現在位置:ホーム > 報道発表資料 > 報道発表資料(平成22年) > 「戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)」の平成22年度新規採択課題の決定

「戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)」の平成22年度新規採択課題の決定

報道発表/平成22年8月9日

  総務省は、本日、平成22年4月から同年5月にかけて公募した戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)の平成22年度新規課題について、全国で応募がありました249件の課題から、52件を新規採択課題として決定しました。
  そのうち、近畿総合通信局(局長:野津 正明)管内については、近畿2府4県において、応募件数44件のうち8件が採択されました。

戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE※)とは、豊かなユビキタスネット社会の実現に向けて、ICT分野のイノベーションを生み出すことを目指し、総務省が定めた戦略的な重点研究開発目標を実現するための独創性・新規性に富む研究開発を支援する競争的資金制度です。

SCOPE:Strategic Information and Communications R&D Promotion Programme

平成22年度から新規に実施する研究開発課題について、平成22年4月12日から同年5月10日までの間公募を行った結果、大学・民間企業・公的研究機関等に所属する研究者から合計249件の応募がありました。

提案課題の審査においては、専門的知識を有する複数の評価者による評価及びプログラムごとに設置した評価委員会による総合的な評価からなる二段階の評価を実施し、その結果を踏まえて新規採択課題52件が決定されました。

連絡先
近畿総合通信局 情報通信部 情報通信連携推進課
担当:石塚、中居、堺
電話:06-6942-8623

別紙1

平成22年度戦略的情報通信研究開発推進制度応募件数・採択件数

プログラム名 近畿 全国
応募件数 採択件数 応募件数 採択件数
ICTイノベーション創出型研究開発 25 2  113  11
若手ICT研究者育成型研究開発  9 4  41 14
地域ICT振興型研究開発  10 2 95 27
合計 44 8 249 52
<参考>対象プログラム
  ○ ICTイノベーション創出型研究開発
ユビキタスネット社会を実現するために総務省が設定したICTに関する戦略的な重点研究開発領域において、イノベーションを創出する独創性や新規性に富む基礎的・萌芽的な研究開発課題の提案に対して研究資金を支援。
  ○ 若手ICT研究者育成型研究開発
ICT分野の研究者として次世代を担う若手人材を育成するために、若手研究者(個人またはグループ)が提案する研究開発課題に対して研究資金を支援。
  ○ 地域ICT振興型研究開発
ICTの利活用によって地域貢献や地域社会の活性化を図るために、地域に密着した大学や、地域の中小・中堅企業が提案する研究開発課題に対して研究資金を支援。

別紙2

戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE) 平成22年度採択課題一覧(近畿管内)

【ICTイノベーション創出型研究開発】 
新世代ネットワーク技術
課題名 研究代表者 研究分担者 概要 研究期間
コヒーレントCoMPによる無線分散ネットワークの研究開発 吉田 進
(京都大学大学院情報学研究科)
田野 哲
村田 英一
梅原 大祐
山本 高至
(京都大学大学院情報学研究科)
  ユビキタスネット社会を実現する基盤技術である無線分散ネットワークにおいて、遍在する無線送信機群において高精度なキャリア位相レベルの制御を施すことで、各無線機の受信信号品質を最大化し、周波数利用効率と電力効率を改善するコヒーレントCoMP (Coordinated Multi-Point)送受信技術の研究開発を行う。
  理論解析に加えて、実環境におけるハードウェア実験により特性改善効果を実証する。同時に、ハードウェアへの要求条件を解明し、その実現性を示す。
3年
ユニバーサル・コミュニケーション技術
課題名 研究代表者 研究分担者 概要 研究期間
点字と触地図による視覚障害者支援システムの研究開発 岡 裕
(神戸大学大学院医学研究科)
喜多 伸一
(神戸大学大学院人文学研究科)

渡辺 哲也
(新潟大学大学院自然科学研究科)

菅野 亜紀
(神戸大学大学院医学研究科)
  本研究開発の目的は、視覚障害者向けのアクセシビリティ向上を目指したアンビエントインテリジェンス基盤となる技術の開発である。
  具体的には、視覚障害者へ健常者と同様の情報を点字で獲得する機会の提供や、急増している中途視覚障害者への点字習得方法の提供、視覚障害者の社会参加と社会活動を支援する触図(特に触地図)の提供、を可能とするプログラムやシステムの開発を目的としており、視覚障害者の生活の質(QOL)の向上を目指す。
3年
【若手ICT研究者育成型研究開発】
課題名 研究代表者 研究分担者 概要 研究期間
ソーシャルクラウド型新世代知識情報獲得支援システムの研究開発 河合 由起子
(京都産業大学コンピュータ理工学部)
秋山 豊和
(京都産業大学コンピュータ理工学部)
  ユーザのソーシャルネットワークを構築することで、閲覧ユーザ間のリアルタイムコミュニケーションを実現し、これまでのページリンク構造だけでなく閲覧ユーザの「量と質」に基づいたリンク構造も利用したランキングを実現する。
  これにより、本邦初の人と情報とのつながりによる新世代知識情報獲得手段の端緒となることを目指す。
3年
超テラビット毎平方インチ磁気記録媒体評価を可能にする単分子磁石走査型トンネル顕微鏡法の研究開発 戸川 欣彦
(大阪府立大学21世紀科学研究機構)
西野 智昭
(大阪府立大学21世紀科学研究機構)
  これまで培ってきた1ナノメートル以下の超高空間分解能を有する分子探針STM 技術を磁気イメージングに展開し、100 ナノ毎平方メートル以下の超高密度磁気記録ビットの磁気状態を大気中で安定に解析することを可能とし、磁気記録素子の解析評価技術を革新するものである。
  将来的にハードディスクドライブや磁気ランダムアクセスメモリなどの次世代磁気記録素子の高密度化や高集積化を推進し、磁気記録素子の省エネルギー化に貢献する基盤計測技術として活用される。
3年
乱数品質を保証したオンチップハードウェア乱数発生器の開発 橋本 昌宜
(大阪大学情報科学研究科)
  電源などの外乱(他回路からのノイズや意図的な悪意有る攻撃)に一定の耐性を持つオシレータサンプリング方式を基本方式として採用し、チップ内の小さなランダム雑音を増幅する回路を開発して、乱数品質向上や外乱耐性向上を実現する。
  さらに、製造ばらつきや環境変動・意図的な攻撃による乱数品質の劣化を検出する機構を開発し、自己調整(回路パラメータ調整や後処理方式の変更)により品質劣化要因を克服する。
  以上により品質が保証された乱数生成を達成する。
3年
分子通信による新しいICTパラダイムの創生 中野 賢
(大阪大学大学院工学研究科)
  分子通信は情報通信・医療・環境など多分野への応用が期待される一方、これまでの研究では分子通信の特性が定量的に検証されていないため、分子通信の発展と実用化にはその理論的基盤を確立する必要があると考える。
  そこで、分子通信の可能性を理論的側面から探求する。具体的には、(1) 情報分子伝搬方式のモデル化と定量的評価、(2)情報の符号化/復号化方式のモデル化と定量的評価、(3)高度な分子通信機構を実現するためのプロトコル設計を行う。
3年
【地域ICT振興型研究開発】
課題名 研究代表者 研究分担者 概要 研究期間
地域の安全・安心のための24時間監視・見守りシステム構築に向けての要素技術 鳥生 隆
(大阪市立大学大学院工学研究科)
濱 裕光
Pyke Tin
中島 重義
(大阪市立大学大学院工学研究科)

安田 国弘
(北陽電機株式会社)
  現状では監視カメラのモニタリングはほとんどが人手によるもので、肉体的・精神的にも大きな負担を強いられるものである。
  そこで、いつでもどこでも24 時間見張り番として、センサー情報から人の姿勢・動作を認識し、正常・異常の判断をし、その結果怪しい人や不審物の早期発見、追跡、通報、警告を行えるシステム構築のための要素技術の開発を目的とする。
2年
医療現場における利用者適応型多言語間コミュニケーション支援のための基盤技術の研究開発 吉野 孝
(和歌山大学システム工学部)
西村 竜一
松延 拓生
(和歌山大学システム工学部)
  外国人にとって、医療機関における通訳サービスの有無は生死に関わる問題である。本研究開発では、医療機関の様々な状況において、外国人患者と医療従事者に適応した多言語間コミュニケーション支援のための基盤技術を研究開発する。
  本研究開発では、定型的な場面においては、計算機資源を活用し人的なコストを低減させ、非定型的な場面においては遠隔に存在する通訳者をインターネットを介して適切に介在させる多段構成による支援システムを研究開発する。
2年
ページの先頭へ戻る
このサイトはJIS X 8341-3に対応しています。