茨城県稲敷市 × サントリーホールディングス株式会社
『地域活性化起業人』は、地方自治体が三大都市圏等に所在する企業等の社員を一定期間(6カ月~3年)受け入れ、そのノウハウや知見を活かしながら地域独自の魅力や価値の向上等につながる業務に従事してもらい、地域活性化を図る取り組みです。
サントリーホールディングス株式会社から出向し、茨城県稲敷市の市長公室で活躍する下村一哉さんの例をご紹介します。
サントリーホールディングスは、1899年にぶどう酒製造販売で創業して以来、日本初の本格ウイスキーの製造やビール事業など総合酒類企業として事業展開しています。また、ミネラルウォーター、コーヒー、健康飲料など、日本はじめグローバルにも幅広く清涼飲料や食品の製造・販売を実施。現在では健康食品・外食・花・サービスなど関連事業も行っており、グループ会社265社、従業員数41,357人、連結売上収益3兆円超を誇る企業グループです。
同社は『人』こそが経営の最も重要な基盤という『人本主義』を掲げ、社員のリスキリングに取り組んでいます。2023年4月には、人生100年時代を見据え自らキャリアをデザインするマインドセット・スキルセットの獲得を支援する、40代以降の社員をターゲットにした「100年キャリア学部」を設立しました。このプログラムの一つとして、会社の外で新たな経験に触れることで本人のキャリアの活性化や社内の人材の多様化につなげるという狙いのもと、サントリーでさまざまな経験を積んだミドル・シニア社員が地方自治体に出向し、自治体の振興や行政機能強化などに取り組む「地方創生人材制度」に賛同し導入を決定しました。
下村さんは稲敷市役所の市長公室に所属し、ふるさと納税事業(企業版の拡大、掲載商品の新規提案)、地場産品の拡大(主力の米に次ぐ商材の提案)、都市開発(成田空港事業への市としての連携・巻き込み)、シティープロモーション(市内施設の有効活用提案)等を実施しています。これまでに企業版ふるさと納税における寄付への賛同や、都市開発を実行している民間企業への訪問の橋渡しを実施し、職員の方々より民間企業との関係性構築における評価をいただきました。
下村さんは、自治体職員の方々の姿勢から多くを学んでいるといいます。人々の暮らし・生命に関わる最前線での業務が多種多様である中でも、真摯に前向きに職務を遂行されている姿から、自分のためにという要素よりも誰かのためにという要素を目の当たりにできたことはよい経験になっているそうです。様々なプロジェクトについても関係機関調整や現場での活動等について、常に法律・ルール・平等性・メリット等あらゆる観点から考察した上で進めていくことの必要性を改めて実感しています。
下村さんが地域の中で「自分の存在意義」を感じた場面について尋ねると、市内企業へ訪問した際のエピソードを語ってくれました。「市政に対して直接意見をいただき、実現有無にかかわらず、直接聞いてくれる方がいることは嬉しいし、真剣に考えてくれているんだとお声がけいただいた時です。」と、企業と自治体の橋渡し役として機能していることへの手応えを感じているといいます。
実際に「起業人」として稲敷市での活動に取り組んだ下村さんは、「社会貢献を果たしていくこと、派遣された社員のキャリア・スキルアップにもつながる良い制度です。」と確信を持って語っています。
『地域活性化起業人』は企業にとっても地域にとっても、大いに試してみる価値がある制度でしょう。
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