株式会社 Z会
事業者名 | 株式会社Z会 | |
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実証ブロック/実証校 | 東海 |
静岡大学教育学部附属浜松小学校 西伊豆町立賀茂小学校 |
育成メンター(メインメンター) | メインメンター数: | 1 |
メインメンター属性: |
浜松:Z会社員 西伊豆:退職教員 |
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育成メンター(サブメンター) | サブメンター数: | 27 |
サブメンター属性: | 大学生、児童保護者(PTA)、退職教員、地域ボランティア(元SE、僧侶、農業従事等) | |
研修時間 | 4.5 | 時間(※西伊豆町は自主研修あり) |
(うち自宅研修時間) | 0 | 時間 |
使用言語・教材・ツール | 言語: | LabView |
教材・ツール: | Z会作成テキスト、LEGO MINDSTORMS EV3 | |
使用端末とその帰属 |
タブレット:
(浜松)10台 (西伊豆)5台 |
帰属:実証校 |
講座の受講児童・生徒数と学年 | 受講者数: |
浜松:21名
西伊豆:22名 |
学年: |
浜松:(小6)11名 (小5)10名
西伊豆:(小6)14名(小5)8名 |
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カリキュラム |
10時間 (指導要領外での実施を意識して設計) |
浜松:2時間×5日
西伊豆:1時間×10日 |
使用端末(PC・タブレット)の帰属 | 実証校 |
2020年度より小学校で本格的に「プログラミング教育」が開始されることとなり、「プログラミング教育」は世間の耳目を集めている。指導要領で示される「プログラミング教育」は「コーディング教育ではない」「教科の中で教科の一部として実施されるものである」とされるため、課外授業で扱われる「プログラミング教育」は技術を強調したものが多く見られるのが現状である。
素晴らしい技術、優れた技術であっても、それが必要であることに思いが至らなければ、習得しようというモチベーションを持ち得ない。コーディングには技術が必要であることは言うまでもなく、従って技術を強調した講座が必要である一方、その前段階として「問題発見、課題解決」を強調した講座が必要なのではないか。
そこでZ会では、「プログラミング」を手段として用いて「問題発見、課題解決」を行うための講座を目指した。
本講座の目的は「プログラミング」を手段として「考える」ことであり、「プログラミング」、特にコーディングの技能習得そのものではない。また、「考える」対象となるものは身近な題材であることが望ましく、「プログラミング」を行うことでそうした題材を扱うことができなければならない。こうした諸条件を勘案した結果、「プログラミング」の教材としてレゴ社の教育用ロボット「マインドストーム (R)EV3」を用いることとした。基本的な操作の習得は難しくなく、「見立て」を行うことで様々なシチュエーションに対応することができる。
具体的操作を通じて思考を深めてゆく小学生という発達段階を鑑みたとき、最適なツールとして考えられた。
また、Z会ではマインドストーム(R)EV3を用いた講座を開講しており、その際の教材作成ノウハウや指導経験を生かすことができるためである。
そこで我々はマインドストーム(R)EV3を用いて、日本の未来にとって切実なテーマである「防災」について考えさせることとした。
地震や台風の脅威に常にさらされている我が国にとって「防災」は最重要テーマの一つであり、特に東日本大震災以降、これまで以上に「防災教育」の必要性が叫ばれている。Z会が本社を置く静岡県にとっても、1970年代以降繰り返し論じられている「東海地震」への備えをしてきたことから、「地震防災」は身近なテーマの一つとなっている。
こうしたテーマをこれまでと別の視点から捉え直すことは啓蒙的な意味でも有効であり、別の視点として「プログラミング的思考」を用いることは「プログラミング教育」を教科内で行うための実験としても有効であった。
以上の観点よりメンター育成、教材作成をし、7月には静岡大学教育学部附属浜松小学校にて、10月には西伊豆町立賀茂小学校にて実証実験を行った。
実証事業の応募にあたり、既に通信教育を小学校でご利用いただいていた西伊豆町教育委員会の前教育長(当時の教育長)に連絡をとり、2016年10月中旬に西伊豆町での実施提案に向けて調整を開始した。
前教育長から、募集要綱の条件であった課外での実施という点で、賀茂小学校での実施が妥当、またメインメンター候補者にも話を通してあるので近日中に詳細な説明をして欲しいとの返事をいただいた。直ちに同校平馬校長先生とメインメンター候補者の土屋氏との面談の場を設け、Z会が考えている講座の説明、マインドストーム(R)EV3の実演などを行い実施概要についてご理解をいただいた。
また、複数校での実施のため、同じく西伊豆町前教育長から西伊豆町と既に関係のある静岡大学にメンターの協力も兼ねて、実証実験への協力要請を依頼。その後、静岡大学教育学部附属浜松小学校から実証実験に協力いただける返事をいただき附属浜松小学校に訪問し講座内容の説明を行った。
各校での実施にあたり、メンターは実施後の自走を考慮し、できる限り実施校周辺で集めるようメンター募集を行った。募集チラシを作成の上、募集を始めたところ、西伊豆町は、教育委員会とメインメンターを勤められる土屋氏と賀茂小学校との連携(口コミとチラシの配布)で地域のメンターが早々に集まった。ところが、附属浜松小ではメンター確保に苦戦を強いられ、静岡大学の情報学部(浜松)と静岡キャンパスで募集を行ったが応募がない状態が続いた。苦戦状況を附属浜松小のこの実証実験を担当される冨永教諭に相談したところ、附属浜松小に隣接する浜松学院大学の先生に打診いただき、教育実習授業を終えた学生でプログラミング教育に関心の高い学生をメンターとして派遣協力すると返事をいただいた。その結果、附属浜松小では、PTAと大学生、Z会で集めた元教員による総勢21名のメンターを確保することができた。
社内における講座検討の打ち合せで、防災をテーマとしたプログラミング講座の設計にあたり、専門家にご意見をいただき教材作成を進める基本方針が決定。附属浜松小の冨永教諭から静岡県における防災の第一人者である静岡大学の小山教授をご紹介いただき、直ちに小山教授に本実証実験のご説明とご協力のお願いに伺った。小山教授は附属浜松小学校の前校長であり、また伊豆ジオパークに関する研究で西伊豆町とも縁つながりということからも講座の監修と講座初回に各地域に根ざした防災をテーマにした講義を引き受けていただけることとなった。
本来は「指導」のためには高い専門性が必要であるが、「地域人材」を活用する以上、必ずしも専門性を兼ね備えたメンターばかりを育成できないという現実もある。そのため、メンターには「児童の半歩先の知識を持ち、児童に寄り添い、児童の発想を引き出し、児童に自信を持たせ、児童に成長のきっかけを与える」ことを求めた。
大都市圏であれば大学生、特に教職を志望する学生を多く集めることができるが、地方都市では必ずしもそのような人材を確保できるとは限らない。そのため、以下の属性をターゲットにメンター募集を行い、育成研修を行った。
「教職志望者」「教職経験者」であれば、児童に対しどのように接するべきか、どのような指導を行うべきなのかをイメージしやすいというアドバンテージを持つ。教職志望者であればメンター経験が今後に生き、教職経験者であれば指導に経験を生かすことができる。一方、今ではまだ誰もが手探りの「プログラミング教育」に対しても従来の「授業」の型をそのまま持ち込むことが懸念された。そこで、児童の実態を知る保護者や、「授業」とは違った形で児童と関わるボランティアが参加することで、メンターの指導の多様性、キャラクターの多様性が担保できるのではないかと考えた。
その結果として浜松では実施校の保護者、近隣大学の学生、担当者の知己でもある退職教員ら21人が、西伊豆では教育委員会より紹介された退職教員、メンターの知己、実施校の保護者ら7人が応募した。これら28名に対し、浜松では6月に、西伊豆では8月に育成研修を行い、全員をメンターとして採用した。
静岡大学教育学部附属浜松小学校、西伊豆町立賀茂小学校のそれぞれにメンター募集用のチラシを作成した。
チラシはカラーで両面印刷し、タイトルには総務省のロゴを使用し、実証事業についての重みを付して募集をおこなった。
附属浜松小学校では、PTAメンター募集用チラシの他に大学生のメンター募集のため「静岡大学静岡キャンパス用」「浜松学院大学用」の3パターンを用意。西伊豆町立賀茂小学校ではメンター募集用のチラシを用意し、賀茂小学校、西伊豆町教育委員会経由で配布いただいた。
賀茂小学校用のチラシを下記に掲載する。
浜松、西伊豆ともに、2日間の研修を行った。それぞれの概要は次の通りである。
【浜松】
実施日:6/23(金)14:00〜16:00 6/30(金)14:00〜16:00
6/23実施内容:マインドストーム(R)EV3の基本的な扱いについてのレクチャーと実習
6/30実施内容:児童への接し方、「防災」についての基本知識、評価についての講義
児童用のテキストに掲載した「練習問題」で提示されたプログラムが作成できるかを習熟の目安とした
【西伊豆】
実施日:8/24(木)13:00〜16:00 8/25(金)13:00〜16:00
8/24実施内容:マインドストーム(R)EV3の基本的な扱いについてのレクチャーと実習
8/25実施内容:児童への接し方の講義とそのロールプレイ、「防災」についての基本知識、評価についての講義、実施内容の検討
児童用テキストで提示したプログラムが作成できるかどうかという技量面に加え、ロールプレイや実施内容の検討を通して「適切な対応ができるか」「議論に参加できるか」といった資質面の観察を行ったほか、西伊豆ではメンターが自主的に勉強会を行った。全員が参加したものではないが、多い人で10時間超、少ない人でも4〜5時間は参加し、実際の講座をイメージしたプログラムの作成、運営方法の確認を行った。
育成研修では以下の教材を作成し、使用した。
●児童用ワークブック(講座で使用するもの)
●メンター用補足資料(ワークブックを補足するもの;本研修のテキスト)
●児童用教材
実際の研修は、研修テキストの内容を要約する形で行った。
浜松での実証実験後、メンターからは「具体的にどのように児童に接すればよいか、研修からではイメージできなかった」という声があった。そのため、西伊豆では浜松での様子を撮影したビデオを用いて講座をイメージさせるとともに、浜松でのあるシチュエーションを切り出し「どのように行動すべきか」のロールプレイを行った。3例程度しか取り扱えなかったが、「このパートがあったために責任感を強く感じることができた」「どのようなことを行うことになるのかのイメージを持つことができた」といった反応が得られた。
児童の学年 | 募集方法 | 人数 |
講座進行担当者の属性 メインメンター |
参加サブメンター数 | 講座回数 | |
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附属浜松小学校 | 5年・6年 |
チラシ配布 希望者・抽選 |
21名 | Z会社員 1名 |
全員で21名 常時12名程度 |
5回 (各120分) |
賀茂小学校 | 5年・6年 |
チラシ配布 希望者 |
22名 | 元教員 1名 |
全員6名 常時6名 |
10回 (各50分) |
浜松では夏休み前の短縮日課期間を利用して2週間程度で、西伊豆では放課後学習の時間を利用して1ヶ月にわたり講座を実施した。
【浜松】静岡大学教育学部附属浜松小学校
同校でプログラミング教育を担当する冨永浩司教諭を窓口に、参加者の募集、保護者や児童への連絡、学校側との調整を行った。また、冨永教諭には児童への事前・事後指導もお願いした。
7/14(金) 13:30〜15:30 |
「防災」について考える−静岡大学小山教授の講話 | |
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目的 | 火山・地震を専門とする静岡大学教育学部の小山眞人教授より、「地震」「防災」に関する講話をいただき、静岡県の「地震」「防災」に関する現状を知る。 | |
成果 | 地域における防災課題を意識することができるようになった。最終日に「地域の防災」を考えさせた際の知識のベースになった。 | |
7/19(木) 13:30〜15:30 |
マインドストームを動かそう−プログラミングブロックの学習 | |
目的 | 協働学習を通じて、マインドストーム(R)EV3の基本的な操作を知る。 | |
成果 | プログラミングブロックの使い方について、ジグソー法における「エキスパート活動」「ジグソー活動」を実施。マインドストーム(R)EV3アプリを用いてのプログラミングを行うための、最低限の下地ができた。課題のプログラム作成においては「クロストーク」的要素が入り、学んだ知識の整理をすることにもなった。全体への発表はクロストーク活動にもなっており、発表を通じてさらに学習事項の理解を深めた。 | |
7/20(金) 13:30〜15:30 |
マインドストームでセンサーを使おう−センサーの学習 | |
目的 | マインドストーム(R) EV3でセンサーを用いる方法を学ぶとともに、話し合いを通してグループ内で知識を共有する。話し合いを経て、自身の考えを深める。 | |
成果 | センサーの使い方について、ジグソー法における「エキスパート活動」「ジグソー活動」を実施。課題プログラムの作成にはやはり「クロストーク」的要素があり、学んだ知識の定着と思考の整理ができた。また、全体への発表はクロストーク活動にもなっており、理解を深めるのと同時に自身の考えを伝えることで言語活動を行う場ともなった。 | |
7/29(土) 10:00〜15:00 (2回分を実施; 午前2時間、午後2時間) |
「防災復旧ロボット」を作ろう / 防災復旧ロボットの発表 | |
目的 | 与えられたシチュエーションから課題を発見し、その課題解決のために学習した内容を用いる。 | |
成果 | これまでに学習した知識をアウトプットする場となった。また、他グループの作品を見てPDCAサイクルを回す、発表原稿を作成することで「思考のアウトプット」を行うといった、論理的思考や言語能力を伸ばすための活動でもあった。 |
【西伊豆】西伊豆町立賀茂小学校
同校の平馬誠二校長、山本美広教頭を窓口に参加者の募集、保護者や児童への連絡を行った。また、児童への事前・事後指導、会場準備、校内調整も平馬校長、山本教頭が担当された。
10/3(火)15:10〜16:00 | 「防災」について考える−静岡大学小山教授講話 | |
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目的 | 火山・地震を専門とする静岡大学教育学部の小山眞人教授より、「地震」「防災」に関する講話をいただき、静岡県の「地震」「防災」に関する現状を知る。 | |
成果 | 地域における防災課題を意識することができるようになった。最終日に「地域の防災」を考えさせた際の知識のベースになった。 | |
10/5(木)15:10〜16:00 | EV3を組み立てよう | |
目的 | EV3を組み立てる。他のチームと完成までの時間を競わせることでチームワークを深める。 | |
成果 | マインドストーム(R)EV3の組み立てで共同作業を行い、異なる学年・男女間の「心の壁」を取り除くきっかけとなった。ただしこの段階では(少人数校ということもあり)まだ他者に対する「遠慮」が残った。 | |
10/6(金)15:10〜16:00 | ブロックの役割を知ろう | |
目的 | 協働学習を通し、マインドストーム(R)EV3の基本的な操作を知る。 | |
成果 | プログラミングブロックの使い方について、ジグソー法における「エキスパート活動」「ジグソー活動」を実施。マインドストーム(R)EV3アプリを用いてのプログラミングを行うための、最低限の下地ができた。課題のプログラム作成においては「クロストーク」的要素が入り、学んだ知識の整理をすることにもなった。 | |
10/10(火)15:10〜16:00 | 「ワンワン」プログラム発表、センサーって何? | |
目的 | 自グループの成果発表を通し、学習したことや理解したことを言語活動でまとめる。新たな知識を学び、学んだことをグループの他メンバーに伝える活動を通して、自身の理解をさらに深める。 | |
成果 | クロストーク活動を通じてさらに学習事項の理解を深めた。センサーの使い方について、ジグソー法における「エキスパート活動」「ジグソー活動」を実施。他の児童とのコミュニケーションを通し、他者の意見を受け入れる、自身の意見を表明するといった、「コミュニケーション」の力も伸ばすことにつながった。 | |
10/12(木)15:10〜16:00 | センサーを使って課題プログラムに挑戦 | |
目的 | 学習したことを用い、グループ内での話し合いを通して課題に取り組む。 | |
成果 | 課題プログラムの作成にはやはり「クロストーク」的要素があり、学んだ知識の定着と思考の整理ができた。 | |
10/13(金)15:10〜16:00 | 課題「障害物をさけろ」の発表 | |
目的 | 自グループの成果発表を通し、学習したことや理解したことをまとめる。 | |
成果 | 全体への発表はクロストーク活動にもなっており、理解を深めるのと同時に自身の考えを伝えることで言語活動を行う場ともなった。 | |
10/17(火)15:10〜16:00 | 防災「これまで西伊豆で起きた災害」 | |
目的 | 地域で発生した過去の災害を学び、地域で今後どのような災害が起こりえるかを考える。また、その復旧のためにはどのような課題があり、どのように解決するのかを話し合う。 | |
成果 | 児童らも実際に体験した災害がテーマであり、「まとめ」としての災害復旧ロボットの作成を「我がこと」として意識することができるようになった。また、地域についてより詳しく知りたい(歴史などを含め)というモチベーションを伸ばすことができた。 | |
10/19(木)15:10〜16:00 | 復旧ロボット製作 | |
目的 | グループで話し合った課題を解決するためのロボット作成に取り組む。 | |
成果 | これまでに学習した内容や考えたこと、感じたことを話し合い、グループ内でのコンセンサスを得る体験となった。話し合いを通して自身の意見をきちんと伝えることが、初期段階に比べてできるようになった児童が増えたように感じた。 | |
10/24(火)15:10〜16:00 | 復旧ロボット製作と途中経過発表 | |
目的 | 他グループの発表を聞き、自グループの発表内容を再検討する。 | |
成果 | 他グループの作品を見てPDCAサイクルを回す、発表原稿を作成することで「思考のアウトプット」を行うといった、論理的思考や言語能力を伸ばすための活動となった。 | |
10/31(火)15:10〜16:00 | 復旧ロボットの発表 | |
目的 | 自グループの成果発表を通し、学習したことや理解したことを言語活動でまとめる。 | |
成果 | これまでに学習した知識をアウトプットする場となった。また、平馬校長や土屋氏をはじめとする、講座に関わった多くの人への感謝を感じる場となった。 |
※10/24終了時に完成の目処が立っていないグループを中心に、10/26にも「補習(追加作業)」を行った。
【浜松について】
4人1グループとし、各グループにメンター2名(1名は大学生、1名は保護者)、全体を統括するメンター1名(メインメンター;Z会社員)、全体を補佐するメンター3名(元教員)を配置した。大学生メンターには技術面を、保護者メンターには児童への効果的な声かけを、全体を補佐するメンターにはメンターの指導と児童への効果的な声かけ並びに児童の評価を期待しての配置だった。しかし結果的には、特に保護者メンターの役割が曖昧となり、一部ただ見ているだけのメンターが出てしまった。
グループ分けは小学校側に依頼し、経験の有無(マインドストーム (R)EV3経験者と未経験者を別の班にする)、男女の別(できるだけ均等にする)、学年(5年生と6年生をできるだけ均等にする)を考慮した。
同校は教育学部附属の小学校であることから先進的な取り組みが多く、そうした環境にいる児童は初めて触れるものにも抵抗なく取り組んでいた。学校生活でも「話し合い」「グループ学習」「発表」の機会が多いため、学習はスムーズに行われた。
途中休憩の間にも、児童は課題に取り組んでいた。自主的に熱中して取り組めるものであることを物語っている。
「防災ロボ」の作成場面では、児童の柔軟な発想力が発揮された。多くのメンターを感心させたロボットを作成したのは、マインドストーム(R) EV3の使用経験を持つ児童ではなく、今回の講座で初めて触れた児童らのグループだった。「経験の有無」「知識の有無」ではなく、適切な課題を設定と解決のための方法を探ることができたか否かが重要であることを改めて実感した。
【西伊豆について】
3人1グループとし、各グループに原則としてメンター1名、全体を統括するメンター(メインメンター)1名を配置した。ただし、メンターは計7名であるため、各メンターは主に担当するグループ以外も様子を見て回るという形で講座を行った。
通常の教室ではなく、体育館を会場として行った。基本的には机も椅子も用意せず、体育館の床に座り込んで講座を行った。このことには、自然と車座になってプログラミングや話し合いができた、メインメンターの説明を聞く場所とプログラミングを行う場を明確に分けることができた、他のグループの様子が自然と目に入ってくる、「簡易ジオラマ」を容易に設置できた、多数の見学者がいても威圧感を感じさせなかった、といった複数の利点があった。
西伊豆でもグループ分けは小学校側に依頼し、学年(5年生と6年生をできるだけ均等にする)を考慮した。児童の中にマインドストーム(R) EV3の経験者は皆無だった。しかし児童の飲み込みは早く、講座の進行に何ら影響を及ぼすことはなかった。
「元気がよく自分で進めたがる男子児童に対し、遠慮から口を挟めない女子児童」という一部の構図も見られたが、回数を重ねるにつれ、女子児童は遠慮がちながらも自身の考えを伝え、男子児童もそれを聞き入れるという姿が見られた。
西伊豆町内、近隣の松崎町や下田市からも多くの学校関係者が見学に訪れた。2週続けて見学に訪れた教員からは「話し合いの様子や取り組む姿勢などが、先週から比べて格段に成長したように感じます」との言葉をいただいた。
メインメンターの土屋氏が用意した「これまでの取り組み」の掲示。講座に参加しなかった児童、実施校の教員、見学者などにも、どのような講座が行われているのかを伝えることができた。
毎回の講座をドキュメント化して掲示しています。講座を休んだ児童もこれを見れば何をやったのか一目瞭然です。当然、見学者も!!
毎回の講座修了後には「メンター反省会」を行った。その内容を土屋氏がまとめ、次回の講座前打ち合わせの場で配布、前回時の反省を確実に生かすことにつながった。またこの反省会によって、各メンターも自身の指導について振り返りを行い、成長することにつながった。
1回あたり1時間程度という時間設定は若干短く感じたが、多少の物足りなさが意欲につながった面もあるのではないかと分析している。ただし、10回(11回)という回数は逆に間延びした感じを与えてしまった懸念もある(後半で取り組みに飽きてしまった児童も見られた)。発達段階を考えた際に、一回あたりは一時間程度で設計し、ただし期間はもう少しコンパクトにまとめる形がベストであると考察する。
Q1-8 あなたはこれまで、「プログラミング」という言葉を知っていましたか。またはこれまで「プログラミング」を体験したことがありますか?最も近いものをひとつ選んでください。
附属浜松小では「プログラミングについて経験有」を選択したのは全児童の8割に対して、賀茂小では、経験有を選んだ回答はなく、「プログラミングを聞いたこともない」と回答した児童が約4割を占めた。この項目については、地域差がはっきり分かれた。
Q2-1 「プログラミング講座」は楽しかったですか。最も近いものをひとつ選んでください。
附属浜松小も賀茂小もほぼ9割の児童から、プログラミングも講座も楽しかったと回答を得ることができた。
Q2-4 「プログラミング」の講座で利用した教材は簡単でしたか。最も近いものをひとつ教えてください。
「簡単すぎた」と回答した児童はいなかったものの、「簡単だった」、「ちょうどよかった」と回答した児童は、約6割。教材のレベルはほぼ適切だったと思われる。
Q3-1 講座を体験したことによって、以下の内容について達成できたと思いますか。あてはまるものをそれぞれひとつ選んでください。
2校のグラフを比較して
附属浜松小が「よくできていた」「だいたいできた」の割合が高い設問のグラフに青い網掛けをした。
賀茂小が「よくできていた」「だいたいできた」の割合が高い設問のグラフに赤い網掛けをした。
附属浜松小の「よくできていた」「だいたいできた」の割合が高い設問は、プログラミングの理解や活用、応用そして発展的なもので、賀茂小の「よくできていた」「だいたいできた」の割合が高い設問は、チームメイトとの協働や積極性、人前で発表と分かれた。
この理由としては既にプログラミングの経験値の差によるものと思われる。経験値の低い児童に対して、今回の実証実験で取り入れたジグゾー法によるエキスパート活動やチームによる協働学習(協働作業、相手の話をよく聞く、理解する、相手に考えを正しく伝えるなどの狙い)の効果が見られた。
Q3-2 プログラムが思うように動かなかったとき、どうすることが一番多かったですか。最も近いものをひとつ選んでください。
プログラミング的思考力について「自分でプログラムを見直し、「命令」の組み合わせを直して、やりなおした」>「全てのプログラムや「命令」を消して、もう一度初めからやりなおした」>「少しずつ「命令」や数字を変えてみて、繰り返しやりなおした」の順で相関関係があると仮定すると、附属浜松小の児童の方が賀茂小の児童に比べてレベルが高い生徒が多い。これも経験値の違いに由来すると思われる。
Q3-4 あなたは今後も「プログラミング」を続けていきたいと思いますか。あてはまるものをひとつ選んでください。
附属浜松小と賀茂小の児童で大きな違いはない。
Q3-3 メンター育成研修を受けて、全体的に内容を理解できましたか。あてはまるものをひとつ選んでください。
附属浜松小のメンターと賀茂小のメンターで大きな違いは見られない。
Q3-6 実際にメンターを行うにあたって、不安はありますか。あてはまるものをひとつ選んでください。
附属浜松小のメンターに比較して賀茂小のメンターの判断がより慎重であることが伺える。これは、後術するが附属浜松小で実施したメンター研修と、賀茂小で実施した研修内容の違いにも由来すると思われる。
Q3-7 (3.6で1または2と答えた方)具体的にどういったことに不安がありますか。あてはまるものを全て教えてください。
具体的は不安についての傾向は、附属浜松小のメンターと賀茂小のメンター大きな違いは見られない。
Q5-1 講座は当初予定していた通りに実施できましたか。最も近いものをひとつ教えてください。
賀茂小のメンターの全員が「だいたい実施できた」と回答したが、附属浜松小のメンターでは回答がばらついた。附属浜松小の実証実験を踏まえメンター研修に児童への声かけのOJTなどを取り入れた改訂を行ったことで、メンターとして質(役割の理解)の違いが影響していると思われる。
Q5-2 実施前のイメージと比較して、メンターを実施することは難しかったですか。最も近いものをひとつ教えてください。
メンター研修にOJTなどを取り入れたものの、実際の児童への接し方については、難しかったと回答するメンターは多い。附属浜松小で「比較的容易だった」と回答するメンターは元教員経験者と大学生の教育学部の4年生の3名。
Q5-3 実施前のイメージと比較して、どういった点でメンターをうまく実施できたと思いますか。あてはまるものを全て教えてください。
うまく実施できた項目で一番割合の高いものは、附属浜松小では「児童・生徒の疑問や悩みに対して、実証講座の目的に沿った適切な指導・助言を行うこと」。賀茂小のメンターは「児童・生徒の気づきやつまずきをうまく拾って、ファシリテートすること」と分かれた。この違いは、メインメンターによるメンターへの指導およびメンター研修の改訂によるものと思われる。
Q5-5 実施前のイメージと比較して、どういった点でメンターをうまく実施できなかったと思いますか。あてはまるものを全て教えてください。
うまく実施できなかった項目で一番割合の高いものは、附属浜松小では「児童・生徒の疑問や悩みに対して、実証講座の目的に沿った適切な指導・助言を行うこと」と「児童・生徒の疑問や悩みに対して、児童・生徒の能力に合わせた適切な助言・指導を行うこと」。賀茂小のメンターは「児童・生徒に自分の指導や助言を聞いてもらい、集中を切らさずに講座に参加してもらうこと」と分かれた。また児童の講座時間が附属浜松小は2時間/回に対して、賀茂小は1時間/回であったために賀茂小のメンターが時間も気にして指導していたことが伺えられる。
Q8-3 今後のあなた自身のメンターとしての関わり方について、最も近いものをひとつ教えてください。
附属浜松小のメンターと賀茂小のメンターで大きな違いは見られない。
自治体との連携に於いては、教育委員会のみならず、首長の理解と共感を前提としたトップダウン型の協力体制が必須であると改めて認識した。とくに地方市町村の場合、これは大事な要素となる。
弊社では、検定試験の導入や放課後課外補習などで協力関係のあった西伊豆町において、前教育長とのパイプが存在した。前教育長時代に実証事業の協力について承諾をいただいたあと、今春町長選で新町長になった星野町長と新教育長に就任された清野教育長に、実証事業の意義と我々の取り組みについて説明を行い、全面的な協力を継続的に得られるようプレゼンを行った。
西伊豆町では賀茂小学校の平馬校長の知り合いであった土屋元校長にメインメンターを引き受けていただくことになった。土屋先生はもともと地域に根差した人脈を豊富に持っており、仲間の仲間という形でメンターが揃った。子どもたちのために手助けをしたいという地域の方々の協力と平馬校長と土屋元校長との奇跡的な強い絆によって、本講座は地域・学校・事業主が文字通り三位一体となった最高度の連携を実現できたと分析している。
「マインドストーム」の操作の基本的な考え方は比較的容易に身につくが、「場数」を踏まなければ適切に用いることはできない。浜松の場合は大学生メンターの「若い柔軟性」に支えられたが、これでは普及はできないと考えていたところ、西伊豆ではメインメンターの提案による「自主研修(前述2.3.1)」を行った。実際の講座をイメージしたプログラムの作成、運営方法の確認を4回に分けて行った。参加は任意だが、少ない人で4〜5時間程度、全回参加した人で10時間程度参加した。その結果、巧拙はあれども、全員が一定以上のレベルに達した上で講座に臨むことができた。この「自主研修」の場こそ「メンターがメンターを指導する」体制の実践例であり、こうして自信をつけたメンターがまた、メンターを育てていくことができるのであろうと感じている。
「防災」のパートは地域の実情に合わせた取り組みを行うべきと考え、当初の想定ではこの部分をメンターに考えさせることにしていた。浜松では実施校の教諭とともにテーマを考え、西伊豆ではメンター研修の中で「どのようなテーマを考えさせるのか」の討論を行った。浜松、西伊豆とも、児童は「地域のこと」として捉えることができたのではないかと感じている。特に西伊豆では、数年前に身近で起きた土砂災害を意識させたこともあり、自身の体験を通したリアリティを感じていた。
今回は「防災」の専門家として静岡大学の小山教授に監修をいただき、児童に対しては「地震災害」を中心とした基礎知識や現状についての講話をいただいた。そのため教材は「地震災害」を意識したものを作成し、最終的にそのようなテーマを児童にも考えさせた。テレビにも多数出演されているトップクラスの学者から直接講話をいただいたことで、児童にとっても保護者に取っても、実施校の教員にとってもかけがえのない時間になったものと確信している。
ただし、今後「自走」「普及」をさせるにあたり、必ずしもそのような専門家に協力をいただける保証はない。その意味でも、「防災パート」についてはメンターにテーマを考えさせるのは必須であると考えている。この場合、必ずしも「専門家」が議論に参加する必要はなく、例えばその地域で過去に大災害に罹災した人や、自治体の防災担当職員、地域の自主防災組織の関係者などへの協力を仰ぐことで、その地域オリジナルにカスタマイズされた教材・講座となる。5.1.1でも触れた通り、教育委員会のみならず、広く自治体の協力が必要であると感じている。
Z会が行ったアンケートより、講座がもたらしたかった「プログラミング的思考のあらわれ」を評価
⇒論理的な説明の力が、文章表現において向上するまでには至らなかった。
⇒チーム活動を通して、「チームとしての成果」を出すために必要なスキルを上達させることができたことがよくわかる結果となった。ジグソー法を取り入れたこと、本講座における共通の約束として明確にしたことにより、全員が参加する、全員の意見を取り入れる、共通の目標に向かってまとめあげる意識が成果を出した。
⇒事前ではプログラミングという言葉すら知らない児童がほとんどであった。講座内で「プログラミング」をはっきり定義しなかったが、事後では自分が知って理解したことをなんとか言葉にしてくれた。
⇒児童自身の自己評価はかなり上がったものの、保護者がそう感じるまでには至っていないものも多い結果となった。
防災意識についてはややダウン。講座名に「防災」が入っていることにより、期待感が高くなったのかもしれない。
⇒「作業をするとき、やり方を工夫したり、作業手順を変更したりする」について、明確に成果が出た。マインドストームを使ったプログラミングを通して、「自分なりにやってみよう」「試してみよう」をいう姿勢を引き出すことができた。仲間の姿勢から学ぶこともできたのだろう。
なお、全体の傾向として「もともと評価の低かった人」やひとつ上の評価の代わり、「もともと評価が高かった人」は評価が下がる傾向が見られた。
⇒複数の保護者が、児童が「プログラミング的思考」を日常の中に取り入れてくれる(成長が見られる)ようすを伝えてくれた。また、チームワークという観点で、子どもの成長を感じた保護者も多い。
⇒とにかく「またやりたい」という声が多く、楽しくプログラミングを学べたことは確実である。「プログラミング」を学べたことについての喜びも散見される。防災に言及した感想は、2名。
⇒多くの保護者が「子どもが楽しそうだった」と述べており、児童が家庭でも喜びを語っている様子がうかがえる。好意的な感想のみで、不満点や課題は上がってこなかった。
やはりプログラミング教育の普及には、市町村自治体の首長の理解と協力意向を取り付けた上での、教育長および教育委員会の全面的な協力体制が必要となる。今回の実証実験で普及の鍵は、メンターの確保が重要であることが分かった。メンターの経験度合いによりメインメンターへの昇格は当然だが、普及にあたっては、新たなメンターの確保が必須である。そのためには地元や近隣の関係機関を知り尽くしている実施校、教育委員会主導でメンターの募集、リクルートを行う形が一番望ましいのではないかと考える。弊社としては、普及推進する上で、メンターに興味のある方を集めマインドストーム(R)EV3の実演や実証実験の映像等による講座内容の説明などによりメンターの役割をできるだけイメージできるよう協力できる。
また、普及におけるもう一つの鍵は、最終日の「発表会の位置づけ」がある。発表会では近隣の自治体・教育委員会を招待し「児童の生き生きとした姿を」見学いただくことは非常に有効であり、逆に最終日の位置づけを広く実証結果を近隣の自治体に披露する機会として設定すべきではないかと考えている。
弊社では最終日「発表会」を公開日とし、特別な意味を持たせ、静岡県内の各自治体に案内DMを実施した。加えて地域のマスメディアへの露出も非常に重要な要素になる。
メンターは、特にメインメンターはどこまでも「技術的に十分でない」という不安感を持ち続けていた。技術的なトラブルが発生した場合にはどのように対応するべきか、対処すべきか、という不安を解消しきるのは難しい。身近に頼れる人がいればよいが、そうでない場合にはどうすればよいのかを考える必要があるだろう。教材や育成研修である程度はカバーできるのか、経験を積む以外に解決できないのか。この点については、今後の自走を見守りながら検証していきたい。
「プログラミング」と「防災」をどのように関連づけるのか。「プログラミングというツールを手に入れたことで、物事を考える幅が広がった」ことを体験させることが狙いだったが、「前半と後半は別物である」という意識で取り組んだ児童もおり、一部メンターにもそのように考えるものがいたことも事実である。そのため、どのようなストーリーで「防災」を考えさせるのかを再検討する必要があるだろう。今後の拡散と普及に向けて、さらなる「防災」と「プログラミング」すなわちテーマと方法論との有機的連携性が担保される必要があるだろうと強く認識している。
研修担当講師が教え込む、という形ではない研修であり、比較的気軽に行えるものであると考えている。教員同士の自主研修や、放課後児童クラブのボランティアを対象に同等の研修を行えるのではないか。
メンターに必要なものは「寄り添う」という姿勢であり、メインメンターには「全体をコントロールする」ことが求められる。そのため、「ボランティアでも参加したい」という意思のあるものであればメンターとしては最低限の資質を持っており、社会人経験などを通して「全体をコントロールする」経験があれば、メインメンターとして活躍できると考えている。専門知識はあるに超したことはないが、最低限のものがあれば講座を行うことができる。それ以上に、メンター自ら「学ぼう」とする姿勢が必要である。
こうした条件を考えると、退職教員(教職経験者)にメインメンターを依頼することはひとつのモデルとなるのではないか。児童・生徒の扱い、特に児童・生徒の特性に応じた指導に慣れており、学校の事情も理解できる。さらには、教育的観点から教材を再構築することもできるため、効果的な指導を行うことができるのではないか。本事業に関して言えば、浜松のメインメンターを担当したZ会社員も、西伊豆のメインメンターとなった土屋氏も、どちらも元教員であり、教員目線から構成された講座であった。
一般のメンターについては、学校現場を知りたい(教職志望の)学生、児童の実態を知る保護者、学童などのボランティアを行っている地域住民から募集することでよいのではないかと考えている。そうした属性の方々は、「プログラミング学習」に興味を持ち、児童と関わりたいと考えている人材であると言えよう。
西伊豆で成功したのは、メインメンターの土屋氏の力によるところが大きい。元教員でもある土屋氏は、実際の授業準備のように、資料を読み込み、掲示物や補助教材の作成を行った。このようなことのできる人物をメインメンターに据え、児童の実態を考慮した上で講座を再構成することが必要である。先にも触れたとおり、教職経験者(特に小中学校の経験者)であれば基本スキルとしてそのような活動を行うことができるため、教育委員会との連携の中で退職教員・教職経験者(家庭都合等で定年を待たずに退職した元教員など)にメインメンターを依頼することが、成功要因のひとつになり得るであろう。
→読売新聞社、静岡新聞社、伊豆日日新聞社、テレビ静岡、静岡第一テレビなどが記事、番組として取扱いをしてくれた。
以上