〔附属資料〕
令和6年度決算の背景
1.国の予算
○令和6年度予算編成の基本方針(令和5年12月8日閣議決定)(抄)
1.基本的考え方
<1> 我が国経済は、コロナ禍の3年間を乗り越え、改善しつつある。30年ぶりとなる高水準の賃上げや企業の高い投資意欲など、経済の先行きには前向きな動きが見られており、デフレから脱却できる千載一遇のチャンスを迎えている。
他方、賃金上昇は物価上昇に追い付いておらず、個人消費は依然力強さを欠いている。これを放置すれば、再びデフレに戻るリスクがあり、また、潜在成長率が0%台半ばの低い水準で推移しているという課題もある。
<2> こうした中、政府は、「デフレ完全脱却のための総合経済対策」(令和5年11月2日閣議決定)を策定した。この対策は、デフレ脱却のための一時的な措置として国民の可処分所得を下支えするとともに、構造的賃上げに向けた供給力の強化を図るものである。
3年程度の「変革期間」を視野に入れ、我が国経済を熱量あふれる新たなステージヘと移行させるためのスタートダッシュと位置付けられている。
<3> 今後の経済財政運営に当たっては、まず、この対策を速やかに実行し、政策効果を国民一人一人、全国津々浦々に届け、デフレから完全脱却するとともに、「新しい資本主義」の旗印の下、社会課題の解決に向けた取組それ自体を成長のエンジンに変えることで、民需主導の持続的な成長、そして、「成長と分配の好循環」の実現を目指す。
人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革を起動・推進する中で、包摂社会の実現に取り組むとともに、国民の安全・安心の確保に万全を期し、経済社会の持続可能性を担保することを目指す。
<4> 持続的で構造的な賃上げの実現を目指し、引き続き、リ・スキリングによる能力向上の支援など、三位一体の労働市場改革、地域の中堅・中小企業、小規模事業者を含め、賃上げに向けた環境整備を進める。中小企業等の価格転嫁の円滑化、資金繰り、経営改善・再生等の支援を行う。
供給力の強化に向けて、科学技術の振興及びイノベーションの促進、グリーントランスフォーメーション(GX)、デジタルトランスフォーメーション(DX)、半導体・AI等の分野での国内投資の促進、海洋や宇宙等のフロンティアの開拓、スタートアップへの支援等に取り組む。
<5> 若者・子育て世代の所得向上に全力で取り組む。全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の拡充など、「こども未来戦略方針」(令和5年6月13日閣議決定)で示された「こども・子育て支援加速化プラン」を推進し、少子化対策・こども政策を抜本的に強化する。
多様性が尊重され、全ての人が力を発揮できる包摂社会の実現を目指し、全世代型社会保障の構築、女性活躍の推進、高齢者活躍の推進、認知症施策、障害者の社会参加や地域移行の推進、就職氷河期世代への支援、孤独・孤立対策等に取り組む。
<6> 令和6年度の診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬の同時改定においては、物価高騰・賃金上昇、経営の状況、支え手が減少する中での人材確保の必要性、患者・利用者負担・保険料負担への影響を踏まえ、患者・利用者が必要なサービスが受けられるよう、必要な対応を行う。
<7> 「デジタル田園都市国家構想総合戦略」(令和4年12月23日閣議決定)に基づき、デジタル技術の活用によって、「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」の実現を目指すとともに、地方活性化に向けた基盤づくりを推進し、地方創生につなげる。
アナログを前提とした行財政の仕組みを全面的に改革する「デジタル行財政改革」を起動・推進する。人口減少の下でも、従来以上に質の高い公共サービスを効率的に提供するため、利用者起点に立って、教育、交通、介護、子育て・児童福祉等の分野において、デジタル技術の社会実装や制度・規制改革を推進する。
<8> 質の高い公教育の再生、文化・芸術・スポーツの振興、農林水産業の振興、交通・物流インフラの整備、観光立国に向けた取組の推進、2050年カーボンニュートラルを目指したグリーン社会、地域・くらしの脱炭素化やサーキュラーエコノミーの実現、2025年大阪・関西万博に向けた着実な準備等に取り組む。
<9> 防災・減災、国土強靱化の取組を着実に推進するとともに、中長期的かつ明確な見通しの下、継続的・安定的に切れ目なく取組が進められるよう、施策の実施状況の調査など、「実施中期計画」の策定に向けた検討を進める。
東日本大震災からの復興・創生に取り組む。ALPS処理水に関し、引き続き、科学的根拠に基づき、透明性の高い情報発信を行う。
<10> ロシアのウクライナ侵略など、国際秩序が重大な挑戦にさらされる中にあって、G7広島サミットや日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議の成果も踏まえ、グローバル・サウスとの連携の強化を含め、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の堅持のための外交を積極的に展開する。
国民の生命と我が国の領土・領海・領空を断固として守り抜くため、令和5年度から令和9年度までの5年間で43兆円程度の防衛力整備の水準を確保し、防衛力の抜本的強化を速やかに実現する。
<11> 国際環境の不確実性が高まり、グローバル・サプライチェーンの再編が進展する中、高い技術力を持つ我が国として、投資の促進を通じ重要物資の供給力を高め、ショックに対してより強靱な経済社会構造を確立する。
半導体を始めとする重要な物資の安定供給の確保や先端的な重要技術の育成など、経済安全保障を推進するとともに、食料安全保障及びエネルギー安全保障を強化する。
<12> 経済財政運営においては、経済の再生が最優先課題である。経済あっての財政であり、経済を立て直し、そして、財政健全化に向けて取り組むとの考え方の下、財政への信認を確保していく。
賃金や調達価格の上昇を適切に考慮しつつ、歳出構造を平時に戻していく。
政策の長期的方向性や予見可能性を高めるよう、単年度主義の弊害を是正し、国家課題に計画的に取り組む。
2.予算編成についての考え方
<1> 令和6年度予算は、令和5年度補正予算と一体として、上記の基本的考え方及び「経済財政運営と改革の基本方針2023」(令和5年6月16日閣議決定。以下「骨太方針2023」という。)に沿って編成する。
足下の物価高に対応しつつ、持続的で構造的な賃上げや、デフレからの完全脱却と民需主導の持続的な成長の実現に向け、
- 人への投資、科学技術の振興及びイノベーションの促進、GX、DX、半導体・AI等の分野での国内投資の促進、海洋、宇宙等のフロンティアの開拓、スタートアップへの支援、少子化対策・こども政策の抜本強化を含む包摂社会の実現など、新しい資本主義の実現に向けた取組の加速
- 防災・減災、国土強靱化など、国民の安全・安心の確保
- 防衛力の抜本的強化を含む外交・安全保障環境の変化への対応
を始めとする重要な政策課題について、必要な予算措置を講ずるなど、メリハリの効いた予算編成を行う。
<2> その際、骨太方針2023で示された「本方針、骨太方針2022及び骨太方針2021に基づき、経済・財政一体改革を着実に推進する。ただし、重要な政策の選択肢をせばめることがあってはならない」との方針を踏まえる。
<3> 歳出の中身をより結果につながる効果的なものとするため、骨太方針2023を踏まえ、新経済・財政再生計画の改革工程表を改定し、EBPMやPDCAの取組を推進し、効果的・効率的な支出(ワイズスペンディング)を徹底する。
2.地方財政計画
○令和6年度地方団体の歳入歳出総額の見込額(第213回国会(常会)提出)(抄)
策定方針
令和6年度においては、通常収支分について、極めて厳しい地方財政の現状及び現下の経済情勢等を踏まえ、歳出面においては、こども・子育て政策の強化等に対応するために必要な経費を充実して計上するとともに、地方団体が住民のニーズに的確に応えつつ、行政サービスを安定的に提供できるよう、社会保障関係費や民間における賃上げ等を踏まえた人件費の増加を適切に反映した計上等を行う一方、国の取組と基調を合わせた歳出改革を行うこととする。また、歳入面においては、「経済財政運営と改革の基本方針2023」(令和5年6月16日閣議決定)等を踏まえ、交付団体を始め地方の安定的な財政運営に必要となる地方の一般財源総額について、令和5年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保することを基本として、引き続き生ずることとなった大幅な財源不足について、地方財政の運営上支障が生じないよう適切な補塡措置を講ずることとする。
また、東日本大震災分については、復旧・復興事業及び全国防災事業について、通常収支とはそれぞれ別枠で整理し、所要の事業費及び財源を確保することとする。
以上を踏まえ、次の方針に基づき令和6年度地方団体の歳入歳出総額の見込額を策定する。
1 通常収支分
(1) 地方税制については、令和6年度地方税制改正では、個人住民税の定額減税を実施するほか、法人事業税の外形標準課税に係る適用対象法人の見直し、令和6年度評価替えに伴う土地に係る固定資産税の負担調整措置等の延長、森林環境譲与税の譲与基準の見直し等の税制上の措置を講ずることとしている。
(2) 所得税・個人住民税の定額減税に伴う減収については、次の措置を講ずる。
<1> 個人住民税の定額減税に伴う減収9,234億円については、地方特例交付金によりその全額を補塡する。
<2> 所得税の定額減税に伴う地方交付税の減収7,620億円については、前年度からの繰越金及び自然増収による地方交付税法定率分の増1兆1,982億円により対応する。
更に、2,076億円を、令和7年度以降、国の一般会計から交付税特別会計に繰り入れるものとし、当該加算額については交付税特別会計借入金の償還に充てるものとする。
(3) 地方財源不足見込額については、地方財政の運営に支障が生ずることのないよう、次の措置を講ずることとし、所要の法律改正を行う。
<1> 令和6年度の地方財源不足見込額1兆8,132億円については、令和5年度に講じた令和7年度までの制度改正に基づき、従前と同様の例により、次の補塡措置を講ずる。その結果、国と地方が折半して補塡すべき額は生じないこととなる。
ア.建設地方債(財源対策債)を7,600億円増発する。
イ.地方交付税については、国の一般会計加算により3,488億円(地方交付税法附則第4条の2第1項の加算額154億円及び同条第3項の加算額834億円並びに平成22年12月22日付け総務・財務両大臣覚書第3項(2)及び令和4年12月21日付け総務・財務両大臣覚書第8項に定める「乖離是正分加算額」2,500億円)増額する。
また、交付税特別会計剰余金500億円を活用するとともに、地方公共団体金融機構法附則第14条の規定により財政投融資特別会計に帰属させる地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金2,000億円を財政投融資特別会計から交付税特別会計に繰り入れる。
ウ.地方財政法第5条の特例となる地方債(臨時財政対策債)を4,544億円発行する。
<2> 交付税特別会計借入金の償還については、特別会計に関する法律附則第4条第1項に基づき、5,000億円の償還を実施する。
<3> 上記の結果、令和6年度の地方交付税については、18兆6,671億円(前年度比3,060億円、1.7%増)を確保する。
(4) 地方債については、引き続き厳しい地方財政の状況の下で、地方財源の不足に対処するための措置を講じ、また、地方団体が緊急に実施する防災・減災対策、公共施設等の適正管理、地域の脱炭素化、こども・子育て支援、地域の活性化への取組等を着実に推進できるよう、所要の地方債資金を確保する。
この結果、地方債計画(通常収支分)の規模は、9兆2,184億円(普通会計分6兆3,103億円、公営企業会計等分2兆9,081億円)とする。
(5) 地域のデジタル化や地方創生の推進、地域社会の維持・再生、こども・子育て政策の強化、住民に身近な社会資本の整備、社会保障施策の充実、消防力の充実、防災・減災、国土強靱化の推進、過疎地域の持続的発展等を図ることとし、財源の重点的配分を行う。
<1> 「デジタル田園都市国家構想事業費」については、1兆2,500億円(前年度同額)計上する。
<2> 「地域社会再生事業費」については、4,200億円(前年度同額)計上する。
<3> 「こども末来戦略」(令和5年12月22日閣議決定)に掲げる「こども・子育て支援加速化プラン」における地方負担について所要の財政措置を講ずる。
<4> 投資的経費に係る地方単独事業費については、新たに「こども・子育て支援事業費」を500億円計上することとし、全体で前年度に比し0.8%増額し、引き続き、地域の自立や活性化につながる基盤整備を重点的・効率的に推進する。
<5> 「人づくり革命」として、幼児教育・保育の無償化、待機児童の解消、高等教育の無償化、介護人材の処遇改善に係る措置を講ずることとしており、当該措置に係る地方負担について所要の財政措置を講ずる。
<6> 社会保障・税一体改革による「社会保障の充実」として、子ども・子育て支援、医療・介護サービスの提供体制改革、医療・介護保険制度改革等に係る措置を講ずることとしており、当該措置に係る地方負担について所要の財政措置を講ずる。
<7> 一般行政経費に係る地方単独事業費については、こども・子育て政策の強化等による社会保障関係費の増加や会計年度任用職員への勤勉手当の支給に要する経費等を適切に反映した計上を行うことにより、財源の重点的配分を図るとともに、地域において必要な行政課題に対して適切に対処する。
<8> 消防力の充実、防災・減災、国土強靱化の推進及び冶安維持対策等住民生活の安心安全を確保するための施策に対し所要の財政措置を講ずる。
<9> 過疎地域の持続的発展のための施策等に対し所要の財政措置を講ずる。
(6) 地方公営企業の経営基盤の強化を図るとともに、水道、下水道、交通、病院等住民生活に密接に関連した社会資本の整備の推進、公立病院における医療の提供体制の整備をはじめとする社会経済情勢の変化に対応した事業の展開等を図るため、経費負担区分等に基づき、一般会計から公営企業会計に対し所要の繰出しを行うこととする。
(7) 地方行財政運営の合理化を図ることとし、行政のデジタル化、適正な定員管理、事務事業の見直しや民間委託など引き続き行財政運営全般にわたる改革を推進する。
2 東日本大震災分
(1)復旧・復興事業
<1> 東日本大震災に係る復旧・復興事業等の実施のための特別の財政需要等を考慮して交付することとしている震災復興特別交付税については、補助事業に係る地方負担分等を措置するため、904億円を確保する。また、一般財源充当分として8億円を計上する。
<2> 地方債については、復旧・復興事業を円滑に推進できるよう、所要額についてその全額を公的資金で確保する。
この結果、地方債計画(東日本大震災分)における復旧・復興事業の規模は、7億円(普通会計分2億円、公営企業会計等分5億円)とする。
<3> 補助事業費、地方税法等に基づく特例措置分等の地方税等の減収分見合い歳出、地方自冶法に基づく職員の派遣、投資単独事業等の地方単独事業費等について所要の事業費2,631億円を計上する。
(2)全国防災事業
全国防災事業については、地方税の臨時的な税制上の措置(平成25年度〜令和5年度)による地方税の収入見込額として80億円を計上するとともに、一般財源充当分として169億円を計上する。
○令和6年度地方財政計画歳入歳出一覧(通常収支分)

○令和6年度地方財政計画歳入歳出一覧(東日本大震災分)

3.令和6年度補正予算及び一般会計の予備費等の使用
ア.令和6年度補正予算(第1号)とそれに伴う地方財政措置等(令和6年11月29日)
(ア)令和6年度補正予算(第1号)
令和6年度補正予算(第1号)は、令和6年11月29日に閣議決定、同年12月9日に第216回臨時国会に提出され、同年12月17日に成立した。
この補正予算においては、歳出面で、日本経済・地方経済の成長(全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす)5兆7,505億円、物価高の克服(誰一人取り残されない成長型経済への移行に道筋をつける)3兆3,897億円、国民の安心・安全の確保(成長型経済への移行の礎を築く)4兆7,909億円、地方交付税交付金1兆398億円等が追加計上されたほか、既定経費の減額1兆6,303億円の修正減少額が計上された。
また、歳入面で、税収3兆8,270億円、税外収入1兆8,668億円、前年度剰余金受入1兆5,595億円、公債金6兆6,900億円(建設公債3兆800億円及び特例公債3兆6,100億円)が追加計上された。
この結果、一般会計予算の規模は、歳入歳出とも令和6年度当初予算に対し、13兆9,433億円増加し、126兆5,150億円となった。
(イ)令和6年度補正予算(第1号)に係る地方財政措置
この補正予算においては、国税収入の決算等に伴い地方交付税が増額されるとともに、歳出の追加に伴う地方負担の増加が生じること等から、以下の措置を講じることとした。
a 地方交付税
この補正予算において、地方交付税法第6条第2項の規定に基づき増額される令和6年度分の地方交付税の額は、2兆748億円(令和5年度国税決算に伴う地方交付税法定率分の増額7,793億円及び令和6年度国税収入の補正に伴う地方交付税法定率分の増額1兆2,955億円)である。
(a)以下のとおり、1兆1,926億円を令和6年度の地方交付税総額に加算して増額交付する措置を講じる。
<1> 普通交付税の調整額を復活するとともに、国の補正予算における歳出の追加に伴う地方負担及び地方公務員の給与改定を実施する場合に必要となる経費の一部を措置するため、令和6年度の地方交付税を6,946億円(普通交付税6,529億円及び特別交付税417億円)増額交付する。
この普通交付税の増額交付に対応して、令和6年度に限り、基準財政需要額の費目に「臨時経済対策費」及び「給与改定費」を創設するとともに、調整額を復活する。
<2> 令和7年度及び令和8年度における臨時財政対策債の元利償還金の一部を償還するための基金の積立てに要する経費の財源を措置するため、令和6年度の普通交付税を4,000億円増額交付する。
これに対応して、令和6年度に限り、基準財政需要額の費目に「臨時財政対策債償還基金費」を創設する。
なお、「臨時財政対策債償還基金費」の算定額については、令和7年度及び令和8年度の「臨時財政対策債償還費」からそれぞれ当該算定額の2分の1に相当する額を控除する。
<3> 上記<1>の417億円に加えて、令和6年能登半島地震による災害に係る財政需要に対応するため、令和6年度の特別交付税の総額に980億円加算する。
<4> 上記<1><2>に伴い、普通交付税の再算定を行う。
(b)令和6年度地方財政計画において「地域デジタル社会推進費」を計上するために活用することとしていた令和6年度の地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金2,000億円について、その活用時期を見直す。
(c)6,822億円については、令和7年度分として交付すべき地方交付税の総額に加算して交付する措置を講じる。
以上の措置を講じるため、「地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案」を第216回臨時国会に提出し、令和6年12月17日に成立した(令和6年法律第71号)。
b 追加の財政需要
この補正予算においては、歳出の追加に伴う地方負担が生じることから、これに対しては以下のとおり財政措置を講じる。
(a)この補正予算により令和6年度に追加されることとなる投資的経費に係る地方負担については、原則として、その100%まで地方債を充当できることとし、以下に掲げるものを除き、後年度における元利償還金の50%(当初における地方負担額に対する算入率が50%を超えるものについては、当初の算入率)を公債費方式により基準財政需要額に算入する。
<1> 災害復旧事業債
I 補助災害復旧事業債
補助災害復旧事業債の後年度における元利償還金(公営住宅の災害復旧に係るものを除く。)については、その95%を公債費方式により基準財政需要額に算入する。
II 災害対策債
(I) なりわい再建支援事業(地方公共団体が補助する経費の2/3を国が補助する場合)、令和6年能登半島地震による災害の災害廃棄物処理事業及び令和6年9月20日からの大雨による災害の災害廃棄物処理事業に係る災害対策債の後年度における元利償還金については、その95%を公債費方式により基準財政需要額に算入する。
なお、災害対策債の発行要件を満たさない地方公共団体については、地方負担額の95%を特別交付税により措置する。ただし、なりわい再建支援事業については、地方公共団体が補助する経費の1/2を国が補助する場合は地方負担額の70%を特別交付税により措置する。
(II) 上記(I)の災害廃棄物処理事業以外の災害廃棄物処理事業については、地方負担額の80%を特別交付税により措置した上で、残余について、災害対策債の発行要件を満たす地方公共団体においては、災害対策債の後年度における元利償還金の57%を特別交付税により措置する。
III 一般単独災害復旧事業債
一般単独災害復旧事業債の後年度における元利償還金については、地方公共団体の財政力に応じ、その47.5%〜85.5%を公債費方式により基準財政需要額に算入する。
IV 地方公営企業災害復旧事業債
地方公営企業災害復旧事業債の後年度における元利償還金については、一般会計からの繰出額に応じ、その最大50%までを特別交付税により措置する。
<2> 公営企業債
当初における一般会計からの繰出額の一部に対する算定と同様の方式により措置する。
<3> 令和6年能登半島地震への対応及び、令和6年9月20日からの大雨への対応に伴う投資的経費(災害復旧事業を除く。)に係る補正予算債
令和6年能登半島地震への対応及び、令和6年9月20日からの大雨への対応(令和6年能登半島地震による災害に係る「災害対策基本法施行令」(昭和37年政令第288号)第43条第3項の地方公共団体の対応に限る。)に伴う投資的経費(災害復旧事業を除く。)に係る補正予算債の後年度における元利償還金については、その80%を公債費方式により基準財政需要額に算入する。
(b)この補正予算により令和6年度に追加されることとなる地方債の対象とならない経費については、上記a(a)の地方交付税の増額交付等の中で対応する。
c 物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金の増額
この補正予算においては、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を1兆908億円(うち低所得世帯支援枠4,908億円、推奨事業メニュー分6,000億円)増額することとされた。
(ウ)地方公務員の給与改定
令和6年の国家公務員の給与改定については、「公務員の給与改定に関する取扱いについて」(令和6年11月29日閣議決定)において、その取扱いが決定されたが、地方公務員の給与改定については、「地方公務員法」(昭和25年法律第261号)の趣旨に沿って適切に対応されるよう、「地方公務員の給与改定等に関する取扱いについて」(令和6年11月29日付け総務副大臣通知)で通知した。
なお、当該給与改定に係る一般財源所要額については、地方財政計画上の追加財政需要額(4,200億円)の一部及び上記(イ)a(a)の地方交付税の増額交付の中で対応することとした。
イ.令和6年度一般会計予備費の使用とそれに伴う地方財政措置(令和7年2月28日)
(ア)予備費の使用
令和6年度一般会計予備費について、令和7年2月28日に1,068億円の使用が閣議決定された。
(イ)予備費の使用に係る地方財政措置
この予備費使用においては、歳出の追加に伴う地方負担が生じることから、これに対しては以下のとおり財政措置を講じることとした。
この予備費の使用により令和6年度に追加されることとなる投資的経費に係る地方負担額については、原則として、その100%まで地方債充当できることとし、後年度においてその元利償還金について以下のとおり地方交付税により措置する。
a 補助災害復旧事業債
補助災害復旧事業債の後年度における元利償還金(公営住宅の災害復旧に係るものを除く。)については、その95%を公債費方式により基準財政需要額に算入する。
b 災害対策債
災害対策債の発行要件を満たす地方公共団体においては、災害廃棄物処理事業に係る災害対策債の後年度における元利償還金について、その95%を公債費方式により基準財政需要額に算入する。
c 補正予算債
補正予算債を充当できることとし、後年度における元利償還金の80%を公債費方式により基準財政需要額に算入する。
(ウ)地方公営企業施設の災害復旧事業等に係る財政措置
令和6年能登半島地震により被害を受けた地方公営企業が実施する施設の復旧に要する経費の一部については、「令和6年能登半島地震に係る地方公営企業施設の災害復旧事業等に対する繰出金について(通知)」(令和6年3月21日付け総財公第21号総務副大臣通知)及び「令和6年能登半島地震に係る地方公営企業施設の災害復旧事業等に対する地方財政措置等について」(令和6年3月1日付け公営企業課事務連絡)によりお知らせしたとおり、地方公営企業災害復旧事業債を充当できることとしているほか、一般会計からの繰出基準の特例を設けることとし、当該繰出金について補助災害復旧事業債及び一般単独災害復旧事業債を充当できることとしている。また、令和6年9月20日からの大雨により被害を受けた下水道事業が実施する施設の復旧に要する経費については、令和6年能登半島地震により被害を受けた下水道事業が実施する施設の復旧に要する経費と一体的に取り扱うこととしている。
