北海道岩内町 × 出光興産株式会社
『地域活性化起業人』は、地方自治体が三大都市圏等に所在する企業等の社員を一定期間(6カ月~3年)受け入れ、そのノウハウや知見を活かしながら地域独自の魅力や価値の向上等につながる業務に従事してもらい、地域活性化を図る取り組みです。
出光興産株式会社から出向し、北海道岩内町の民生部町民生活課で活躍する信夫太志さんの例をご紹介します。
出光興産は、燃料油、基礎化学品、高機能材、電力・再生可能エネルギー、資源の各分野において、多様なエネルギーと素材の開発・製造・販売を手掛ける企業です。2050年カーボンニュートラル・循環型社会の実現に向けて進化への挑戦を続けており、企業理念として「真に働く」を掲げ、社員の自律的な成長と社会への貢献の両立を目指しています。
カーボンニュートラルの取組みが進展する一方で、国内の人口減少が顕著となる中、「地域課題解決・地域創生に向けたソリューションを開発して次世代事業を創出すること」は石油会社である同社にとって喫緊の課題でした。一方、岩内町は総合振興計画に基づき「ゼロカーボンビジョン」を主要な計画と位置付けており、そのビジョン実現に資する人材を求めていました。共通の人脈を通じて両者のニーズがマッチングし、信夫さんの派遣が実現しました。
信夫さんは岩内町民生部町民生活課生活環境係に所属し、カーボンニュートラル推進を担当しています。町が2024年6月に「ゼロカーボンビジョン」を策定したこともあり、地域住民へのゼロカーボン意識醸成・啓蒙のために、「いわないゼロカーボンフェスタ」を初めて開催し、その企画運営を担いました。このイベントは、カーボンニュートラルの取り組みを住民に身近に感じてもらい、日常生活の中でできる環境配慮行動への理解を深めることを目的としたものです。また、役場へのEV・再生可能エネルギーの導入を進めるために、公用車の稼働実態把握やソーラーパネル等再生可能エネルギー設備の敷設計画にも取り組んでいます。
信夫さんは、役場TOPとの話し込みを通じて問題点、課題を共有化し、関係する部署に丁寧にヒアリングして実態を把握し、派遣元企業のリソースを活用して「ソリューション」の提案が出来るか検討するプロセスを大事にしています。エネルギー分野は「規模の壁」があり、マッチングしないことも多いものの、このプロセスは企業と自治体の相互理解にはとても有効であると認識しています。「人手不足、専門人材不足」ながら、問題・課題に苦慮する自治体に寄り添いながら、共に考えることでお互いの信頼関係が築かれていく手応えを実感しているといいます。
同社の企業理念である「真に働く」を胸に、信夫さんは、常に岩内町に暮らす人々のことを考え、取り組んでいます。様々な地元コミュニティ、文化活動やイベントへの参加を通じて、人脈の広がりや深まりがあり、自身の「活力」を感じていただいているとの手応えがあるそうです。
実際に「起業人」として岩内町での活動に取り組んだ信夫さんは、「地域活性化起業人は『接点』として企業・自治体を繋ぎます。企業として、地域課題への理解、認識を深め、ソリューションを自治体と協議することは、すぐには成果に結びつかないことが多くても、双方に有益である。」と語っています。
『地域活性化起業人』は企業にとっても地域にとっても、大いに試してみる価値がある制度でしょう。
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