発表日 : 9月30日(月)
タイトル : 9/30付:APTの第2回AII政策会合等の結果
標記につき、下記のとおりお知らせいたします。
1 日 程 : 平成8年9月23日(月)から27日(金)まで
2 場 所 : タイ国・チェンマイ
3 参加国 : 21か国等(AII政策会合)、18か国等(WTOコロキアム)
4 AII政策会合の概要
APT(Asia−Pacific Telecommunity :アジア
・太平洋電気通信共同体)主催の第2回AII(Asia−Pacific
Information Infrastructure:アジア・太平洋情
報通信基盤)政策会合が開催されました。今後、日本を中心として進めていく
ことが強調されました。主な結果は以下のとおりです。
(1)AIIについての共通認識の確立
日本が議長となって作成したタスクフォース・レポートがAII政策会
合で合意され、AIIの概念、AIIの枠組み及びAIIに関するAPT
の活動等についての共通認識が確立された。
(2)AII政策会合における決定事項等
ア AII推進会合の開催
AIIについての共通認識が確立されたことを契機として、今後のA
IIの推進に向けて、1997年にAIIハイレベル推進会合を開催し、
1.AIIの推進に関する政策レポート、2.AIIに関する加盟国間
での情報交換、3.AIIのパイロットプロジェクトの実施について議
論することとなった。
イ AII専門家グループの設置
AII推進会合に向けた取組みとして、1.AIIの政策課題に沿っ
た「アクションプラン」、2.具体的なパイロットプロジェクトの内容、
等を検討するため、我が国を議長とする専門家グループが設置されるこ
ととなった。
ウ 国家レベルでの推進体制確立の奨励
各国において、電気通信主管庁を主体とした関係大臣等による推進体
制を確立することを奨励することとなった。
5 WTOに関するコロキアムの概要
今回のAII政策会合に併せて、通商問題に関するコロキアムが開催され、
WTO基本電気通信交渉への参加の意義、各国における同交渉への考え方、未
参加国の見解等について意見交換が行われ、今後さらに同交渉について理解を
深めるための会合の開催を検討することとなった。
連絡先:大臣官房 国際部 国際協力課
江嵜 電話(03−3504−4971)
(参 考) AIIの概念と枠組み
1 AIIの概念
AIIは、アジア・太平洋諸国が社会的、経済的な発展を図るために必要な、
「21世紀に向けた、域内の情報及び知識の効果的な流通、創造及び共有化を
可能とする情報通信ネットワークと、その利用を促進するために必要な政策、
技術、人材、その他の環境」とされた。
2 AIIの枠組み
AIIの枠組みを構成する主要な要素は、次のとおりとされた。
(1)ネットワーク
・ ネットワーク・インフラの拡大
・ 既存ネットワークの高度化
(2)アプリケーション
・ アプリケーションの開発・導入によるアプリケーションに対する需
要の創出
・ アプリケーション・プロジェクトの推進
(3)情報コンテンツ
・ コンテンツの国際的流通・利用の活性化による新たな課題
・ 自由な流通の確保と個別課題への対応
(4)情報セキュリティー
・ データの安全確保
・ ネットワークの信頼性向上
(5)技術/標準化
・ コンピュータ、通信、放送の融合と技術的共通化
・ 技術的事項の標準化
・ 電気通信機器の国内の試験・認定機能の促進、地域内での相互認証
の推進
(6)人材養成
・ 求められる人材の高度化
・ 人材養成の一層の強化・拡大
3 AIIに関するAPTの活動等
(1)放送技術及びコンピュータ・ネットワークを含め、電気通信分野の政策
・技術を中心とした議論を深める。
(2)AIIの推進に当たっては、民間の参加を促進する。
(3)APEC、G7、ITU等他の国際機関等の活動との連携や調整を図り
つつ議論を進める。