目 次
一 指定電気通信設備の接続料に関する原価算定規則案要綱
二 指定電気通信設備の接続料に関する原価算定規則案
三 指定電気通信設備の接続料に関する原価算定規則案参照条文(省略)
一 指定電気通信設備の接続料に関する原価算定規則案要綱
指定電気通信設備の接続料に関する原価算定規則案要綱
第一 目的
この省令は、指定電気通信設備との接続料の適正な原価の算定の基準を確立
すること等を目的とすること。(第一条関係)
第二 用語
この省令において使用する用語は、電気通信事業法(昭和五十九年法律第八
十六号。以下「法」という。)、電気通信事業会計規則(昭和六十年郵政省令
第二十六号)及び指定電気通信設備接続会計規則(平成九年郵政省令第
号。以下「接続会計規則」という。)において使用する用語の例によること。
(第二条関係)
第三 遵守義務
指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、原則として、この省
令の定めるところにより、接続会計規則に規定する指定設備管理部門に整理さ
れた資産並びに費用及び収益を基礎とし、接続料の原価を算定しなければなら
ないこと。(第三条関係)
第四 原価算定
一 接続料の原価は、電気通信事業法施行規則(昭和六十年郵政省令第二十五
号)第二十三条の四第二項に規定する機能(以下「省令で定める機能」とい
う。)ごとに、当該機能に係る指定設備管理運営費(指定電気通信設備の管
理運営に必要な費用をいう。以下同じ。)に他人資本費用、自己資本費用及
び利益対応税の合計額を加えて算定するものとすること。(第四条第一項関
係)
二 接続料の原価の算定期間は、原則として、一年とすること。(第四条第二
項関係)
三 省令で定める機能に係る指定設備管理運営費の算定の基礎となる設備を定
め、接続会計規則別表第二の設備区分別費用明細表に記載された費用の額を
基礎として設備管理運営費の額を算定するものとすること及びその特例を定
めること。(第五条及び第六条関係)
四 接続料の原価を構成する他人資本費用、自己資本費用及び利益対応税の額
の計算方法について定めること。(第七条、第八条及び第九条関係)
第五 料金設定
接続料の設定にあたっては、省令で定める機能ごとに、当該接続料に係る収
入が当該接続料の原価と一致するように定めなければならないことその他所要
の規定を定めること。(第十条、第十一条及び十二条関係)
第六 再計算
法第三十八条の二第十項の規定による接続料の再計算その他所要の規定を設
けること。(第十三条及び第十四条関係)
第七 施行期日等
この省令の施行期日その他所要の規定を設けること。
二 指定電気通信設備の接続料に関する原価算定規則案
郵政省令第 号
電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第三十八条の二第三項二号及
び第十項の規定に基づき、指定電気通信設備の接続料に関する原価算定規則を次
のように定める。
平成九年
郵政大臣 自見 庄三郎
指定電気通信設備の接続料に関する原価算定規則案
目次
第一章 総則(第一条―第三条)
第二章 原価算定(第四条―第九条)
第三章 料金設定(第十条―第十二条)
第四章 再計算(第十三条―第十四条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この省令は、指定電気通信設備の接続料に関する適正な原価の算定方法
を定め、もって接続料が能率的な経営の下における原価に照らし公正妥当なも
のであることを確保することを目的とする。
(用語)
第二条 この省令において使用する用語は、電気通信事業法(以下「法」とい
う。)、電気通信事業会計規則(昭和六十年郵政省令第二十六号)及び指定電
気通信設備接続会計規則(平成九年郵政省令第 号。以下「接続会計規則」
という。)において使用する用語の例による。
(遵守義務)
第三条 指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者(以下「事業者」と
いう。)は、この省令の定めるところにより、接続会計規則に規定する指定設
備管理部門に整理された資産並びに費用及び収益を基礎とし、接続料の原価を
算定しなければならない。ただし、特別の理由がある場合には、郵政大臣の許
可を受けて、この省令の規定によらないことができる。
第二章 原価算定
(接続料の原価)
第四条 接続料の原価は、電気通信事業法施行規則(昭和六十年郵政省令第二十
五号)第二十三条の四第二項に規定する機能(以下「省令で定める機能」とい
う。)ごとに、当該機能に係る指定設備管理運営費(指定電気通信設備の管理
運営に必要な費用をいう。以下同じ。)に第七条から第九条の規定に基づき計
算される他人資本費用、自己資本費用及び利益対応税の合計額を加えて算定す
るものとする。
2 接続料の原価の算定期間は一年とする。ただし、指定電気通信設備にその電
気通信設備を接続する電気通信事業者が省令で定める機能を利用して提供しよ
うとする電気通信役務が新規であり、かつ、今後相当の需要の増加が見込まれ
るものであるときは、省令で定める機能に係る接続料の原価の算定期間を五年
までの期間の範囲内で定めることができる。
(指定設備管理運営費の算定)
第五条 省令で定める機能に係る指定設備管理運営費は、次の表の上欄に掲げる
機能の区分ごとに、同表の下欄に掲げる設備(これの附属設備及びこれらを設
置する土地及び施設を含む。以下「対象設備」という。)に係る接続会計規則
別表第二様式第五の設備区分別費用明細表に記載された費用の額を基礎として
算定するものとする。ただし、前条第二項ただし書に規定する電気通信役務を
提供するために利用される省令で定める機能に係る指定設備管理運営費は、接
続会計規則別表第二様式第五の設備区分別費用明細表に記載された費用の額及
び通信量等の実績値を基礎として、合理的な将来の予測に基づき算定するもの
とする。
機能の区分
|
対象設備
|
端末回線伝送機能
|
指定端末系伝送路設備(加入者側終端装置、指定市内交換局
に設置される主配線盤及び指定端末系交換等設備との間に設
置される伝送装置等を含む。)
|
端末系交換機能
|
指定加入者交換機(指定端末系伝送路設備、指定市内伝送路
設備、指定中継系伝送路設備又は信号用伝送装置との間に設
置される伝送装置等を含む。ただし、手動によるものを除く
。)
|
市内伝送機能
|
指定加入者交換機間に設置される指定市内伝送路設備(指定
市内伝送路設備の両端に対向して設置される伝送装置等を含
む。)
|
中継系交換機能
|
指定中継交換機(指定市内伝送路設備、指定中継系伝送路設
備又は信号用伝送装置との間に設置される伝送装置等を含む
。ただし、手動によるものを除く。)
|
中継伝送機能
|
指定加入者交換機と指定中継交換機との間に設置される指定
中継系伝送路設備(指定中継系伝送路設備の両端に対向して
設置される伝送装置等を含む。)
|
交換伝送機能
|
指定加入者交換機又は指定中継交換機以外の交換等設備(手
動によるものを除く。)及び当該交換等設備に係る伝送路設
備
|
信号伝送機能
|
信号用伝送路設備及び信号用中継交換機
|
呼関連データベー
ス機能
|
呼関連データベース
|
番号案内機能
|
番号案内データベース及び番号案内装置
|
手動交換機能
|
指定端末系交換等設備(手動によるものに限る。)及び指定
中継系交換等設備(手動によるものに限る。)
|
公衆電話機能
|
公衆電話機
|
(指定設備管理運営費の算定の特例)
第六条 前条の規定にかかわらず、対象設備が帰属する設備区分が接続会計規則
別表第二様式第五の設備区分別費用明細表において独立した設備区分として整
理されていない場合においては、指定設備管理運営費の額は、次に掲げる式に
より計算することができる。この場合において、対象設備が法定耐用年数経過
後において更改されていないときは、当該対象設備の取得固定資産価額から残
存価額を減じた差額を法定耐用年数で除して得た額を控除するものとする。
第五条の規定 対象設備の +− −+
により算定さ 正味固定資 |対象設備の|
れる当該機能 産価額 |取得固定資|
と類似の機能 −−−−−− |産価額 |
指定設備管理運営費 =(以下「類似 × 類似機能に + +− −+
機能」という 係る指定設 −−−−−−
。)に係る指 備管理運営 法定耐用年数
定設備管理運 費の算定の
営費(減価償 対象となる
却費相当額を 設備の正味
除く。) 固定資産価
額
2 前項の対象設備の正味固定資産価額は、次に掲げる式により計算する。
対象設備の 対象設備の (対象設備の取得固定資産価額−対象設備の残存価額)
正味固定資 =取得固定資 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
産価額 産価額 2
3 前項の取得固定資産価額は、合理的な予測に基づき算定された対象設備の購
入価格又はそれに相当する額及び設置工事費等とする。
4 第一項の類似機能に係る指定設備管理運営費の算定の対象となる設備の正味
固定資産価額は、接続会計規則別表第二様式第四の固定資産帰属明細表の帳簿
価額を基礎として算定された額とする。
(他人資本費用)
第七条 省令で定める機能に係る他人資本費用の額は、次に掲げる式により計算
する。
2 省令で定める機能に係るレートベースの額は、次に掲げる式により計算する。
3 前項の対象設備の正味固定資産価額は、接続会計規則別表第二様式第四の固
定資産帰属明細表の帳簿価額を基礎として算定された額とする。ただし、第四
条第二項ただし書に規定する機能の対象設備の正味固定資産価額は、接続会計
規則別表第二様式第四の固定資産帰属明細表の帳簿価額及び通信量等の実績値
を基礎として合理的な予測に基づき算定された額とし、前条第二項の規定によ
り対象設備の正味固定資産価額が算定されているときはその額とする。
4 第二項の繰延資産比率、投資等比率及び貯蔵品比率は、それぞれ、接続会計
規則別表第二に記載された指定設備管理部門の電気通信事業固定資産の額に対
する繰延資産及び投資等(指定電気通信設備の管理運営に不可欠、かつ、収益
の見込まれないものに限る。)の額の占める比率並びに電気通信事業会計規則
別表第二に記載された電気通信事業固定資産の額に対する貯蔵品(電気通信事
業に関連するものに限る。)の額の占める比率の実績値を基礎として算定する。
5 第二項の運転資本の額は、次に掲げる式により計算する。
+− −+
|省令で定める機能の提供から|
対象設備の指定設備管理運営費 |当該機能に係る接続料の収納|
運転資本=(減価償却費、固定資産除却損及×|までの平均的な日数 |
び租税公課相当額を除く。) |−−−−−−−−−−−−−|
| 三百六十五日 |
+− −+
6 第一項の他人資本比率は、負債の額が負債資本合計の額に占める割合の実績
値を基礎として算定する。
7 第一項の他人資本利子率は、社債及び借入金(以下「有利子負債」という。)
に対する利子率並びに有利子負債以外の負債の利子相当率を、有利子負債及び
有利子負債以外の負債が負債の合計に占める比率により加重平均したものとす
る。
8 前項の有利子負債に対する利子率は、有利子負債の額に対する他人資本費用
の額の比率の実績値を基礎として算定する。
9 第七項の有利子負債以外の負債に対する利子相当率は、当該負債の性質及び
安全な資産に対する資金運用を行う場合に合理的に期待しうる利回りを勘案し
た値とする。
(自己資本費用)
第八条 省令で定める機能に係る自己資本費用の額は、次に掲げる式により計算
する。
自己資本費用=当該機能に係るレートベース×自己資本比率×自己資本利益率
2 前項の自己資本比率は、一から他人資本比率を引いたものとする。
3 第一項の自己資本利益率は、事業者の発行する社債券の格付その他の指標に
照らして事業者と類似していると認められる者の自己資本利益率及び事業者の
電気通信役務に関する料金の算定に用いられた自己資本利益率を勘案した合理
的な値とする。
(利益対応税)
第九条 省令で定める機能に係る利益対応税の額は、次に掲げる式により計算す
る。
利益対応税=(自己資本費用+(有利子負債以外の負債の額×利子相当率))
×利益対応税率
2 前項の利益対応税率は、法人税、事業税及びその他所得に課される税の税率
の合計を基礎として算定された値とする。
第三章 料金設定
(料金設定の原則)
第十条 接続料は、省令で定める機能ごとに、当該接続料に係る収入が、当該接
続料の原価に一致するように定めなければならない。
2 前項の接続料に係る収入は、当該接続料に係る機能に対する需要の実績値に
当該接続料を乗じて得た額とする。ただし、第四条第二項ただし書又は第六条
の規定に基づき接続料の原価を算定した場合は、需要の実績値に代えて将来の
合理的な需要の予測値を用いる。
3 接続料の体系は、当該接続料に係る指定設備管理運営費の発生の態様を考慮
し、回線容量、回線数、通信回数、通信時間又は距離等を単位とし、社会的経
済的にみて合理的なものとなるように設定するものとする。
(交換機能の料金)
第十一条 交換機能の接続料は、少なくとも、通信路の設定を行う機能及び通信
路を保持する機能の別に、それぞれの機能に関連する部分の価格が対象設備の
価格に対して占める比率等を勘案して設定するものとする。ただし、合理的な
理由がある場合には、この限りではない。
2 前項の場合において、通信路の設定を行う機能の接続料は通信回数を単位と
して、通信路を保持する機能の接続料は通信時間を単位として、それぞれ設定
するものとする。この場合において、合理的な理由があるときは、通信ビット
数その他の単位を組み合わせて定めることができる。
(伝送機能の料金)
第十二条 伝送機能の接続料は、少なくとも、当該伝送機能に関連する伝送路設
備の通信路が特定の電気通信事業者との接続にのみ利用されるもの及びそれ以
外のものの別に定め、それぞれの場合に利用される通信路の回線容量の比率等
を勘案して設定するものとする。
2 前項の場合において、当該伝送機能に関連する伝送路設備の通信路が特定の
電気通信事業者との接続にのみ利用されるものの接続料は回線容量又は回線数
を単位として、それ以外のものの接続料は通信時間を単位として、それぞれ設
定するものとする。この場合において、合理的な理由があるときは、距離その
他の単位を組み合わせて定めることができる。
第四章 再計算
(接続料の再計算)
第十三条 事業者は、法第三十八条の二第十項の規定により再計算した接続料を、
毎事業年度経過後七月以内にその算出の根拠に関する説明を記載した書類を添
えて郵政大臣に報告しなければならない。
(精算)
第十四条 事業者は、接続料を再計算し、その結果に基づき接続料を変更したと
きは、省令で定める機能ごとに、当該機能に係る変更前の接続料と変更後の接
続料との差額に当該機能に対する需要の実績値を乗じて得た額の二分の一に相
当する額を、指定電気通信設備にその電気通信設備を接続する他の電気通信事
業者と精算するものとする。ただし、第四条第二項ただし書及び第六条の規定
に基づき当該機能に係る接続料の原価を算定した場合は精算することを要しな
い。
附 則
この省令は、公布の日から施行する。ただし、接続会計規則附則ただし書の規
定に基づき接続会計規則が適用されることとなるまでの間は、第三条中「接続会
計規則に規定する指定設備管理部門に」とあるのは「電気通信事業会計規則に基
づき」と、第五条及び第六条第一項中「接続会計規則別表第二様式第五の設備区
分別費用明細表」とあるのは「電気通信事業会計規則別表第二の損益計算書及び
その他の明細表」と、第六条第四項及び第七条第三項中「接続会計規則別表第二
様式第四の固定資産帰属明細表」とあるのは「電気通信事業会計規則別表第二の
貸借対照表及びその他の明細表」と、第七条第四項中「接続会計規則別表第二に
記載された指定設備管理部門の」とあるのは「電気通信事業会計規則別表第二に
記載された」と、「指定電気通信設備」とあるのは「電気通信設備」と読み替え
るものとする。
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