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報道資料

平成21年1月27日
九州総合通信局

ブロードバンド・ゼロ地域解消に向けた最近の動向
〜ブロードバンド空白地域は着実に減少。今後は3.5世代携帯電話・通信衛星の活用も〜

 九州総合通信局〔局長:武井 俊幸(たけい としゆき)〕では、本年も九州におけるブロードバンド・ゼロ地域の解消に向け、県・市町村、電気通信事業者などの関係者と連携しながら、インフラ整備の促進及びICT利活用の普及促進に取り組んでまいります。

 
1 九州におけるブロードバンド・ゼロ地域の現状

 九州には、離島・半島や中山間地域などの条件不利地域とされる地域が数多く存在し、これらの地域を中心に散在するブロードバンド・ゼロ地域の解消が課題となっています。
 九州総合通信局では、総務省の「デジタル・ディバイド解消戦略」(平成20年6月24日)等を踏まえ、各県ごとに国、県、市町村、電気通信事業者などで構成されるブロードバンド整備促進会議等を開催し、地域ごとの整備状況の把握や未整備地域の整備方策の検討などについて協議・意見交換を行い、ブロードバンドの整備に向けた取組を進めています。
 こうした取組により、平成20年9月末のブロードバンドの世帯カバー率は96.5%(前年同期の92.9%から3.6%の拡大)、ブロードバンド・サービス未提供世帯数は19万世帯(前年同期の39万世帯から20万世帯の減少)となり、未提供エリアは着実に減少しています。
 また、平成20年度予算、同補正予算によるブロードバンド整備や、県、市町村、電気通信事業者等による取組により、ブロードバンド・ゼロ地域はさらに減少する見込です。 
 
九州におけるブロードバンド・ゼロ地域の現状

 また、現在5町村残っているブロードバンド・ゼロ町村においてもインフラ整備が進められており、平成21年度までに、九州すべての市町村においてブロードバンドの基盤整備が完了する予定です。

[ブロードバンド・ゼロ町村における整備推進状況]
町村名 整備推進状況
(1) 熊本県水上村 平成20年度にFTTHを整備
(2) 熊本県五木村 平成20年度にADSLを整備
(3) 大分県九重町 平成20年度にCATVを整備
(4) 鹿児島県三島村 平成21年度以降に整備(予定)(現在も、無線LANによる実験サービスの利用が可能)
(5) 鹿児島県十島村 平成20年度に地域イントラネットを整備。平成21年度以降に各戸あて高速無線LANによる基盤を整備予定(現在も、無線LANによる実験サービスの利用が可能)

 
2 最近におけるブロードバンド整備

 総務省では、地域情報通信基盤整備推進交付金事業、地域イントラネット基盤施設整備事業、ブロードバンド・ゼロ地域解消事業といった支援措置を講じており、各地でこれらを活用した光ファイバ等のインフラ整備が進められています。【参考1及び参考2
 また、ブロードバンド、携帯電話、地上デジタル放送、防災情報基盤の整備等を一体的に行う「合わせ技」プロジェクトによる整備のほか、インフラ整備とその利活用の一体的推進にも取り組んでいます。

 さらに、ADSL、FTTH、CATV等の整備が困難な地域においては、サービスエリアが急拡大してきた3.5世代携帯電話、今春サービス開始予定の衛星ブロードバンドといった新たな無線技術を活用したブロードバンドサービスが有効な手段であると考えられます。その活用方法・事例等についても周知を図っているところです。 

 
3 ICT利活用の普及促進

 九州におけるブロードバンドの世帯普及率は43.2%(全国ベースで56.9%)となっており、ICT利活用の一層の普及促進も課題となっています。
 このため、地域経済の活性化や少子高齢化への対応、地域コミュニティの再生や安心・安全の確保等、地域が抱える諸課題に対し、ICTの利活用による課題解決を促進するため、「地域ICT利活用モデル」事業を推進しているほか【参考3】、ブロードバンドの一層の普及に向け、地域住民を対象としてブロードバンドの具体的な利活用事例などを紹介するセミナー等を開催し、普及促進を図っています。【参考4 

 
4 条件不利地域におけるブロードバンド化促進のための取組

 九州地域における地理的、社会的、経済的課題にかんがみ、中山間地域等の条件不利地域におけるブロードバンド化を促進するため、産学官の関係者の協力を得て、調査研究を行っています。 
 
1 中山間地域の例(福岡県八女市)
 広域の市町村合併を控え、条件不利地域を多く抱えることになる八女市において、簡易かつ低廉なブロードバンド整備を可能とする、無線LANの実証実験を行っています。
 具体的には、住民(特に高齢者)に対して、ブロードバンドにより提供される防災、安心・安全、健康福祉の支援のためのアプリケーションを導入し、ブロードバンドの整備促進を図るとともに他地域への展開可能性についても視野に入れるものです。【参考5
2 離島の例(鹿児島県十島村(平成18年度))
 離島等条件不利地域のブロードバンド化を促進するため、鹿児島県十島村をモデル地域として、平成18年度にブロードバンド化の促進方策を取りまとめるために調査研究を行いました。
 その成果は、現在整備中の地域イントラネット整備事業に生かされています。【参考6

 
5 九州における今後の取組み

 九州総合通信局では、引き続き、国による支援策の活用の促進によるブロードバンド・ゼロ地域解消や新たなICT利活用の事例収集・周知によるその普及促進に取り組んでまいります。
 

【参考1】地域情報通信基盤整備推進交付金事業による整備(20年度)
【参考2】地域イントラネット基盤施設整備事業による整備(20年度)
【参考3】地域ICT利活用モデル構築事業(20年度)
【参考4】ブロードバンド利用に対する地域の反応・期待の声
【参考5】八女市における実証実験のイメージ図
【参考6】十島村における地域イントラネット事業のイメージ図

連絡先:情報通信部電気通信事業課 096-326-7821