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全ての地域で実施可能な、現実的且つ効果的な
プログラミング教育の実証モデル

株式会社CA Tech Kids

H28年度第2次補正予算にて実証実施

1.モデルの概要

1.1 モデルの全体概要

【実証モデル実施の背景と社会的な課題】
・プログラミング教育における都市部と地方の間での学習機会格差が広がっていることが課題として挙げられる
・必修化に際して、教育現場での講師人材の不足が課題だが、地方都市や、とりわけ過疎地域においては人材確保が困難
・さらに、プログラミング教育に用いる機材の購入や環境の整備は、地方自治体の財政にも負担がかかる

【実証モデルの目的・目指していること】
上記の背景と社会的な課題を踏まえ、都市部に限らず、地方、とりわけ島嶼部や中山間地域など地理的制約の大きな地域においても実施可能な現実的・普遍的且つ教育効果の高いプログラミング教育のモデルケースを構築することを目的とした取組を行う。
2020年プログラミング教育必修化を見据え、プログラミング教育に関する社会的関心を広く喚起するほか、関係者や他の自治体などに素早く情報提供を行い、本実証を基にした取り組みを各地に広げることを目指す。

1.事業概要

事業者名 株式会社CA Tech Kids

1.2 実施体制

1.2.1 体制図

体制図

1.2.2 実証校、教育委員会、他外部団体との連携について

【徳之島町での実践】
・町として連携団体となったこと、高岡町長の方針があったことが大きく起因するが、徳之島町地域おこし協力隊の丸山氏が役場の人間であったため、連携や調整は非常にスピーディであった。
・会場付近の小学校には頻繁に足を運び、校長先生や、教員の方々の理解を深め、協力を仰いでいた

<連携シーンと内容>
■メンター募集:
・町の教育委員会、企画課と連携
・募集チラシの内容、告知方法について協議
・企画課経由での徳之島町HPでの案内や、教育委員会経由で小学校各校の保護者に向けて案内チラシを配布
(案内チラシについては2-2メンター募集にて後述)
■メンター研修:
・町の教育委員会と連携
・メンター研修の内の実践研修の実証校・参加生徒について協議
・育成したメンターが小学校の生徒に向けて実施するプログラミング授業(実践研修)を2校で実施したほか、自学自習の定着による学力向上を目的とした「学士村塾」の1コマを使って授業を行った。
■講座参加者募集:
・町の教育委員会、近隣小学校と連携
・募集チラシの内容、告知方法について協議
・教育委員会経由で、徳之島町の小学生(3年生〜6年生)361人を対象に案内チラシを配布したほか、近隣小学校の、ある先生が案内チラシに加筆し、再度生徒に配布を行い応募を後押しした。

受講児童募集チラシ

■講座本番:
・近隣小学校と連携
・初回講座に参加できない子どもに向けて補講を実施する体制と日程を調整
・参加申込書に初回に参加できない旨が書かれていたので補講日を設け、対象の参加者に補講を実施。結果的に初回授業が受講できずに参加を諦めていた参加者を取り込むことができた

【遠野での実践】
・一般社団法人が主体者であったため、徳之島と比べると各所との連携や調整に時間がかかってしまっていた。
・遠野みらい創りカレッジのフロントである岸田氏から、最寄りの土淵小学校校長と密に連携したほか、教育委員会、遠野市教育文化振興財団と連携していた。
<連携シーンと内容>
■メンター募集:
・遠野市教育文化振興財団、遠野市広報誌、遠野土淵地区広報
・財団とメンター研修に参加可能で意欲ある職員の紹介。広報誌、地区広報は案内情報の掲載を依頼
・財団より1名研修参加希望者を確保、遠野市広報紙及び、土淵地区広報にそれぞれ案内情報を掲載
■メンター研修:
・遠野市教育文化振興財団、近隣小学校と連携
・財団からは研修で使用するPCの貸与を依頼。近隣小学校には体験授業(実践研修)の参加者募集の案内を依頼
・財団には、研修だけでなく講座本番もPCの貸与が決定。また、体験授業(実践研修)に参加した近隣小学校の生徒の反応が非常に良かったため、プログラミング講座の募集範囲を1校から4校に拡大する方針に。

■講座参加者募集:
・教育委員会、近隣小学校と連携
・参加募集の案内チラシの配布
・講座の募集範囲を、土淵小学校だけでなく遠野小、遠野北小、上郷小を合わせた4校に拡大
教育委員会の全面的な協力を得ることが難しかったため、各小学校の校長と直接交渉を進めたため時間がかかり、十分な募集期間がとれず参加募集が難航した。

■講座本番:
・近隣小学校と連携
・参加希望者の予定に合わせた補講日の設定
・会場が小学校ではなかったことと、参加者がそれほど多くなかったため、参加者が欠席するコマを補講するために柔軟に補講日を設定しフォローした。

1.3 実施スケジュール

全体スケジュール

2.メンターの育成

2.1 育成メンター概要

【徳之島】
計8名をメンターとして選出
<メンターの属性>
・地域住民4名(小学生の子を持つ主婦、地元のITエンジニア)
・町役場職員3名(地域おこし協力隊、学校教育課 教育課長)
・小学校教諭、教育関係者1名

島嶼部であるがゆえに、人口が少ないため積極的な応募が見込めないのではという懸念があった。
募集方法としては、メンター募集とプログラミング講座の事前案内をセットにしたチラシを教育委員会経由で学校から、生徒・保護者に配布し広く公募した。

【遠野】
計4名をメンターとして選出
<メンターの属性>
・地域住民1名
・遠野みらい創りカレッジ職員2名
・遠野市教育文化振興財団1名

広報誌の募集記事掲載や、学校経由のチラシ配布を開始後、応募がほとんどこなかったために関係各所から直接採用する形に募集の方針を変更した。

2.2 メンターの募集

チラシや案内については各地域の主体団体が作成した

【徳之島】
・募集方法:教育委員会経由で小学生のお子さんがいる各家庭に配布したほか、徳之島町役場から募った
・メンター募集チラシ

  • 徳之島町のメンター募集チラシ
  • 徳之島町のメンター募集チラシ

【遠野】
・募集方法:学校経由で保護者に配布したほか、関係外部団体から直接、紹介の形で採用。遠野の広報誌に掲載
・メンター募集チラシ

遠野市のメンター募集チラシ

・広報誌

遠野市の広報誌でのメンター募集

2.3 育成研修

2.3.1 研修プログラム概要

■実施形態
事業主体であるCA Tech Kidsの社員が講師となって、参加メンターに下記のような流れで研修を実施した。

研修プログラム概要

研修の目的やそれぞれの進め方は下記のとおりである。

◎座学研修
1)技術研修
プログラミング学習ソフト「Scratch」を活用し、講座の実施に必要な技術的な知識の理解および習得を図る。
プログラミング講座で扱うプログラミングの知識「繰り返し」、「条件分岐」、「座標」、「乱数」、「変数」などを深く理解し、自ら知識を想起して扱えるような状態になることを目標とした。
進め方としては、CA Tech Kidsの社員が講師となって、一対多の講義スタイルで生徒が学ぶ内容を踏まえて講義を行った。
2)指導研修
子どもに対して一方的に「教える」のではなく、指導者と受講者の相互のやり取りの中で理解を深めさせる指導方法について、理解および習得を図る。
進め方としては、メンター2名でペアとなって指導者役と受講者役(子ども)に分かれて様々なシチュエーションを想定したケーススタディを実施
3)コミュニケーション研修
子どもとの基本的な接し方(立ち方や態度等)、距離感を排除する方法、励まし方、楽しさを引き出す方法等について、理解および習得を図る。
進め方としては、前述した指導研修と同様。

◎実践研修
座学研修で習得したプログラミングの知識や、子どもたちへの接し方等の実践を目的とし、子どもたちを集めて90分程度のプログラミング授業を実施する。
進め方としては、研修を受けたメンターが講師となって授業を行い、それを研修講師(CA Tech Kids社員)がサポートする。
講師となったメンター以外は、受講する生徒たちのつまずいたところや分からないところを適宜サポートする。

■研修の具体的な内容と詳細

         ◎実践研修
技術研修では、CA Tech Kids社員が講師となって、受講者であるメンターに対し、一対多の講義形式で授業を行った。基礎的なプログラミングの概念を学ぶ講義と共に、受講者であるメンター自身で約20個のゲームを開発しながらプログラミングの考え方や、様々な知識の使い方・組み合わせ方を学習。また、「繰り返し」、「条件分岐」、「座標」、「乱数」といったプログラミングに用いる初歩的な概念が、実際に社会の中でどのように用いられているかを学習し、より深く理解するための研修を行った。その他には、子どもが陥りやすいエラーや、バグなどを解決するデバッグも行った。
技術研修後半では、学んだ知識をもとにオリジナル作品を構想、設計して開発した。開発途中、主婦メンターの方の分からないところに対して、エンジニア経験のあるメンターがサポートして疑問を解消するといった場面も見られた。メンターの中には子どものいる方や、教職員など普段から子どもと接する機会が豊富な方が多く、作品の随所に子どもがプレイしやすい工夫を意識してオリジナル開発に取り組んでいた。

  • 研修教材とスクラッチ画面
  • 研修教材とスクラッチ画面

指導研修及びコミュニケーション研修では、CA Tech Kidsがフランチャイズ形式の教室を展開する際に行っている「認定講師」の育成研修と同様のものを実施。講座の講師として子どもと接するうえでの注意点や指導の仕方を学ぶ研修を行った。子どもとの基本的な接し方、距離感を排除する方法、励まし方、楽しさを引き出す方法等のコミュニケーションについて学んだ他、子どもに対して一方的に「教える」のではなく、指導者と受講者の相互のやり取りの中で理解を深めさせる指導方法を学んだ。
メンター2名でペアになり、それぞれが指導者役・受講者(子ども)役に分かれ、「生徒の集中力が続かないとき」、「生徒が作品を完成させて喜んでいるとき」など、様々なシチュエーションを想定したケーススタディを行いました。最初は役になりきることに少し恥ずかしさを感じている様子だったが、恥ずかしさが見え隠れしながらも、子どもってこんなことを考えているか?、どういう言葉をかければ上手く伝わるだろうか?とお互いを探りながら進んだ。
研修を受けたメンターからは、「子どもの気持ちになって考えるのが難しい」といった感想や、「分かりやすく伝えるには咀嚼した言葉を使わないといけない」といった声が多く聞かれたほか、「子ども自ら主体的に取り組ませるためにはどうすればよいか」という観点から、受講者同士の積極的な議論が交わされていた。

  • 研修教材と育成研修の様子
  • 研修教材と育成研修の様子
  • 研修教材と育成研修の様子
  • 研修教材と育成研修の様子

◎実践研修
座学研修終了後、子どもたちを集めて、2時間のプログラミング体験授業を実施する。メンター研修生が講師を務め、研修講師(CA Tech Kids社員)がこれをサポートする。
研修中のメンターが実際に講師を務める形で、これまでの研修で学んだことをもとに、特に授業時間と生徒のつまずきを意識して展開すること、生徒の前に立って分かりやすい言葉でハキハキと伝えること等を心がけながら、60分間の授業を行った。
初回は研修講師が手本となる授業を実施し、その後は受講者がメインの講師となって授業をした。本事業担当者の徳之島町担当者の丸山氏が講師として教壇に立った授業では、「自分が説明したことを子どもたちが実践してみて、プログラムが動くたびに沸く歓声に授業のやりがいを感じた。一方で事前にもっと授業のシミュレーションをしておくべきだったと反省点も残った」と感想を残している。

  • 実践研修の様子
  • 実践研修の様子

実践研修においては、授業前に、メインで授業を行うメンター(メンターリーダー)と、受講する生徒をサポートするメンター(サブメンター)でそれぞれ授業の流れ、気を付けること、伝え方などを踏まえたシミュレーションを実施し、授業終了後は、事前のシミュレーション通りに授業を実施できたか、新たに気が付いたポイントは何かなどを振り返り、互いにシェアすることで、次回授業に向けた改善を行った。

  • 実践研修後の振り返り(左)とサブメンターの指導の様子(右)
  • 実践研修後の振り返り(左)とサブメンターの指導の様子(右)


■研修にかけた時間
計28時間+自宅学習
座学研修:16時間
実践研修:12時間

■習熟具合をはかる仕組み・工夫
技術研修定着の仕組みや工夫は下記の通りである。
・研修の合間に復習時間を設け、課題に取り組ませて知識や技術の習熟度をはかる。
・技術研修の最後に、学んだ知識を使ったオリジナル作品の開発に取り組む。
・技術研修で用いた資料を参照するなどして自力で解決をはかり、解決できないところは講師が引き出すようにサポート。

コミュニケーション・指導研修定着の仕組みは下記の通りである。
・講義だけではなく、ケーススタディやグループワークを多用し、学んだことをすぐに実践。
・講師から直にフィードバックを受けた後に改善してまた実践を繰り返す。

実践研修の工夫は下記の通りである。
・実践研修においては、授業前に、メインで授業を行うメンター(メンターリーダー)と、受講する生徒をサポートするメンター(サブメンター)でそれぞれ授業の流れ、気を付けること、伝え方などを踏まえたシミュレーションを実施。
・授業終了後には、事前のシミュレーション通りに授業を実施できたか、新たに気が付いたポイントは何かなどを振り返り、互いにシェアすることで、次回授業に向けた改善を行った。

2.3.2 研修教材

<技術研修>

  • 技術研修教材
  • 技術研修教材

<コミュニケーション研修・指導力研修>

  • コミュニケーション研修・指導力研修教材
  • コミュニケーション研修・指導力研修教材
  • コミュニケーション研修・指導力研修教材
  • コミュニケーション研修・指導力研修教材

(工夫した点については、2-3-1にて前述)

3.実証講座の実施

3.1 講座の概要

■講座の実施日程、会場
【徳之島】
実施会場:町立コワーキングスペースみらい創りラボいのかわ
設備:PC機材20台程度、Wi-Fi完備

町立コワーキングスペースみらい創りラボいのかわ 室内

講座実施日程
1回目:7月22日(土)14:00-15:30
2回目:7月22日(土)16:00-17:30
3回目:7月23日(日)14:00-15:30
4回目:7月23日(日)16:00-17:30
5回目:7月29日(土)14:00-15:30
6回目:7月29日(土)16:00-17:30
7回目:7月30日(土)9:00-10:30
8回目:7月30日(土)11:00-12:30
9回目:7月30日(土)13:30-15:00
10回目:11月12日(日)14:00-15:30
※10回目は台風直撃のため、11月12日(日)に延期。3か月ほど期間が空いたため、11月11日(土)、12日(日)に思いだし授業と補講を実施

【遠野】
実施会場:遠野みらい創りカレッジ
設備:PC10台程度(不足分は別団体から貸与)Wi-Fi完備

遠野みらい創りカレッジ 室内

講座実施日程
1回目:10月6日(金)15:00-16:30,(補講:17:30-19:00)
2回目:10月7日(土)9:00-10:30
3回目:10月7日(土)10:45-12:15
4回目:10月14日(土)9:00-10:30
5回目:10月14日(土)10:45-12:15
6回目:10月15日(日)9:00-10:30
7回目:10月15日(日)10:45-12:15
8回目:10月27日(金)15:00-16:30,(補講:17:30-19:00)
9回目:10月28日(土)9:00-10:30
10回目:10月28日(土)10:45-12:15
※その他、生徒に合わせて個別に補講を実施するなど、スケジュールは柔軟に対応した

■講座の進め方
小学校の授業時のようなスタイルで、メイン講師1名を中心に授業を進めていく。またメイン講師以外に生徒数名につき1人の割合でサブ講師を配置し、生徒がわからないところや、つまずいたところを適宜サポートする。
・メイン講師:メンターリーダー(メンター研修を受け、講師として生徒に指導できる者)
・サブ講師:メンターリーダー以外の数名(メンター研修を受けた者)

■講座の狙いと内容
「Scratch」を用いた簡単な作品開発を通じ、プログラミングの基礎的な知識・概念を習得させるとともに、モノづくり思考(設計・計画・制作・評価)を経験し学習させる。特に講座前半では、子どもたちにとって最も身近なものである「ゲーム」を題材とすることで、抵抗感なく、楽しみながら具体的なプログラミングの知識・技術を学ぶことを狙いとする。

◎講座前半(学習パート:5回)
ゲーム開発を通じて、繰り返し、条件分岐、座標、乱数、変数、比較演算子を学習した。最初はごく簡単なゲーム(単純な動作を組み合わせたもの)からスタートし、回ごとに復習を重ね知識を定着させながら、徐々に難易度の高い内容に移行した。

◎講座後半(開発パート:5回)
講座の後半では、受講生徒自らの企画によりオリジナルクイズを開発してもらう。生徒一人ひとりが講師のサポートを受けながら作品開発に取り組む。開発するクイズのテーマは「地元の魅力を紹介するクイズを創ろう」とし、今後本講座を他自治体に展開する際も、「●●町の魅力を紹介するクイズを創ろう」という形で地域毎に特色のある成果物が創作されるよう企図したものである。
制作過程においては、まず制作するオリジナルクイズの内容や機能、どのようなプログラムが必要かを企画設計し、アイデアシートにまとめたのち、開発を行っていく。途中、他の受講生徒に制作したゲームを遊んでもらい、「良い点、面白い点」「こうしたらもっと良くなるという点」等について評価し、相互にフィードバックを行う回も設ける。

◎発表会
オリジナルクイズ完成後、全員がプレゼンテーションのためのスライドを作成し、発表会に向けた練習を行う。講座最終日には徳之島町長や職員・教員、父兄・地域住民を招待し、発表会を開催する。1人3分程度で自身の作品をプレゼンテーションする。

各回の学習内容

カリキュラム

<参加児童の選出と募集方法>
本書の「1.2.2 実証校、教育委員会、他外部団体との連携について」にて前述しているため割愛。

<参加児童の学年の分布>

参加児童の学年の分布

<講座進行担当の属性及び、各回の参加メンター数>

講座進行担当の属性及び、各回の参加メンター数


■使用した教材

  • 初回授業で開発したゲーム画面
  • 初回授業で開発したゲーム画面

初回授業で開発したゲーム。それぞれのキャラクターにどのような機能や動きが備わっているのかを分解し、整理して考える癖をつけさせている。

  • 復習時に開発したゲーム画面
  • 復習時に開発したゲーム画面

復習時に開発したゲーム。これまでに学んだ知識を用いて別の表現手段や動きを実現する。「なにが」、「どんなときに」、「どうする」を明確にすることで優先順位や計画を立てながら開発することができる。

  • ゲーム開発の企画書イメージ
  • ゲーム開発の企画書イメージ

「地元の魅力を発信するクイズをつくろう!」をテーマに、自分の作りたいオリジナルクイズを、図とそれぞれのキャラクターの動きを「アイデアシート」という企画書に記入して開発していく。アイデアシートの狙いとしては、作りたいゲームという理想から逆算して開発をするという点と、生徒がつまずいた際にこれを参照してサポートすることができる

3.2 実施の様子

<徳之島での様子>

  • 徳之島での講座の様子
  • 徳之島での講座の様子
  • 徳之島での講座の様子
  • 徳之島での講座の様子

<遠野での様子>

  • 遠野での講座の様子
  • 遠野での講座の様子
  • 遠野での講座の様子
  • 遠野での講座の様子

3.3 メディア掲載

<徳之島>
ICT教育ニュースにて、「徳之島プログラミングレポート」としてメンター研修レポートを掲載

メディア掲載記事(ICT教育ニュース 7月19日)

<遠野>
地元ケーブルテレビ「とおのテレビ」にて、放映

地元ケーブルテレビ「とおのテレビ」にて、放映

(※画像割愛)

3.4 参加者の声

3.4.1 児童・生徒の声

■プログラミングをやってみて面白かったところ、もっと続けてやってみたいと思ったところ
・スクラッチでもっとすごいものを作りたい!自分のゲームを作ってみたい
・アプリを作りたい、プログラミングで発明したい

■日々の生活や学校でプログラミングを使って工夫したいと思うこと
・学校の先生になりたいから、教えたり役立てたい
・町の蛍光灯を、朝や昼で変わるように光ってほしい

■プログラミングの講座を受けた結果、ゲームやアプリについての考え方の変化
・アプリやゲームはここから始まると知った
・ゲームの仕組みを考えるようになった

3.4.2 メンターの声

■研修を受講してよかった点
・これまでは、「技術力・指導力」についての観点はあったが、「モラル」、「統率力」の必要性ついて知ることができた
・児童が飽きずに集中を続けられるような工夫を知ることができた

■上手く指導できなかった点や、今後改善すべき点
・子どものITスキルのちがいや、発達段階を考慮したカリキュラムが必要
・時間配分がうまくいかずに、時間内に講座を終了させることができなかった

3.4.3 実証校の先生・保護者の声

3.2 児童・生徒の様子で気づいたこと、発見したことがございましたらお書きください。
・アプリやゲームはここから始まると知った
・ゲームはとっかかりにとてもよいと思った。
・はじめてのうちの子もゲームをつくるまでになっていたので感動しました。

5.2 2020年の小学校教育におけるプログラミング教育必修化に対する期待や疑問・懸念、指導カリキュラム等についてのご意見やご要望がございましたら自由にお書きください。
・子供の可能性が広がる良い機会になった。
・これからも継続できるように機会を作って欲しい

4.アンケート結果

4.1 児童・生徒

児童・生徒向けアンケート(Q1-8)あなたはこれまで、「プログラミング」という言葉を知っていましたか。またはこれまで「プログラミング」を体験したことがありますか?最も近いものをひとつ選んでください。、「プログラミング」を経験したことがあった32%、「プログラミング」を経験したことはないが、意味は知っていた4%、「プログラミング」という言葉を聞いたことはあるが、中身まではよく知らなかった6%、「プログラミング」という言葉を聞いたことがなかった10%、児童・生徒向けアンケート(Q2-1)「プログラミング講座」は楽しかったですか。最も近いものをひとつ選んでください。、プログラミングすることも、講座も楽しかった・・・92%84%、プログラミングすることはあまり楽しくなかったが、講座は楽しかった・・・0%4%、プログラミングすることは楽しかったが、講座はあまり楽しくなかった・・・8%8%、プログラミングすることはあまり楽しくなかったし、講座もあまり楽しくなかった・・・0%4%、児童・生徒向けアンケート(Q2-4)「プログラミング」の講座で利用した教材は簡単でしたか。最も近いものをひとつ教えてください。、簡単すぎた0%、簡単だった17%、ちょうどよかった37%、少し難しかった38%、とても難しかった8%

プログラミングについては、言葉は知っているが中身は知らない児童がほとんどだったが、実際に取り組んだ結果楽しく学べたという結果となった。


児童・生徒向けアンケート講座を体験したことによって、以下の内容について達成できたと思いますか。あてはまるものをそれぞれひとつ選んでください。(Q3-11)プログラミングを通して、アプリやゲームがどうやって動くのか理解できるようになった、よくできた46%、だいたいできた50%、どちらともいえない4%、あまりできなかった0%、ほとんどできなかった0%、児童・生徒向けアンケート(Q3-12)自分なりのアイディアを取入れたり、工夫したりするようになった、よくできた30%、だいたいできた70%、どちらともいえない0%、あまりできなかった0%、ほとんどできなかった0%、児童・生徒向けアンケート(Q3-13)自分なりの作品を作ることができるようになった、よくできた75%、だいたいできた25%、どちらともいえない0%、あまりできなかった0%、ほとんどできなかった0%

児童・生徒向けアンケート(Q3-14)うまくプログラムが動かないときは理由を考えて、解決策を試すようになった、よくできた46%、だいたいできた42%、どちらともいえない4%、あまりできなかった8%、ほとんどできなかった0%、児童・生徒向けアンケート(Q3-15)自分から積極的に取り組むようになった、よくできた48%、だいたいできた39%、どちらともいえない13%、あまりできなかった0%、ほとんどできなかった0%、児童・生徒向けアンケート(Q3-16)友達と協力して作業を進められるようになった、よくできた35%、だいたいできた52%、どちらともいえない5%、あまりできなかった4%、ほとんどできなかった4%

児童・生徒向けアンケート(Q3-17)人前で作品や意見を発表できるようになった、よくできた56%、だいたいできた35%、どちらともいえない9%、あまりできなかった0%、ほとんどできなかった0%、児童・生徒向けアンケート(Q3-18)難しいところであきらめずに取り組めるようになった、よくできた55%、だいたいできた41%、どちらともいえない4%、あまりできなかった0%、ほとんどできなかった0%、児童・生徒向けアンケート(Q3-19)自分でもの(ゲーム等のプログラムを含む)を作りたいと思うようになった、よくできた70%、だいたいできた13%、どちらともいえない13%、あまりできなかった4%、ほとんどできなかった0%

ほとんどの項目において肯定的な意見が多かった。「よくできた」や、「だいたいできた」を選択している児童はおおむね90%を超えており、積極性や、トライ&エラーの姿勢が身についたといえる。

児童・生徒向けアンケート(Q3-2)プログラムが思うように動かなかったとき、どうすることが一番多かったですか。最も近いものをひとつ選んでください。、自分でプログラムを見直し、「命令」の組み合わせを直して、やりなおした24%、すべてのプログラムや「命令」を消して、もう一度初めからやりなおした0%、メンター(先生)や近くの大人に教えてもらった20%、進んでいる友達に教えてもらった56%、どうしたらよいかわからなかったので、そのままにした0%、その他0%、児童・生徒向けアンケート(Q3-4)あなたは今後も「プログラミング」を続けていきたいと思いますか。あてはまるものをひとつ選んでください。、続けたい87%、わからない13%、続けたくない0%

4.2 メンター

育成メンター向けアンケート(Q3-3)メンター育成研修を受けて、全体的に内容を理解できましたか。あてはまるものをひとつ選んでください。よく理解できた  13%、だいたい理解できた60%、どちらともいえない13、あまり理解できなかった7%、ほとんど理解できなかった0%、未回答7%、育成メンター向けアンケート(Q3-6)実際にメンターを行うにあたって、不安はありますか。あてはまるものをひとつ選んでください。、まったく不安はない0%、あまり不安はない13%、わからない27%、やや不安がある33%、非常に不安がある27%

メンター研修の内容が、プログラミングに触れたことがない方でも取り組むことができ、徐々にステップアップしていける内容だったため、概ね理解できたとの回答が多いが、座学と数回の実践だけでは経験不足から不安が残るようだった。

育成メンター向けアンケート(Q3-7)(3.5で1または2と答えた方)具体的にどういったことに不安がありますか。あてはまるものを全て教えてください。(複数回答)、児童・生徒の気づきやつまずきをうまく拾って、ファシリテートできるか44%、児童・生徒の疑問や悩みに対して、実証講座の目的に沿った適切な指導・助言ができるか44%、児童・生徒の疑問や悩みに対して、児童・生徒の能力に合わせた適切な助言・指導ができるか33%、児童・生徒が自分の指導や助言を聞き入れ、従ってくれるか33%、時間内に予定のプログラムを終了できるか11%、用意された教材を効果的に使用して指導できるか0%、その他22%

アンケート結果から分析するに、自分の経験不足にたいして不安を感じている傾向にあった。逆に、講座用に用意された教材やプログラムスケジュールについて不安に感じている人はほとんどいなかった。不安を解消するためにはメンターに自信をつけさせるような仕組みが必要と考える。

育成メンター向けアンケート(Q5-1)講座は当初予定していた通りに実施できましたか。最も近いものをひとつ教えてください。、実施できた0%、だいたい実施できた73%、どちらともいえない9%、あまり実施できなかった18%、まったく実施できなかった0%、育成メンター向けアンケート(Q5-2)実施前のイメージと比較して、メンターを実施することは難しかったですか。最も近いものをひとつ教えてください。、非常に難しかった37%、やや難しかった36%、どちらともいえない9%、比較的容易だった9%、非常に容易だった0%、その他9%

  • 育成メンター向けアンケート(5-3)実施前のイメージと比較して、どういった点でメンターをうまく実施できたと思いますか。あてはまるものを全て教えてください。、児童・生徒の気づきやつまずきをうまく拾って、ファシリテートすること27%、児童・生徒の疑問や悩みに対して、実証講座の目的に沿った適切な指導・助言を行うこと33%、児童・生徒の疑問や悩みに対して、児童・生徒の能力に合わせた適切な助言・指導を行うこと40%、児童・生徒に自分の指導や助言を聞いてもらい、集中を切らさずに講座に参加してもらうこと20%、時間内に予定の講座内容を終了させること13%、用意された教材を効果的に使用すること13%、その他13%
  • 育成メンター向けアンケート(Q5-5)実施前のイメージと比較して、どういった点でメンターをうまく実施できなかったと思いますか。あてはまるものを全て教えてください。、児童・生徒の気づきやつまずきをうまく拾って、ファシリテートすること20%、児童・生徒の疑問や悩みに対して、実証講座の目的に沿った適切な指導・助言を行うこと0%、児童・生徒の疑問や悩みに対して、児童・生徒の能力に合わせた適切な助言・指導を行うこと7%、児童・生徒に自分の指導や助言を聞いてもらい、集中を切らさずに講座に参加してもらうこと13%、時間内に予定の講座内容を終了させること13%、用意された教材を効果的に使用すること7%、その他13%

研修前には、不安と感じていた人が半数ほどいたが、講座を終えてみると実施できたと回答した人が増加した。しかし、内容について振り返ってみると難易度が高かったようである。

育成メンター向けアンケート(Q8-3)今後はメンターをやりたくないのあなた自身のメンターとしての関わり方について、最も近いものをひとつ教えてください。、メインの指導者として、ひとりで、または経験の少ないサブメンターと一緒にプログラミング教育の指導ができると思う27%、メインの指導者として、経験のあるサブメンターがついてくれれば指導できると思う(ひとりで指導するのは不安だ)9%、サブメンターとして、経験のあるメイン指導者と一緒にさらに指導経験を積みたい37%、メンター業務を今後もやるには不安が大きい9%、今後はメンターをやりたくない0%、わからない(考えがまとまっていない)9%、その他9%

メイン講師経験者と、サブ講師の経験しかないメンターで回答が分かれた。メンター育成だけに着目するのであれば、指導が容易な簡略化された30分程度の授業などで経験を積むことが有用と考える。

5.発見・成果と課題・改善

5.1 発見・成果

5.1.1 実証校・教育委員会他との連携体制の構築

徳之島と遠野での大きな違いとして、行政のバックアップの有無があげられる。徳之島は町としてバックアップがあったおかげで事業決定の4月から講座開始の7月までのかなり短い期間でメンターの募集から研修、プログラミング講座の募集から実施まで行うことができた。
それに対し、遠野は近隣校の校長先生とのリレーション構築に注力した。事業終了後、土淵小学校パソコンクラブ(課外)で継続的に講座の実施が決定しており、その他2校でも来年度にプログラミング講座を実施できないか校長先生と協議中である。

5.1.2 メンター育成

徳之島、遠野問わずプログラミング未経験であっても、集中的に研修を行えば小学生を対象に講師となれることや、プログラミング学習のサポートが行えるとわかった。また、研修後アンケートの結果にも表れていたが、技術力に関する研修よりも子どもたちへの接し方を具体的にレクチャーした指導研修やコミュニケーション研修への評価が高かった。
また、徳之島では育成したメンターが地元でプログラミングを学べる教室を開校するなど、普及に積極的な姿勢がうかがえる。

5.1.3 講座内容

本実証では全10コマの講座に26の学習目標を設け、講座を受講した生徒を定量的に評価することができた。

26の学習目標

5.2 課題・改善

5.2.1 実証校・教育委員会他との連携体制の構築

徳之島町と遠野の実践での大きな違いは、前述のとおり行政のバックアップの有無であり、課題としてあげられる。遠野で実践を行う前から課題については明らかであったため、予め時間をかけて関係各所とのリレーションを構築するという対策をとっていた。
しかしながらそれでも遠野での実践開始時には、メンター募集や講座参加者募集の際に配布物の内容チェックに時間がかかってしまったことや、配布ルートが限られてしまったことである。

5.2.2 メンター育成

メンター育成研修から、プログラミング講座本番までの期間が短く、講師が十分に練習できる時間が確保できなかったことが課題としてあげられる。遠野での実践では、その反省を踏まえて講座開始までの約1ヵ月間の中で、徳之島実践時に講座の様子を記録したビデオを用いて練習を行ったり、Skype等の電話会議で模擬授業を行うことで講師としての練習量や経験不足を補うことができた。

5.2.3 講座内容

コスト削減を目的に講座の実施日程を密にしたことで、講座を途中欠席し、その後の受講を断念する生徒がいたことが課題としてあげられる。徳之島では受講者のうち4名程度がスケジュールの都合で受講を辞退してしまったので、遠野での実践時には平日や土日の講座以外の時間にて補講を実施するように改善した。結果的に、保護者からの満足度は非常に高く、受講した生徒も途中の講義が欠けた状態で参加することがなかったので戸惑わずに受講することができた。

また、本実証ではScratchの個人アカウントの開設と活用を計画の中に盛り込み実践したが、徳之島での実践時に保護者がアカウントを開設できなかったり、IDやパスワードの情報を管理ができていなかったという課題があげられる。改善策として、遠野での実践時には、講座初日に保護者の参加を必須としアカウントの開設から承認までを会場で行い、事業者側もIDとパスワードを把握しておくことにした。受講生徒がIDやパスワードのいずれかを忘れてしまったとしても、迅速に対応することができた。

6.実証モデルの普及に向けて

6.1 モデルの横展開の可能性

6.1.1 メンター育成

1.プログラミングの技術的スキル、2.コミュニケーションスキル、3.継続可能性の3つの観点から、メンターに求められる要件を考える。

まず1.プログラミングの技術的スキルについて、プログラミング経験者であれば望ましいことは言うまでもないが、必ずしも優先的に求められる要件ではない。本取り組みに於いては38時間にわたるメンター研修を実施し、未経験者でもScratchを用いたプログラミングの基礎を網羅的に習得させることができる。日頃から業務などでPCを使用しているレベルのリテラシーがあれば十分と言える。

次に2.コミュニケーションスキルについては、メンターの性格や経験によって大きく得手・不得手が分かれるところであり、メンターの採用に際しては注意してみるべきポイントと言える。当社の考えるプログラミング教育においては、子どもたちに創造的活動(プログラミングによる作品開発等)の「楽しさ」を感じさせることに重きを置いている。従って、威圧的・強権的な指導や、旧来的な学校の授業を思わせるような一斉的な指導方法は適しておらず、カジュアルでフランクな雰囲気を醸成し、如何に子どもたちと距離を縮めて、彼らの自律的な学習を側面的にサポートできるか、という点が重要となる。しかしながら、多数の子どもたちを1つの場で統率し、イベント/授業を進行していく上で、一定の統率力や、叱る力が必要なことも否めない。状況や子どもの特性に応じて対応を柔軟に変えていく必要があるという点において、高いレベルのコミュニケーション能力が求められる。

最後に3.継続可能性であるが、これは資質・能力ではなく、メンターとなるものの意欲や、ライフスタイルにもとづく働き方の面から見たときに、継続的にメンターをつとめていってくれるのかどうか、という点である。ひとたび研修を受け、メンターとして稼働することが可能になっても、様々な理由から活動を辞退するケースがある。メンターの採用・育成には一定のコストがかかることはもちろん、教育活動の継続性・一貫性の観点からも、むやみにメンターが入れ替わることは望ましいことではなく、採用の段階で可能な限り見極めを行う必要がある。観点としては、本人のやる気の程度(ちょっとやってみたいという興味本位なのか、困難があってもめげずに取り組む覚悟あるのか)、スケジュールの柔軟性や可処分時間の多寡などが主となる。残念ながら、今回の実践においても、途中でメンター活動を辞退する者もいた。この要因として、「想像していたよりも難しく、私には勤まらない」といった声や、「拘束時間が長くなるのであれば、完全にボランティアで続けていくことは難しい」といった声も聴かれた。効果的なプログラミング教育を、継続的に本気で取り組むということは、決して楽なことではなく、困難を伴う。業務の難易度や拘束時間、待遇などについて採用の段階でコンセンサスを取ることはもちろん、「やりがい」以外のメリットを具体的に提示し、意識的にモチベーションを維持していくことが望ましいと考えられる。

6.1.2 講座の構成、教材

本実証に於いては、取り組みの汎用性を第一に考え、導入ハードルの低いソフトウェアを利用したため、アプリケーションのインストール等に伴って大きな課題が生じることはなかった。(Scratchはオンライン・オフライン両方で無料で利用でき、OSも問わないため、学校の古いパソコン教室でも実施できる)
高価なロボット機材や、動作環境が限られたソフトウェアを使わなければ、ICT環境の整備自体が実施に際する大きなハードルになることは考えづらいと考える。

6.2 普及のための活動

<徳之島町>
徳之島町では官と民それぞれにおいて普及のための活動が行われている。
官では、次年度以降に町の事業として、みらい創りラボいのかわを会場としてプログラミングを学ぶことのできる教室の開講を検討している。
民においては、本実証で育成したメンターが地域の子どもたちを対象としたプログラミング教室を開校。

  • 育成メンターが開校したプログラミング教室
  • 育成メンターが開校したプログラミング教室

<遠野>
遠野では、小学校の課外学習活動を活かして普及を進めている。
近隣小学校の土淵小学校パソコンクラブにおいて、今年度11月より本実践をベースとした内容でプログラミング講座を実施している。すでに、その他2校の校長先生とも次年度、同じような形式で実施する方向で協議を進めている。

土淵小学校でのプログラミング講座

しかしながら、徳之島の官での活動や、遠野での活動にも共通して指導するメンター確保と育成が課題としてあげられる。ボランティアという立場でのメンター採用と育成のシステムだと、継続的に活動することが困難であると予想される。
メンターのスケジュール確保や、クオリティを担保するためにも学生であれば単位取得、社会人であれば最低限の報酬を出すなどの仕組みが必要である。

プログラミング教育活動を地域で継続的に行うには、1.場所、2.PC機器などの環境、3.講師となる人材、4.指導ノウハウが必要であり、これら(特に1〜3)の整備にあたっては地元行政のバックアップが欠かせない。本実証、特に徳之島町での取り組みに於いては、首長みずからの強い意志とリーダーシップのもと、取り組みの前提となる1〜3の整備がスムーズに進行し、そのうえで当社が4を提供するという補完関係が成立したことが、取り組み成功の鍵であったと言える。当社としては、本実証で築いたプログラミング教育の基盤をもとに、地域が主体となってプログラミング教育を今後も継続していくために、サポートを続ける考えである。具体的には、講師のフォローアップ研修の実施、指導上の相談の受付、新しいカリキュラムや教材等の情報提供などである。

7.参考添付資料

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