第1章 デジタルネットワーク社会の幕開け
   〜変わりゆくライフスタイル〜


第2節 生活と通信

  1. 趣味・娯楽
  2. (3) 先進的な活用事例

    ア インターネットによる個人情報の発信
     あるバスケットボールチームの代表の東京都大田区在住のAさん(32歳)は、チームの紹介をホームページに掲載している。現在、チームには100人以上の会員が登録されているが、その2割はホームページを見てチームに加入してきた人である。ホームページを掲載する前は他のチームと練習試合をしたことがなかったが、それも実現し、アクセス数は1年半で7,000件にもなった。また、外国に住んでいる人から、近々日本に行くので練習に参加させてほしいといったメールが届いたこともある。Aさんは幸いにして嫌がらせのメールは受けたことはないということであるが、電話番号や住所等の個人情報はネット上には掲載しないなど注意を払っているという。

    イ インターネット放送
     インターネットが普及し、また、映像や音声をパソコンで再生できるソフトが充実してきたのに従って、多数のユーザーに向けて、インターネットを通して映像・音声を配信するサービスがあり、このようなサービスは「インターネット放送」と呼ばれることがある。ユーザーはホームページ上で映像、音声ファイルをダウンロードしながら再生することにより、ほぼリアルタイムで映像、音声を受信することができる。従来はイベント中継等の単発的な内容の番組が多かったが、現在では定期的に放送番組を提供する「インターネット放送局」も数多く登場している。
     コミュニティ放送局の逗子・葉山コミュニティ放送(株)では、8年11月から、インターネットで自局のFMラジオ番組を流していたが、9年11月からは動画像も流し始めた。インターネット放送を開始したきっかけは、インターネットそのものに対する興味に加え、コミュニティ放送では出力が小さく、放送エリアが限られてしまうため、インターネットを使い広い放送エリアをカバーしたいという考えがあったからだという。放送開始当初は一日のアクセス数は1,000件位であったが、現在は3,000件に伸びている。外国からのアクセスを想定し、米国のサーチエンジンに掲載している結果、アクセスの約3分の1は米国からのものが占めるようになった。英語の放送はそれほど多くはなく、世界を意識しないで、地域特性を出す放送を心がけている。

    (4) 効用と課題

    ア 効用
     様々なメディアの出現と、メディアの新しい活用により、趣味・娯楽の世界は多種・多様化してきた。放送のチャンネルの多様化により番組選択の幅が広がり、専門的な視聴ニーズにもこたえることができるようになった。また、インターネットで、多様な情報を取得することが可能となり趣味・娯楽分野における選択の幅が広がるとともに、個人の情報発信の機会が生まれ、人的交流の輪も広がっている。

    イ 課題
     CS放送、ケーブルテレビでは、コンテント不足及び料金等の課題、インターネットはセキュリティ・プライバシー保護、通信料金及び伝送速度等の課題がある。




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