インターネット利用の増加は、テレビや雑誌等、既存のメディアに接する時間に影響を与えている。特に、「テレビを観る時間」が減ったとするユーザーが半数近くに達している( 図表7 )。一方、携帯電話・PHSは、従来、情報通信が難しかった移動中や待ち時間を利用するため生活時間の変化というよりは生活時間に対する考え方を変化させている( 図表8 )。
インターネットやモバイル通信を有効に活用することにより、障害者はコミュニケーションを拡大し、必要な情報をより容易に入手することが可能になる。このため、障害者の自立・社会参加が促進され、生活の質的向上につながると考えられる。「障害者アンケート」によれば、インターネット利用により生活が向上した理由として、「情報収集がしやすくなった」(64.4%)、「趣味・娯楽が増えた」(61.1%)を挙げる利用者が多くなっている( 図表9 )。また、聴覚障害者にとって、文字情報を送受信できる情報通信メディアは貴重である。聴覚障害者が、携帯電話・PHSを使いはじめて生活がよい方向に変わった理由として、「安心して外出できるようになった」(60.6%)、「文字情報を送受信できることで通話がしやすくなった」(55.8%)、「障害のハンディを補うことができるようになった」(48.1%)点を挙げていた( 図表10 )。