平成17年9月22日

1.7GHzギガヘルツ帯IMT-2000(FDD方式)及び2GHzギガヘルツ帯IMT-2000(TDD方式)の技術基準等に係る意見募集

 総務省は、無線設備規則(昭和25年電波監理委員会規則第18号)の一部を改正する省令案等(以下「改正省令案等」といいます。)について、平成17年(2005年)10月21日(金)までの間、意見を募集することとします。
1 改正の背景等
 第三世代移動通信システム(IMT-2000)については、平成13年10月にW-CDMA方式が、平成14年4月にCDMA2000方式がそれぞれ導入され、既に加入者数は3,373万(平成17年6月末)となり、第2世代から第3世代への移行が進みつつあります。
加入者数
 総務省は、このように増大する移動通信需要に対応すべく、平成15年10月に公表した「周波数の再編方針」において、中期的(5年以内)には1.7GHzギガヘルツ帯等を中心に、約330〜340MHzメガヘルツ幅の周波数を移動通信システム用として確保するよう再編することとしています。これを受けて、本年8月には、1.7GHzギガヘルツ帯又は2GHzギガヘルツ帯の周波数を使用する特定基地局の開設に関する指針等を制定したところです。
 以上の状況を踏まえ、情報通信審議会が本年5月30日に一部答申した「1.7GHzギガヘルツ帯におけるIMT-2000(FDD方式)の技術的条件」及び「2GHzギガヘルツ帯におけるIMT-2000(TDD方式)の技術的条件」を受け、技術基準等に関して必要な関係規定の整備を行うものです。
 なお、電波法施行規則(昭和25年電波監理委員会規則第14号)、無線設備規則及び特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則(昭和56年郵政省令第37号)の各一部を改正する省令案については、平成17年9月14日に電波監理審議会に諮問しています。
2 意見募集対象及びその概要
(1)
電波監理審議会に諮問した省令案

ア  電波法施行規則(PDF)
  •  包括免許の対象に、1.7GHzギガヘルツ帯IMT-2000(FDD方式)及び2GHzギガヘルツ帯IMT-2000(TDD方式)の陸上移動局を追加。
イ  無線設備規則 (1) (2) (3) (PDF)(改正概要については別紙1参照)
  •  1.7GHzギガヘルツ帯IMT-2000(FDD方式)及び2GHzギガヘルツ帯IMT-2000(TDD方式)の無線設備の技術基準を規定。
  •  国際標準化動向等を踏まえ、既存のIMT-2000(2GHzギガヘルツ帯FDD方式及び800MHzメガヘルツ帯FDD方式)の技術基準を変更。
  •  サービス品質の向上のため、PHSの技術基準を変更。
ウ  特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則(PDF)
  •  技術基準適合証明を受けられる特定無線設備として、1.7GHzギガヘルツ帯IMT-2000(FDD方式)及び2GHzギガヘルツ帯IMT-2000(TDD方式)を追加。

(2)
その他関係する省令案

(3)
その他関係する告示案
ア  無線局の申請の審査に適用する受信設備の特性(PDF)(昭和61年郵政省告示395号)
  •  1.7GHzギガヘルツ帯IMT-2000(FDD方式)及び2GHzギガヘルツ帯IMT-2000(TDD方式)の受信設備の特性を規定。
  •  国際標準化動向等を踏まえ、既存のIMT-2000(2GHzギガヘルツ帯FDD方式及び800MHzメガヘルツ帯FDD方式)等の受信設備の特性を変更。
イ  デジタルコードレス電話の無線局又はPHSの無線局に使用する無線設備の技術的条件等(PDF)(平成10年郵政省告示第612号)
  •  高能率な変調方式の送信速度を規定。
ウ  符号分割多元接続方式携帯無線通信、時分割・符号分割多重方式携帯無線通信及び時分割・符号分割多元接続方式を行う無線局等の無線設備の技術的条件を定める件(仮称)(PDF)
  •  1.7GHzギガヘルツ帯IMT-2000(FDD方式)及び2GHzギガヘルツ帯IMT-2000(TDD方式)の無線設備の技術基準を規定。
  •  国際標準化動向等を踏まえ、既存のIMT-2000(2GHzギガヘルツ帯FDD方式及び800MHzメガヘルツ帯FDD方式)の技術基準を変更。
(4)
その他関係する訓令案
  • 電波法関係審査基準(PDF)(平成13年1月6日総務省訓令第67号)
    • 1.7GHzギガヘルツ帯IMT-2000(FDD方式)及び2GHzギガヘルツ帯IMT-2000(TDD方式)の審査基準を規定。

 改正省令案等(新旧対照表等)については、末尾の連絡先窓口において閲覧に供するとともに、準備が整い次第、総務省ホームページ(http://www.soumu.go.jp)の「報道資料」欄及び電子政府の総合窓口[e−Gov](http://www.e-gov.go.jp)の「パブリックコメント」欄に掲載することとします。
3 意見募集要領等
  意見募集要領等は、別紙2をご覧ください。
4 今後の予定
 改正省令案等については、皆様から寄せられた意見及び電波監理審議会の答申を踏まえ、平成17年12月1日から施行する予定です。
関係報道資料:
  • 2GHzギガヘルツ帯IMT-2000(TDD方式)及び1.7GHzギガヘルツ帯IMT-2000(FDD方式)の技術的条件情報通信審議会からの一部答申(平成17年5月30日報道発表)
    http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050530_2.html
  • 1.7GHzギガヘルツ帯又は2GHzギガヘルツ帯の周波数を使用する特定基地局の開設に関する指針案等に係る意見募集の結果及び電波監理審議会答申(平成17年7月27日報道発表)
    http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050727_5.html
  • 1.7GHzギガヘルツ帯IMT-2000(FDD方式)及び2GHzギガヘルツ帯IMT-2000(TDD方式)の技術基準案等の策定無線設備規則の一部を改正する省令案等に係る電波監理審議会への諮問(平成17年9月14日報道発表)
    (http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050914_1.html

連絡先 総合通信基盤局電波部移動通信課
担当 新田課長補佐、中谷システム開発係長、廣田官
住所 〒100-8926
東京都千代田区霞が関2-1-2 中央合同庁舎2号館               
電話 (直通) 03-5253-5893 (代表)03-5253-6111 内線 5893
FAX   03-5253-5946
E-mail imt-2000_atmark_ml.soumu.go.jp
(スパムメール防止のため、「_atmark_」を@に直して入力して下さい。)



別紙1

1.7GHzギガヘルツ帯FDD方式及び2GHzギガヘルツ帯TDD方式の導入のための無線設備規則の主な改正点

(各無線方式の条文上の定義)
  • W-CDMA
    符号分割多元接続方式携帯無線通信(拡散符号速度:3.84Mcps)
  • CDMA2000
    符号分割多元接続方式携帯無線通信(拡散符号速度:1.2288Mcps、3.6864Mcps)
  • HSDPA、EV-DO
    時分割・符号分割多重方式携帯無線通信(拡散符号速度:3.84Mcps、1.2288Mcps)
  • TD-CDMA、TD-SCDMA
    時分割・符号分割多元接続方式携帯無線通信(拡散符号速度: 3.84Mcps、1.28Mcps)
1 電波の質に関する規定整備
(1)
 空中線電力の許容偏差(第14条)
 1.7GHzギガヘルツ帯で運用されるW-CDMA、CDMA2000等並びに2GHzギガヘルツ帯で運用されるTD-CDMA及びTD-SCDMAの各方式について、空中線電力の許容偏差を規定。

(2)
 受信装置の副次的発射の制限値(第24条)
 1.7GHzギガヘルツ帯で運用されるW-CDMA、CDMA2000等並びに2GHzギガヘルツ帯で運用されるTD-CDMA及びTD-SCDMAの各方式について、受信装置が副次的に発射する電波の限度を周波数帯ごとに規定するとともに、国際標準化動向を踏まえ、既存のIMT-2000(2GHzギガヘルツ帯FDD方式及び800MHzメガヘルツ帯FDD方式)の制限値を変更。

(3)
 周波数の許容偏差(別表第1号)
 1.7GHzギガヘルツ帯で運用されるW-CDMA、CDMA2000等並びに2GHzギガヘルツ帯で運用されるTD-CDMA及びTD-SCDMAの各方式について、送信設備に使用する電波の周波数の許容偏差を規定。

(4)
 占有周波数帯幅の許容値(別表第2号)
 1.7GHzギガヘルツ帯で運用されるW-CDMA、CDMA2000等並びに2GHzギガヘルツ帯で運用されるTD-CDMA及びTD-SCDMAの各方式について、発射電波に許容される占有周波数帯幅を規定。
2 技術的条件に関する規定整備
(1)
 1.7GHzギガヘルツ帯W-CDMA及びCDMA2000の技術的条件(第49条の6の4)
  • W-CDMA及びCDMA2000の一般的な技術的条件について、利用周波数帯として1.7GHzギガヘルツ帯を追加。(第1項)
  • 1.7GHzギガヘルツ帯FDD方式の上り/下りの周波数の間隔を95MHzメガヘルツと規定。(第2項第1号)
  • 電波を送信していないときの端末の漏えい電力の規定に、1.7GHzギガヘルツ帯のものを追加。(第2項第3号)
  • EIRPの規定に1.7GHzギガヘルツ帯のものを追加。(第2項第5号)
(2)
 1.7GHzギガヘルツ帯HSDPA及びEV-DOの技術的条件(第49条の6の5)
  • HSDPA及びEV-DOの一般的な技術的条件について、利用周波数帯として1.7GHzギガヘルツ帯を追加。(第1項)
  • 1.7GHzギガヘルツ帯FDD方式の上り/下りの周波数の間隔を95MHzメガヘルツと規定。(第2項第1号)
  • 電波を送信していないときの端末の漏えい電力の規定に、1.7GHzギガヘルツ帯のものを追加。(第2項第3号)
  • EIRPの規定に1.7GHzギガヘルツ帯のものを追加。(第2項第5号)
(3)
 2GHzギガヘルツ帯TD-CDMA及びTD-SCDMAの技術的条件(第49条の6の6)
  • 利用周波数帯が22GHzギガヘルツ帯であるTD-CDMA及びTD-SCDMAの一般的条件を規定。(第1項)
  • 電波を送信していないときの基地局の漏えい電力の規定をTD-CDMAとTD-SCDMAに区別して規定。(第2項)
  • 端末の電力制御の機能を規定。(第3項第1号、第2号)
  • 電波を送信していないときの端末の漏えい電力を規定。(第3項第3号)
  • 端末の空中線の絶対利得を規定。(第3項第4号)

3 その他(PHS)
(1)
 変調方式
 現在規定されている変調方式(BPSK(一部の通話チャネルのみ)、QPSK、8PSK、12QAM、16QAM、24QAM及び32QAM)に、より高能率な64QAM及び256QAMを追加するとともに、制御チャネルを含むすべてのチャネルにおいてBPSKの使用を可能とする。(第49条の8の3第1項)

(2)
 制御チャネルの空中線利得
 制御チャネルと通話チャネルの電波の到達範囲を一致させるため、基地局の制御チャネルの空中線利得を現在の10dBiから15dBiに引上げ。(第49条の8の3第1項)



別紙2

意見の提出要領及びその取扱い

(1)
 意見募集期間
 平成17年9月22日(木)から平成17年10月21日(金)14時30分まで
 (郵送の場合、平成17年10月21日当日消印まで有効)

(2)
 資料の入手方法
 意見募集対象については、末尾の連絡先窓口において閲覧に供するとともに、準備が整い次第、総務省ホームページ(http://www.soumu.go.jp)の「報道資料」欄及び電子政府の総合窓口[e−Gov](http://www.e-gov.go.jp)の「パブリックコメント」欄に掲載することとします。

(3)
 意見の提出方法
 (6)の様式に、提出者の氏名(法人等の場合は、その名称、責任者の役職及び氏名)・住所・連絡先を記載の上、日本語にて、意見提出先まで、郵便、FAX又は電子メールにて御提出ください。

(4)
 留意事項
 意見が1,000字を超える場合、その内容の要旨を添付してください。
 提出されました意見は、電子政府の総合窓口[e−Gov]パブリックコメント・意見募集案内(http://www.e-gov.go.jp)の「パブリックコメント欄」に掲載するほか、総務省総合通信基盤局電波部移動通信課にて配布します。
 なお、意見を提出された方の氏名(法人等にあってはその名称)やその他属性に関する情報は公表する場合があります。また、意見に対する個別の回答はいたしかねますので、あらかじめ御了承ください。

(5)
 意見の提出先
住所 〒100-8926 
東京都千代田区霞が関2-1-2 中央合同庁舎2号館
総合通信基盤局電波部移動通信課                     
電話 (直通) 03-5253-5893 (代表)03-5253-6111 内線 5893
FAX   03-5253-5946
E-mail imt-2000_atmark_ml.soumu.go.jp
(スパムメール防止のため、「_atmark_」を@に直して入力して下さい。)

(6)
 様式

意見書
平成  年  月  日

総務省総合通信基盤局
 電波部移動通信課 あて
郵便番号
(ふりがな)
住所
(ふりがな)
氏名(注1)
電話番号
電子メールアドレス


 「1.7GHzギガヘルツ帯IMT-2000(FDD方式)及び2GHzギガヘルツ帯IMT-2000(TDD方式)の技術基準等に係る意見募集」に関し、別紙のとおり意見を提出します。



注1
 法人又は団体にあっては、その名称及び代表者の氏名を記載することとする。
注2
 用紙の大きさは、日本工業規格A列4番とすること。別紙にはページ番号を記載すること。