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関係人口となった方の声

インタビュー Vol.10

市の計画策定に携わる

松井優さん(20代、大学生、男性、京都府京都市在住)

関わる地域:兵庫県洲本市

松井優さん 写真
  • Question

    現在、地域のどのような活動に関わっていますか。

    Answer

    学生団体である、「京都大学エスノ3ジョウ(S³)」に所属し、活動しています。S³は、洲本市において、観光や教育分野を中心に活動しています。
    洲本市では、多様な大学や大学生が、地域住民や地元企業、行政をはじめとする関係者と共に地域の活性化をはかる「域学連携事業」に2013年より取り組んでいます。私は、「洲本市域学連携事業推進計画書」を地域住民や連携大学、行政の方と共同で作成してきました。推進計画書には、これまでの域学連携事業の成果・軌跡、域学連携のありたい姿や具体的な施策が記載されています。今後の域学連携事業の道しるべとしての役割を果たしてほしい、という期待が込められています。

  • QUESTIOIN

    地域の活動に参加しようと思った経緯や目的を教えてください。

    Answer

    私は、過疎化が進む中山間地域で生まれ育ちました。少子高齢化が進み、子どもや若者は少ない地域でした。その一方、地域行事やお祭りが数多くあり、とても活気がありました。幼少期のこの経験は今でも忘れられません。
    学生生活や将来、私も幼少期に体験したような地域での活動やイベントに関わりたいという強い思いがありました。大学に進学後、S³に入会し、洲本市で活動を進めてきました。S³と洲本市との関わりは、S³の創設者の親戚の方が洲本市にいたことがきっかけです。
    初めは、洲本市で域学連携のイベントを企画するような活動でしたが、活動していく中で、「域学連携事業」にはたくさんの大学が参加されているにも関わらず、大学同士、地域の方、関係者との横のつながりがなかったこと、市としてしっかりとした域学連携全体の戦略や方針が明示されていなかったことを、私も、S³も、市も、課題意識として感じていました。大学関係者が集まる合宿の企画を進めていた時に、市の域学連携のあり方を考えていきたいということで、その成果物として「洲本市域学連携事業推進計画」の策定を推進していくことになりました。

  • Question

    継続的に地域と関わりたいと思った理由を教えてください。

    Answer

    洲本の「人のあたたかさ」に大きな魅力を感じたことが最大の理由です。
    もともと私は、洲本とは縁もゆかりもなく、「よそ者」でした。正直、活動当初は不安もありました。しかし、活動を進める中で様々な場面で、洲本の方々は、本当に親切に、そしてあたたかく私を受け入れてくださいました。
    また、継続的に活動を続けることで、地域のことを深く知り、新たなイベントや企画にもチャレンジしたいと思うようにもなりました。

  • Question

    地域の活動に継続的に参加してみて、地域に対する印象は変わりましたか。

    Answer

    先述した「人のあたたかさ」や、多様な大学・大学生が参画し、住民の方と協働することで様々な活動を行っている洲本の「おもろさ」をいたるところで実感しています。
    その一方、活動を継続してきたからこそ、見えてきた課題もあります。このような課題の解決にも積極的に取り組んでいきたいです。

  • Question

    今後、地域とどのように関わっていきたいですか。

    Answer

    感染症の拡大に影響され、現地を訪れることができないことが今後もあるかもしれません。だからこそ、オンラインツールやSNSも活用しつつ、これまで通り洲本に足を運び、イベントの企画運営やイベントへの参加を通して、これからも洲本とのかかわりを深めていきたいです。
    また、大学を卒業して社会人になった後も、マンパワーとして、あるいは専門スキルを生かしつつ、洲本との関わりを継続させたいです。

  • Question

    これから地域との関わりをつくっていきたいと考える方々に対して、メッセージをお願いします。

    Answer

    洲本での活動を通して、本当に多くの方とつながり、様々なことを学び、体感させていただきました。
    それぞれの地方・地域に、そこにしかない魅力や出会いがあると思います。この記事を読み、私が感じた、「地域と関わり、活動することのおもしろさ・やりがい」を少しでも皆さんにも感じていただけましたら幸いです。

写真
洲本市議会・総務常任委員会研修会に参加した1日の様子
8:00

京都市発

11:00

洲本市着

12:00

S3がお世話になっている商店街でランチ

15:00

総務常任委員会研修会に出席

市議会議員と洲本市における域学連携事業について意見交換

17:30

市役所の担当の方と打ち合わせ

懇談

21:00

洲本市発

洲本市に関わった経緯と、これまでの活動内容
2019年5月

S³に加入

1泊2日の合宿にて初めて洲本を訪れる

地域の方から洲本の魅力や現状、課題を学ぶ

2019年6月~

観光・教育イベントを中心に、サークルの活動として定期的に洲本を訪れる

2020年2月の合宿開催にむけて準備を進める

2020年2月

推進計画の主要部分について、連携大学・学生・地域住民の方と考えるワークショップ合宿を開催

2020年3月~

2月合宿での議論をもとに計画書の策定に取組む

連携大学や地域住民の方にもヒアリングを行い、執筆を依頼

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、計画書にウィズコロナに関する項目を追加

オンラインツールを活用した打ち合わせも取り入れる

2021年8月

計画書のお披露目会を実施

洲本市長に計画書を上申

2021年10月

洲本市議会総務常任委員会が開催する、計画書および域学連携事業についての意見交換会に出席

2021年12月

日本計画行政学会計画賞に、計画書の内容で応募(洲本市との共同応募)

【洲本市役所企画情報部企画課 高橋さんより】

洲本市の域学連携事業には多くの大学が参画いただいており、それぞれの強みや特徴を活かして活動しています。やってくる学生に対しては、特に発想力や突破力を期待していますが、今回の計画書策定においても、松井君を中心に学生のチカラが集約し、発案から実現まで一気に突破してくれました。

域学連携を経験した学生が、卒業後も継続して洲本市とかかわりをもってもらうことも重要視しています。学生には伸び伸びと活動してもらい、その成果が地域に喜ばれたり、形になって残るといった体験を通して、洲本市のことが大好きになり、卒業しても関わりたいと思うようになってもらいたいです。実際に、卒業生が地域おこし協力隊員になったり、卒業生の就職先との協働といったことも起こっています。

現役学生にこだわらない、多様な関係人口とかかわるためのツールになっていることも、域学連携の魅力の一つです。

洲本市域学連携事業推進計画

画像

(洲本市域学連携事業推進計画書概要版より抜粋)

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