発表日 : 10月15日(火)
タイトル : 10/15付:陸上移動通信用周波数ホッピング16QAM方式の野外実験に成功−周波数利用効率の向上を狙った新方式−
(1)通信総合研究所は,陸上移動通信において周波数利用効率を画期的に向上
できる周波数ホッピング16QAM方式を開発し,野外実験に成功した.陸
上移動通信用16QAM(16値直交振幅変調)は,通信総合研究所が世界
に先駆けて開発した周波数利用効率の高い変調方式である.今回は,通信す
る電波の周波数を時間的に切り換える(ホッピング)技術を適用して,干渉
局から発生する電波の影響を軽減するシステムを世界で初めて開発したもの
である.
(2)携帯電話などの移動通信では,異なる無線ゾーン(セル)で同一の周波数
を再利用するセルラー方式を用いている.セルラー方式で周波数の利用効率
を高めるには,隣接するセルからの干渉波の影響を受けにくくし,同一周波
数を頻繁に再利用することが有効である.今回開発した方式では,干渉波の
影響を受けにくくするため,周波数ホッピングの方法及び発生した誤りの訂
正法に独自の工夫をほどこした.
(3)今回開発した方式では,現在のディジタル携帯電話などに使われているπ
/4シフトQPSKと比べて,誤り率が1桁減少しており,今回の野外実験
によりこの方式の有効性を確認できた.この改善を周波数利用効率で試算す
ると2倍以上に相当する.
(4)なお,この成果はPIMRC‘96(パーソナル,室内および移動無線通
信に関するIEEE国際シンポジウム)(10月,台湾)で発表される.
連絡先:郵政省通信総合研究所
通信方式研究室 守山栄松
TEL 0423−27−7521
FAX 0423−27−6691