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高齢者・障害者によるICT活用の推進に関する研究会
(ICTユニバーサル研) 第6回 議事要旨


【日時】    平成15年5月27日(火)1600分〜1805
【場所】   総務省9階第3特別会議室
【出席者】
    (研究会構成委員)
       高橋座長、安藤委員、内山委員、えとう委員、大坂委員、片岡委員(水島代理)、阪本委員、関根委員、y谷委員、松木委員(廣澤代理)、松森委員、望月委員、山田委員、吉永委員、渡辺委員
 (オブザーバー)
    江東シニアネットクラブ 横川氏
総務省 瀬脇自治行政局地域情報政策室課長補佐、丸尾行政管理局行政情報システム企画課課長補佐
厚生労働省 井上老健局振興課課長補佐

【議事内容】
(1)開会
(2)議事
  1 報告書案について
    ※  事務局より構成及び概要の説明
    議事概要
  ・   高齢者・障害者だけでなく、健常者で一時的に身体能力に制約を受けた人についてもICTは有用であることを言及すべきではないか。
  ・ ユニバーサルデザインという基盤があって、更に個別ニーズへの対応が上乗せされるのだ、という点を強調すべきではないか。
  ・ アクセシビリティを推進する体制を社内で整え、継続的に取組んで行くようなアプローチが求められている、ということを述べておくべきである。
  ・ 高齢者・障害者等の当事者が、開発プロセスにできるだけ早い段階から関わるべき、ということを明記すべきである。
  ・ デジタル・ディバイドの解消が電子政府成立の基本的要件である、ということは明確にしておかなければならない。
  ・ 電子政府・電子自治体が今後、国民・住民及びコミュニティ、地方公共団体との間の直接対話のためのインフラとして利用される場合のアクセシビリティに関する配慮も必要であるということを追記していただきたい。
  ・ ネットショッピングやATMでの振込みの際、入力に時間がかかり、タイムアウトしてしまう場合がある。
  ・ 教えることに興味を持っている高齢者は多く、シルバー人材の活用についても触れてはどうか。高齢者の生きがい創出にもつながるだろう。
  ・ シニアネットのパソコン教室での勉強の成果を発揮できるような環境を整備して欲しい。
  ・ 今まで高齢者が蓄積してきた経験をいかに後世に伝えていくかという視点からのICTの活用についても触れるべきではないか。
  ・ インターネットで、高齢者が知っている遊びを子供たちに教えたり、共働きで放課後子供が一人になる世帯と地域の高齢者とのマッチングサービスができないか。
  ・ ポータルサイトを作るのはなかなか難しく、試行錯誤しているところである。ウェブでマッチングの場を提供することは重要であるが、実際に会うことも必要である。
  ・ 今後、ICTを活用し、社会参加や就労する障害者は増えると思うが、就労の場で、営利が目的であるとの理由から手話通訳等のサービスが自己負担となる場合があり苦労している。今後の課題と感じる。
  ・ 就労というのは高齢者・障害者による社会参加の目標としてかなり重要なものであり、就労支援にも是非ICTを活用すべきである。

  2 研究会全体を振り返って
    ※  委員による、6回にわたる研究会に参加した感想や報告書へのコメント。
  概要
  ・   政府の政策も、地道に少しずつ、但し継続的に取組んでいただきたい。また、ユビキタスの普及を主張するのであれば、この活動も十分ユビキタスであり、報告書のどこかで触れてもよいのではないか。
  ・ この研究会に参加して、分からない言葉がたくさん出てきた。判りやすい日本語に直したり、注釈をつける等していただきたい。
  ・ 高齢者・障害者に、既にICTがこれほど活用されている現状を、もう少し世間に知らしめるべき。そのためにメディアが役に立てるかもしれない。
  ・ 災害が起きた場合、音声による防災情報が聞こえない聴覚障害者はどうやって情報を得ればよいのか心配である。災害時のような究極的な時にもICTが利用できることが重要である。
  ・ ITビジネスそのものが全般に不調である今般、高齢者・障害者にとって使いやすいICTが実現されれば、それは一般ユーザーにとっても使いやすいものであり、グローバルマーケットにもインパクトを与えるものとなり得る。
  ・ せっかくの報告書なので、特定の分野だけで評価されるのではなく、広く官公庁内で活用していただきたいと思う。
  ・ 民間企業の技術者として、技術的に進んだものに取組むのと同時に、使いやすいものとはどういうものかを、実際に利用される方々と一緒に考えていきたい。また、今後民間企業でアクセシビリティを普及させる時に、いかに差別化できるか、どう利益につながるかをクリアしていければと思う。
  ・ 例えば携帯電話でも様々なサービスが提供されているが、万人が平等に使えるようにすることが今後重要になってくるだろう。ICTにおけるライフラインの確保といった問題についても重点的に考えていきたい。
  ・ 今回初めて総務省で「ユニバーサルデザインについて考えていく」と宣言していただき、エポックメーキングな研究会だったと思う。報告書の提案の最後に、高齢者・障害者のノウハウが、今後の社会を変えていくのだという前向きなメッセージを加えていただきたい。
  ・ 報告書に「○○することが求められる」という表現が多いが、誰がこのプランを担うのかが大事であり、是非この報告書をアクションプランに活かしていただきたい。
  ・ 民間企業が、アクセシビリティに関する取組を継続させつつ利潤を上げていくには、政府調達等で言及するなど、何かしら追い風になるような施策を考えていただければと思う。また、アクセシビリティに関する情報提供について、省庁間での連携に期待したい。
  ・ 個別ニーズに対応した製品について利益が出ないために企業が撤退してしまうような場合、一旦公が引き取って民間へ橋渡しするといった具体的な提案を期待する。
  ・ 報告書に関しては、重度障害者の支援を最後まで達成できるような方向性を強調していただきたい。
  ・ 障害者が地域で仕事をする際に、営利目的の場合にはヘルパーの派遣ができない場合には、地域内のボランティア等にサポートしてもらいたい。
  ・ 公的サービスに頼りすぎず、自分で切り開く努力をした方がよいということも申し上げたい。
  ・ 高齢者にとってローマ字のつづりは苦手なので、つづりの例文集のようなものがパソコンを購入した際に同封されているとありがたい。
   (3)総務省清水政策統括官挨拶
   (4)閉会

以上


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