第1章-3 21世紀のくらし


(1)概況

 インターネット利用の増加は、テレビや雑誌等、既存のメディアに接する時間に影響を与えている。特に、「テレビを観る時間」が減ったとするユーザーが半数近くに達している( 図表7 )。一方、携帯電話・PHSは、従来、情報通信が難しかった移動中や待ち時間を利用するため生活時間の変化というよりは生活時間に対する考え方を変化させている( 図表8 )。


図表7 インターネット利用による生活時間の変化。この図表では、インターネットを利用することにより、生活時間がどのように変化したかを示している。インターネットを利用するようになって減った時間として、「睡眠時間」を挙げた人は49.0%、続いて「テレビを観る時間」を挙げた人が48.7%となっている。
「インターネットユーザー調査」により作成

図表8 携帯電話・PHS利用による生活時間に対する考え方の変化。この図表では、携帯電話・PHSを利用することにより、生活時間に対する考え方がどのように変化したかを示している。携帯電話・PHSを利用するようになって、「待ち合わせに遅れそうになったり、変更があった場合などに、こまめに連絡をとるようになった」、「移動時間や待ち時間が有効に使えるようになった」とする人が多い。
「生活の情報化調査」により作成

(2)障害者

 インターネットやモバイル通信を有効に活用することにより、障害者はコミュニケーションを拡大し、必要な情報をより容易に入手することが可能になる。このため、障害者の自立・社会参加が促進され、生活の質的向上につながると考えられる。「障害者アンケート」によれば、インターネット利用により生活が向上した理由として、「情報収集がしやすくなった」(64.4%)、「趣味・娯楽が増えた」(61.1%)を挙げる利用者が多くなっている( 図表9 )。また、聴覚障害者にとって、文字情報を送受信できる情報通信メディアは貴重である。聴覚障害者が、携帯電話・PHSを使いはじめて生活がよい方向に変わった理由として、「安心して外出できるようになった」(60.6%)、「文字情報を送受信できることで通話がしやすくなった」(55.8%)、「障害のハンディを補うことができるようになった」(48.1%)点を挙げていた( 図表10 )。


図表9 インターネット等の利用により、生活がよい方向に変わった理由。この図表では、インターネット等の利用者のうち、生活がよい方向に変わったと回答した人が、どのような理由を挙げているかについて示している。最も回答率の高い理由が「情報発信がしやすくなった」の64.4%で、続いて「趣味 娯楽が増えた」が61.1%となっている。
「障害者アンケート」により作成

図表10 携帯電話又はPHSの利用により、生活がよい方向に変わった理由(聴覚障害者)。この図表では、携帯電話・PHS利用者のうち、生活がよい方向に変わったと回答した人は、その理由としてどのようなものを挙げているかを示している。最も回答率の高い理由が「安心して外出できるようになった」の60.6%で、続いて「文字情報を送受信できることで通話がしやすくなった」が55.8%となっている。
「障害者アンケート」により作成

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