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地域取組事例

“当たり前”を価値に変える ― 西会津町での子ども交流の取組

福島県耶麻郡西会津町

西会津町での子ども交流の取組の写真

事業概要

事業の目的・背景

『子ども農山漁村交流プロジェクト』は、農山漁村での体験活動を通して、子どもたちの生きる力を育むとともに、地域と子どもたちとの交流により、地域の再生や活性化を図るプロジェクトです。

取組の内容

西会津町では、農業や暮らしの現状と課題を感じてもらうために、農業に限らず生活・環境・デジタルなど持続可能な社会の実現に向けた課題や取組を体験できる活動を通じて、本町のファンを増やし、継続的に本町に訪れてもらう仕組みづくりを行っています。

さらに、秋・冬期のプログラムの実施と小学生から高校生までの受け入れを行うことにより、農閑期の体験プログラム開発および地域住民を巻き込んだ受入体制を構築し、より多くの関係人口を増やす取組を進めています。

西会津町での子ども交流の取組の写真

年2回のプログラムのうち、秋プログラムでは1泊2日の日程で開催し、東京都の子ども食堂を利用する小学生とその保護者など22名が参加しました。

田んぼこたつ体験・かまどごはん体験・農家民宿体験を実施し、2日目には郷土食づくり体験などを行いました。冬プログラムでは3泊4日の日程で開催し、包括連携協定を締結する角川ドワンゴ学園の生徒15名を対象に、雪遊び体験・縄ない体験・郷土料理体験のほか、餅つき体験や集落行事(歳の神)への参加、石高プロジェクト(※)体験などを行いました。

※石高プロジェクト:NFTを活用して米農家から直接米を購入する仕組みを通じて、関係人口の拡大を実現しようとする取組 (https://www.kokudaka.jp/)


本プロジェクトを通じた、子どもたちの変化をみてみると角川ドワンゴ学園が開発したスキルアセスメント(※)により、参加前と参加後の生徒のスコアを比較したところ、全体的に指標の上昇が確認できました。

子どもたちが田舎暮らし体験を通じて、新たな経験を学びに変えていく対話や思考のプロセスが生まれるなど、子どもたちの成長につながったと考えられます。

※スキルアセスメント:個人が持つスキルや知識などをアンケートやテストを通じて客観的に評価する手法

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また、プログラムの実施にあたり、地域団体が住民・事業者・関係人口等をつないで密なコミュニケーションを取りながら準備したことで、新たなプログラムの構築や受入体制の強化につながり、地域全体の活性化が図られました。

教育現場からの反響では冬プログラムの参加者に満足度を確認したところ、15名全員が「満足」と回答しました。

「若い世代である私たちには何ができるのかということを考えさせられた。」「地域興しの手伝いをしたいと感じた。」「西会津町で行われていることが、自分のやりたいことと似ていた。」などの感想も得られました。

町としては、本プロジェクトを通じて得たノウハウを生かした事業展開について、関係機関と情報共有していく予定です。

高齢化率の高い本町においては、農家民宿の事業承継や体験の提供ができる住民の確保が課題であるため、移住者やプログラム実施に協力いただいた関係人口などを巻き込みながら、受入人材の確保と体制整備を進めています。

また、包括連携協定を締結する角川ドワンゴ学園とは、本事業で構築した受入体制を活用し、本年度開学したZEN大学の受け入れや、その他大学生向けのインターンシップなど、新たな滞在の受け入れも検討しています。

本事業を通じて「自分たちにとっては当たり前でも、都会の人にとっては経験したことがないこと」を可視化し、体験してもらうことが大切であると考えています。

本事業での体験が子どもたちの心に残り、やがて地域を支える大きな力となることを期待しています。

事業ホームページ

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