『子ども農山漁村交流プロジェクト』は、農山漁村での体験活動を通して、子どもたちの生きる力を育むとともに、地域と子どもたちとの交流により、地域の再生や活性化を図るプロジェクトです。
愛知県西尾市の佐久島で実施されているこのプロジェクトをご紹介します。
佐久島は、三河湾のほぼ真ん中にある離島。人口はおよそ180人。定期船で結ばれている一色町から約5kmほどの距離にある、面積約1.73㎢の小さな島です。 定期船は1日7便、乗船時間は約25分。近年は、「癒しとアートの島」として知られ、島のいたるところにアート作品が展示されています。訪れる観光客は、おだやかな海の景色に癒やされ、アート作品にふれ、古い家並みの間の小さな路地を散策して、島の時間を心ゆくまで楽しみます。
佐久島で子どもたちが体験するのは、「遊漁船体験」「地引網体験」「魚さばき体験」「ところてん作り」「ゴミビンゴをしながら漂着ゴミ回収体験」と盛りだくさん! 他には「アート作品を巡るスタンプラリー」をしたり、自然観察をしたり。夜は「夜光虫の観察」や「星空観察」など、丸一日、島の自然を満喫して過ごします。(活動時間は要相談)
その活動のひとつ「ゴミビンゴをしながら漂着ゴミ回収体験」では、ゴミビンゴカードなども使って楽しみながら、「山と川と海」はつながっていること、人は環境問題とどのように向き合っていかなければならないかなどを学びます。
活動を通して、子どもたちは、どれほどたくさんのゴミが島に流れ着くのかを知り、とてもおどろくそうです。
また、民宿のご主人やおかみさんを「島のお父さん、お母さん」とよび、民宿の仕事などのお手伝いを体験して「家に帰ったら家族の手伝いを積極的にやろうと思った」という子もたくさんいます。
コンビニも、信号機もひとつもない。そんな島での生活を通して、あらためて普段の生活を見直す機会にもなるのでしょう。
西尾市交流共創部佐久島振興課の三矢さんは、
「親元を離れて生活した経験が子どもたちの自信につながっていますし、同じ体験を通して友だちの良いところを再発見するなど、島の生活にふれながら、かけがえのない体験をしてもらえているようです」と言います。
佐久島では、今後は小中学生だけでなく、大学生と連携して「島の課題を専門分野から解決につなげ」といったプログラムの実施も考えていきたいとのこと。
何でもそろう便利さから少し距離をおいて、自然のなかでゆっくり考える——子どもも大人も、そんな時間を持つために佐久島で過ごしてみるのもいいのではないでしょうか。
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