諮問第65号の答申 :商業動態統計調査の変更及び商業動態統計調査の指定の変更について

府統委第50号
平成26年6月16日


総務大臣
新藤 義孝  殿

統計委員会委員長      
にしむら きよひこ


諮問第65号の答申
商業動態統計調査の変更及び商業動態統計調査の指定の変更について


 本委員会は、諮問第65号による商業動態統計調査の変更及び商業動態統計調査の指定の変更(名称の変更)について審議した結果、下記のとおり結論を得たので、答申する。



1(1はローマ数字) 本調査計画の変更
1 承認の適否
 経済産業大臣から平成26年3月5日付け20140303統第1号により申請された「基幹統計調査の変更について(申請)」(以下「本申請」という。)について審査した結果、以下のとおり、統計法(平成19年法律第53号)(以下「法」という。)第10条各号の各要件のいずれにも適合しているため、商業動態統計調査(基幹統計調査)(以下「本調査」という。)の変更を承認して差し支えない。

2 理由等
(1)調査対象の範囲
 本調査の丁調査(企業対象)の調査対象の範囲について、本申請では、表1のとおり、新たに「家電大型専門店」、「ドラッグストア」及び「ホームセンター」の3業種を調査対象業種に追加する計画である。

表1
変更前
種別 種類 調査対象 対象
甲調査 指定事業所甲 ・従業者200人以上の卸売事業所等 事業所
乙調査 指定事業所乙 ・指定事業所甲以外の卸売事業所 事業所
・自動車小売事業所等の小売事業所
・従業者20人以上の小売事業所のうち指定事業所丙を除いたもの
指定調査区乙 ・経済産業大臣が指定した調査区内に所在する従業者数19人以下の小売事業所 事業所
丙調査 指定事業所丙 ・従業員50人以上の小売事業所のうち百貨店及びスーパーに該当する事業所 事業所
丁調査 指定企業丁   企業
・コンビニエンスストア(一定規模以上)
(新設)
変更後
種別 種類 調査対象 対象
甲調査 指定事業所甲 ・従業者200人以上の卸売事業所等 事業所
乙調査 指定事業所乙 ・指定事業所甲以外の卸売事業所 事業所
・自動車小売事業所等の小売事業所
・従業者20人以上の小売事業所のうち指定事業所丙を除いたもの
指定調査区乙 ・経済産業大臣が指定した調査区内に所在する従業者数19人以下の小売事業所 事業所
丙調査 指定事業所丙 ・従業員50人以上の小売事業所のうち百貨店及びスーパーに該当する事業所 事業所
丁調査 指定企業丁   企業
・コンビニエンスストア(一定規模以上)
・家電大型専門店(一定規模以上)
・ドラッグストア(一定規模以上)
・ホームセンター(一定規模以上)

 これについては、近年、3業種の売上げが伸び、市場規模が拡大傾向にあり、月例経済報告(内閣府)で個人消費の主要経済指標として掲載されている「百貨店」、「スーパー」及び「コンビニエンスストア」の業種とほぼ同程度の市場規模に伸長しており、小売業全体に占める割合が高まっているため、追加するものである。
 これにより、我が国の景気判断や消費動向を多角的に把握・分析する上で有用な情報が得られることとなり、行政ニーズとともに利用者ニーズに応えるものであることから、適当である。

(2)報告を求める者
ア 変更事項1
 本調査の報告を求める者(以下「報告者」という。)の選定について、本申請では、母集団情報を平成19年商業統計調査(経済産業省が所管する基幹統計調査)結果から平成24年経済センサス-活動調査(総務省及び経済産業省が所管する基幹統計調査)結果に変更する計画である。
 これについては、平成24年経済センサス-活動調査の卸売業、小売業の結果が公表(平成25年11月に業種別、平成26年2月に業態別)されたことを踏まえ、本調査の母集団情報を最新のものに変更するものである。
 これにより、最新の卸売・小売業の実態や企業構造情報(従来の事業所を企業名寄せしていた名簿情報ではなく、企業ごとの傘下事業所の情報による正確な企業及び事業所の関係情報)を踏まえた対象選定が可能となり、商業活動動向のより正確な把握に資するものであることから、適当である。

イ 変更事項2
 本調査の丁調査における報告者について、本申請では、「家電大型専門店」、 「ドラッグストア」及び「ホームセンター」を調査対象業種に追加することに伴 い、表2のとおり、当該事業を行う企業を新たに選定する計画である。

表2
調査対象業種選定対象企業(参考)選定対象企業数
家電大型専門店 家電大型専門店(日本標準産業分類(平成19年11月改定)の細分 類5931「電気機械器具小売業(中古品を除く)」又は細分類5932 「電気事務機械器具小売業(中古品を除く)」に属する事業所の うち売場面積が500m2以上のもの)を10店舗以上有する企業 24企業
ドラッグストア 日本標準産業分類の細分類6031「ドラッグストア」を50店舗以上 有する企業又はドラッグストアの年間販売額が100億円以上の企業 67企業
ホームセンター 日本標準産業分類の細分類6091「ホームセンター」を10店舗以上 有する企業又はホームセンターの年間販売額が200億円以上の企業 52企業
(注)表中の「(参考)選定対象企業数」は、専門量販店販売統計調査(経済産業省が所管する一 般統計調査)の調査対象企業数である。

 これについては、調査の効率的な実施を図る観点から変更するものであり、こ れにより、商品販売額ベースで各業種とも9割を超えるカバー率であるなど一定 の結果精度が確保できるとともに、結果的に報告者負担の軽減にも資するもので あることから、適当である。

ウ 変更事項3
 本調査の丁調査における報告者について、本申請では、報告者となった企業の当該業種の傘下の事業所は乙調査及び丙調査の調査対象から除外する計画である。
 これについては、これまで、小売業の事業所を対象とした乙調査及び丙調査と、企業を対象とした丁調査との間で報告を求める者の調整が十分でなかったため、結果的に一部事業所において重複してデータを把握している状況を改善するものである。
 具体的には、平成24年経済センサス-活動調査と現行の商業動態統計調査の対象名簿を企業名称等で名寄せし試算した結果、表3のとおり、乙調査及び丙調査において約7%の事業所が除外される見込みである。

表3
区分乙調査の除外見込み数丙調査の除外見込み数
家電大型専門店 293事業所39事業所332事業所
ドラッグストア 129事業所11事業所140事業所
ホームセンター 298事業所319事業所617事業所
コンビニエンスストア 197事業所197事業所
917事業所369事業所1,286事業所
(参考:全体の調査対象事業所数) (約12,500事業所)(約5,300事業所)
(注)平成24年経済センサス-活動調査と現行の商業動態統計調査の対象名簿から試算したものである。

 これにより、報告者負担の軽減に資するとともに、これまで十分に把握できなかった各業種の実態の把握が可能となるものであることから、適当である。

(3)報告を求める事項
ア 変更事項1
 本調査の丁調査において「家電大型専門店」、「ドラッグストア」及び「ホームセンター」を調査対象業種に追加することに伴い、報告を求める事項について、本申請では、新たに「商品別月間商品販売額」、「都道府県別月間商品販売額」、「都道府県別月末店舗数」及び「期末商品手持額」を把握することとしている。
 これについては、多様化している個人消費の動向や生産性等について的確に把握・分析しようとするためのものである。
 これにより、都道府県ごとの地域における景気動向の把握が可能となり、個人消費の動向や生産性等についてより詳細に分析を行うことに資するものであり、また、地方公共団体等にとっても有用な情報を得るものであることから、適当である。
 一方、従来から丁調査で調査を実施している「コンビニエンスストア」において、地域別の商品販売額等の把握を地方経済産業局単位から都道府県単位に変更するとともに、既存店における商品販売額等の項目を削る計画である。
 このうち前者については、都道府県別統計の充実、消費に関する都道府県別分析の向上等に寄与することから、地方経済産業局や都道府県等のニーズに応えるものであり、また、地域統計の更なる充実に資することから、適当である。
 また、後者については、1(1は丸の中に数字)地域別の商品販売額等の把握を地方経済産業局単位から都道府県単位に変更することとの見合いで、報告者負担の軽減を図る必要があり、既存店における商品販売額等の項目を削るものであること、2(2は丸の中に数字)既存店における商品販売額等のデータとして、別途、業界団体が作成する統計データがあり、本調査の結果と傾向がほぼ一致するなど高い相関関係にあることが確認されたこと、3(3は丸の中に数字)経済産業省と業界団体においてデータの把握について役割分担が整理され、業界団体において引き続き既存店に係るデータを把握し、安定的に提供されることが確認されたことから、やむを得ないものと考える。
 ただし、経済産業省は、今回の見直しによって、統計ユーザーの混乱を招くことがないよう、今回の整理結果についてユーザー側への周知徹底を図るとともに、本調査の結果公表においてユーザーの利便性を確保するための措置を講じることが必要である。また、将来において業界団体におけるデータの把握状況が変更されるような事情が生じた場合に、調査実施者において適切な対応方策を速やかに講じることができるよう、業界団体との意思疎通を今後とも引き続き継続することが必要である。

イ 変更事項2
 本調査の丙調査で把握する期末商品手持額において、本申請では、図1のとおり、従来の4品目(うち計項目1)から10品目(うち計項目1)に細分化する計画である。

図1
変更前
1-3. 期末商品手持額 [ この欄は3月、6月、9月及び12月分を報告するときに記入してください。 ]
商品名 番号 期末商品手持額
A
百億 十億 千万 百万 十万 万円
織物・衣服・身の回り品0131
飲食料品0132
その他の商品0133
合計0134
変更後
1-3. 期末商品手持額 [ この欄は3月、6月、9月及び12月分を報告するときに記入してください。(単位:万円。消費税額を含む。) ]
商品名 番号 期末商品手持額
A
百億 十億 千万 百万 十万 万円
紳士服・洋品0141
婦人・子供服・洋品0142
その他の衣料品0143
身の回り品0144
飲食料品0145
家具0146
家庭用電気機械器具0147
家庭用品0148
その他の商品0149
合計0150

 これについては、国民経済計算(内閣府所管の基幹統計)の四半期別GDP速報における流通在庫の推計精度の向上に資するための変更であり、「公的統計の整備に関する基本的な計画」(平成26年3月25日閣議決定。以下「第2(2はローマ数字)期基本計画」という。)の国民経済計算の整備において「一次統計等との連携強化」の一環として、流通在庫などの在庫推計のための基礎統計の整備が指摘されていることに対応するものであることから、適当である。

(4)集計事項
ア 変更事項1
 本調査について、本申請では、1(1は丸の中に数字)丁調査の調査対象業種として「家電大型専門店」、「ドラッグストア」及び「ホームセンター」を追加、2(2は丸の中に数字)丁調査のうち、「コンビニエンスストア」における地域別売上高を都道府県単位で把握、3(3は丸の中に数字)丙調査の期末商品手持額の細分化といった見直しを行うことに伴い、集計事項の追加・変更を行う計画である。
 これについては、報告を求める事項等の変更に伴い、必要な集計事項の追加等を行い、関連する集計事項を変更するものであり、これにより、新たに追加する調査対象業種における商品販売額等の状況や地域別の詳細な売上状況等について把握できることになり、多方面における景気動向等の分析等に資するものであることから、適当である。

イ 変更事項2
 本調査について、本申請では、業種別の表章項目に「無店舗小売業」を追加する計画である。
 これについては、母集団名簿を平成19年商業統計調査結果から平成24年経済センサス-活動調査結果に変更することに伴い、日本標準産業分類の平成19年改定(平成20年4月適用)の際に新設された中分類61「無店舗小売業」の表章が可能となることを踏まえた見直しを行うものである。
 これにより、これまで小売業の各業種の中に含まれていた無店舗小売事業所の販売額が各業種から控除され、新たに「無店舗小売業」の販売額として計上され、業種別販売額及び前年(度、同期、同月)比増減率の状況等について把握できることになり、小売業に係る分析等に資するものであることから、適当である。

ウ 変更事項3
 本調査について、本申請では、業種別販売額等に関し、図2のとおり、従来の事業所を対象とする調査(標本調査。以下「事業所調査」という。)の結果のみから推計する方法から、事業所調査と企業を対象とする調査(以下「企業調査」という。)の結果を用いて推計する方法に変更する計画である。

図2
変更前:(例)医薬品・化粧品小売業
変更後:(例)医薬品・化粧品小売業
乙調査からの推計値
事業所調査分 右向き矢印 上半分:乙調査からの推計値
事業所調査分

下半分:企業調査(ドラッグストア)からの推計値
企業調査分

 これについては、今回から、事業所調査及び企業調査における報告者の重複を排除する観点から、丁調査の対象となった企業の当該業種の傘下の事業所は乙調査及び丙調査の調査対象から除外することとしており((2)ウ参照)、調査対象業種のうち、「飲食料品小売業」、「機械器具小売業」、「医薬品・化粧品小売業」及び「その他小売業」の業種別販売額の推計において、事業所調査に企業調査の結果を追加して用いることで事業所調査の報告者の数が減少することに対応しようとするものである。
 経済産業省では、平成27年7月分から新たな推計方法による公表に向け、データの連続性の確保を図る観点から、専門量販店販売統計調査(経済産業省が所管する一般統計調査)の結果を用いて試算を行い、推計方法の変更による影響の検証を行い、必要な所要の対応を講じることとしていることから、適当である。

3 統計審議会答申における今後の課題への対応状況等について
 本調査については、統計審議会における諮問第257号の答申「商業動態統計調査の改正について」(平成11年1月22日付け統審議第2号。以下「統計審議会答申」という。)において、今後の課題として、事業所と企業調査の有機的な連携の在り方や役割分担等の検討など5事項が指摘されており、経済産業省における当該課題への対応状況等は、以下のとおりである。
(1)「事業所調査と企業調査の有機的な連携の在り方や役割分担等」について
 統計審議会答申において、「事業所調査と企業調査の有機的な連携の在り方や役割分担等」として、「コンビニ企業調査(引用注:コンビニエンスストアを展開する企業を対象とする調査)の実施によって、商業動態統計調査の調査体系は、事業所調査と企業調査により構成されることとなり、集計結果も独立した扱いになることから、今後、作成される統計の一体性や整合性の観点も踏まえ、事業所調査と企業調査の有機的な連携の在り方や役割分担等について検討する必要がある」と指摘されている。
 これについて、経済産業省では、今回の調査計画において事業所調査と企業調査の重複を排除するとともに、集計結果を一体化するといった指摘を踏まえた所要の対応を行うこととしていることから、適当である(前述2(2)ウ及び(4)ウ参照)。

(2)「事業所調査及び企業調査の標本設計の見直しによる報告者負担の軽減」について
 統計審議会答申において、「事業所調査及び企業調査の標本設計の見直しによる報告者負担の軽減」として、「事業所調査については、調査対象にコンビニエンス・ストアが含まれている調査区調査があることから、事業所調査の結果と企業調査の結果を一体的に集計できないこととなっているので、今後、事業所調査及び企業調査の標本設計の見直しについて検討する必要がある」と指摘されている。
 これについて、経済産業省では、今回の調査計画において企業調査の対象となった傘下の事業所については事業所調査の対象から除外するとともに、事業所調査の結果と企業調査の結果を一体的に集計するといった指摘を踏まえた所要の対応を行うこととしていることから、適当である(前述2(2)ウ及び(4)ウ参照)。

(3)「コンビニエンスストアにおける金融関連サービスの把握」について
 統計審議会答申において、「コンビニエンスストアにおける金融関連サービスの把握」として、「コンビニエンス・ストアについては、規制緩和等社会経済情勢の変化に対応して、公共料金収納代行等営業内容が拡大していることから、今後、報告者負担の抑制及び金融に係る業務統計の整備状況を踏まえつつ、金融関連サービスの把握について検討することが望まれる」と指摘されている。
 これについて、経済産業省は、検討を進めてきたものの、以下の理由から、対応は困難であるとしている。
1(1は丸の中に数字) コンビニエンスストアにおける金融関連サービスに該当するものとして、ATM、公共料金(電力料金、水道料金、ガス料金、放送受信料等)の収納代行等が考えられる中、ATMは別会社の所有となっていたり、手数料収入が売上高ではなく営業収入等となっているなど、企業によって取扱いが異なり、把握が困難であること。
2(2は丸の中に数字) コンビニエンスストアを対象とする丁調査は企業単体(フランチャイズチェーン本部)単位で把握し、別会社であれば対象外としており、金融関連サービスのうち、収納代行等は原価のないサービスであり、企業によっては事業所の営業収入等の扱いとはしても、コンビニエンスストアのサービス売上高に含めないこととしていること。
3(3は丸の中に数字) 金融関連サービスは、本調査において把握しているサービス売上高に比べ、代金の増減が消費動向等とは直接関係が無いこと。
 これについては、金融関連サービスとサービス売上高は分けて把握すべきことから、妥当なものと考える。

(4)「事業所調査と企業調査の一体的な集計・公表」について
 統計審議会答申において、「事業所調査と企業調査の一体的な集計・公表」として、「調査の体系の相違から、当面は、やむを得ないものと認められるが、標本設計の見直しに合わせ、商業動態統計調査の結果として一体的な集計・公表について検討する必要がある」と指摘されている。
 これについて、経済産業省では、今回の調査計画において事業所調査と企業調査の一体的な集計・公表を行うといった指摘を踏まえた対応を行うこととしていることから、適当である(前述2(2)ウ及び(4)ウ参照)。

(5)「事業所調査と企業調査の一体的な集計・公表」について
 統計審議会答申において、「情報通信技術の積極的導入等による一層の公表の早期化に努めること」として、「コンビニエンス・ストアの販売動向が個人消費の動向把握の基礎資料として重要であることにかんがみ、調査の実施状況を踏まえながら、情報通信技術の積極的導入等により一層の公表の早期化に努める必要がある。なお、その際、百貨店等の全数調査結果等他の調査結果についても、可能な限り公表の早期化に努めることが必要である」と指摘されている。
 これについて、経済産業省は、検討を進めてきたものの、以下の理由から、現行の調査の実施から公表までのスケジュールとしたいとしている。
1(1は丸の中に数字) 今回の見直しにより、現在の事業所を対象とする甲調査、乙調査及び丙調査と、企業を対象とする丁調査(コンビニエンスストアを対象)について、新たに丁調査において、「家電大型専門店」、「ドラッグストア」及び「ホームセンター」を対象とするため、調査票の回収、督促、集計等関係する業務が増加する中で、引き続き従前どおりの公表スケジュールで対応することとしていること。
2(2は丸の中に数字) 公表の早期化の観点から、調査対象企業・事業所に対する督促期間の短縮化が考えられるが、動態調査の結果精度の確保を図るためには現行の督促期間の確保が必要であること。
 これについては、調査結果の正確性等を確保するため、妥当なものと考える。
 なお、公表の早期化を図る観点から、オンライン調査の定着・推進を図っていくことは、報告者の利便性の向上や効率的な調査の実施等の面からも有用であり、経済産業省では、毎年「提出促進運動」(10月)を実施するなど、オンライン調査の利用促進を図るための取組を実施していることについては評価できるものと考える。
 今後、第2(2はローマ数字)期基本計画においてオンライン調査を推進することが求められていることを踏まえ、更なるオンラインによる回収率の向上に向けた取組を行うことが必要であると考える。

4 今後の課題
 本調査の丁調査においてコンビニエンスストアの既存店につき商品販売額等のデータを把握しないことについては、そのニーズの高さを十分踏まえつつも、2(3)アのとおり、やむを得ないと整理したところである。
 このため、経済産業省は、将来において業界団体におけるデータの把握状況が変更されるような事情が生じた場合に、適切な対応方策を速やかに講じることができるよう、業界団体との意思疎通を今後とも引き続き継続することが必要である。

2(2はローマ数字) 商業動態統計調査(基幹統計)の指定の変更(名称の変更)
1 承認の適否
 総務大臣から諮問された商業動態統計調査の指定の変更(名称の変更)について審査した結果、以下の理由から、指定を変更して差し支えない。

2 理由等
 「商業動態統計調査」は、現在、基幹統計調査の名称であると同時に、基幹統計の名称でもあるが、法では統計とそれを作成する手段である統計調査とを概念上区分しており、基幹統計の名称を基幹統計調査の名称と同一にしておくことは適当でない。
 新たな基幹統計の名称については、「統計」と「統計調査」を区分する考え方を徹底する観点から、「調査」という用語を含めることは適当でないことを勘案し、また、法の考え方に基づき基幹統計の名称を変更した過去の例も踏まえ、「商業動態統計」とすることが適当である。