行政機関が行う政策の評価に関する法律について

―法律の骨格―


  目的
  この法律は、行政機関が行う政策評価に関する基本的事項等を定めることにより、政策評価の客観的かつ厳格な実施を推進しその結果の政策への適切な反映を図るとともに、政策評価に関する情報を公表し、もって効果的かつ効率的な行政の推進に資するとともに、政府の有するその諸活動について国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。

  政策評価の実施主体
  原則として各府省を実施主体として位置付け。

  政策評価の在り方
  国の行政機関は、その所掌に係る政策について、適時に、その政策効果を把握し、これを基礎として、必要性、効率性又は有効性の観点その他当該政策の特性に応じて必要な観点から、自ら評価するとともに、その評価の結果を当該政策に適切に反映。
  政策評価の客観的かつ厳格な実施の確保を図るため、以下の2点を位置付け
  政策効果の把握は、当該政策の特性に応じた合理的な手法を用い、出来るだけ定量的に行うこと。
  政策の特性に応じて学識経験を有する者の知見の活用を図ること。

  予算の作成等における活用
  政府は、予算の作成及び複数府省に関係する政策であってその総合的な推進が必要な政策の企画立案に当たって、政策評価の結果の適切な活用を図るよう努める。

  政策評価に関する基本方針の策定・公表
  政府は、政策評価の計画的かつ着実な推進を図るため、政策評価に関する基本方針を策定・公表。

  政策評価に関する基本計画の策定・公表
  行政機関の長は、三年以上五年以下の期間ごとに基本計画を策定・公表。基本計画には、計画期間内に実施する事後評価の対象とする政策を、任務に基づく主要な行政目的に係る政策が網羅される形で位置付け。

  事後評価の実施計画の策定・公表、及び事後評価の実施
  行政機関の長は、毎年(度)、当該年(度)において行おうとする事後評価の実施に関する計画を策定・公表。各行政機関は、基本計画及び実施計画に基づき、事後評価を実施。

  事前評価の実施
  国民生活、社会経済に相当程度の影響を及ぼすもの、多額の資金を要するもののうち評価の方法が開発されている個別の研究開発、公共事業、政府開発援助等について、事前評価を実施。

  評価書の作成・公表
  行政機関の長は、政策評価の結果について、過程に関する情報も含めた評価書及びその要旨を作成し、インターネットの活用等により公表。

10  政策への反映状況の公表等
  行政機関の長は、当該行政機関における政策評価の結果の政策への反映状況について、少なくとも毎年一回、公表。

11  総務省が行う政策の評価
  政策評価の統一性、総合性及び一層厳格な客観性を確保する観点から総務省が行う評価について、総務大臣の資料提出要求、調査、評価の結果の公表、必要な場合における勧告、評価及び監視との連携確保等とあわせて、本法律に位置付け。

12  政策評価の実施状況の国会への報告
  政府は、各行政機関が行った政策評価及び総務省が行った政策の評価の実施状況及びこれらの結果の政策への反映状況を取りまとめ、国会に報告するとともに、公表。
13  その他
  政策評価の手法に関する調査研究等、政策評価に従事する職員の人材の確保及び資質の向上、政策評価に関する情報の行政機関相互における活用の促進、政策評価の所在に関する情報の提供等必要な措置について本法律に規定。
14  施行期日
  本法律は、平成14年4月1日から施行。
15  検討
  政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる。

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