地方公務員の評価システムのあり方に関する調査研究
−勤務評定の現状と課題−
「地方行政運営研究会第15次公務能率研究部会」(座長:吉田弘正(財)地域活性化センター理事長)では、平成10年11月から「 地方公務員の評価システムのあり方に関する調査研究−勤務評定の現状と課題−」 を行ってきたが、今般、その報告書を取りまとめた。
1 趣旨
地方公務員法では、勤務評定制度について規定しているものの、勤務評定制度の実施状況は、必ずしも十分とはいえない状況
本報告書では、地方公共団体における評価システムの現状と課題について整理し、勤務評定制度が整備されていない地方公共団体に導入についての契機を提供するとともに、勤務評定制度が導入されているもののさらに改善を行う必要のある地方公共団体には先進事例の紹介を行うなど、地方公共団体の取組を支援
2 報告書の特色
地方公務員の評価システムの現状について都道府県及び政令指定都市にアンケートを実施し、その結果を踏まえ、実務に即した議論を展開
規模の異なる多くの地方公共団体における評価システムの取組事例を紹介し、実用性の高い報告書となるよう配意
3 提言のポイント
地方公共団体において、職員の勤務実績、能力等を正しく評価し、その結果に基づいて人事管理を行うことは、職員のモラールを高め、公務能率を向上させるための極めて重要な要件
小規模な地方公共団体においても、職員の昇任・昇格・給与等では何らかの評価が行われているはずであり、恣意を排除し、公平性を確保するためにも、勤務評定の実施が必要
勤務評定をその目的から「成績判定型の評定」と「能力開発型の評定」に分類すると、成績判定型の評定を主としつつも、職員の資質を高め、地方公共団体の活動の活性化をもたらす観点から、今後、能力開発型の評定の重要性が増大
管理監督職員に対する勤務評定については、折衝・対応力、指導力を考慮するとともに実績評定に比重が置かれる傾向
勤務評定の納得性・透明性を確保し、職員の勤務評定に対する理解を得るためにも、実施要項などの制度の開示は必要
勤務評定の精度を高め、勤務評定制度そのものの公正性・公平性を確保するために、評定者に対する研修を積極的に実施すべき
各地方公共団体においては、優秀な人材を確保し、定着させ、育成していくために、能力・実績を重視した人事管理を行う前提となる勤務評定制度の導入・定着・積極的な活用について最大限の力を注ぐ必要
「地方公務員の評価システムのあり方に関する調査研究」の概要