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インタビュー

インタビュー Vol.15
移住したプロのサポートで地域の情報発信力・PR力をアップ

地域活性化起業人として携わる

吉田結佳さん(会社員、女性、東京都在住)

関わる地域:福岡県北九州市

福岡県北九州市 × 株式会社gaaboo

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『地域活性化起業人』は、地域活性化を図る取り組みです。
地方自治体が三大都市圏に所在する企業等の社員を一定期間(6カ月~3年)受け入れ、そのノウハウや知見を活かしながら地域独自の魅力や価値の向上等につながる業務に従事してもらい、
株式会社gaaboo(ガーブー)から出向し、福岡県北九州市の市長公室広報戦略課で活躍する吉田結佳さんの例をご紹介します。

吉田さんがもともと所属しているのは、ソーシャルメディアコンサルティングを強みに、大手企業向けの各種マーケティング⽀援事業を行っている株式会社gaabooです。会社は東京の渋谷にありますが、社員の半数は地方出身者。代表の辻正隆さんには、「日本が元気になるために必要なのは、地方と若者が元気であること」との思いがあり、地方自治体のSNS支援に力を入れています。

『地域活性化起業人』を導入したきっかけは、北九州市で開催された世界体操・新体操のSNSプロモーション支援をgaabooが行ったことでした。「関わったまちを元気にしたい」と、北九州市への起業人派遣を決めました。

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gaaboo代表・辻正隆さんと、地域活性化起業人となった吉田結佳さん

吉田さんは、シティプロモーションの管轄部門にプロモーションアドバイザーとして配属され、情報発信力やPR力を高めることに力を注いでいます。
まず取り組んだのは、旅行ガイドブック『地球の歩き方 北九州市』の出版とPRプロジェクトです。ガイドブックに関連するテレビ露出に向けた企画など、一連のプロモーションを企画実行して、国内版『地球の歩き方』として史上最速の2カ月で累計発行部数7万部突破を達成しました。更に、ガイドブックとのコラボレーションにより、「街の新しいお土産」となる北九州市のカプセルトイ「キタキューコレクション」をプロデュースし、新しいPRコンテンツの企画を生み出し続けています。

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『地球の歩き方 北九州市』出版プロモーション

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gaabooの企画販売によるカプセルトイ「キタキューコレクション」

もう一つの取り組みは、SNS活用プロジェクトです。SNSの専門家として、市の公式SNSアカウント数を300から12へ大幅削減するという大仕事を成し遂げました。
北九州市着任にあたり、情報発信における課題を洗い出したところ、市の各部門がSNSの管理運用に関する課題を抱えており、ユーザー側にも「欲しい情報がどのアカウントから発信されているのかわからない」という不便さがあることがわかりました。アカウントを集約することにより、情報発信力を高め、業務の効率化を図ることができる点に着目した取り組みでした。
また、さらなる情報発信力の強化と効率化を進めるために市役所をはじめ地域学生向けのSNS勉強会を実施したり、若手職員のプロジェクトチームと共にPR動画制作を行うなど、ノウハウの蓄積に向けた取り組みも行っています。

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SNS講習会

北九州市に移住して広報戦略課で働くようになった吉田さんは、地域の人々や企業とのつながりが深く強いことに気がついたといいます。多くの人が協力的で、何かあれば助けようとしてくれるのです。
また、つながりから得られる情報で視野が広がったり、新たなプロジェクトが生まれたりと、自らも動くことで良い循環を生み出せると実感しているそうです。

「プライベートの生活でも、東京ではただ忙しく時間が経過しているという感覚でしたが、移住してからは、自然、景色、食材、行事、地域の方との会話などを通して日本の四季や文化を体感し、豊かさを感じています」と吉田さん。

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リバーサイドに映える小倉城を堪能できる通勤路

通常、企業が自治体を支援する際には、手続きが大変だったりするなかで、『地域活性化起業人』は「より直接的に市のために活動し協業できるありがたい制度」と吉田さんは推奨します。
「役所の中に身を置いて、市の立場で考え行動するなど新たな視座や実践経験が出来るだけではなく、多くの方々とのつながりも生まれ、会社の新たな価値創出の機会をうむ可能性も十分にあります。地域への貢献を検討されている企業は、活用をおすすめしますよ」と太鼓判を押してくれました。

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JR小倉駅JAM広場で繰り広げた『地球の歩き方 北九州市』のプロモーション

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