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発表日  : 6月6日(金)

タイトル : 郵政審議会21世紀を展望した郵便局サービスの在り方に関する特別部会議事要旨(平成9年6月6日公表)





1 日 時
  平成9年5月20日(火)14:00〜16:05 

2 場 所
  郵政省 第二特別会議室

3 出席者(敬称略)

 (1)委員・臨時委員
    秋山喜久(部会長)、大山昊人(部会長代理)、今井敬、木暮剛平、
   五代利矢子、中村紀伊、溝口敏行          

 (2)専門委員
    浅野正一郎、グレゴリー・クラーク、佐々木弘、下和田功、杉山武彦、
   吉野直行

 (3)事務局
    渡辺審議会室長

 (4)郵政省
    天野官房長、内海郵務局長、品川貯金局長、金澤簡易保険局長、
   高田総務審議官ほか


4 議題
  答申案について
 

5 会議経過
  はじめに、今後のスケジュールについて部会長から説明があった後、「答申
 案について」討議を行った。
  討議
  主な意見は次のとおり。

 ・ 郵便局の問題はいろいろな人に読んでほしいので、「国民共有の生活イン
  フラ」等の用語には解説を加えてほしい。

 ・ 独立採算性の持っているよい面は認めるが、不十分な点、マイナス面があ
  ると思うがほとんど書かれていない。
   今までの郵便料金の設定方式をもし変えるというようなところまで言えば、
  それは提言に結びつく。
   なぜ独立採算か明確に書かれていない。郵便局は公ということにまず触れ
  て、「所有が公であれば、収支相償で、非営利である。」ということが出て
  くると考えられる。そういう順番で書かれるべきである。

 ・ 赤字郵便局、あるいは手紙・はがきの料金について、国民から見ると関心
  のある数字であるので、ぜひ入れてほしい。また、試算の根拠も入れてほし
  い。

 ・ 生活基礎サービスについて、基礎的な部分は、税金でやるべきと書いた方
  がよい。

 ・ 「異なる経営理念の下における競争」では、適度な緊張関係の下、選択肢
  が増え、消費者利益にかなっているが、手紙・はがきの独占についても、そ
  れぞれが当てはまらないのか。

 ・ 手紙・はがきは独占であり、独占をはずすと均一料金はなくなるという点
  については、新古典派の経済学者から見ると、独占をはずしても均一料金が
  維持できるという批判がある。民間が自由に参入し、採算のいいところで、
  民間が儲けた利潤から課徴金をとり、それを地方に配分し、事後的に全国の
  料金を一定に保つことも可能ではないか。

 ・ 外為法改正以降の資金のグローバル化が進む中で、小口・零細の個人のニ
  ーズが満たされるようにしてほしい。

 ・ 地方の方がこれを読んだとき、中央の人が書いたという反応が出るのでは
  ないか。地方は、コミュニティが少なくなる方向にあり、郵便局もなくなる
  危機感があるが、そういうものが底辺に流れておらず、中央から見た経済的
  な効率化の観点から進められると、地方にとってはまずい方向にいくという
  意見からしか論じられていない。そういうことがこの答申の底辺の一つを作
  ってもいいのではないか。

 ・ 日本版ビックバンとか情報化の立上げは、ここ2、3年の話題であって、
  2010年にどうなるかが書かれていない。短期的な話題と中・長期的な話
  題に、整理をした方がよい。

 ・ 21世紀初頭までの郵便料金の凍結については、郵便を取り巻く環境の中
  で、凍結を打ち出すことは重大な決意としてよいのではないか。

 ・ 日本版ビッグバンへの対応については、「安全な金融商品」というキーワ
  ードを入れておかないといけない。

 ・ 日本版ビッグバンへの対応については、民間も効率性を追求しているが、
  官業のマーケットシェアは、どれくらいが一番いいのか、2010年を目指
  して考えなければならない。
   日本版ビッグバンに伴う郵便貯金への過度の資金シフトの回避について、
  郵便局が民間金融商品を販売することは、郵便局にシフトすることを回避す
  ることになるので、「民間金融商品の販売」を入れた方がよい。

 ・ 行革で議論されるポイントが、これで十分説得可能なのか、三事業をいっ
  しょにやっていくことが効率的であるのはよくわかるが、貯金であれば、民
  間金融業者から民業圧迫という批判があり、例えば、税金を納めていないと
  か批判がある。また、郵便であれば、運輸関係の輸送業者からすれば、民間
  に任せればもっと効率的にやるといっている。三事業の経理内容をもっとは
  っきり出すという積極的な姿勢が必要ではないか。
   情報開示で外部の評価システムを導入することは重要。

 ・ 郵便局は100%安全でビッグバンになると民間はもっと危なくなる。公
  平な競争は不可能である。郵便局の金融サービスのメリットは安全であると
  強調するのは、逆効果になる。郵貯は、安いコストで内需拡大のために資金
  を供給できることを、もっと強調すべきである。

 ・ 郵政省は自主運用を除くと運用の権限がない。自主運用の枠をもう少し広
  げるとか、財投の運用に注文をつけらるような姿勢を見せておかないといけ
  ない。
   今問題になっているのは、財投の無駄遣いである。

 ・ 2010年に向かって既存のインフラが有効な手段で国民生活につながっ
  ていくということで、国民共有の生活インフラは基本理念でよい。


  (文責:郵政審議会事務局。速報につき、事後修正の可能性あり。)



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