困るから、「利害関係者」のところは除くのはどうかなと思いました。
山本専門委員  だから、「合意形成が容易でないことが予想され」とか、それならわかるんだけど、断定的にデメリットというふうな形で論ずるような問題ではないんじゃないかな。だって、まだ前例がないんだもの。やってみなきゃわからない。
佐藤専門委員  ちょっとそのへんの文言を少し変えることで対応できるんじゃないかという印象を持っています。
醍醐主査  いろいろなご意見があるかと思いますので、聞かせていただいて、大体集約できそうなら、少しご提案させていただきますが、いかがでしょうか。
直江専門委員  ちょっと水を差すようですけれども、卸・小売という分割の方法が将来的に望ましいのかどうかということについてかなり疑問なところがあるわけです。
 それは卸をどういうふうに設定しているのかというのもありますけれども、ハードとソフトに分かれていくというようなものを見て、それは卸と小売だという設定を、言い換えをするのか、キャリアーズレートみたいなものを設定することをやっているのが卸であって、最終消費者に提供する部分が小売だと考える。
 そういうふうに考えて卸・小売を考えているのか、どういうふうに考えるのかによって違ってくると思うんですけれども、どういうふうに分けるべきか、どういうような卸・小売があるのか、どういう構造分離があるのかということについてはいろいろ議論はあるけれども、まだ、完全にこれだというものができていない状況にあるんじゃないかと思うんですね。
 だから、そういう点では次世代というか、次の通信のネットワークとか、通信サービスの在り方が決まってくるには時間がかかる。ここ1、2年で決まるような問題じゃないんじゃないか。もう少し時間がかかるんじゃないか。
山本専門委員  1、2年で決まるんじゃないですかね。だって、OECDが勧告を出して、日本も署名したんですから。
佐藤専門委員  いますぐ決められないことは確かだとして。
直江専門委員  だから、どういう範囲にするのかというのは、OECDのレポートも完全に決めてないんですね。各国でやりなさいという話ですね。
 だから、そういう点では、どういう定義をするかというようなことを考えたりすると、合意形成には時間がかかるというのは事実だと思うんですね。
山本専門委員  ただ、私が聞いてる限りでは、フォーゲルサンクの電気通信の「ラストテンマイル」という本だったかな、3層構造があって、層でとらえて、オプレーションまで含めて卸というか、先生が言ったようにハード、ソフトという、もうちょっと大ざっぱな形で分けて言っているのか、そこはもうかなり議論が進んでいて、たぶんBT型が出ていますから、これからもう半年ぐらいたつと、どんどんいろんな国から出してくるんじゃないかと思いますね。
直江専門委員  今問題になっているのは、完全なハードのアクセスの部分というのと、交換機の中のどの部分、ファンクションがありますけれども、いまOSSをどうするかというのをやっていますが、OSSも両方、それは一体卸の方に入るの、それとも小売の方に入るのという議論が出され始めているわけですね。
 更にその先の問題も、料金体系のところもありますので、ですから、国によって少しずつ違ってくると聞いていますから、どれが一番有効な方法なのか、どういう定義をされるのかというのはやっぱりこれからだろうと思うんですね。
醍醐主査  今回、卸の業務範囲と言いましたが、これをどうするかにつきましては様々、それがまた、例えばユーザー部門を持たないことによる経営云々について、全くゼロになるのか、一部持ち得ることもあるのかとか、それは将来の議論に委ねているということで、ここでは、例えばバンドルサービス、独占と競争、それから、請求書に何かチラシを、紙を入れちゃいけないとか、ファイヤーウォール、そういうふうな様々な規制を生む原因、あるいはトラブルの原因となっているところに着目して、それについては解消するという政策目標を踏まえた目的手段の適合性という点から、このようなアイデアというのは1つはあり得ると。そういう趣旨において、ここで大きなデザインを描いているということ。
 それについてはデメリット、非常に懸念事項があるということで、これは今後の検討、第1段階が上手くいかなかった場合の検討課題として、将来に委ねたいという趣旨で書いておきたいと思っています。
 それで、今のご指摘を踏まえて、私どもはニュートラルに書こうとしたつもりだったのですが、39ページのcのデメリットの1、「利害関係者との合意形成」の「利害関係者」を取らせていただいて、「合意形成が容易でないと予想され」ということでもよろしいでしょうか。
(「はい」という声あり)
醍醐主査  ここはこの場で修文にいきます。「利害関係者との」を取りまして、「合意形成が容易でないと予想され」と。
佐藤専門委員  次の「多大な時間」の「多大」と、次のページの「インセンティブが大きく」の「大きく」の形容詞句を。
醍醐主査  今申し上げようと思っていたんですが、次のページの40ページの「インセンティブが大きく損なわれ」の「大きく」を取らせていただくということでよろしいですか。
(「はい」という声あり)
醍醐主査  これは小泉さんがやろうとしてるけど、やっぱりなかなか時間がかかっていますし、先行きもわかりませんので、「多大な」というのは、やはりこれはこのとおりで、直江先生のご指摘もあって、よろしいか。
南事業政策課調査官  いまの「多大な」の関係なんですけれども、この文章を読みますと、規制措置として実施するために合意形成、つまり話し合いに時間とコストがかかるようにも見えるんですけれども、実際に分離するとなると、再編成も2年かかったわけでございまして、「実際の分離に伴い多大なコストと時間が」、これはたぶん自明の理だろうと思います。
醍醐主査  じゃ、例えばこれが、例えばNTTが自らの経営判断でやりますと言っても、そこはいろんな法改正等も踏まえて、株主総会等の手続も踏まえませんといけませんので、いずれにしても、多大な時間とコストがかかるということは、これはやはり客観的な予測としては。
佐藤専門委員  「多大」以外の言葉はありませんか。NTTはこの文章を取ってきて説明するわけですよ。多大な時間とコストが。「多大」以外に使える言葉はありませんか。
山本専門委員  中に入ると何か嫌になっちゃうねという感じなのね。これは無理だろうということを表現してる。
加藤専門委員  「相当の」とかね。「相当」だったら「多大」と同じ。
山本専門委員  「かなりの」。
佐藤専門委員  そういう日本語の勉強ということで。
直江専門委員  デメリットを大きく見せる。
佐藤専門委員  メリットに「多大のメリット」って書いてないから。
山本専門委員  多大だからデメリットでしょ。だから、僕はデメリットじゃないと言っているんですが、ここのあたりはもうちょっと中立的に。
醍醐主査  ここは、やはり競争政策にとっては迅速性、実行可能性、実行可能性はあまり言うといけない。つまり迅速性ということが非常に大事なことですので、それが十分に足かせになることは、やはりここではあくまでもデメリットとして書いていることは、それははっきりさせていただきたいということなので。
山本専門委員  そうしたら、「競争政策の迅速性、実行可能性にかんがみ」とか、前に持っていったほうがいいですね。
醍醐主査  それは何カ所かで。
加藤専門委員  済みません。もう1回読み直してください。
直江専門委員  「多大な」を入れておいてもいいのかもしれないな。
醍醐主査  先ほど、他のところは表現をやわらげましたので、ここはやはりかなりの時間がかかるということは明らかですので、このとおりでいかがでしょうか。よろしいですか。
酒井専門委員  少なくともどういう形になるかわかりませんけれども、例えば交換機の途中で、業務で分けるなんて話をした場合には、それは千億じゃ済まない話でしょうから、多大は多大だと思うんですよね。
醍醐主査  じゃ、ここは「多大な」で、このとおりやらせていただきたいと思います。
加藤専門委員  こんなの英語にしたら主語がなくなっちゃうじゃないですか。利害関係者ですよ。本当に合意形成というのは。
 これを取っちゃったら日本語としては、確かに雰囲気はやわらかくなるけれども、英語にしたとき、だれが合意形成するんですか。主語のない英語なんて。
醍醐主査  ここは政府措置として実施するとなればという言い方ですので、当然、自分からやろうとしていることではないという趣旨ですので、判断としてですから、ここはどうでしょう。
加藤専門委員  いいです。皆さんがよければそれでいいです。
直江専門委員  「利害」を取って「関係者の」でいいんですよ。利害と言うからいけないので、関係してるステークホルダーにしておけばいいと。
醍醐主査  「関係者の合意形成が容易でないと予想され」でよろしいか。
直江専門委員  分離するとすると、こういうようにやれ、ああいうようにやれって、NCCの要求がたくさん出てきますから、かなり大変と思いますよ。
醍醐主査  もう1度読ませていただきます。
 「政府措置として実施するとなれば、関係者の合意形成が容易でないと予想され、多大な時間とコストを必要とすることから」と。
 次の2ページは、「経営インセンティブが」、「大きく」を取って「損なわれるのではないかといった懸念」とさせていただきます。
佐藤専門委員  その上の段落なんですが、39ページの2)の「現在の卸・小売一体の経営のもとでは」というところがあって、それが「卸部門の業務にマイナスの経営インセンティブ」というんですが、後ろのほうは営業部門に対するマイナスインセンティブなのか、卸部門に対するマイナスインセンティブかという議論が1つと、ここの例は、どっちかというと、独占的サービスと競争的サービスを持つことよりも、ボトルネックと営業を持つことによって生じる利益相反だから、後ろの例は、どっちかというと、独占と競争のサービスの話が出ているんですが、ADSLで基本的な情報をボトルネックで持っている人が、ADSLの競争サービスをやるときにいろんな問題が起こってますよねというふうな、私が例題として入れてくださいと言ったのはそういう話なので、文章や例がこれでよろしいのかなと。
醍醐主査  そうすると、例えば後段、ジョイントマーケティングを変えるとしたら、接続部門で知り得た情報を営業部門で流用するというか、具体的に利用することに対しての意見の申し出があると、そういうことでよろしいですか。
佐藤専門委員  いろんな紛争が起こっていると。それを解決するためにいろいろ、公正競争上の要件が卸部門にかけられて、要するにそういうことが続いていますということなんですけど。1行ぐらい変えてもらったほうが。
醍醐主査  いまおっしゃっているのは、前段と上手くつながるような例にしたほうがいいということですね。前後の関係はいいですよね。
 それから、ジョイントマーケティングというところをちょっと変える。これだと営業の中だけの世界になる。
佐藤専門委員  ボトルネックを持ってることで、両方をやることでいろんな問題を起こしているという例をもう少しわかりやすく。
醍醐主査  これまで現実にあった例としてみれば、やっぱり接続部門のファイアウォールということが言われましたので、ここのところを営業に置きかえさせていただくことでよろしいでしょうか。
佐藤専門委員  できれば、ADSLの例か何か入れてくれたほうがわかるかもしれないけど、ちょっと例を考えてください。
直江専門委員  接続部門とサービスの間のと。
山本専門委員  バンドリングとかも全部問題なわけでしょ。
醍醐主査  ここは卸を持ってるということとの関係で懸念され、あるいはこれまで現にあったという事例にしたいものですから。
 ここは皆さんに、できればお配りして、この場で確認をお願いしたいんですが、ちょっと時間的に押してることから、今の方向で。
 南さん、何かございますか。
南事業政策課調査官  基本的にその方向で。
 例えばADSLのときに問題に問題になりましたが、営業部門の人間が接続部門と同席してしまうとかという問題が出ておりましたので、なるべく具体的な形で書かせていただきます。
醍醐主査  それ以外如何でしょうか。今事務局に宿題をお願いして、用意をいただいたのがございますが、ここで配られていただいて、確認いただくということをさせていただいてよろしいでしょうか。
 2点あったと思いますが、消費者の方から。
(修文案配付)
醍醐主査  事務局から簡単にご説明ください。見たらいいということでよろしいででしょうか。
南事業政策課調査官  特にございません。
醍醐主査  12ページ、アンダーラインのような内容を入れさせていただいたらどうかというご提案ですが、いかがでしょうか。
 「適切」というのも「合理的」に変えるというのも合わせて修文ですね。
 上のほうにも「適切な選択を行い」とありますよね。
加藤専門委員  ほどほどでいいんじゃないですか。一番下はそれでピチッと締めてあるから。厳しく自己責任まで要求されて。
醍醐主査  このような修文でよろしいでしょうか。
藤原専門委員  「自己責任を」じゃないですか。
醍醐主査  「自己責任を」ですね。それではこのように、この場で修文させていただきたいと思います。
 そういたしましたら、全体として、この答申草案につきまして、その他ご意見ございませんでしょうか。最後のところは案文をお預かりしたことにさせていただきますが、それ以外でいかがでしょうか。
山本専門委員  3の1と2は合うんですか。3の「公正で透明な市場環境の整備」の1、2という、これは概念として一緒になっていておかしくないですか。
加藤専門委員  両方の執行体制になるのね。
醍醐主査  ここはあえて分けるということはあるんですが、それぞれ1つずつとなると、山本先生ご懸念の、消費者行政が正しく。
 いずれにしても、環境整備の、プレーヤーじゃないですね。プレーヤーを取り巻く外堀といいましょうか、プレーヤーの接点にいる行政と消費者とをめぐる環境整備ということで、そんなにも牽強付会でもないのかなという気はするんですが。
加藤専門委員  最終的には、両方とも苦情があれば、96条も自然の対象ということでくくれるんですよね。
山本専門委員  両方とも苦情処理と。消費者の苦情処理と、事業者の苦情処理と。それがちょっとどうかなと思うんだけど。
醍醐主査  その他ございませんでしょうか。
藤原専門委員  細かな表現ですけど、46ページの一番最後の段落なんですけど、上から3行目、「第2のステージに適合した別途の」という言葉が入っていますが、「別途の」を取るか、あるいは「構造的競争政策を別途検討する」か、どちらかにしないとちょっと誤解を招くような気がしますけど。
醍醐主査  別途というのは、おわかりいただけると思うんですが、小売・卸の1つの選択肢なんですね。しかし、デメリットのほうが大きいんで、これは取り入れないということで、「別途の」ということなんですね。
藤原専門委員  「別途の」と書いてあると、ファーストステージもすでにあって、セカンドステージでも何かあるような、両方に構造的競争政策があるように読めちゃうので、これは落としたほうがいいんじゃないかと。
直江専門委員  なくてもいいんですよね。
醍醐主査  全然こだわりませんけど。じゃ、「別途の」を取らせていただいてよろしいですか。
 その他いかがでしょうか。
 それでは、二次答申草案、これで本日の議論を締めくくらせていただいていいでしょうか。
(「はい」という声あり)

  (2) 東・西NTTの業務範囲拡大の認可に係る「公正な競争の確保に支障を及ぼすおそれ」のある場合等の考え方(東・西NTTの業務範囲拡大に係る公正競争ガイドライン)(案)」についての意見募集結果について

醍醐主査  それでは次に行かせていただきます。
 大変時間がオーバーしてしまって申しわけないんですが、もう1つ重要な議題といたしまして、東・西NTTの業務拡大の認可にかかわるガイドラインについて意見募集の結果を事務局からご説明いただき、ご意見がありましたらいただきたいということで、よろしくお願いします。
南事業政策課調査官  資料2のすぐ後ろに別紙1、主要な変更点といわれるものをご用意させていただいたおります。これに基づきましてご説明をさせていただきたいと思います。変更点を列挙しているものでございます。横長の紙でございます。
 まず主要な変更点でございますけれども、パブリックコメントの中で25社の方からご意見を賜ったわけでございます。これを受けまして主な変更をいたしました。
 まずガイドラインの、活用業務の対象となると適用範囲、業務範囲を明確にしたほうがいいだろうということで、特に電気通信業務、その他の業務の、その他の業務といたしまして、例えば電気通信業務に関連するコンサルティング等の業務を想定しているわけでございますが、放送業は含まないという趣旨を明記をさせていただきました。
 それから、寄せられた意見の2でございますけれども、支配力の濫用といわれる具体的事例を示すべきだというご指摘を踏まえまして、先に発表いたしました公正取引委員会との共同ガイドラインの中の反競争的行為のうち、主だった事例を2、3ピックアップをしまして、それを注釈という形で例示を付け加えさせていただいております。
 それから2ページ目をおめくりいただきまして、実際の7つのパラメータ、公正競争措置の具体的な中身の明確化を図ったところでございます。
 寄せられた意見のうち、1つ目のパラメータの、ネットワークのオープン化に関しましては、必要不可欠な要素だと認められる場合であって、接続ルールを超えている場合を明確化いたしまして、「指定電気通信設備の扱いに準じて、機能のアンバンドル化、適正な原価に基づき算定された接続料の設定、コロケーションに必要な場所の提供等が求められる」というふうに趣旨を明確化いたしました。
 それからネットワーク情報の開示につきましても、内容、時期、手続を明確にすべきだというご指摘を踏まえまして、指定電気通信設備の扱いに準じまして、必要な場合に、その情報の内容、時期、方法につきましては、接続約款に定める技術的条件の記載とか、網機能計画の届出に準じて行われるべきであるという趣旨を明確化いたしました。
 それから、営業面でのファイヤーウォールの件は、できるだけ具体的な事例ということでございまして、いまの段階ではなかなか想定しにくいわけですが、ご指摘を踏まえまして、具体的にはということで、独占的業務において獲得した顧客情報を、相当な理由があるときを除いて、当該情報の本来の収集目的以外の目的に流用されることを防止するため、顧客情報を厳格に維持管理するための措置を講ずること等が求められるという例を明示したところでございます。
 それから、不当な内部相互補助の関係、いわゆるスタックテスト絡みの話でございますけれども、接続料金と利用者料金との関係に問題がある場合に、客観的に検証するために必要な資料の提出が求められるという趣旨を明確化して追加しているところでございます。
 最後でございますけれども、いわゆるデュープロセスの関係でございます。
 以前の場合、原則として意見を聞くのか聞かないのかというのはちょっと曖昧でございましたので、当分の間は、軽微と認められる事案を除いては、原則として意見を聞きますという趣旨を、手続上明確化いたしました。
 それから、標準処理期間につきましても、1カ月なのか、3カ月なのか、要するにどっちが標準期間なのかよくわからないというご指摘を踏まえまして、軽微な場合は原則1カ月以内、そうでなくて慎重な検討が必要だと思われる場合には原則3カ月以内と、要するに2つの標準処理期間があるということを明確化したところでございます。
 最後に、いわゆる認可後の、事後のチェック機能といわれるものも当然、今あるわけでございますので、それを明確化しろというご指摘が多々あったものでございますので、認可した後、公正な競争を確保するために講ずる措置というのが十分に確保されていないというような場合、あるいは、経済的、社会的事情の変更に伴って、その措置が十分でなくなったというような場合には、NTT法あるいは電気通信事業法に基づいて、私どもが適切な措置を講ずるという趣旨を明確化させていただいたところでございます。
 主な修正点は以上でございます。よろしくお願いいたします。
醍醐主査  ただいまのご説明につきまして何かご質問、ご意見ございますでしょうか。
酒井専門委員  一番最初の、「その他の業務としては」という注釈なんですが、放送業を含まないというのは、多分そういうご指摘があったんでという形だと思うし、現在そうだろうと思いますけれども、例えば電気通信業務に関連するコンサルティング等という、例えばで、それ1件ということがあったにしても、これはものすごくちっちゃなことなんですよね。
 要するに電気通信業務に関するコンサルティングというと、確かにNTTが通信業務があるから、通信に強い人がいっぱいいるから、その人がコンサルタントをやるという形の業務だろうと思うんですけれども、放送に対して、例えばが、非常に範囲が限定されているような感じがして、もうちょっと大きく書けないのかなと思うんですが、大きく書くと、また問題が出てくるんでしょうね。
南事業政策課調査官  たぶんNTTが新しくチャレンジされる場合には、電気通信業務の本体の方が多分メインなんだろうと思っておりまして、電気通信業務、その他の業務となっている、その他の業務がいまひとつ曖昧だなということでございまして、多分県をまたいだインターネット関連のいろんなサービスが、あらゆるサービスが、電気通信業務の方に含まれるんじゃないかと思っておりまして、その他の業務として関連されるとすれば、当面は。
酒井専門委員  これしか考えられないと。何かいい例があったら、ほかに書くんだけどということですね。分かりました。
佐藤専門委員  独占的なボトルネックを持っているとか、何らかの独占的地位にある、そこでイコールな、公正な競争条件をどうつくるかという議論ですよね。
 1、2のところは、ネットワークのボトルネックをもうちょっとオープンにかける。みんながちゃんと使えるようにしましょうというような話で、4、5が、どっちかというとヒト、モノ、カネとか、よく言われる情報、こういうものを遮断して、イコールな競争条件をつくろうという、そういう方法の議論だと思うんですよ。
 私の感想でいうと、これだけでいいのかなというのがあって、4は情報の話だけに見えるんですよ。情報の話だけなんですか。
 左を見ると、バンドルサービスとかジョイントマーケティングとか、情報以外のこともいろいろ問題視されている、指摘されていると書いてあるように思うのに、右では、情報だけ遮断すればいいと書いてあるようにも思って、左右が合ってないようにも思うんですが、どうですかね。
南事業政策課調査官  もうすでに原案の中に、バンドルサービスのことに関しては触れられておりまして、一律にすべてのバンドルサービスがいけないというわけにはなかなかいかないだろうと思っておりまして、公正な競争を阻害するおそれがあればバンドルサービスはおやめなさいというふうにすでに明記してある。
 それから、個々の営業行為そのものというよりも、不適正な営業行為が行われにくくする、やはり最大の担保措置として、もし明示できるとすれば、やはり情報がしっかり、本来の目的のためだけに使われて、それ以外の目的に流用されることがないような何らかの措置を講じていただくというところ、明示をするとすれば、いまの段階で書けるのはそこまで、明示的に書くのはそこまでかなと。
佐藤専門委員  いろんな人のパブコメ、私、サッと読んだんですが、新しいビジネスをやると、企画立案みたいな骨格、企画から始まって、実際にサービスを立ち上げて、運営して商売をやっていくような営業まで入っているわけですね。
 その部門をそもそもヒト、モノ、カネといいますかね、例えば本体とライバルと同じように扱うところと、そういうところをそもそもヒト、モノ、カネを切っていかなきゃいけないというような大きな議論をしている人たちもいて、営業部門だけ取り出して、情報がやりとりされなければいけないとここに書いてあるように思ったんですが、ここは修正点だけで、中身のほうにはもうちょっと、いま言ったようなことも議論できるような含みのある書き方になっていますか。
 要するに結果としては、いまは、当面は情報のことしか、営業面のファイヤーウォールというと、情報の遮断しか言えないんだという回答だったんですが。
醍醐主査  例えばバンドルサービス、情報ではなく、まさに営業そのものですね。それは、今回の二次答申草案でもかなりケースごとに書いてありますが、それと平仄を合わせた内容が、本体のほうで確か書かれていたと思っていて、ここの例示がちょっと適当かどうかというのはありますが、本体でないことを、ここへ付け加えたということなんでしょうか。
南事業政策課調査官  本体の二次答申の中でも、接続部門と営業部門との関係のいろいろな、機能分離としてのファイヤーウォールを徹底させる必要があるという、その具体的事例は、むしろ二次答申の今回の草案の方に具体的に書かせていただいておりまして、今回の場合はこれは営業と営業の話も含めて書かせていただいているということなんですけれども、およそ新しくやるサービスというのは、要するにどのぐらいの規模の、どのぐらいの体制になるのかがなかなか想定しにくい段階で、同じ営業部門の中で、同じ会社の中で共同営業することを一律に禁止するというのはなかなか難しいんではないのかということで。
佐藤専門委員  そういう意味では、一律に禁止できない分はデュープロセスで、大きな問題はパブコメをとって、その中でしかるべき処置をとると考えるんですか。必要に応じて。
南事業政策課調査官  そうですね。そこは具体的なケースが出て、かなりのまとまった単位で営業部隊を投入してやるようなサービスなのか、そうでないサービスなのかというのは、いまの時点では何とも想定しにくいので。
佐藤専門委員  二次答申のどこかとオーバーラップしているようなところがかなりありましたっけ。
南事業政策課調査官  バンドルサービスのところはそういうことで。
佐藤専門委員  このへんだけは書き込んであるのかな。
醍醐主査  今回の答申草案を議論した審議会としては、ガイドラインについて限られた、触れてないところについては、仮にこれが採択いただければ、やはり運用上は、これを1つの重要な、補完的なものとして、やはりこれを活用していただきたいという気持ちは当然持っております。
 今回、答申の方では、バンドルサービスによって組み合わせごとに、例えば異業種から来た場合もどうするんですかということも含めて相当詳しく書いていると思っていまして、これを1つの補完的、大いにこれは斟酌をしていただけるものだと。
 この中で実現するもの、できないものがあるでしょうけれども、ここは行政上の運用のスタンスの問題ですので、ここで書かれていることについては十分に活用していただけるものと思っているんですけれども。
佐藤専門委員  いろいろ運用しながら、来年度もう1回、見直しのパブコメをとるというようなことなんでしょうか。
南事業政策課調査官  この中でもはっきり約束させていただいておりますが、1年後に必ず見直しますということを明記させていただいております。
山本専門委員  今年の9月のAPECの会議でも問題になっているんですが、日本は何かちゃんとしたことやってるかというんで、私はパブコメを挙げたんですが、これを見ると事業者だけなんですね。コメントを寄せてくれるのが。
 やっぱり市民、消費者、なぜパブコメが来ないのかというと、専門用語の壁とか、そういうのがあって、パブリックだから、公衆に対してコメントを求めてるのに来ない現状がありますよね。これはもうちょっと何とかならないものかと。
 素人の人でも、もうちょっとわかりやすく、こちらのほうが出せば、もうちょっと反応があるんじゃないのか。そこらあたりの工夫というのはやってもいいんじゃないかと思うんですけれども、これだとちょっと寂しいですね。
加藤専門委員  それは前々から、もう10年来の話なんですよね。
 今回、利用環境整備室のほうで、いろんなところとの連携をとっていくということの作業の中の1つとしては、やはり積極的に、来い来い、意見を寄せろ寄せろじゃなくて、寄せてもらうための仕事という形で、消費者団体を集めて説明をして、その場で、ある程度の解釈が十分にいくようにして、そして、消費者から意見の出るような、そういうプロセスも今後はできてくるんじゃないかと思うんですけどね。
 そういう努力いかがですか。
南事業政策課調査官  パブリックコメント、今回、この東西のガイドラインはどちらかというと、事業者とのイコールフッティングが中心なものですから、どうしてもちょっと。
加藤専門委員  だけど、いままでユニバーの問題や何かでもなかなかでてきませんでしたね。
南事業政策課調査官  前回の第一次答申につきましては、大変多くの個人の方あるいは消費者の方からも多数ご意見をいただいておりますので、今回の、まさにパッケージで二次答申案、もしお示しいただく場合には、特に消費者の行政の話は相当なボリュームを割かれておりますので、かなりの関心を持っていただけるんじゃないかなというふうに期待をしたいと思っております。
醍醐主査  時間の制約もありますので、最後に、残りました修文案をお配りいただいた審議をいただきたいと思います。
(修文案配付)
南事業政策課調査官  2案ご用意をさせていただきました。
 簡単にご説明をさせていただきますと、案の1というのは、前段の部分は全く変えない。「しかし」以下のところを、後ろの方からそのまま持ってきますという案でございます。「しかし、例えば第1ステージで公衆網の再販や光ファイバのオープン化等がその実施を希望する事業者の正当な要請にもかかわらず実現せず、2年を経過してもなお、地域通信市場における十分な競争の進展が見られない場合、速やかに第2ステージの競争政策を検討することが必要になる」ということで、これは上の方で、第2ステージの競争政策の中身が書かれておりますので、「速やかに第2ステージの競争政策を検討することが必要になる」と書きまして、ページをおめくりいただきまして、43から44の該当部分を削除した上で、1)の冒頭のところに、前述の(1)3)「後段の事態が生じ、第2ステージの競争政策を構想することが必要となる場合には、構造的競争政策として」云々云々というふうにつながりをつけさせていただくという案が1つでございます。
 案の2は、むしろひっくり返して、いまの後段のところの記述はそのまんまに残した上で、3)のところを、第2ステージが出てくる事態を淡々と書いちゃうということで、図られなかった場合、例えば云々云々、「検討することが必要となる」と。
 ならないほうじゃなくて、なるほうを書いて、後段はそのままという案でございます。
醍醐主査  皆さんからご意見を伺う前に、これまでの起草検討会等の流れでは、やはり第2案というと、趣旨からいうと、また戻ってしまうような感じがいたしまして、要するに第1案は、この場合は第1ステージで終わりと。
 この場合は第2ステージまで、非常に機械的な言い方ですが、イコールに書いているということなんですが、少なくともどうでしょうか。
直江専門委員  基本的には第1案ですよね。
醍醐主査  その分、後ろで言うこともやめて。
加藤専門委員  一番最初に私が意見を言ったのは、この1案のようにならないかという気持ちだったですよ。
直江専門委員  1案のほうがスムーズな感じ。
醍醐主査  いかない場合といく場合両方書くということですね。こちらでよろしいでしょうか。
(「はい」という声あり)
醍醐主査  それじゃ、このような形で、第1案の方で修正をさせていただくと。
加藤専門委員  一番最後43ページのところが、これで取るわけですね。
醍醐主査  両方対比させるということですので。
加藤専門委員  結構です。
醍醐主査  大変熱心なご議論をいただきましてありがとうございました。
 それでは本日の議論は以上とさせていただきまして、本日の議論を踏まえまして、第二次答申草案、1カ所、修文案を預からせていただくということはございますが、その上で、東・西NTTの業務範囲拡大に関する公正競争のガイドライン案についてご審議をいただいたということで、特に修正ということはなかったと理解させていただいております。
 それでは、本日の答申草案を、11日の特別部会でご報告をさせていただきたいと思います。
加藤専門委員  今後はどういうことになるんですか。
直江専門委員  パブコメに出るんですね。
醍醐主査  今後のスケジュールを含めてご説明いただけますか。
南事業政策課調査官  本日、お取りまとめいただきましたものプラス、前回のユニバーサルサービス関連部門、それから、別の国際競争力委員会のほうの取りまとめ、その3つを取りまとめた形で、来週火曜日に特別部会にご報告をさせていただきまして、その場でご了承いただければ、パブリックコメントに、第2次答申の草案という形で、1カ月ほどパブッリクコメントをかけさせていただく。それを受けまして、1月末に再度、第2次答申案として固めていただいて、2月の中旬ぐらいに総会にご報告いただいて確定させていただくというプロセスで進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
藤原専門委員  1点だけ。ガイドラインの10ページのIVですが、見出しが「ガイドラインの見直し等」となっているところで、(1)は見直しの話ですが、(2)は個別の認可の話なので、できれば(2)の頭出しに、個別に認可された事柄について述べるんだということがわかるような表現で頭出しをやっていただいたほうが読みやすいかなと。
 10ページの「また」から始まっているところの頭出しの書き方をちょっと工夫していただいたほうが読みやすいと。「ガイドラインの見直し等」の。
 些細なことですけど、例えば個別認可の話だとわかるような頭出しに。
醍醐主査  よろしいでしょうか。事務局は。
南事業政策課調査官  ちょっと工夫させていただきたいと思います。

閉会

醍醐主査  30分近く延びてしまいましたが、どうも長時間ご審議をいただきましてありがとうございました。


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