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"IT 先進都市 Toyohashi !"を目指した
豊橋市民総メンターによる
プログラミング教育の推進

ジャパン・トゥエンティワン株式会社

H28年度第2次補正予算にて実証実施

1. モデルの概要

1.1 モデルの全体概要

モデルの全体概要

事業者名 豊橋市・豊橋市教育委員会・ジャパン・トゥエンティワン株式会社
実証ブロック/実証校 東海ブロック 豊橋市立大清水小学校 および
豊橋市立植田小学校
育成メンター(メインメンター)

メインメンター数: 3
メインメンター属性: 一般市民
育成メンター(サブメンター) サブメンター数: 24
サブメンター属性: 一般市民
研修時間 2 時間
(うち自宅研修時間) (上記の一斉研修に加え、各自のペースで自宅研修を実施。実施時間は管理しない) 時間
使用言語・教材・ツール 使用言語: CoffeeScript(言語を直接的には指導しない)
教材・ツール: コードモンキー 「コードの冒険」
使用端末とその帰属 Notebook PC (NEC, Windows 8.1)
大清水小学校40台、植田小学校32台
実証校(PC ルーム)
講座の受講児童・生徒数と学年 受講者数: 72
学年 1年生10名、2年生13名、3年生15名
4年生10名、5年生10名、6年生12名
カリキュラム 7.5時間 週1回(1.5時間) x 5回
使用端末(PC・タブレット)の帰属 実証講座 放課後子ども教室 「トヨッキースクール」 : 実証校のPCルーム
オープン講座での使用端末: 事業者持ち込み、および参加者持ち込み
1.1.1 目的

プログラミングの未経験者でも指導者となれることを目指して開発され、海外で実績の高いプログラミング学習教材 CodeMonkey(コードモンキー)を活用することで、市民のだれでもがプログラミング教育を体感し慣れ親しみ、その意義を理解して様々なレベルのメンターとなり得て、次世代を担う子どもたちがこれから普遍的に求められるプログラミング的思考力などを身につけることを可能とする、学び合い・教え合いの楽しい雰囲気と環境を、官民学および地域人材を活用した市民総参加型で創り上げる。

1.1.2 背景

豊橋市は、市長と教育委員会のリーダーシップのもと、「未来に羽ばたく子ども・若者を応援するための取組み」を平成29年度の重点事業の一つに位置づけて、プログラミング教育の推進を宣言した。日本の若者の未来、すなわち日本社会の未来を左右するプログラミング教育は21世紀社会の「読み・書き・そろばん」であり、先行する世界の優れた道具・知識・経験・ノウハウを積極的に取り入れながら、官民学・地域人材を活用した市民総参加で推進するべきである。
コードモンキーは、IT先進国イスラエルで開発されたゲーミフィケ―ションのドリル式プログラミング学習プラットフォームで、イスラエルでは全小中学校の標準教材に採用されている。さらに欧州や米国をはじめ中国やインドの公立学校でも導入され600万人以上の利用実績がある。また毎年イスラエルではコードモンキーの教材と生徒の学習履歴や解答などのログデータを活用して教育省主催によるプログラミングコンテストが開催されている。
ジャパン・トゥエンティワン(株)は、豊橋市に本社を置き、世界の先進的な技術と製品を日本市場でビジネス化するベンチャー企業であり、その事業の一つとしてコードモンキーの技術的先進性と将来性を発掘し、日本のプログラミング教育の発展のために日本国内への導入と普及拡大を推進している。また同社は、2016年10月に本社を東京都内から社長の出身地である豊橋へ移転し、豊橋市を中心とした世界のハイテック産業による地方再生に積極的に取り組んでいる。
上記の背景にもとづき、「豊橋市」「豊橋市教育委員会」「ジャパン・トゥエンティワン株式会社」の三者が対等な立場で連携主体を構成し、市の施設と放課後の教室を活用して、コードモンキーを教材に、市民によるプログラミング講座を下記4つのフェーズで実証する。
1 コードモンキーを市民1,000人に広く提供し、多くの市民がプログラミングを体験
2 市の生涯学習拠点「ミナクル」を活用したオープン講座により、プログラミング教育の幅広い周知と多様な市民メンターの醸成、実証校でのプログラミング講座を実施するメンター人材の発掘と、メンター育成講座を実施
3実証小学校2校(豊橋市立大清水小学校、豊橋市立植田小学校)の放課後子ども教室「トヨッキースクール」において、2の修了者が講師となり、プログラミング講座を実施
4 海外(イスラエル)の小学生と豊橋市選抜チームによるコンテストを開催

1.1.3 現状の課題認識

【課題1】プログラミング教育は、専門的な教育を受けた一部のメンターしかできないとの既成概念。
【課題2】プログラミング的思考力は、個人の適正と能力差が極めて大きく現れ、従来型の一斉指導による画一的な教育には向かない。自分で考える新しい教育が必要。
【課題3】教育現場は、プログラミング教育以前に、英語教育、論理的思考力、課題解決力、アクティブラーニングなどの課題が山積みされ、それらすべてへの対応が不可能な現実。
【課題4】日本のプログラミング教育はグローバル社会からすでに周回遅れしている。最先端の技術とノウハウを活用して開発され、グローバルに実績あるベストプラクティスの活用が、日本の国力強化に必至。

1.1.4 検証する内容

グローバルに実績のあるプログラミング学習教材「コードモンキー」は、日本でも同等に活用が可能であること、それを使って市民の誰でもがメンターになり得ること、そしてコンピュータサイエンスの知識を有しない一般市民でもアクティブラーニングのクラス運営ができることを検証する。

  • コードモンキーを使用することで、事前知識や特段の講義を受けることなく、ゲーム感覚でだれでもが楽しく、独学でプログラミングの基礎を習得できる。
  • コードモンキー自体がメンター育成のe ラーニング教材となり、自分が習得した範囲において、誰でもが互いに教え合い学び合うメンターとなれる。
  • 海外で実績あるカリキュラムガイドにより、コンピュータサイエンスの知識や経験がなくても、だれでもが、子どもたちがプログラミング知識を学べるように指導できる。また、楽しみながら実際のコードを書いて、自然にプログラミングの基礎概念を会得できる

本事業におる検証は、豊橋市が本年度より開始した、放課後子ども教室「トヨッキースクール」(教育過程外)の一環として行った。なお、教育課程内のプログラミング教育としてのコードモンキーの使用を、豊橋市内の小中学校それぞれ1校にて実践研究を行ったが、これは豊橋市による予算措置での実施であり、本事業の範疇ではないため、本報告書の対象外とする。

1.2 実施体制

1.2.1 体制図

体制図

1.2.2 実証校、教育委員会、他外部団体との連携について

本実証モデルの設計にあたっては、豊橋市教育委員会の生涯学習課の枠組みの中で実施できるように構築した。コンテンツと実施方法の企画については、統括プロジェクトマネジャーを座長に、豊橋市教育委員会・生涯学習課とジャパン・トゥエンティワン株式会社(J21)のメンバーで4月〜6月に数回打ち合わせを行い、教育委員会主導による運営によりプロジェクトを遂行した。

<放課後子ども教室>
実証校2校は、豊橋市が平成29年度より新たに実施する放課後子ども教室「トヨッキースクール」の講座一環として、プログラミング教室を開講するもので、実証校との調整は、放課後子ども教室の企画運営を担当する豊橋市教育委員会生涯学習課が行った。
児童クラブと一体・連携した放課後子ども教室は、すべての就学児童が放課後に安全・安心に過ごし、多様な体験活動などができるよう、文部科学省と厚生労働省が推進する事業で、福祉・子育て・教育が連携して小学校の余裕教室などを活用して地域の多彩な人材の参画を得て子どもたちに様々な学習・体験支援を行うものである。
今回、本年度より開催するトヨッキースクールの最初の実施校である植田小学校と大清水小学校の2校が実証校となり、職員会議で校長・教員の全教職員が不在となる毎週木曜日の放課後の時間を活用し、学校のPCルームを利用してプログラミング講座を実施することとした。しかしこの時間この場所で子どもたちにプログラミングを指導できる人材をすぐに探すことは困難であり、プログラミングに関心のある地域の多様な人材を発掘するべく、本実証モデルで市民メンターを育成することになった。 参考URL:http://www.city.toyohashi.lg.jp/32005.htm別ウィンドウで開きます

<生涯学習拠点を活用した土曜日の教育活動>
本実証モデルでは実施期間中、毎月最終土曜日に実証校区内の豊橋市大清水まなび交流館「ミナクル」*にて、子供からお年寄りまでが集い、コードモンキーを使ってプログラミングの学び合いをするコーモンキー広場と、講師によるプログラミング教育に関するスペシャルトーク(講演会)を行うオープン講座を開催した。これは放課後子ども教室と同様に、豊橋市教育委員会生涯学習課が管轄する生涯学習拠点「ミナクル」での、土曜日を活用した教育活動モデル事業の一環で、文部科学省の「土曜日の教育活動推進プラン」を受け、学校・家庭・地域が連携して子どもたちへの教育活動を行っているものである。施設内の無線LANと市役所所有の貸出用タブレット端末iPad Air2を活用した、市としても初めての市民向けプログラミング学習支援の取り組みである。

*「人と人をつなぎ、賑わいの輪が広がる、地域と共生する施設」をコンセプトに、2015年4月に生涯学習の拠点、地域のシンボルとなる施設として豊橋市が設置。

参考URLhttp://www.city.toyohashi.lg.jp/30311.htm別ウィンドウで開きます

<地域人材を活用した学校外の教育活動の推進>

豊橋市教育委員会では、上記事業において指導者・講師情報を管理し地域人材を活用している。本実証モデルで育成した市民メンターは、来年度以降のプログラミング講座を担う地域人材として期待される。

 参考URL:http://www.city.toyohashi.lg.jp/8061.htm別ウィンドウで開きます

<他団体との連携>

本実施モデルは、J21顧問である豊橋技術科学大学の高嶋教授の企画立案によるものであり、同大学より以下の協力を得た。

国立大学法人 豊橋技術科学大学(http://tut.ac.jp別ウィンドウで開きます

1 高嶋孝明 豊橋技術科学大学教授・スーパーグローバル大学推進室長(同大学・情報工学修士課程修了)
本実証モデルの企画立案・統括PM。自身のプログラミング学習経験と、1982年からIBMにおける32年間の勤務における製品開発からビジネスまでのグローバルな経験、現在の大学での職務から、早期のプログラミング学習の必要性を感じていた。コードモンキーとそのカリキュラムガイドを実際に手にして、プログラミング教材としての完成度の高さを認識し、本モデルを発案した。

2 石田誠 豊橋技術科学大学 元副学長/特別顧問/名誉教授
昨年度より豊橋市教育委員会・教育長のアドバイザーも担い、地域の学校教育の発展を支援。本実証モデル実現のために、豊橋市・教育委員会など関係者とのパイプ役として協力を得た。モデル実施においてもメンターへの指導とサポートを得た。

3 豊橋技術科学大学 コンピュータークラブ(http://tut-cc.org/別ウィンドウで開きます
市民メンターが育つまでの期間、オープン講座に参加の子供から大人まで、にコードモンキー(プログラミング)のメンター・指導者としてコンピュータークラブの学生3名の協力を得た。分かりやすく丁寧に教えてくれると参加者からも評判が良く、指導した学生からはプログラミングを教えることの楽しさを知ったとの感想を得た。

4 豊橋技術科学大学 附属図書館・マルチプラザ (http://www.lib.tut.ac.jp/guidance/multiplaza.html別ウィンドウで開きます )
本実証モデルの最後に2017年12月に開催した、豊橋とイスラエルの子ども達によるプログラミングコンテスト(上述のステップ4)の会場として提供を受けた。

  広く市民に周知して多くの理解者と参加者を得るために、以下の団体などによる広報・チラシ配布等の協力を得た。

1 豊橋市教育委員会の人材ネットワーク(元教員、館長、など)

2 CoderDojo 豊橋 - 豊橋創造大学 経営学部 今井正文教授 (http://ba.sozo.ac.jp/archives/proj/imaiproj別ウィンドウで開きます

3 愛知教育大学 ICT教育基盤センター 中西宏文教授/センター長

4 Code for MIKAWA(https://uzura.org/別ウィンドウで開きます
豊橋市をはじめ、東三河で活躍するIT・ものづくり系のエンジニアや大学の研究者、行政職員などがアフターファイブに集い、ITを使ってまちづくりに貢献することとIT産業の発展を目的に、ミーティングやイベントを定期的に開催。オープン講座でコードモンキー(プログラミング)のメンター・指導者としても協力を得た。

1 東三河懇話会(http://www.konwakai.jp/index.html別ウィンドウで開きます )・ 豊橋市商工会議所
東三河を拠点とする企業・大学・地方自治体・NPO等の交流の場を設け地域の持続可能な発展に寄与する民間団体。定例会等で本実証モデルの発表を行い、地元経済界へプログラミング教育の必要性を啓蒙し支援を仰いだ。

2 (株)サイエンスクリエイト(http://www.tsc.co.jp/別ウィンドウで開きます
豊橋での新産業創出を目指して、愛知県・豊橋市・日本政策投資銀行及び民間企業の出資により設立された第3セクター会社。地域産業育成支援のための拠点施設である「豊橋サイエンスコア」を運営し、産学官共同研究や地域産業支援のための事業を行う。サイエンスクリエイトのパソコンルーム、メーカーズラボなどの活用やコラボレーションを通じて、実証モデル終了後のプログラミング教育の継続的な活動展開の連携の可能性を今後協議していく予定。

1.3 実施スケジュール

実施スケジュール

2. メンターの育成

2.1 育成メンター概要

コードモンキーの特別ライセンスを市民1,000人に広く配布してプログラミングをまず体験をしてもらい、それにより多様な市民メンターを醸成した。その中から、トヨッキースクールでコードモンキーを使ったプログラミング講座のメンターとなる希望者を下記条件で募集したところ、20代の学生から40・50代の主婦や自営業、60代の退職者まで、幅広い層の一般市民 27名 が応募、全員をメンターとして採用した。

<メンター募集条件>

  • 特別ライセンスを取得し、コードモンキーを100チャレンジまで終了した人または終了する見込みのある人
  • 20歳以上の人で、子どもたちにプログラミングの楽しさを伝えたい人
  • 実証校でのトヨッキースクール・プログラミング教室のメンターとして参加できる方
<メンターの属性>

メンターの属性

  • メンターの属性
  • メンターの属性
  • メンターの属性
  • メンターの属性

2.2 メンターの募集

募集は以下のステップで行った。

ステップ1 コードモンキーのライセンスを市民1,000人に提供し、多くの市民にプログラミングを体験してもらう

本実証モデルはまず、特別ライセンスカードの準備と市民へのプロジェクト周知、募集、ライセンスカード配付から始まる。市民に親しみを持ってもらえるように、「とよはしプログラミング・チャレンジ2017」、略称 「とよプロ2017」と名付け、参加者1,000名を募るプロモーションを2017年4月25日から開始した。応募者数への懸念があったが、プレスリリースや各種メディアでの周知、特に2017年5月5日の中日新聞への掲載が大きな契機となって、1ヶ月で825名の応募があった。その後追加で50名を募集して最終的に875名が応募、残りのライセンスは実証校での児童と関係者に充てた。

<参加募集と配付方法>

募集期間:2017年4月25日〜5月23日

申込方法:豊橋市HPの申込フォーム URL:http://www.city.toyohashi.lg.jp/31983.htm別ウィンドウで開きます

1年間プログラミング教材を学習できる特別ライセンスカードを1,000人に無料で配布します!
応募方法:豊橋市のホームページの申込フォームに必要事項を入力し、生涯学習課へデータを送信してください。
対  象:豊橋市内在住、在勤、在学している方(小学生以上)で、
インターネット環境でCodeMonkeyにアクセスできる見込みの方
応募締切:2017年5月23日午後5時
受取期間:2017年5月26日(金)〜6月9日(金)9:00〜17:00
受取場所:カードは以下の施設で希望される配布場所で配布します。
豊橋市役所生涯学習課、大清水まなび交流館 ミナクル
石巻地区市民館、二川地区市民館、牟呂地区市民館
その他:応募結果はEメールにて通知します。(応募多数の場合は抽選)

<特別ライセンスカード>

コードモンキーの200チャレンジまである内の最初の100チャレンジまでを1年間利用できる特別ライセンス1,000個をCodeMonkey Studios社が用意し、そのライセンス費用はジャパン・トゥエンティワン(株)が負担した。IDとパスワードを記載したライセンスカードを1,000枚制作した。

市民に提供したコードモンキーのライセンスカード

<自宅学習支援>

 ライセンスカードに説明書を添付し、インターネット環境とWebブラウザーがあれば、自宅や職場などで、いつでもどこでも「ゲーム感覚」で「プログラミングを学習できる」ことを周知させ、広く市民に「プログラミング」に慣れ親しんでもらうことを狙った。

  • ライセンスカード添付の説明書
  • ライセンスカード添付の説明書

以下の方法で広く市民に周知した。

1報道発表 2チラシ配布 3豊橋市HPでの告知 4Facebook広告 5メディア掲載・地元団体への告知 

1 報道発表
2017年4月3日 報道発表(採択プレスリリース)
豊橋市発表http://www.city.toyohashi.lg.jp/31267.htm別ウィンドウで開きます
J21発表https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000010261.html別ウィンドウで開きます
2017年4月25日 報道発表(とよはしプログラミング・チャレンジ2017実施詳細)
http://www.city.toyohashi.lg.jp/secure/49109/別ウィンドウで開きます

周知のための報道資料

2 チラシ配布 
配布数:5,500枚
配布場所:ア)市・学校関係(記者会・市議会・小中高大学・PTA等)
イ)市民配付用(市民館、各種施設など)
ウ)生涯学習拠点ミナクル周辺 回覧折り込み配付 
エ)近隣小中学校への配布

配布チラシ

3 豊橋市ホームページ  http://www.city.toyohashi.lg.jp/32007.htm別ウィンドウで開きます
本事業の進捗状況の報告からイベントの告知、各種募集・応募などは、基本すべてこのURLの豊橋市のホームページより行った。

「とよはしプログラミング・チャレンジ2017」に関する豊橋市ホームページ画面

4 Facebook広告(J21)
出稿期間 2017年4月26日〜5月23日
ターゲット 豊橋市在住の「ハイテク」「IT」「教育」などに興味を示しているFacebookユーザーにターゲティング。
訴求 3,886人にリーチ、270回のエンゲージメント(いいね!・コメント・シェア・詳細クリックの合計)

Facebook広告

5 メディア掲載・地元団体への告知等
東愛知新聞  2017年4月26日 1面
中日新聞  5月5日 三河版1面

(※画像割愛)

ICT教育ニュース 4月4日 http://ict-enews.net/2017/04/4japan21/別ウィンドウで開きます
教育家庭新聞 4月12日 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2017/04/codemonkey1000.html別ウィンドウで開きます
教育新聞 4月20日 https://www.kyobun.co.jp/news/20170420_06/別ウィンドウで開きます
FM豊橋 5月20日 「とよはしプログラミング・チャレンジ2017」 https://www.tut.ac.jp/audio/170520.mp3別ウィンドウで開きます
東三河懇話会 産官学交流サロンPRタイム  4月11日、5月17日
豊橋市商工会議所 議員昼食会  7月14日
<特別ライセンスカードへの市民の応募>
2017年4月25日〜5月23日の、申し込み受付期間中の応募者数の推移は右図の通りで、最終的に825名の応募があった。その後追加で50名を募集して合計 875名 への配布となった。

特別ライセンスカードへの市民の応募

申し込み者825名の属性は以下の通りである。半数以上がプログラミングを学ぶ機会が欲しかった、75%はプログラミング未経験。小学生が30%(プログラミングを体験させたいために親が申込み)、半数が社会人等であり、市民一般のプログラミング教育に関する意識が極めて高いことが判明した。

ライセンス申込者の属性

SNSと口コミ効果>
ハッシュタッグ
「#とよプロ2017」、「#コードモンキー」のキーワードをライセンスカードやチラシなどでPRし、参加市民一人ひとりが仲間意識と一体感を持ち、「市民」が「とよプロ」を盛り上げて行くという空気感の醸成と環境作りを心掛けた。その結果、本事業についてブログやSNSで積極的に発信する数名の「とよプロ・アンバサダー」が誕生した。
ブログ参考URL

1プログラミングデビュー!コードモンキーライセンスに当選したので子供にやらせてみた!
http://norakura1.com/2017/06/04/post-269/別ウィンドウで開きます
2とよはしプログラミングチャレンジする自営オカン ”豊橋市民総メンターによるプログラミング教育を推進するらしいモデルプロジェクトに参加しています
http://toyopuro-okan.hatenablog.com/entry/2017/05/26/123315別ウィンドウで開きます
3豊橋市のプログラミング教育推進プログラムについての考察
http://trialvillage.net/別ウィンドウで開きます

ステップ2 生涯学習拠点を活用したオープン講座でプログラミング学習を盛り上げ、多様な市民メンターを醸成
豊橋市の生涯学習拠点、大清水まなび交流館「ミナクル」で、コードモンキーを自由に学び合い交流できるオープン講座を定期的に開催し、市民によるプログラミング学習を盛り上げた。

<豊橋市長宣言による 「とよプロ2017」 開会式とオープン講座スタート>
2017年6月24日に、「とよはしプログラミング・チャレンジ2017」 の開会式を行い、本事業の説明と意義の講演を開催。

当日の様子はYouTubeとFacebookでライブ配信を行った。
日時:2017年6月24日(土)15時〜18時
内容:
1 佐原市長、山西教育長、J21加藤社長による開会宣言, CodeMonkey Studio本社からのビデオメッセージ
2 高嶋PMによるスペシャルトーク
3 コードモンキーひろば(プログラミング学び合いの場)
来場数:約200名
告知:
1 特別ライセンス取得者へのメールマガジン配信 6月8日、21日
2 広報とよはし 2017年6月15日号 ほか
https://cccc.backshelf.jp/bookview/?filseq=3302別ウィンドウで開きます
内容:
1 開会式https://www.youtube.com/watch?v=YPWsiyjrRds別ウィンドウで開きます
スペシャルトーク 「とよプロ2017ってなに?!」  

オープン講座実施の様子

<オープン講座の概要>
本事業の実施期間中(2017年6月から11月までの最終土曜日6回)に、実証校区内の豊橋市大清水まなび交流館「ミナクル」にて、子供からお年寄りまでが集い、コードモンキーを使ってプログラミングの学び合いと、講師による講演会を行うオープン講座を開催した。
1  「コードモンキー広場」を開設して、個人所有端末の持ち込み、および貸し出し用の豊橋市所有のiPad Air2と豊橋技科大提供のノートブックPCで、施設内の無線LANまたは自身の携帯ネットワークに接続してコードモンキーを学習する環境を開設した。これにより、クラウド環境による自宅学習とサポート提供に加え、対面交流による学び合いを可能とし、市民総参加によるプログラミング教育への理解と、教え合い・学び合いの環境を提供し、市民メンターの醸成を行った。コードモンキー/プログラミングに詳しいファシリテータを配置し来場者への質問への対応と指導に当たった。10月と11月は、12月のイスラエル小学生とのプログラミングコンテスト(とよプロ2017チャンピオンシップ)に向けたプログラミング強化のためのブートキャンプも実施した。
2 「スペシャルトーク」として、プログラミング教育に関連する話題を提供する講師陣を招いて、一般市民及びメンター志望者向けにプログラミング教育の必要性や実践例などの講演を並行開催して、市民の意識と知識を高めた。講演はYouTubeとFacebookでライブ配信を行い、動画は来場できなかった人や市内外の人が視聴できるツール(教材)として公開している。トヨッキースクールでのプログラミング教室開始後は、メンターが集まり実証校での講座の振り返りなどの意見交換をする交流会の場とした。毎回10名〜20名の参加があり、メンター同士の交流の場として活発な意見と情報交換の場として有効に活用され、メンター有志が実証校以外でコードモンキーを使ったプログラミングの体験会を開催する等の横展開にも繋がっている。

オープン講座実施概要
場所: 豊橋市大清水まなび交流館「ミナクル」
日時: 6/24, 7/29, 8/26, 9/30, 10/28, 11/25 (土曜日) 全6回 15:00-18:00
内容:1 スペシャルトーク: 講師によるプログラミング教育に関する講演(多目的室)
10・11月は、メンターの情報交換会として実施
2 コードモンキー広場(プログラミングの学び合い)(工作室)

スペシャルトークの講師・講演内容・動画配信
2017年6月24日(土) 高嶋孝明  J21顧問/豊橋技術科学大学教授 本事業企画立案者
 「とよプロ2017って何?コードモンキーの全世界を見てみよう!」
動画1 https://www.youtube.com/watch?v=iHmSAWwHMqA別ウィンドウで開きます
動画2 https://www.youtube.com/watch?v=AeMZzYoseRE別ウィンドウで開きます
2017年7月29日(土) 松田孝 東京都小金井市立前原小学校校長
「公立小学校のプログラミング教育最前線
  〜日本で断トツに先行してプログラミング教育を実践する校長が語る〜」

チラシ:https://drive.google.com/open?id=1PkKNM5-cslkpY7SC45UesxPPAolVObUz別ウィンドウで開きます
動画:https://www.youtube.com/watch?v=TXC0RkEKlyc別ウィンドウで開きます
2017年8月26日(土) 笠井賢 Eatbee 代表取締役社長
「キッズ英会話教室にコードモンキーが遊びに来た
〜ニュータイプの日本人が溢れる社会を目指して
文科省官僚・大使館一等書記官から幼児期教育ベンチャーに転身〜」

チラシ:http://i.r.cbz.jp/cc/pl/fpff4494/t9rw/wiz5gkkk/別ウィンドウで開きます
動画:https://www.youtube.com/watch?v=X97uOgYayJc別ウィンドウで開きます
資料:https://drive.google.com/open?id=1b8st8fXc1W_TVEL5lEdvIqPBQeeVdluR別ウィンドウで開きます
2017年9月30日(土) 大岩元 慶応義塾大学名誉教授・豊橋技術科学大学元教授
「日本の将来は プログラミング教育を左右する!」
〜AI時代の今こそ、真のプログラミング教育が必要〜」
 
チラシ:http://i.r.cbz.jp/cc/pl/fpff4494/gnh9/bhvzm136/別ウィンドウで開きます
動画: https://youtu.be/QemmPA8abNo別ウィンドウで開きます
資料:https://drive.google.com/open?id=0Bz2LeAmuVQSsRGVCTGlFQ3Q2TlU別ウィンドウで開きます

また、Facebookやライセンス取得者へのメールマガジンで適宜話題を提供して、継続的な盛り上げとオープン講座への参加者を募った。

<とよプロ2017参加者のコードモンキー利用状況>
2017年12月6日時点の状況は以下の通りである。(コードモンキーのダッシュボード機能を利用して集計)

登録者数:872名 ログイン数:577名
100チャレンジ達成:107名 ライセンスをアップグレードして100以降を実施:8名

「とよプロ2017」参加者のコードモンキー利用状況

ステップ3 メンター養成講座の参加者を募集
プレスリリース・報道には、特別ライセンスの無償配布案内と同時に、メンター養成講座の参加者の募集も記載し、豊橋市のホームページにて受付を行った。
併せて、アクティブにコードモンキーを利用している市民を抽出し、2017年7月上旬にメンター・スカウトメールを配信した。抽出条件は、その時点でチャレンジ85までを星三つでクリアしている人で、結果は51名であった(小中高生6名を含む)。
これらの結果、27名 がメンター養成講座に応募した。

メンターへのスカウトメール
メンター・スカウトメール

2.3 育成研修

2.3.1 研修プログラム概要

「メンター養成講座」を、オープン講座の開催日に合わせて二回開催した。どちらも内容は同じで、応募者はいずれかを受講。高嶋PMが講師となり、1回2時間の講義形式で行った。養成講座の申込者全員に、事前にコードモンキー・カリキュラムガイドを郵送し、自宅でのハンズオン学習を可能にした。また、コードモンキーをプレイすること自体がeラーニングとなっている。メンターのほとんどは、特別ライセンスを取得してコードモンキーを自らプレイし、そして、これなら自分も子ども達に教えられそう、一緒にプログラミングを学ぶことができそうだ、教えてみたい、という気持ちが芽生えて応募してきた市民であった。

開催日時: 2017年7月29日(土)、 8月26日(土) それぞれ13時〜15時
参加人数: 2017年7月29日 17名、 8月26日 10名 

集合研修では、コードモンキーで使用するプログラミング言語の説明といったIT・コンピュータサイエンス等の内容は一切行なっていない。本プロジェクトの目的と意義、メンターへの期待、そしてカリキュラムガイドの意図するところの解説とトヨッキースクールでのプログラミング講座の進め方の基本方針を説明。後半一時間で、メンター候補者の自己紹介と応募の動機と豊富を語ってもらい、各自の思いの共有とチームビルディングに時間を充てた。そして研修の最後に、実証校での5回の講座を通してリードするメインメンターの立候補を募り、積極的な立候補者が出てきて、参加者の合意でメインメンターを決めることができた。そして、あらためて受講者にメンターとなる意思を確認したところ辞退者はいなかったため、全員をメンターとして登録した。実証校でのプログラミング講座の進め方については、メインメンターに原則一任し、適宜メール等で高嶋PMが相談に乗った。

養成講座の他に、自宅での自習やオープン講座でのスペシャルトーク講演会・メンター交流会などの場を提供し、意欲のあるメンターの積極的な参加があった。また、メンター間の交流を活性化するために、以下の取り組みを行った。

<オンライン交流>
メンターのFacebookグループを作成し、事務局、講師(高嶋PM)、メンター間のオンラインでの情報・意見交換の場を設けた。実証校での講座が始まると、毎回積極的なディスカッションが生まれ講座の反省・改善に活かされた。
※メンター専用のFacebookグループ(非公開) 参加者:27名中14名
とよプロメンターグループ https://www.facebook.com/groups/1911758042414345/別ウィンドウで開きます

<オフライン交流>
毎月オープン講座で交流会を実施し、高嶋PMをファシリテーターに、本実証モデルの目的や実証校での講座の振り返り、プログラミング教育全般に関する意見交換や質疑応答の場を設けた。講座を実施するうえでの不安や疑問の解消、メンター同士の交流に有効だった。

2.3.2 研修教材
■プログラミング学習ゲーム教材 「コードモンキー」
  • テキストモダン言語 CoffeeScript を利用したプログラミング教材
  • 「コードを書いてサルを動かしてバナナを取る」という単純明快な課題解決型
  • 「チャレンジ」という単位で課題が構成されている。古典的なゲームの「面」と同義。内容が次々に難しくなっていく。チャレンジ 0-100 が今回配布した特別ライセンスでプレイできる範囲の「コードモンキー・コードの冒険T」。ライセンスをアップグレード(有料)することで、「コードの冒険U」のチャレンジ101-200、さらにその先のゲームビルダーなどへ展開して行ける。

コードモンキー 画面イメージ

受領した特別ライセンスを使って、各自が自宅などで自由にコードモンキーを使用。コードモンキーの特徴は以下の通りである。

コードモンキー 画面イメージ

  • プログラミング教育先進国イスラエルでベンチャーの若者が開発。イスラエルの小学校のほとんどが授業に採用。
  • HTML5ブラウザゲーム型のため、PC等へのインストールが不要。
  • 教師用ダッシュボードで進捗状況の管理が可能。
  • 詳細な指導案を教師用「カリキュラムガイド」に収録

進捗管理画面イメージ

■養成講座の資料(抜粋)
  • メンター育成講座資料抜粋
  • メンター育成講座資料抜粋
  • メンター育成講座資料抜粋
  • メンター育成講座資料抜粋
  • メンター育成講座資料抜粋
  • メンター育成講座資料抜粋
■コードモンキー・カリキュラムガイド

カリキュラムガイド(表紙)

カリキュラムガイド(抜粋)

  • カリキュラムガイド(抜粋)
  • カリキュラムガイド(抜粋)
  • カリキュラムガイド(抜粋)
  • カリキュラムガイド(抜粋)

カリキュラムガイドは、海外で学校での利用実績があり、コンピューターやプログラミングの知識がなくても子どもに理解させるためのロールプレイやアクティブラーニングの進め方が丁寧に記載されているため、メインメンターがクラス運営方法を考えるうえで、また各自がメンターを実施する際のヒントや進め方のガイドとなるよう、参考資料として提供した。実際のプログラミング講座を行う際には、特段の指導をしなかったが、メインメンターはガイドにあるロールプレイの一部を自分なりに取り入れるなど、工夫をしてクラスを自主的に運営していった。

3. 実証講座の実施

3.1 講座の概要

<計画>

  • 講座実施計画
  • 講座実施計画

 実証講座は、豊橋市立大清水小学校と植田小学校の2校で実施、各校のPCルームを利用し、それぞれトヨッキースクールの5回の連続講座として実施した。トヨッキースクールが全学年を対象とするため、本プログラミング講座の対象も学年を限定しなかった。募集はトヨッキースクールの開催責任者である豊橋市教育委員会・生涯学習課が、各学校と連携して行った。募集定員はPCルームのノートブックPCの数に応じて決定、大清水小学校は40名に対して48名が応募、植田小学校は32名に対して66名が応募した。
受講児童は、学年毎の人数がある程度均等になるように抽選で決定。受講できなかった児童には、特別ライセンスカードを提供した。各校の受講児童は以下の通り。

実証校 参加児童(申し込み者数) 1年 2年 3年 4年 5年 6年
大清水小学校 40名(48) 4名 7名 9名 6名 7名 7名
植田小学校 32名(66) 6名 6名 6名 4名 4名 6名

 講座の進め方は、両校で異なる方法で進める方針とした。
1 カリキュラムガイドに準じて、全員が足並みをそろえてレッスンを進めていく(大清水小学校)
2 各自のペースで自由に進めていく(植田小学校)

カリキュラム

講座の進行は全5回を通して主講師となるメインメンターが行い、都合がつく日程で講師となるメンターが毎回3-4名加わる体制で実施する計画とした。

メインメンターは立候補で選出。植田小学校は2名が立候補したため、講座の進行役と全体の管理を分担する2名体制とした。それぞれのプロファイルは以下の通り。

メインメンター 年齢 性別 職業 プログラミング経験 教育経験 応募動機
大清水小学校 40代 女性 社会人 経験あるが使用していない 学校や塾などで教科指導経験あり 地域のために役立ちたい
植田小学校 30代 女性 主婦 経験はほとんどない 学校や塾などで教科指導経験あり 教育に関心
40代 女性 社会人 経験あるが使用していない 学校や塾などで教科指導経験あり 教育に関心

<実際の講座の進行>

講座進行とメンターの担当割り振り

大清水小学校の2回目までは全員が揃って学習テーマを進めて行った。しかし、1年から6年生までと学年の幅が広く、先へどんどん進みたい児童(高学年)と、マンツーマンでじっくり丁寧に見なければならない児童(低学年)のレベル差が大きくなって全員揃って進めることを断念。各自が自分のペースで自由に進める方針に変更した。また、それに伴い、メンターの人数不足が顕著になったため、見学参加のメンターも講座運営に実質的に入ってサポートし、当初予定より大幅に増員した体制となった。上記のメンターシフト表が今回実施した講座の参加メンターの実数である。
毎回講座終了後に、参加したメンターでの反省会と次回からの改善の提案の意見交換を行い、さらにFacebookやメールで他のメンターとの共有と意見交換を実施。メインメンターがそれらを参考に、次回の進め方を毎回考えて実行、というサイクルを繰り返していった。
講座進行の変遷の概略は以下の通りである。

大清水小学校

  • メインメンター1名+毎回3名メンター体制で開始。
  • 2回目までは全員揃って学習テーマを進めたが、レベル差が大きくなって全員揃って進めることを断念
  • 自由に先に進める方針に変更。制限無く自由に先に進むグループと、丁寧に指導するグループに分けて。
  • メンターが工夫した自作の補助教材も導入。
  • Facebook グループ、メール、オープン講座のメンター交流会で状況共有と意見交換。ゲームや15分チャレンジなどで、復習・飽きさせない・喜びの共有などの工夫なども取り入れる
  • 4回目からは進行に応じた座席配置とメンター配置を事前計画。
  • 対応メンターを増員。
  • 1-2年生は後半飽きてしまった感もあったが、PC操作や英語になれない3-4年生も最終回には抵抗なく難解な場面も自力で楽しくクリアしていた。難しかったけど解けた時は嬉しかった!という感想。教室終了後はライセンスカードを持ち帰って自宅で自由に継続。
  • とにかく子ども達がプログラミングを嫌いにならないことを一番大事に。教えてもいないのに自然に使いこなしていたり、ユニークな解を楽しんだり、子どもたちの潜在能力に驚かされる。
  • プログラミングとして教える内容ではなく、ヒントの出し方や子どもへの対応の仕方がメンターの技量の中心となった。

植田小学校

  • メインメンター2名体制(進行と全体管理)
  • 各自が自由に進めるモードで最初から開始。低学年は丁寧にメンターが対応。
  • ロールプレイ、ゲーム、毎回同じところからの10分チャレンジなどを、ゆっくりしたペースで進行、休憩を挟んで、自由プレイ時間は30分程度、復習コーナーといったタイムマネジメント。ダッシュボードの進捗を分析して、席とメンター配置を毎回事前準備。これらをメインメンターが自発的に検討して実施。
  • IDPasswordを自宅に持ち帰って実施することも2回目からOKに。
  • 最終回の進行表

講座最終回の進行表

3.2 実施の様子

  • 講座を進行する、ママ先生(メインメンター)
    講座を進行する、ママ先生(メインメンター)
  • やさしく子どもたちを見守るママメンター
    やさしく子どもたちを見守るママメンター

各自の自由なチャレンジプレイを支える幅広い多様な市民メンター  小学1年生から6年生までレベルの全然違う子たちが同じ教室で

各自の自由なチャレンジプレイを支える幅広い多様な市民メンター  小学1年生から6年生までレベルの全然違う子たちが同じ教室で

  • メンター手作りの補助教材
    メンター手作りの補助教材
  • 子どもたちが学び合い
    子どもたちが学び合い
  • わからない~! と言う子を手作り教材で辛抱強く教えるメンター
    わからない~! と言う子を手作り教材で辛抱強く教えるメンター
  • 子どもメンター誕生
    子どもメンター誕生
  • 楽しくて集中しすぎるので、背伸びして一休み
  • せんせ~ ありがとう!

楽しくて集中しすぎるので、背伸びして一休み     せんせ~ ありがとう!

  • 修了証をもらって、みんな笑顔
  • 修了証をもらって、みんな笑顔

修了証をもらって、みんな笑顔

<メインメンターが毎回の進行計画を自作して講座を実施>

  • 進行計画書
  • 進行計画書

進行計画書

児童の座席配置と前回からの引き継ぎ事項

児童の座席配置と前回からの引き継ぎ事項

<児童の進捗分析と、児童・メンターの席配置が講座を重ねる度に進化>

児童の特性の分析メモ

進捗をダッシュボードのデータから分析。講座の毎回の様子とあわせて、子どもたちが落ち着いてプレイでき、またメンターが効率的に対応できる席配置をメンターが発案して作成し、毎回試行を繰り返しながら実施。

<コードモンキー・ダッシュボードによる各児童の進捗確認>
大清水小学校(一番上は1年生、下が6年生)

ダッシュボードによる各児童の進捗確認(大清水小学校)

低学年と高学年では進捗に大きな差が。トヨッキースクールが始まる前からコードモンキーを家族とやっていた一年生を含む何名かは100まで突破。最初の2回までは全員一緒に同じペースでテーマを進めた。その後自由モードに切り替えたが、星3つ取る(そこで学んでほしい内容をキッチリとこなす)ことを意識させて行った。5回の講座終了後も自宅で継続しているものもこの記録に含み、すべて時系列で分析が可能。

植田小学校

ダッシュボードによる各児童の進捗確認(植田小学校)

第1回から各自が自由に進む方式で進行。星の数は気にしないでとにかく面をクリアすることに夢中な子供(学んで欲しいことが定着していない子供)が大清水に比べて散見される。しかし、プログラミングを嫌いにさせないことを一番大事に、自由に色々と考え楽しく進められるように見守った。

<とよプロ2017 チャンピオンシップ>

  • とよプロ2017チャンピオンシップについて
  • とよプロ2017チャンピオンシップについて
  • とよプロ2017チャンピオンシップについて
  • とよプロ2017チャンピオンシップについて
  • とよプロ2017チャンピオンシップについて

(※)新聞記事画像割愛

3.3 メディア掲載

東愛知新聞  2017年4月26日 1面

中日新聞  2017年5月5日 三河版1面

東愛知新聞  2017年6月26日 1面

中日新聞 2017年9月10日

東愛知新聞 2017年12月2日

(※画像割愛)

ICT教育ニュース 4月4日 http://ict-enews.net/2017/04/4japan21/別ウィンドウで開きます
教育家庭新聞 4月12日 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2017/04/codemonkey1000.html別ウィンドウで開きます
教育新聞 4月20日 https://www.kyobun.co.jp/news/20170420_06/別ウィンドウで開きます
FM豊橋 5月20日 「とよはしプログラミング・チャレンジ2017」 https://www.tut.ac.jp/audio/170520.mp3別ウィンドウで開きます

CBCテレビ「イッポウ」 6月29日 放映

(※画像割愛)

豊橋ケーブルネットワーク ティーズ 「HOTステーション」 6月28日、7月1日、7月2日 放映

(※画像割愛)

3.4 参加者の声

3.4.1 児童・生徒の声
  • チャレンジ30から40が難しかった(1年)
  • おもしろいし楽しいからプログラミングを続けたい(2年)
  • 2回目くらいからむずかしくなってきて、いろんなことがめいれいするのでむずかしい。(3年)
  • とてもむずかしいのもあるけど、成功したらとてもうれしいので、これからもつづけたい。(3年)
  • 楽しかったけどだんだんむずかしかった。(4年)
  • もっといろいろなことを覚えて続けたいです。(5年)
  • ゲームやアプリがどのように出来ているか知りたくなった。(5年)
  • 小さい子がなやんでいるときに教えてあげることができたので、学校でも続けてやってみたい。(5年)
  • くり返してバナナを取ることがむずかしかった。(5年)
  • でたらめにやってたけどどうしたらたおせるか考えられるようになった。(5年)
  • コードモンキーの100いこうもやってみたい。(5年)
  • 難しくてなかなか思うように動かせられない物を動かせたときに達成感・やりがいを感じた(6年)
  • どういう動きをするのかわからなくて難しく感じた(6年)
  • プログラミングで何を作れば良いか分からないので、プログラミングを続けたいかどうか分からない(6年)
  • 親に説明してもらって、ゲームの動き一つ一つがプログラミングだということが分かった(6年)
  • 「x」とか「m」(変数)がよく分からなかった。70からが難しい。(6年)
  • 2020年にコンピューターの授業が小学校で始まるけど、わたしはもう小学生ではなくなるから、どこかでならったことを生かしたいです。(6年)
  • ゲームを作る人はとても大変なんだな、と思いました。(6年)
  • すごく考えて、正解したときにすごくスッキリして気持ち良かった。(6年)
  • 70くらいからの関数がむずかしかった。(6年)
  • 自分で機械を動かせていることが楽しかった。(6年)
  • 正しく書かないとしっかりと動かなかったところが難しかった。(6年)
  • プログラミングでロボットを動かしてみたい。(6年)
  • まだなんの仕事につくことをきめていないから。プログラミングを続けたいか分からない。(6年)
  • ゲームやアプリはプログラミングでできていて、苦労のもとに作られていることがわかりました。(6年)
3.4.2 メンターの声
  • 初め、つまらなそうにしていた子が講座後、「簡単で楽しかった」との感想を言っていました。私は自分で考えて書いたコードでモンタがバナナを取ると、「やったー」という気持ちになるので、子供たちも同じ気持ちなのかなと思います。コードモンキー、うまく作ってあると思います。
  • IDを渡して自宅でやれるようにしたのはいいことだと思った。下手なゲームをするよりためになる。親子でチャレンジすればそれも楽しいと思う。
  • やっていく中で徐々にやりたいことと命令が一致してきているのがわかり、成長を感じることができた。
  • 小学生の柔軟な思考力を目の当たりにすることができた。低学年には無理だろうと思われたが相応に食らいついてきたことに感心した。
  • 情熱のあるメンターがいれば未経験者でも問題なく現場運営できると思います。
  • 今回のプロジェクトは良かったと思います。自分も時間があればもっと参加したかったです。
3.4.3 実証校の先生・保護者の声
  • 家でCodeMonkeyを使用して使い方を教えてくれました。
  • 2年生なので、難しいところもたくさんあったみたいだけど、何回もトライしたりあきらめず、自分で考えてチャレンジしている姿に感動した。
  • 楽しく学べていると感じました。
  • コードモンキーはいろいろ考えて進めていたが、新しい作品を生み出すような講座ではないので、何かを作りたいとまでは考えていないようです。
  • 本当に身につけるならポイントをその都度おさえる、ふり返りのような方法が必要ではないかと思う。
  • プログラミング教育でコンピューターというものを身近に感じることができるのはいいが、これから英語も道徳もと教科が増えるなか、今までの国語、算数などの教科に遅れがでることが不安。
  • コードモンキーを家でもパソコンでやってみました。姉妹たちにやり方を教え、うまくいかないときはこうしたらいいとアドバイスも自分から話すようになった。
  • 内容は面白いと思いました。進めていくと難しさも上がっていくので、学年別・年齢別にわからないを残さず教えてくださるとウレシイです。
  • コードモンキーの様に個々でプログラミングをこなしていくのと、友達との共同作業で1つのものを作っていくという2つのことをやっていただけたらなと思います。
  • 「プログラムをする」という基本的なことがよく分かっていないようでした。普段遊んでいるゲームを出して「動く=プログラム」という風に教えたらもっと興味を持てたのではないでしょうか。
  • 理解度の違いがあるためテストやサポートの人を増やして理解しているかを確認していくことが大切だと思います。
  • 「プログラム」という言葉を考えるきかっけになりました。今後少しでも「プログラミング」ということを意識していって欲しいと願っています。
  • とっても楽しくできた様です。自分で目標を持って「次回までに○○番までやる!」と言って取り組んでいました。
  • とても楽しく学べた様で、やれた事を楽しく教えてくれました。「次はここまでやりたい」など自分なりの目標を持って進めていた様です。
3.4.4 実証校校長先生・教育委員会の声

 <実証校校長>

  • 既習事項を生かして、新しい課題に取組むという訓練には良かった。様々な教科に応用できる可能性を感じた。
  • 好きな子にとって、論理的思考がより養われる結果となった。
  • 子どもたちに興味を持たせるために、メンターがカードを使用したり、子どもに体を動かせたりと、工夫していて良かった。
  • 学校外の学びで終わらせるのではなく、2020年の必修化に向けて、育成したメンターが学校現場に入ってくる体制づくりが急務。

 <教育委員会>

  • 市民メンター養成講座には、これまで生涯学習事業にあまり縁がないような小学生の保護者や社会人、大学生、教員経験者など幅広い人材からの応募があった。
  • 育成した市民メンターは、様々な経歴や人生経験を生かして、意欲的にメンター同士で子供たちへの指導方法について話し合い、個々のアイディアも採用しながら熱心に取り組むことができた。
  • 実証校では、1年生から6年生まで進度が異なる児童が参加したが、指導方法を工夫する中で子供たちも集中してプログラミングに取り組むことができた。
  • 学校施設を活用し事業を進めるためには、学校と民間企業とが直接連携することが難しい面があるが、教育委員会生涯学習課が連携することで、スムーズに学校との調整を図ることができた。
  • 豊橋市教育委員会としては、育成した市民メンターを今後も活用しながら、今回の実証校以外の小学校でも放課後の活動として展開していくことを検討している。

4. アンケート結果

4.1 児童・生徒

  • 半数近くはプログラミング経験あり。その多くは、特別ライセンスカードを持っており、オープン講座等でトヨッキースクールより前にコードモンキーを経験していた児童と推察。
  • コードモンキーは難しかったけど楽しかった。

1.8 あなたはこれまで、「プログラミング」という言葉を知っていましたか

児童・生徒向けアンケート(Q1-8)あなたはこれまで、「プログラミング」という言葉を知っていましたか。またはこれまで「プログラミング」を体験したことがありますか?最も近いものをひとつ選んでください。「プログラミング」を経験したことがあった、39%、「プログラミング」を経験したことはないが、意味は知っていた、6%、「プログラミング」という言葉を聞いたことはあるが、中身まではよく知らなかった、16%、「プログラミング」という言葉を聞いたことがなかった、39%。

2.1 「プログラミング講座」は楽しかったですか

児童・生徒向けアンケート(Q2-1)「プログラミング講座」は楽しかったですか。最も近いものをひとつ選んでください。プログラミングすることも、講座も楽しかった、79%、プログラミングすることはあまり楽しくなかったが、講座は楽しかった、9%、プログラミングすることは楽しかったが、講座はあまり楽しくなかった、12%、プログラミングすることはあまり楽しくなかったし、講座もあまり楽しくなかった、0%。

2.4 「プログラミング」の講座で利用した教材は簡単でしたか

児童・生徒向けアンケート(Q2-4)「プログラミング」の講座で利用した教材は簡単でしたか。最も近いものをひとつ教えてください。簡単すぎた、3%、簡単だった、3%、ちょうどよかった、24%、少し難しかった、61%、とても難しかった、9%。

  • 自分で工夫したり、理由を考えて解決策を試したりするようになった。また、難しいところで諦めずに取り組める様になった。
  • 友だちと協力しあったり、上級生が下級生を教えたりする行動が講座中によく見られた。
  • ドリル式の教材であったため、作品やもの作りという達成感はやや低め。

3.1 講座を体験したことによって達成できたことは何ですか

児童・生徒向けアンケート講座を体験したことによって、以下の内容について達成できたと思いますか。あてはまるものをそれぞれひとつ選んでください。(Q3-1@)プログラミングを通して、アプリやゲームがどうやって動くのか理解できるようになった、よくできた、38%、だいたいできた、34%、どちらともいえない、3%、あまりできなかった、22%、ほとんどできなかった、3%、児童・生徒向けアンケート(Q3-1A)自分なりのアイディアを取入れたり、工夫したりするようになった、よくできた、22%、だいたいできた、42%、どちらともいえない、10%、あまりできなかった、10%、ほとんどできなかった、16%、児童・生徒向けアンケート(Q3-1B)自分なりの作品を作ることができるようになった、よくできた、21%、だいたいできた、31%、どちらともいえない、17%、あまりできなかった、10%、ほとんどできなかった、21%、児童・生徒向けアンケート(Q3-1C)うまくプログラムが動かないときは理由を考えて、解決策を試すようになった、よくできた、38%、だいたいできた、50%、どちらともいえない、3%、あまりできなかった、不明、ほとんどできなかった、不明、児童・生徒向けアンケート(Q3-1D)自分から積極的に取り組むようになった、よくできた、28%、だいたいできた、38%、どちらともいえない、25%、あまりできなかった、6%、ほとんどできなかった、3%、児童・生徒向けアンケート(Q3-1E)友達と協力して作業を進められるようになった、よくできた、55%、だいたいできた、23%、どちらともいえない、13%、あまりできなかった、6%、ほとんどできなかった、3%、児童・生徒向けアンケート講座を体験したことによって、以下の内容について達成できたと思いますか。あてはまるものをそれぞれひとつ選んでください。児童・生徒向けアンケート(Q3-1F)人前で作品や意見を発表できるようになった、よくできた、17%、だいたいできた、31%、どちらともいえない、21%、あまりできなかった、7%、ほとんどできなかった、24%、児童・生徒向けアンケート(Q3-1G)難しいところであきらめずに取り組めるようになった、よくできた、38%、だいたいできた、41%、どちらともいえない、12%、あまりできなかった、9%、ほとんどできなかった、0%、児童・生徒向けアンケート(Q3-1H)自分でもの(ゲーム等のプログラムを含む)を作りたいと思うようになった、よくできた、26%、だいたいできた、29%、どちらともいえない、26%、あまりできなかった、9%、ほとんどできなかった、10%。

  • 思うように動かないと、コードをすべて消してしまう行動が低学年によく見られた。プログラムを読む、という学習は今回の講座の中では少なく、少しでも先のチャレンジをクリアすることに集中する傾向にあった。
  • しかし半数近く(おそらく高学年)は、自分で見直し繰り返しやり直しを行っている。

3.2 プログラムが思うように動かなかったとき、どうすることが一番多かったですか

児童・生徒向けアンケート(Q3-2)プログラムが思うように動かなかったとき、どうすることが一番多かったですか。最も近いものをひとつ選んでください。自分でプログラムを見直し、「命令」の組み合わせを直して、やりなおした、26%、すべてのプログラムや「命令」を消して、もう一度初めからやりなおした、23%、少しずつ「命令」や数字を変えてみて、繰り返しやりなおした、19%、メンター(先生)や近くの大人に教えてもらった、13%、進んでいる友達に教えてもらった、10%、どうしたらよいかわからなかったので、そのままにした、0%、その他、6%。

  • もう続けたくない、という子がいたのは残念。1~6年が一緒で人数も多く、メンターが充分に対応できなかったことが原因でありうる。
  • 半数以上は続けたいと好感。分からないという子は、コードモンキーのプレイだけではプログラミングというものまだ良く分かっていない、あるいは自分の将来の仕事が分からないから、というのが理由の可能性。

3.4 あなたはプログラミングを今後も続けていきたいと思いますか

児童・生徒向けアンケート(Q3-4)あなたは今後も「プログラミング」を続けていきたいと思いますか。あてはまるものをひとつ選んでください。続けたい、59%、わからない、35%、続けたくない、6%。

4.2 メンター

  • 2時間の講習を一度だけ、それ以外も教えるという行為はほとんどせず放置であったにも関わらず、理解度は高かった。ほとんどのメンターはプログラミング教育の経験はないにもかかわらず、半数近くはが特に不安をもたなかったのは、コードモンキーを自分自身で使って、これなら自分でもできそうだ、と思ってメンターを志願したからと推察。

3.3 メンター育成を受けて、全体的に内容を理解できましたか

育成メンター向けアンケート(Q3-3)メンター育成研修を受けて、全体的に内容を理解できましたか。あてはまるものをひとつ選んでください。よく理解できた、20%、だいたい理解できた、76%、どちらともいえない、4%、あまり理解できなかった、0%、ほとんど理解できなかった、0%。

3.6 実際にメンターを行うにあたって、不安はありますか

育成メンター向けアンケート(Q3-6)実際にメンターを行うにあたって、不安はありますか。あてはまるものをひとつ選んでください。まったく不安はない、8%、あまり不安はない、42%、わからない、4%、やや不安がある、46%、非常に不安がある、0%。

  • 子どもたちの能力にあわせて適切な助言・指導ができるだろうか、というのが最大の不安。

3.7 実際にメンターを行うにあたって、具体的にどういったことに不安がありますか

育成メンター向けアンケート(Q3-7)(3-6で4または5と答えた方)具体的にどういったことに不安がありますか。あてはまるものを全て教えてください。(複数回答)、児童・生徒の気づきやつまずきをうまく拾って、ファシリテートできるか、35%、児童・生徒の疑問や悩みに対して、実証講座の目的に沿った適切な指導・助言ができるか、38%、児童・生徒の疑問や悩みに対して、児童・生徒の能力に合わせた適切な助言・指導ができるか、46%、児童・生徒が自分の指導や助言を聞き入れ、従ってくれるか、27%、時間内に予定のプログラムを終了できるか、27%、用意された教材を効果的に使用して指導できるか、12%、その他、8%。

  • 想定よりは難しかったが、大体実行出来たと自己評価。

5.1 講座は当初予定していたとおりに実施出来ましたか

育成メンター向けアンケート(Q5-1)講座は当初予定していた通りに実施できましたか。最も近いものをひとつ教えてください。実施できた、4%、だいたい実施できた、66%、どちらともいえない、15%、あまり実施できなかった 、15%、まったく実施できなかった、0%。

5.2 実施前のイメージと比較して、メンターを実施することは難しかったですか

育成メンター向けアンケート(Q5-2)実施前のイメージと比較して、メンターを実施することは難しかったですか。最も近いものをひとつ教えてください。非常に容易だった、0%、比較的容易だった、15%、どちらともいえない、8%、やや難しかった、69%、非常に難しかった、8%。

  • 講座前はうまく指導できるだろうか、というのが最大の不安であったが、実施後はうまく出来たと評価している。
  • 児童の集中を切らさず時間どおり対応することが、一番難しかったようである。これは、1~6年生を一部屋で多数一緒に講座をしたためと思われる。各メンターは子どもに丁寧に接していたため、個々の指導はうまく出来たが、全体に手が回らなかったと推察。

5.3 実施前のイメージと比較して、どういった点でメンターをうまく実施できたと思いますか

育成メンター向けアンケート(Q5-3)実施前のイメージと比較して、どういった点でメンターをうまく実施できたと思いますか。あてはまるものを全て教えてください。児童・生徒の気づきやつまずきをうまく拾って、ファシリテートすること、42%、児童・生徒の疑問や悩みに対して、実証講座の目的に沿った適切な指導・助言を行うこと、50%、児童・生徒の疑問や悩みに対して、児童・生徒の能力に合わせた適切な助言・指導を行うこと、69%、児童・生徒に自分の指導や助言を聞いてもらい、集中を切らさずに講座に参加してもらうこと、23%、時間内に予定の講座内容を終了させること、12%、用意された教材を効果的に使用すること、50%、その他、8%。

5.5 実施前のイメージと比較して、どういった点でメンターをうまく実施できなかったと思いますか

育成メンター向けアンケート(Q5-5)実施前のイメージと比較して、どういった点でメンターをうまく実施できなかったと思いますか。あてはまるものを全て教えてください。児童・生徒の気づきやつまずきをうまく拾って、ファシリテートすること、31%、児童・生徒の疑問や悩みに対して、実証講座の目的に沿った適切な指導・助言を行うこと、23%、児童・生徒の疑問や悩みに対して、児童・生徒の能力に合わせた適切な助言・指導を行うこと、19%、児童・生徒に自分の指導や助言を聞いてもらい、集中を切らさずに講座に参加してもらうこと、46%、時間内に予定の講座内容を終了させること、38%、用意された教材を効果的に使用すること、19%、その他、8%。

  • コードモンキーという教材を用いたため、今回のような簡単な講習とあとは各自の自習で放置、特別な指導なしであったにも関わらず、半数は今後指導をしていける、あと半数はさらに指導経験を積みたい、という前向きの評価になったものと思う。

8.3 今後のあなた自身のメンターとしての関わり方について

育成メンター向けアンケート(Q8-3)今後のあなた自身のメンターとしての関わり方について、最も近いものをひとつ教えてください。メインの指導者として、ひとりで、または経験の少ないサブメンターと一緒にプログラミング教育の指導ができると思う、11%、メインの指導者として、経験のあるサブメンターがついてくれれば指導できると思う(ひとりで指導するのは不安だ)、31%、サブメンターとして、経験のあるメイン指導者と一緒にさらに指導経験を積みたい、46%、メンター業務を今後もやるには不安が大きい、0%、今後はメンターをやりたくない、0%、わからない(考えがまとまっていない)、4%、その他、8%。

5. 発見・成果と課題・改善

※27名の市民メンターによる、1年から6年生までの混合で合計72名の児童への一斉プログラミング教室を、合計10回行った。指導方法や綿密な講座の進め方を育成講座では教えることなく、メンターの自主的な運営に任せる、という進め方であった。いわゆる「リーンスタートアップ」方式で、とにかく最低限決めて進めて、チェックして改善して実行する繰り返しを、3ヶ月に渡ってほぼ毎週行ってきた。そのため、発見や課題が膨大で、整理分析するのに十分な時間が取れていない。一言で簡潔に表現してもその本質をうまく伝えきれないので、本報告書では簡単な要約に併せて、メンターのアンケート記載から主要なものを幅広く列挙して情報共有する。

5.1 発見・成果

5.1.1 実証校・教育委員会他との連携体制の構築

教育委員会の生涯学習課が主管となる、放課後子ども教室「トヨッキースクール」の一環として実施したため、豊橋市の関連部署・施設、実証校と非常に良い連携がとれた。また一年近くにわたる、共同提案の策定から、プロジェクト企画、毎月のオープン講座、10週間のほぼ毎週のトヨッキースクールの開催を通じて、関係者の相互の強い信頼関係と絆を築くことができた。

5.1.2 メンター育成

特別ライセンスを広く無償配布し、まず体験する・自習するという環境を提供し、プログラミング教育を自らが体感し、自信を持ってメンターに応募してもらう、というモデルが有効であることが分かった。
一ヶ月という短期間で十分な広報活動もできなかった環境であったにもかかわらず、800名以上の市民が特別ライセンスに応募、30名近くがメンターに志願した、というのは驚異的である。また、その大半がプログラミングを学ぶ機会が欲しかった、ということで市民のプログラミング教育への意識が極めて高いことが判明した。毎月のオープン講座やスペシャルトークへの参加者も多く、市民みんなで子どもたちに「プログラミング教育を」行う、という方針について共感を得ているという実感を持つことができた。
プログラミング教育の識者による講演や、チームビルディングを中心とした養成講座により、自主的で自律的にプログラミング講座を行うメンターチームを構成することができた。

<メンターの声>

  • プログラミング教育のように、生徒の進度・速度・理解度の差が大きく広がる教育は、とよプロのように、市民皆でメンターになれることを目的とした取り組みが大切だと思う。さらに今回の取り組みが継続できたらとても素晴らしいと思う。
  • 児童に対するプログラミング教育の重要性について、即刻、啓蒙活動を行う必要がある。また、グローバル化が一層進んで行くであろう将来を踏まえて、諸外国のプログラミング教育導入状況も紹介すべきと思う
  • 指導の準備としてカリキュラムガイドの内容を覚えることは難しいが、メンター参加前日にカリキュラムガイドを見て勉強しておいたことが役に立った。
  • プログラミングは初めての経験だが、コードモンキーはゲーム感覚で楽しく取り組めるのでとてもよい教材だと思う。今回豊橋市が行ったライセンスカード無料配布も良いアイディアで、有料だったら申し込んでいなかったかもしれない。
  • 何事も一見は百聞にしかず。YouTubeなどで今回のプログラミング教育風景や生徒さんたちのキラキラの笑顔をアップすれば、それを見るだけで興味がわく人も多いと思う。
  • 学校教育の経験があったので、担当する子供の理解すべき目標を、各回ごとに自分なりに設定し、概ね達成させることができた。最大の目標は、自分がやったという達成感と楽しさを味わせることであった。
  • 「こうすればできる」と教えるのではなく、「どうすればできる?」と一緒に考える姿勢で指導した。
  • 改善点などは、毎回反省会を開いたりFacebookで情報共有をして、迅速に起動修正されていたのでよかった。
  • よかったと思う。学校の先生ではないので、そう簡単に子供の指導が身につくとは思えないので。
  • とよプロでは、市民総メンターという呼び方から始まり、たくさんのメンターを育てることを重なった上、さらに子供メンターを育てることを行なってきていたため、とてもよい取り組みができたと感じた。
5.1.3 講座内容

1年から6年生までの学習レベルも興味もスキルも大きく違いがある多様な児童が、一つの同じ教室で、一般の市民メンターの手作りによるプログラミング講座を、毎週1回放課後に1.5時間 x 5回、2つの小学校で受講した、という事実は驚くべきことである。さらに参加した児童が楽しく満足できる講座を運営することができた。
参加した市民メンターも、児童と触れ合うことで子供たちの無限の可能性に驚き、メンター・児童が共に学び合うという理想的な教室を運営できた、あるいは、今後の改善により運営が間違いなくできるとの実感を持つことができた。

<メンターの声>

  • 学年が近く、進度が同じくらいの生徒に並んで座ってもらい、一緒に考えながらプログラミングするように指導した。
  • 二人で作戦をたてて実際にコーディングして動かしてみる、うまくできた時は喜びも2倍でとても嬉しかった
  • コーディングは英語表記なので難しそうだったが、ゲーム感覚で学ぶことのできるコードモンキーでもっとやってみたいと言う気持ちになっているようだった。
  • 内容が難しくなって嫌にやってしまった生徒に「隣の子と一緒に考えてやってみようか?」と声をかけると、二人は意気投合してどんどんチャレンジをクリアしていった。本当に楽しそうだった。
  • 特に低学年の生徒は周りに流されやすく、誰かひとりでも「めんどくさい」といって遊び始めると同調してしまう。
  • メンターがしっかりフォローしてあげることができれば、低学年でも十分プログラミングはできると感じた。
  • プログラミングは面白いかもしれない、と言う気持ちにはなってもらえたと思う。
  • 早く終わった5・6年生たちが、自主的に低学年の子を教えに行っていた。
  • 時間の許す範囲で、安易に回答を教えることなく児童自身で解を導くことを気づかせるように試みた。
  • バナナをキャッチするという目的だけでなく、いろんな変わった動き・変な動きをするように楽しく競い合っていた。
  • 最初とまどっていたが、力技でいくつかクリアして行くうちに、「そういうことか!」と自ら気づき、工夫するようになっていった。それを承認して褒めることで、大きな弾みがついた。
  • うまくいかなくても投げやりにならず、周りの友達の操作を見たり、一緒に考えたりおもしろがることで、楽しく取り組んでいた。
  • 高学年にわからない子の指導を頼んだら、「教えるのも楽しい」と自信になった様子。
  • 空間認識が困難な場合、人形マスコットなどの教材活用が有効であった。
  • 楽しい機会をありがとうございました。感謝いたします。
  • 子供の集中力を維持させるのが予想以上に難しく、特に低学年は顕著で、大人数で指導するには事前の対策や経験が必要だと感じた。90分もパソコンを座学で続けるのは難しく、体を動かす指導方法や児童が興味を持ちやすい教材の工夫をすべきであると感じた。
  • ずっと解けずに悩んでいたところがようやくわかったときは、声をあげて喜んでいたのが印象的であった。
  • まずは自力でプログラミングさせること、次に間違ったところ、改良できるところを発見させること、に取り組んだ。教材は星の数で評価する機能があるので、その結果をふまえてアドバイスした。
  • プログラミングを通じて、論理的な思考の組み立て、仮説検証の思考方法を着実に身につけていると感じた。
  • メインメンターが発案して作成した各児童が「Help」「Leave me alone」のカードを机上に置いたことで、児童が質問しやすい雰囲気が醸成されていた。
  • 多くの生徒は、だんだん難しくなるチャレンジをクリアした時の達成感に喜びを感じていたと思う。
  • 大人が思っている以上に生徒の思考力は高く、的確なヒントを与えると簡単にクリアしていた。
  • 途中で諦めてしまっていた生徒に対して、一緒になって問題を解いてあげたら、クリアした時に笑顔になりとても喜び、次の問題に積極的に取り組んでいた。
  • 1,2年生はまだPC操作そのものに不慣れな子が多く、プログラミング以前で困っていて四苦八苦したが、それも何度か触っているうちに慣れてきて、プログラミングを楽しんで取り組んでいく様子がみられた。
  • コードモンキーは命令アイコンやオブジェクトをクリックすることでもプログラミングできるようになっているので、ストレスなくプログラミングに取り組めるカリキュラムがよかったと思う。子供たちは「プログラミングはゲーム感覚で進めていけて楽しい」と思っているだろうと感じた。
  • 講座に入る前にキョロキョロしていて落ち着きのない子が、本当に集中して取り組む姿勢が見られたことは印象的だった。モンタやカメが自分の指示で動いているのがたのしく、ほぼ一時間半ずっとPCから離れず操作していた。
  • 低学年はPCではなくアナログ(体を動かしたり黒板に書いたり)の方が理解がよい。高学年はコードモンキーのヒントだけで進めていた。
  • 直接コードを書かず、使うコードをアイコンカードにして視覚的に並べて、それをみながらコーディングしていったらスムーズにクリアさせることができた。
  • 難しいなと感じたら紙面に書く、そうしなくてもできるところはPCで挑戦という進め方をしたら、自分の考え方を整理して挑戦していってくれたことがとてもよかった。
  • 2回目と4回目のメンターをやったが、PC操作が苦手だった子が、苦手ということばが当てはまらないくらい操作がスムーズに出きるようになっていた。理解度も確実に上がっていたが、難しくなってきて集中力が続く時間が短くなってきていた。
  • 一言ヒントをいっただけで「わかった!」といってクリアした姿がとても印象的だった。言葉を瞬時に理解してカタチにする子供の力は優れていると感じた。
  • 解答を教えるのではなく、まず実行させてみて、どこが間違っているか一緒に考えるようにした。
  • つまらないと言いながら5回出席してくれた子、途中休まなければもっと進んでいたのにと残念がる子、教えることはできなくてもお友達の進み具合を心配してみにくる子など、微笑ましい様子を見て嬉しくなった。
  • 一緒に考えたあとにクリアするととても喜ぶ子供が多かった。中には自分が出したアドバイス以上のことをできる児童がいた。
  • 星三つで進んでいても、ゼロからコードを書くアセスメントチャレンジではつまずく子も目にした。
  • プログラミングの理解の早い生徒は、自分でどんどん進める環境と挑戦しがいのある課題があれば、大人を超えて行くのだと感じた。
  • 5回目では低学年は集中がなくなってきている、高学年は逆に集中しているように感じた。
  • 最終日、ライセンスカードはいらない、と置いていこうとした子がいた。「じゃあ、お家の人に渡して」といっても「家で捨てる」と。でもあとから、その子を知っている人から「反対のことを言っている」と聞いて安心した。
  • 同じ進度の子を隣に配置すると、飛び抜けてステージが違うことはないので、劣等感を感じる場面が少ない。さらに隣の子が同じようなコードや間違いをしていることを知る機会ができて、妙な焦燥感なく、ある安心感を持って進められ、メンターも効率よく教えられた。
  • 初回は時間を持て余している印象だったが、回が進むにつれて、遊ぶ暇もなく、各ステージを自分のちからで乗り越えようと頑張っていた。
  • 自分が3回見た1年生がチャンピオンシップにでたい!と手を挙げた。とてもそのレベルではないが、そんな意欲を見せたことは、今回のチャレンジをこの子が楽しんだ証しなのかと感じる。
  • コードモンキーは小学1年生でもある程度できるので、プログラミングのとっかかりとして良いと思う。

5.2 課題・改善

5.2.1 実証校・教育委員会他との連携体制の構築

放課後こども教室という枠で教育委員会・生涯学習課の責任の下で実施したため、小学校のPCルームを活用し、全校生を対象に募集して実施できた。しかし、児童の募集、抽選、学校側との調整、当日の児童引き受けから保護者への引き渡しの対応など、教育委員会の対応負担が極めて大きく、他校へ展開するのは容易ではない。地域人材や民間団体・企業との連携を深め教育委員会の負担を軽減し横展開に繋げる必要がある。
今回育った市民メンターが学校のPCルームをつかって子供たちにプログラミングをボランティアで教えたい、と申し出ても制約条件が多くあって実質的に不可能なのが現実である。さらに、「プログラミング教育」以前に、市民がボランティアとして講師をするときの、児童の管理をどうするかが大きな課題となる。

5.2.2 メンター育成

特別ライセンスの配布、メンター募集について、可能なかぎり広く周知するように努めたが、時間的・リソース的制約などもあり、「知らなかった」という声も多く聞こえてきている。今後は前もって計画し、市の広報誌などへの掲載を実現すると共に、今回の取り組みを広く紹介していくことで、市民メンターによる「プログラミング教室」自体を広めていきたい。
今回の育成講座では、体系立った教え方やクラス運営方法などを一切指導せず、参考情報を提供するだけで、メンターの自主性に任せてきた。今回初めての試みであったが、結果としてうまく終わることができた。今後、同様のことを実施しながら知見とノウハウを蓄積して、体系だった育成方法の構築を検討したい。

<メンターの声>

  • プログラミング教育を実りあるものにするは、コーディングを練習するのではなく、「どうやるか?」を考える力をつける指導をすることが必要だと思う。
  • プログラミング教育はコーディングの練習、暗記をさせるのではなく、自分たちで考えてどうやったらうまく行くか計画をたてて実行してみることを教える場であるべきだと思う。そのためには教える側のスキルアップが重要になってくると思う。
  • 先生やメンターの教育を充実させて、なるべく多くのスキル高い人材を確保することが大切だと思う。多くのモデルケースの現場を見学したり先生に話を聞いたりする機会を設けるべき。
  • メンター間の意見交換、各回の引き継ぎ・伝達をより密に行い、指導について認識を共通化することをより高める環境づくりができればさらいよい。
  • 子供たちがつまずきやすいポイントをメンター同士で協議する場があればよかった。メンターの中には指導経験がなく不安になっている人が多かったので、指導経験豊富なメンターからの体験談といった場があれば、もっとメンターが主体的に取り組めると感じた。
    教材の一部を選定して事前にメンターのみによる模擬講座を行い、指導の方法や用語を検討しておくのがよい。
  • 自分がメンターをする前に、見学を事前にして子供たちの様子を知っておけば、実際に進める時に参考になるので、そういう機会をもっと欲しかった。
  • 教える方法を先に教えて置いて欲しかった。
  • 今は試行錯誤な状況なので、同じように少しずつ改善を続けていけば良いと思う。学年によって大きく違っているので、授業で学んだ知識をふまえて考えていったほうが良いと思う。現場の先生の意見を取り入れながらの改善が近道と思う。
  • 毎回進め方が異なり戸惑いが多かった。メンターの技量も異なるので、事前にロールプレイングでの体験も必要だと思う。
    カリキュラムガイドに沿っての指導であればコードモンキーはベストだと思うが、各自のペースでとなると無理があるように感じた。
  • ロールプレイを通してトライ&エラーの対処方法などを事前準備しておくことなども必要だと思う。メンターの技量も異なるので対処方法のマニュアル化もある程度必要ではないか。
  • カリキュラムガイドのカタカナ語の意味がわからず、調べて確認することが何度かあった。
  • とよプロはとてもよい取り組みだけど、友人は知らなかったので、多くの人に知らせることが必要だと思う。自分は新聞で知った。
  • 初めてのメンターだったので、伝道者としてより体験者になってしまい、コードモンキーの面白さが十分に伝え切れなかったと思う。次回また機会があればぜひメンターとして参加したい。
  • 主婦やリタイアされた方などの有志がメインであったと思うが、講座の曜日が固定されていなければもっと参加者が増えたかもしれないと思う。
5.2.3 講座内容

「放課後こども教室」の目的にもよるが、プログラミング教室としては、通常の授業と同じように、ある程度の学年をまとめないとうまく運営できない、と感じるメンターが多かった。
今回は、メインメンターとメンターでプログラミング教室をうまくまとめてくれたが、今後の教室の拡大を考慮すると、ある程度の学年別が望ましい。さらに、毎回講座実施の度に得る教室運営ノウハウをいかに共有し、また体系化して多数の講座運営を効果的に進めるか、を具体的に考えていく必要がある

<メンターの声>

  • 今回の教室は、大人数かつ1~6年が入り混じっていたため、考える力をつける指導は正直できなかった。
  • 6学年を一緒に進めるのは、かなりのテクニックが必要。次回は低学年・中学年・高学年に分けて進めた方が生徒たちの興味を均一にたかめることができると思う。
  • カリキュラムガイドに沿ってやるつもりだったがうまくいかなかった。ガイドはとってもいい内容だったので、これに沿った教室をやってみる機会があればやってみたい。
  • 低学年の生徒は内容が難しくなると集中力が切れて、こちらの助言を聞いてくれなくなった。教室の時間も90分と長く、最後の方は別のことをして遊んでしまった。
  • 高学年は聞きたいところがあっても、メンターの数が足りず、なかなか質問しづらいようであった。
  • 少人数で学年もある程度揃ってクラス分けすれば、その生徒たちの能力に合わせた指導ができると思う。
  • 高学年は、その日に学ぶ命令を説明した後、グループに分かれて作戦タイムを設け、計画を立ててからプログラミングで実行してみると言う授業形式で指導できれば、もっと力がつくと思った。低学年はPCに向かう前にロールプレイなどを通してゆっくり指導ができると良いと思った。
  • 低学年は自身の進捗の遅れを機にするあまり、答えだけを求めてしまう場合があり、その後チャレンジの難易度が高くなって行くことを考えると、理解という意味においてアフターフォローの必要性を感じる。
  • プログラムの考え方を理解するには、コードの一行ずつのステップバイステップの実行機能があるととても良い。
  • 無理に先に進めさせないで、飽きたら出来ない子の操作、友達の操作を一緒に楽しんで気分転換させるのも大切だと思った。
  • 参加児童が全学年にわたっているので、アドバイスのレベルをプログラミング以前の知識の有無などから確認する必要があった。負の数、角度などの基礎知識や、これまでの習熟度に基づく、参加児童のグループ分けを検討してはどうか。
  • 大勢の生徒を同時に持って、生徒それぞれの理解度を瞬時に判断するのは難しい。
  • 理解度の差が大きすぎるので、学年は揃えて開催した方がよいと思った。
  • 低学年の子供たちは、時折、今日のポイントとなる項目を一斉に意識させる時間が必要だと思います。
  • その日ごとに学ぶポイントの理解がまだ浅いように感じる。その回のポイントをもっと強調して意識させることが必要と感じた。前回のポイントも頭から抜けているので、少し復習をする時間を持つと良い。
  • 小学1~6年生を同じレッスンから一斉にスタートするのは無理があると思う。年齢によって少しずつ進めていき、進度によってクラスを分けてポイントを抑えていく。高学年になったら、あるいはある程度のレベルになったら自分のペースで進めて行くなどの方法で、あきることなくプログラミングを見につけて行けるのではないかと思う。
  • 低学年は進み方をスローにして、同じような使い方をなんども繰り返してゆっくり進む方が良いと思う。
  • 子供の考え方の方が合理的と思うこともあり、コードモンキーの星の数だけで判定されてしまうのは少し悲しいと感じた。
  • 放課後教室なので「楽しく」子供たちがつまずかないように、と進めていたが現時点ではそうするしか仕方がない。
  • 何人も同時に質問してくるのでメンターの数が全然たりない。講座時間が長かったためか、最後には集中力が切れてしまう児童がいた。
  • プログラミング教育はコーディングを教えることではないので、いくつまで進んだではなく、楽しく参加できたが大切ではないかと思う。
  • プログラミングは問題解決能力や創造的思考力などを育むことではないかと考えると、星の数に関係なく、モンタが池に落ちたり、おかしな動かし方を楽しんだりしてもいいのかなと思う。
  • 講座の時間が空くと、その間に前回のことを忘れてしまっている場合がある。 子供たちはなるべく先に進みたい傾向が強いので、忘れたことまで戻るということはなかなかしないようである。
  • わからなくなった状態で放置されたままになると、やる気が失せてしまうため、低学年はメンター1名に児童2名程度で対応できるとよい。
  • パソコンが自宅にない生徒には、気軽に操作できる環境を整える必要性を感じた。
  • 低学年にとって90分は長い。集中が続く何らかの工夫が必要である。
  • みんなで同じ内容を学ぶやり方の時は教え合う姿があったように思うが、自分でどんどん進めて行くやり方の時は、教え合う姿をあまり見かけなかったと思う。どんなやりかたが良いのか、難しい。
  • 大人メンターをゼロにして、子供たちをグループに分けて到達ステージ数を競わせるなど、子供たち主導の時間を作った方がよいのかと思う。
  • 自分のペースでプログラミング学習をすすめることはできるが、操作確認などの一斉授業では協調できない子がクラスに数名必ずいるので、学校の授業として導入した場合、担任との摩擦が必ず起きるだろう。
  • やりたいことはわかるけど、そのためにどうするかがわからない、というところでつまずいているように感じる。結局、プログラミングの技術だけでなく、国語の読解、作文の能力も必要だと感じた。
  • どうしても先に進むことに執着してしまう子がいて、理解することの方が大切であることをうまく伝えるのが難しかった。
  • 書いてあるコードとやりたいことの隙間を埋めることに心がける必要があった。
  • すぐにわからない、と質問する子供に対して、どのように考え、興味を引き出して行くのか、補助教材をうまくつかってイメージをひろげていけるようにして、成功体験を積み重ねて興味や集中を持続させていきたい。

6. 実証モデルの普及に向けて

6.1 モデルの横展開の可能性

6.1.1 メンター育成

コードモンキーは、コンピュータサイエンスの経験や予備知識がなくても、誰でもが子どもたちにコンピュータサイエンスの基礎知識を学べるように指導できること、また指導者も子どもたちと一緒に学べることを目指して開発されている。したがってメンターに必要な資質は、プログラミングに係る技術的な経験や知識ではなく、自分自身がまずコードモンキーを使用すること、そしてその実体験に基づいて、子どもたちにコードモンキーを使用して学んでほしいという情熱を持つことである。
今回の実証では、多くの一般市民がコードモンキーをまず自分で触って体験してみてプログラミングを体感し、これなら教えられそう・教えることで地域の役に立ちたい、というメンターが多数出てくることを、豊橋市では実証することができた。800名以上が体験に応募し、30名近くがメンター候補として名乗り出たこと、そこに豊橋市特質の要件があったとは思えない。したがって、同様のアプローチは国内のどの地域でも適応可能なはずである。豊橋での経験を生かし、より綿密に準備し広報を徹底すれば、さらに多くの市民が応募することは間違いない。
豊橋市の特別ライセンス応募者の大多数が「プログラミングを学ぶ機会が欲しかった」ということを応募の理由に挙げている。メンターの多くは自分の子供の将来に対して何をしてあげられるか、また地域のために役に立ちたい、との熱意が背中を押している。この親の思いは日本中同じ、特にプログラミング教室が首都圏に集中していることから、地方都市ではそのニーズがより高い。特段の設備とコンピュータサイエンスの知識を有する人がいなくても、市民が自発的に学び合い教えあうことができる本モデルは、特にこのような地方都市に望まれているものかもしれない。

6.1.2 講座の構成、教材

現行のコードモンキーの課題解決型教材と、詳細な指導案を教師用にガイドするカリキュラムガイドを適用した大規模な実証を日本国内で行うのは、今回が初めてである。その結果から、海外で開発されたこれらの教材が日本でも有効であることを示せた。また、今回のメンターたちが子供たちに教えながら、創意工夫をして作成した補助教材や、カリキュラムガイドを参考にしながら子供たちにとって良いと発案して実践した方法など、日本ならではのきめ細やかな改善が、教育のプロではない市民から次々と出てきた。これらを共有し、整理体系化して、同じ悩みや苦労をしているグループに展開できるようにすることで、展開の広さと速度を高めることができると考える。
現在の課題解決型教材が不向きな点として、ゲームなどの作成を通した創造性の喚起があげられるが、これにおいては、日本への展開を最近開始した、コードモンキーの継続的教材「ゲームビルダー」を通して達成できると考えている。
また、小学校の教科の中にプログラミングを取り入れる、という方針に関しては、今後日本で展開を予定している「コードモンキーの小学生向けの算数コース」であれば、小学2年生からの教科学習でプログラミングを取り入れることが可能と考える。
算数コースは、「距離」(加算・減算・測定の組合せ)、「角度」(分度器の使用)、「掛け算」 から構成され、ドードー(鳥)の向きや歩く距離を正確に操作して、卵を取ることを通じて、これらの理解を深めて学べるように工夫されている。この教育プラットフォームを活用して日本の学校現場のニーズに合わせた教材開発を行っていくことも検討する。それにより、学校教育への具体的な展開の可能性が開かれるものと考える。

コードモンキー 小学生向け 算数コース

  • コードモンキー 小学生向け 算数コース 画面イメージ
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  • コードモンキー 小学生向け 算数コース 画面イメージ
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6.2 普及のための活動

市民総メンターによるプログラミング教育の推進」を掲げ、コードモンキーを用いてそのモデルの有効性を実証した、豊橋市・豊橋市教育委員会およびジャパントゥエンティワン株式会社の今後の重要な役割は、まず、プログラミング教育に対して豊橋市の行政および市民に芽生えた関心と情熱の灯火を絶やさないことである。今回認識した課題に対する対応策、成果の確認できた内容についてはそれの更なる発展と新たなチャレンジ、そして本実証モデルに関心を寄せる他の自治体や教育委員会・学校・企業・個人などへ広げていく活動を進めて行きたい。
豊橋市・豊橋市教育委員会としては、育成した市民メンターと今回の経験を活用して、2018年度から新たに開校する「トヨッキースクール」の実施校へも、プログラミング教室を教育過程外の活動として展開していくことを検討している。今回の特別ライセンス募集の際に、市内の小学校のコンピュータークラブに所属する児童が応募してライセンスを取得し、課外活動でそれを使用するというケースもあった。これはコードモンキーを知った父兄が、クラブ担任に掛け合って実現したものである。また、今回のメンターの何名かは、実証事業期間中および終了後にも、コワーキングスペースなどを利用して、コードモンキー教室を自主的に開催している。このよう自律的に育ちつつあるメンターがアンバサダーとなって、豊橋市内や他地域へ同様の活動の輪が広がることに期待する。
ジャパン・トゥエンティワン株式会社としては、上記活動に対する技術的・ビジネス的な支援とともに、CodeMonkey Studios社と密接に連携して日本への普及に必要な活動や新しい教材の導入、グローバル社会のプログラミング教育の動向情報の入手と情報発信などを推進する。また、コードモンキーを用いたプログラミング教育に賛同して全国各地で行われている個々の活動を、点から線・面へと広げる支援が重要と認識している。
今回は、実証校の施設(PC教室:ノートブックPCと無線Wi-Fi環境)を利用出来たため、ICT環境への大きな課題はなかった。その利用が可能であったのは、教育委員会の生涯学習課が主管となって、参加する児童・市民メンターへの対応並びに設備の使用に対する責任を担って実施して来たためである。しかし、市民メンターが自主的に開催しようとして、プログラミング教室やイベントに学校のPCの教室借用を願い出ても、万が一の問題発生に対する過敏な責任回避や、学校教員の立会が必須であるが時間外勤務を命じることが出来ない、との理由で門前払いされてしまう。また、今後トヨッキースクールスクールでのプログラミング教室の実施校を増やす上でも、教育委員会・生涯学習課の職員への負担が過多になり人員も少ないため、多くの学校に展開することが困難なのが現実である。このような状況では折角整備された設備も使われないまま空き状態となり、情熱持つ市民や団体のプログラミング教育推進の足かせとなる。最大限に有効活用できるための運用ルールや権限と責任の移譲、人的リソースの手配、保険等のセーフティネットの準備などが必須である。
コードモンキーは、ブラウザーとインターネットさえあれば自宅でもいつでもどこでも学習できる。今回も自宅にその環境があるために思いっきり学習出来た児童や市民が多数いた一方で、その環境が無いために学びたくても学べない不平等も生じている。それを補うために、毎月最終土曜日に実証校区内の豊橋市大清水まなび交流館「ミナクル」にて、自宅に環境がなくても学べる「コードモンキー広場」を開催した。ミナクルは新しい施設であるため無料の無線LANが設置され、また豊橋市や豊橋技術科学大学の有する貸出可能なタブレット端末やノートブックPCの使用が可能であった。しかしながら、同様の活動を市内広域に広めようとすると、市民が自由に利用可能な無線LAN環境の整備された公共施設は稀有であり、また借用可能なPCの数も極めて少ない。これらの環境整備も急ぐ必要がある。
今回は、1,000人への特別ライセンス費用をジャパン・トゥエンティワン株式会社が負担し、市民へは無償で提供した。無料だったからやってみた、と言う意見も多く聞いており、今後コードモンキーを使用したプログラミング教育を推進する上で、ライセンス費用の負担が普及の障壁となる可能性がある。それをクリアするための方策として、今回同様に使用できるチャレンジの数を制限するなどした特別ライセンスとして価格を低減し、教材費として参加者が自己負担できる金額とすることで対応が可能と考えている。講座や授業で利用後も一定期間使用可能として、興味を持ち意欲の高い児童や生徒・親がプログラミング教育を自発的に継続可能とすることで、プログラミングスキルの更なる向上が期待されると共に、ライセンス価格を支払うインセンティブが生じる。なお、自宅でPCやネット環境がない児童への配慮も必要となるとであろう。また、プログラミング教育を推進したい有志や団体と、それをサポートする企業・個人をクラウドファンドでつないで経済的支援するモデルも一案として検討している。
実証事業の締めくくりとして実施した、世界初の豊橋の小学生とイスラエルの小学生がネット生中継で対戦するチャンピオンシップは、豊橋市長・教育長・CodeMonkey Studios社CEOを招き、市民100名以上が観戦して大いに盛り上がった。チーム戦ではイスラエルが1~3位を独占するも、個人戦であったなら日本の小学4年生チームがトップであったこと、この体験を通じて参加した豊橋の小学生がもっと高度なプログラミングを勉強したいと意欲を高めるなど、日本の若者たちの将来は明るいと期待を持てるイベントとなった。このようなイベントも各地に広めていくことで、日本全体のプログラミング教育の推進を応援することも考えたい。
プログラミング教育に関して、豊橋市教育委員会では課程外の教育を意識した本事業とは別に、「プログラミング教育の推進」を予算化して、小学校・中学校、各1校を研究校に選び、プログラミング教育の実践研究を実施している。これは、教育委員会の学校教育課が主管となり、2020年から授業でプログラミングを行うために、各種のプログラミング学習教材を選び、発達段階に即した授業づくり、教科指導における教材の効果的な活用方法、教員の指導方法などの実践研究を行っているものである。本事業で用いたコードモンキーも対象教材の一つとして、教員が5-6年生のクラスの授業として、カリキュラムガイドも参考に、生徒たちにあった指導方法を開発して実践している。今後、教育委員会の生涯学習課で行った、さまざまな経歴や人生経験をいかした意欲的な市民メンターの育成と、放課後こども教室のトヨッキースクールで得た知見、学校教育課で教員が授業としての指導方法の実践研究で得る知見と今後授業を本格実施する上で生ずる材不足、これらが相互補完して相乗効果でプログラミング教育が促進されるというのは、新しいモデルとしての発展系であると考える。それに向けた課題の確認と実施できる体制作りが急務であると考える。

(報告書作成責任者: ジャパン・トゥエンティワン顧問/豊橋技術科学大学教授 高嶋孝明)

7.参考添付資料

メンター育成で使用した資料・プリント

実証講座で使用した教材・プリント

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