ネットワーク・ヒューマン・インターフェースの総合的な研究開発
(ネットワークロボット技術)

  1. 研究概要

    <目的>
     本研究開発は、3タイプ(バーチャル型、アンコンシャス型、ビジブル型)のロボットが協調・連携することによって、人々の誘導や案内・情報提供が可能なネットワークロボットを実現するために必要となる基盤技術を確立することを目的としています。
     これを実現するために、ア)「ネットワークシステム技術」、イ)「ロボットプラットフォーム構築技術」、ウ)「行動・状況認識技術」、エ)「ロボットコミュニケーションに関する技術」について研究開発を行っています。
     これらの技術を組み合わせることによって、駅や施設での誘導、案内だけでなく、家庭との連絡、街の安全、公共施設・学校点検、環境保全、ゴミ回収、省エネ、遠隔医療、遠隔家事、電子交番等への展開が期待されます。
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    イメージ

    図.ネットワークロボットのイメージ




  2. 各研究開発課題の成果・実績

  3. (ア) ネットワークシステム技術 (PDF) 株式会社国際電気通信基礎技術研究所、株式会社東芝
     
     ネットワークを介して複数の異種ロボットを協調的に動作させるために、エージェント技術をベースとしたロボット間協調言語・プロトコルの開発、ロボットリモート制御技術の開発、およびセマンティックWebサービスに基づくロボットサービスの動的な発見・合成技術を研究開発しています。現在までに,モバイルエージェントを用いた複数ロボットの連携や、オントロジーを用いたサービス検索エンジンを試作しました。

    (イ)

    ロボットプラットフォーム構築技術 (PDF) 日本電信電話株式会社

     
     複数の様々なタイプのロボットを結びつけ、各ロボットが収集した情報を蓄積・統合・処理すると共に、提供しようとするサービス(ミッション)を実行するためのロボット制御情報の配信のために、ネットワークロボット・プラットフォームを研究しています。
     図は、「ネットワークロボット・プラットフォーム」のアーキテクチャを示します。このプラットフォームにより複数の色々なタイプのロボットを協調・連携させることにより、前述したような様々なサービスやアプリケーションの実現を狙っています。
    イメージ
    図.ネットワークロボットのアーキテクチャ
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    (ウ) 行動・状況認識技術 (PDF) 株式会社国際電気通信基礎技術研究所、三菱重工業株式会社、松下電器産業株式会社
     
     ロボットが人と適切かつ自然な対話行動を行おうとすると、人はどのような行動中なのか、人を取り巻く環境はどのような状況なのかを知る必要があります。
     行動・状況認識技術では、多くの人が行きかう公共の場で、天井や壁に埋め込まれたロボット(アンコンシャス型ロボット)を含む色々なロボットが協調・連携して、人の行動や周囲の状況を認識する技術を研究しています。

    (エ) ロボットコミュニケーション技術 (PDF) 株式会社国際電気通信基礎技術研究所
     
     ロボットとネットワークを利用して人と自然なコミュニケーションを実現するための情報支援や、人の誘導等を実現する技術を研究しています。 ロボットは、音声発話だけでなく、人間に似せて作られているロボット身体を利用した動作(手を上げる、アイコンタクトなど)や、自律的な移動ができます。そこで、これらを活用して、人に尋ねる感覚でロボットとの対話やコミュニケーションができる技術の実現を狙っています。



  4. 研究成果(実証実験)の一例

    子供達の注意を引きながら案内する対話技術の開発
     本研究開発の成果の一例として、大勢の人々の注意を引きつつ案内を行うサービスがあります。
     このビデオは、大阪市立科学館で行った実証実験(H17年5月)の様子を撮影したものです。このように、ビジブル型ロボットの特長を活かして、ロボットが「皆さん、こちらにもう少し近づいてください/離れてください。」とか「それでは、皆さんこちらに移動するよ。」などの集団をまとめて案内・誘導できることを確認しました。
    イメージ 大阪市立科学館での実証実験ビデオ(約1Mbyte)
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