発表日 : 10月1日(火)
タイトル : 電気通信審議会 接続の円滑化に関する特別部会からのご質問に対する回答
平成8年 7月23日
日本電信電話株式会社
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質問1−(1)
「全ての事業者に対し、公平に接続していきます。」と言われていますが、接
続地点に関して、接続を希望する事業者の局舎との間の中間地点や当該事業者の
局舎で接続することも含まれるのでしょうか。仮に、中間地点又は当該事業者側
に接続地点を設けた場合、双方の事業者が網と網を結ぶための伝送路の費用負担
は相互性、双務性の観点から、接続地点の場所にかかわらず2分の1ずつ負担す
べきとの意見がありますが、どのようにお考えでしょうか。
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(回答)
1.POI(接続地点)の位置については、従来は設備上・保守上の分界点が明
確であり、かつ安全性・信頼性の確保が可能なNTT局舎内としてきましたが、
今後は上記条件が確保可能であれば、NTT局舎内でなくてもPOIの設置は
可能と考えております。
2.この場合のアクセス伝送路の費用負担の考え方は、網改造費用と同様に、ユ
ーザ料金を設定する事業者が利用する当該設備のコストを負担し、ユーザ料金
の中から回収すべきと考えます。
従って、長距離系事業者との接続のように、事業者がエンド・エンドで料金
を設定している場合は、アクセス伝送路の費用については全額事業者の負担と
なりますが、今後発生する地域系事業者等との接続においては、電話番号がN
TTと同体系の「0A〜J」となることからNTT発信の通話についてNTT
が料金設定する考えであり、この場合のアクセス伝送路の費用については、N
TTもNTT発信分について応分の負担をする考えです。
費用負担の割合は、一律的に2分の1とするのではなく、使用量見合い、例
えばトラヒックを基礎として按分する等の合理的なものとする必要があると考
えます。
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質問1−(2)
「適正な費用負担を条件とし、接続料金は適正な報酬を含めたコストベースで
あること。」とありますが、接続を希望する事業者も、貴社と接続できるように
ネットワークの構築・改造を行い、その費用負担をしていると考えられます。し
たがって、網改造費用の「適正な費用負担」については、各事業者が接続のため
の標準インタフェースに合わせるための網改造費用は自らが負担すべきとの意見
がありますが、このような意見についてどのようにお考えでしょうか。
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(回答)
事業者に負担して頂く網改造費用は、それが標準インタフェースかどうかでは
なく、接続する場合にのみ必要な機能(交換機能、課金機能等)かどうかで決め
るべきと考えております。接続する場合にのみ必要な機能は、各事業者により専
有される部分であることから、ユーザ料金を設定する事業者が負担し、ユーザ料
金の中から回収すべきと考えます。
これは、相互接続のみに必要な費用を、その機能を利用しない顧客に負担させ
ることは、公平性の観点から好ましくないと考えるからであります。長距離系事
業者との接続においては、事業者がエンド・エンドで料金を設定しているため、
網改造費用については全額を負担していただいているところですが、今後発生す
る地域系事業者との接続においては、NTT発信通話についてNTTが料金を設
定する考えであり、この場合には相手事業者の接続に要する網改造費用について、
NTTもNTT発信分について応分の負担をする考えです。
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質問1−(3)
接続を拒否できる合理的な理由の例として「サービス提供計画、投資計画を阻
害する場合」を挙げていますが、具体的にはどのようなケースを想定されている
のでしょうか。また、A、B両者間で、接続する際に、それぞれ独自のサービス
提供計画を持っているはずで、それらは、接続交渉の中で、相手方の都合で計画
を修正しなければならないことはあり得ることだと考えられ、NTTだけが、独
自の計画が優先され、それを阻害するような接続は拒否することが認められると
することは適当でないという意見がありますが、どうお考えですか。
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(回答)
接続の要請があった場合に拒否できるのは例外的な場合に限られると考えてい
ます。
例えば、過疎の地域において、需要密度の高い地域と全く同様にサービスを提
供しようという接続の要請などについては、自事業者のサービス提供計画、投資
計画とのバランスをも考慮して判断することになると考えますので、このような
ことを想定して、合理的な理由の例としたものです。
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質問1−(4)
接続を拒否できる合理的な理由の例として「接続によりネットワークコストが
大幅に増加する場合」とありますが、それが「適正な費用負担」であれば、接続
を拒否する合理的な理由にはならないのではないでしょうか。
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(回答)
「接続によりネットワークコストが大幅に増加する場合」とは、通常想定され
ていない独自のインタフェースによる接続等、接続を行うにあたってネットワー
クの改造が極めて困難な場合を指しており、単に適正な費用負担があるか否かと
いう金額の多寡のみで判断されるものではありません。
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質問1−(5)
貴社の発信電話番号通知サービスに関わる網改造費用の負担に関して、小規模
な改造であったと思われ、それぞれの側で必要な改造費用を負担すること自体は
妥当なものと考えます。しかし、ヒアリングの際、小出部長の説明にあった、
「回収可能な側で負担する」という考え方とは不整合な点があるように思います。
即ち、発信電話番号通知サービスの場合、料金を払うのは着信者側であり、中継
網の通話料金に上乗せすることで費用を回収することは筋違いと思われます。そ
こで改めて、接続に関わる一時費用の(機器、網改造費用)の負担、回収の在り
方(接続相手からの一時回収/利用者からの利用料金による直接的な回収/アク
セスチャージなどの形での接続相手からの回収)に関する貴社としての考え方を
伺いたく存じます。
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(回答)
1.発信電話番号通知サービスは、発信側の交換機から着信側の交換機まで送ら
れてきたID信号を、さらに発信電話番号通知サービスを契約している着信ユ
ーザの端末まで送出するサービスであります。
NTTとしてはID信号を着信側交換機から契約者端末まで送出するネット
ワークの機能改造費用については、着信側のNTTユーザに月額の付加使用料
として負担していただく考えです。
2.一方、通話発生のつど発信側交換機から着信側交換機までID信号を送出す
る機能は、ディジタル化されたネットワークの基本的機能であり、相互接続に
際し双方の網間で信号を送受することにより、他事業者も高度サービス等の実
現のためユーザサービス向けに利用し得るものであることから、各々の網の改
造費について各々が負担することとしており、結果的にNTTのユーザの料金
の通信コスト及び他事業者がNTT網を利用する場合のアクセスチャージ・コ
ストにそれぞれ含めているところであります。
3.一般的には、接続する場合にのみ必要な機能(交換機能、課金機能等)の費
用については相互接続を利用するユーザに負担していただくことがユーザ間の
公平性の観点から望ましいものと考えております。
従って、ユーザ料金を設定する事業者が利用する当該設備のコストを負担し、
ユーザ料金の中から回収すべきものと考えます。
4.この場合、ユーザ料金をどの事業者が設定するかにより網改造費用及びアク
セスチャージの事業者間での精算方法が異なるものと考えます。
長距離系事業者との接続のように、事業者がエンド・エンドでユーザ料金を
設定している場合は、相互接続に伴い発生する費用について長距離系事業者に
全額を負担していただいているところです。
一方、今後発生する地域系事業者との接続においては、電話番号がNTTと
同体系の「0A〜J」となることから、NTT発信通話はNTTがユーザ料金
を設定する考えであり、この場合には、相手事業者の接続に要する網改造費用
についてNTTもNTT発信分について応分の負担をする考えです。
5.なお、網改造費用の回収の方法としては、年経費として個別に回収する方法
と、アクセスチャージの中に含めて通話毎に回収する方法がありますが、後者
の場合にはトラヒックの増減により負担額が変動することとなることから好ま
しくないものと考えております。
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質問1−(6)
ヒアリングにおいて、網改造費用はユーザーに対する料金を設定する事業者が
負担すべきと言われていましたが、この場合、例えば、貴社と他事業者において、
発信網で料金設定を行うこととする場合には、網改造費用はどのように負担され
るのでしょうか。
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(回答)
今後発生する地域系事業者との接続においては、電話番号がNTTと同体系の
「0A〜J」となることから、NTT発信通話はNTTがユーザ料金を設定する
考えであり、この場合には、相手事業者の接続に要する網改造費用(交換機能、
課金機能等)について、NTTもNTT発信分について応分の負担をする考えで
あり、逆にNTT網内に発生する他事業者発信通話に係わる網改造費用は、他事
業者に応分の負担をして頂く考えです。
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質問2−(1)
「接続ルールは、全ての第一種電気通信事業者に適用される仕組みとなるよう
要望します」と主張されていますが、ここでNTT以外の第一種電気通信事業者
にも「適用」することを想定している「接続ルール」の具体的な内容はどういう
ものをお考えですか。
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(回答)
全ての第一電気通信事業者に適用すべき接続のルールとしては、基本的には、
少なくとも接続の応諾、料金表・約款の作成、接続に関する会計の整理・接続収
支の公表と考えます。
(1)全ての第一種電気通信事業者に対し、接続要請に誠実に対応し、原則と
して接続に応諾すべきことを規定するのは、競争の促進、ユーザの利便向
上、多数当事者間の接続の円滑な調整、接続交渉における公平性の確保等
に望ましいと考えます。
(2)相互接続において、全ての第一種電気通信事業者が料金表・約款を作成
し公表することにより、各事業者が料金等の主要な接続条件を容易に入手
できることになるので、接続の円滑化が図られると考えます。
(3)相互接続において、全ての第一種電気通信事業者にルールが適用され、
一定のルールに従った会計の整理、収支の公表により、事業者の情報の交
換・比較等が可能となり、接続を円滑に進めるのに役立つと考えます。
なお、その他のルールについては、事業の態様等により該当する項目・事業者
が決まるものと考えます。
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質問2−(2)
こういった「接続ルール」の「適用」において、第二種電気通信事業者はどう
位置付けられるとお考えですか。
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(回答)
全ての第一種電気通信事業者は、第二種電気通信事業者との接続についても基
本的に接続の応諾について接続ルールの適用を受けるものと考えます。
この場合、接続料金その他の接続条件については、その接続形態等を反映した
ものとなると考えます。
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質問3−(1)
接続のための料金表・約款は、特別・一般第二種電気通信事業者との接続につ
いても適用されるとお考えですか。
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(回答)
接続のための料金表・約款は、特別・一般第二種電気通信事業者との接続につ
いても適用になると考えます。
この場合、第二種電気通信事業者との接続形態等を踏まえた料金表・約款の適
用になると考えます。
なお、接続のための収支算定の範囲については、第二種電気通信事業者との接
続の扱いを含め今後検討を要するものと考えます。
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質問3−(2)
「サービスの赤字部分の負担」のルール化を要望されていますが、全ての第一
種電気通信事業者が、自らのサービスの赤字を接続する事業者に負担を求めるこ
ととすると、競争に歪みが生じる恐れはないのでしょうか。また、貴社も他の事
業者のサービスの赤字部分を負担することを想定していますか。
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(回答)
1.NTTの基本料(加入者回線部分)については、過去の沿革から、事業とし
てサービスをアンバンドルベースで提供するために必要なコスト水準と現行の
ユーザ料金水準に乖離が生じている現状にあり、この未回収コストについて設
備を利用する事業者に対し負担を求めざるを得ないと考えております。
2.ただし、今後予定される自網に直接契約者を収容している事業者との接続の
場合であってそれぞれの発信通話について発信側事業者がユーザ料金を新たに
設定する場合については、基本料のコスト負担の考え方は上記と異なるものと
考えております。
3.なお、番号案内の未回収コストの負担については、質問3−(3)参照願い
ます。
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質問3−(3)
現在、貴社が他事業者に求めている番号案内の赤字負担の基本的考え方は何で
しょうか。
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(回答)
1.NTTの番号案内サービスを利用することが可能で、その便益を受けること
ができる事業者には、番号案内サービス提供にかかるコストを負担していただ
くことが基本と考えております。
2.具体的には、NTTドコモのユーザのように番号案内に直接接続することが
可能な場合には、その番号案内1回ごとにサービス提供にかかる全てのコスト
を負担していただいております。
一方、長距離系事業者のユーザのように、同一の端末からNTT回線を介し
て番号案内を利用し、その後他事業者回線を利用して通話を完了することが可
能な場合は間接的に番号案内の便益を受けているとの考え方から、その通話回
数1回当たり1.5円を未回収コストとして負担していただいているところで
す。
なお、1.5円/1回のレベルは番号案内の未回収額の総額を、NTT県内
通話・県間通話、及び間接的に番号案内を利用可能なNCC通話の総呼数で除
した通話1呼当たりの負担額であり、NTT・NCCとも同等のレベルとなっ
ております。
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質問3−(4)
ヒアリングにおいて、「サービスの赤字部分の負担」には基本料部分の赤字も
含まれると発言されましたが、最近発表された貴社の市内外収支では基本料は黒
字を計上しております。基本料の赤字とは具体的にどのような意味なのでしょう
か。
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(回答)
先日発表した、平成7年度決算における営業損益ベースでの基本料収支は、
201億円(営業収益13,820億円、営業費用13,619億円)の黒字と
なりましたが、今後とも事業としてサービスを継続的に提供していくために必要
な報酬を含めた要回収額(15,363億円)との差でみると約1,500億円
の未回収分が発生しております。
(参 考)
収益
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要回収額
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営業収益 13,820億円
基本料2次改定分補正 70億円
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営業費用 13,603億円
(事業税16億円を除く)
報酬※ 1,130億円
利益対応税 630億円
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13,890億円
|
15,363億円
|
※利子及び自己資本等に対するコスト
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質問4
1995年12月のOFTEL諮問においては、相互接続料金の上限も下限も
増分費用をベースに想定されている(別図参照)ようですが、スタンドアローン
コストを上限として提示したとする根拠は何でしょうか。
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(回答)
OFTELは、1997年8月以降の料金規制(Pricing of Telecommunica-
tions Services from 1997)について、これまで計3回(1995年12
月第1回諮問、1996年3月第2回諮問、1996年6月ステートメント)、
意見を公表しており、相互接続料金の上下限についても、それぞれ記述されてお
りますが、3回のいずれにおいても一貫して、上限(Ceiling)としてはスタンド
アローンコスト又はそれに関連したものを用いるべきという意見を述べておりま
す。
1995年12月の第1回諮問においては、その時点における上限の案として
スタンドアローンコストに関連したものとして、それより若干低いレベルが提示
されておりましたが、現時点での最新の意見である1996年6月のステートメ
ントではBT免許改訂案としては、上限としてスタンドアローンコストそのもの
が提示されております。
オフテル「Statement:Pricing of Telecommunications Service from
1997:Annexes」(1996年6月)から、ANNEX D Licence Modifications
to Implement the Proposed Network Charge Control:Draft for
Second Informal Consultation(Conditions 13 and 16B)における、D.
1の(F)の(1)の(a)の(1)を抜粋[be set between the long-run
average incremental costs and the stand-alone costs of the
relevant Components or Parts(including a reasonable return)],
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質問5
「商法等の一般的開示」とは具体的に何を指していますか。また、「接続に必
要な情報は積極的に開示していく」としながら、「商法等の一般的な開示と同程
度が妥当」と言われていますが、接続料金の算定根拠は、相手事業者にとっては
請求書であり、可能な限り詳細に提示すべきものではないでしょうか。
この点、現在でも他事業者へは守秘義務を前提に、会計データ等について商法
等の一般的な程度以上に開示されていると聞いております。ルール化後について
も、このような工夫をすれば開示可能ではないでしょうか。
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(回答)
1.「商法等の一般的な開示」とは、具体的には、有価証券報告書等で開示され
ている現在の役務別損益明細表、電話役務損益明細表の程度を考えています。
接続収支は、企業としてのセグメント収支の一つとして位置付けられるものと
考えておりますが、その開示のレベルとしては開示することの目的及び株主等
の利害関係者の保護される利益との権衡も慎重に配慮されるべきであり、この
程度が妥当であると考えます。
また、「商法等の一般的な開示」と同程度が妥当と考えているのは、一般へ
の閲覧であって、開示を前提としない第三者機関への説明にあたっては、必要
な根拠資料を用意する考えです。
2.「料金の算定根拠を請求書の内訳として可能な限り詳細に提示すべき」との
ご指摘については、一般への開示ではなく、契約の相手方への情報提供の問題
と理解いたしますが、会計基準がルール化され、それに基づき算定された収支
をベースに接続料金を約款化し、かつ料金表提出の過程で妥当性についてご判
断をいただく以上、接続の円滑化、迅速化のためにも、さらに個々の料金適用
対象者に内訳を説明し了解をうる必要はないものと考えます。
3.ルール化後も他事業者へ現在と同程度の情報提供を続けるべきではないかと
のことですが、むしろ現状そのものがルールや基準が不明確な中での当事者間
交渉というフレームとなっているため、早期交渉妥結による接続推進の観点か
ら情報提供しているものであります。
今後、会計の整理に基づいて、料金表化・約款化されたものについては、既
に妥当性の検証が行われており、さらに個別に競争事業者に情報提供する必要
はないものと考えます。また、上記2でも申し上げたとおり接続料金が定めら
れたルールに則り、適切に算定されているかどうかを判断するのは公正・中立
な第三者機関であることから、他事業者に詳細な企業情報の提供を行う必要は
なく、実施すればかえって株主等の利害を損なうものと考えております。
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質問6−(1)
「接続のために最低限必要となるもの以外の場合においても、具体的な設備の
空き状況を勘案しつつ、個々に話し合いに応じていきます」とありますが、
ア 現在、接続のために最低限必要となるもの以外の電柱・管路等の提供を他事
業者から求められた場合にはどのような対応をとる方針としているのでしょう
か。また、電柱については表で「現在の添架ルール」とありますがその内容及
び算出根拠をお示しください。
イ 接続のために最低限必要となるもの以外の場合においても、空いていれば電
柱・管路等は提供すべきではないでしょうか。
また、「設備の空き状況」とありますが、設備が空いていて提供可能な状態
とは、具体的にどのような状態を指すのでしょうか。
ウ 光ファイバ化が進めば、管路には余裕がでてくるものと考えられますが、現
在の設備の空き状況はどうなっているのでしょうか。また、設備の空き状況に
ついて情報公開をどのように進める予定でしょうか。
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(回答)
ア、 イ 接続のために最低限必要となるもの以外の電柱・管路等の提供につい
ては、空いていれば基本的には適正な対価を頂きご使用していただく考えです。
電柱への添架については、公共的事業に関わる線条や公衆の用に供するCA
TV線、有線放送線、第一種電気通信線等を対象に実施してきており、会社の
定めた技術基準に適合しない設備や、当該ルートが地下化やルート変更、支障
移転等により電柱の撤去または移転が予定されている等、技術上・業務上支障
が発生する場合を除き、使用していただいております。
この場合、設備が空いていて提供可能な状態とは、現在空きがあり、当面
(概ね5年程度)使用予定の無い状態を意図しております。
なお、NTT電柱1,200万本のうち電力との共架を含め、600万本に
ついて添架しております。
ウ 管路の使用状況については全国個々に異なっておりますが、ある支店におい
ては空き管路1条以下の区間が50%、5条以上の区間が200%でした。
また、提供可能な管路の状況をお示しするには膨大な作業が伴い、管路等設
備に関するデータベースの機能向上が必要となることから、データベース整備
後、セキュリティを考慮したうえで要請があれば対応したいと考えます。
当面は、要望のある区間についてNTTで調査のうえ提供可能な区間を提示
させていただきたいと考えております。
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質問6−(2)
「行政主催の道路調整会議の場を通じて、工事計画を調整」とありますが、
「道路調整会議」とはどのようなもので、どのような調整が行われているのでし
ょうか。
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(回答)
「道路調整会議」とは、道路の掘り返し防止のため埋設企業者と道路管理者間
で行われる占用工事の調整会議のことをいい、道路管理者が主催し、各地方毎に
開催されております。
調整の内容は、舗装復旧後における工事の抑制・複数工事の共同施工の調整・
道路管理者実施工事との施工時期調整等であります。
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質問6−(3)
「関係事業者と工事計画について協議する場を設定することも考えている」と
ありますが、どのような場で、どのような内容の協議を行う予定なのでしょうか。
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(回答)
道路管理者の主催する「道路調整会議」の開催前に、電気通信事業者間で工事
情報を交換し、共同施工の調整等を行う場として考えているものであります。当
面は、本社相互接続推進部を窓口に調整させていただく考えであります。
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質問6−(4)
図において、接続のために最低限度必要となる設備の範囲に関して「直近マン
ホールまでの管路」とされていますが、接続のために双方の局舎を伝送路でつな
ぐことは接続に不可欠であり、局舎間の電柱・管路は全て接続のために最低限度
必要となる設備と考えられるのではないでしょうか。
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(回答)
「接続のために最低限度必要となる場合」とは、相互接続する際にNCC自ら
が対処することが不可能な場合であり、具体的には接続に必要となる伝送装置等
のNTTビル内への設置や相互接続点(POI)を設置するNTTビルから直近
マンホールまでの管路などが該当するものと考えております。
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質問7
ルール化に当たって論点整理が必要とされている項目のうち、「番号ポータビ
リティのエリア(範囲)」について
(1)ポータビリティが確保されるエリア
(2)利用者がエリア内を移動する場合の扱い
(3)利用者が事業者を移転する場合の扱い
(4)フリーホンのような高度サービスの扱い
について、貴社としてどのようなものを想定しているのでしょうか。
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(回答)
番号ポータビリティという用語は、本来はご質問にあるように、いろいろな意
味を含んでいる用語と理解しております。この観点から、弊社より番号ポータビ
リティの定義として下記のものを既に技術小委員会にご提案させていただいてお
ります。
「電気通信サービスを受けているユーザが、ある電気通信事業者から他の電気
通信事業者に切り替える際に、既存の電話番号を同一場所で保持することができ
ること。」
この定義(案)は、エリアに関しては米国の電気通信法の定義と同一でありま
す。
(1)番号ポータビリティが確保されるエリアにつきましては、一般番号(0
A〜J)に関しては利用者が同一場所で事業者を変更するものと考えてお
ります。
(2)利用者がエリア内を移動する場合は、ここで言う番号ポータビリティで
はなく、Location Number Portability(同番移転)と理解いたします。
その際のエリアについては、同一事業者内で、且つ市外局番毎に郵政省の
告示で指定されているエリア内に限定されると考えております。また、この
ケースにつきましては、各事業者毎の判断により実現されるものと考えてお
ります。
(3)利用者が既存の電話番号を持って事業者を変更する場合を上述の定義の
ように番号ポータビリティと理解しております。ヒヤリングでも述べさせ
ていただきましたように、義務づける場合には、全事業者に対して双方向
性を確保することが必要と考えております。
(4)フリーホンのポータビリティにつきましては、別紙に示しますように、
郵政省の番号研究会の報告を尊重しつつ実施されることを期待しておりま
す。
その際、国際勧告E.169「統一国際フリーホン番号」などとの整合
性も考慮し、新たに「0800」を用いて各事業者が同じ土俵で競争を開
始するのが望ましいと考えます。
なお、利用者が事業者を変更するケースと場所を変更するケースが組み
合わされた場合や、これらが複数回繰り返された場合などの条件を考慮し
たエリアの考え方については、更に詳細に検討する必要があると考えてお
ります。
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質問8
「接続条件に影響を及ぼす可能性のある網機能の追加、変更について、自主的
に開示してきている」について、「網機能提供計画のルール化に当たっては、現
在のNTTと他事業者のルールをベースにする」とありますが、開示内容につい
ては、現在NTTの判断に委ねられており、他事業者が必要とする情報が必ずし
も開示されていないとの意見があります。他事業者の接続条件に影響する場合に
開示すると言われていますが、その判断はNTTに委ねられています。現時点で
は他事業者に影響しないとしても、将来的に影響するかもしれないので全てを開
示すべきではないでしょうか。
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(回答)
NTTとしては、サービス開発の公平性を確保するため、NTTが自らサービ
ス開発を行うために網機能を追加・変更する場合に、相互接続条件に影響を及ぼ
す可能性のある網機能について、開発着手の概ね半年前までにその内容を開示し
ていく考えです。
NTT網の機能のうち、その機能を使わなければサービス提供ができない機能
を事前に公示することにより、他事業者がNTTと同時期のサービス提供ができ
る機会を担保します。
しかしながら、相互接続条件に影響を及ぼさない網機能については、次の理由
により開示の対象とすべきでないと考えます。
1.各事業者の網機能のうち、他事業者が自網内のSCP等の機能追加により自
己完結的に実現できる機能については、事業者間でお互いに創意工夫しあう部
分であると考えます。
サービス競争をより一層促進するためにも、当該網機能は、開示の対象外と
して、事業者の開発意欲を削ぐことのないようにすべきであると考えます。
2.加入者回線接続や市内交換機接続等のアクセス系のオープン化の進展により、
地域系事業者やCATV事業者のように直接ユーザを収容する事業者間の競争
が活発になることが想定されます。
LS系サービス(地域系を主体とするサービス)に関する網機能で、他事業
者経由に依存しない機能(例えばコールウェイティング等)については、相互
接続条件に影響を与えず、直接ユーザを収容する事業者同士の競争における差
別化のポイントとなるものであることから、開示の対象外とすべきであると考
えます。