地方公共団体における地域情報化施策に係る調査結果の概要

 平成12年4月1日現在で実施した「地域情報化計画・地域情報化施策状況調査」の結果の概要は、次のとおりである。

1 地域情報化計画の策定状況

1.  地域情報化計画の団体別策定状況(表−1)
 都道府県では、47団体すべてが地域情報化計画を策定済みである。 
 市区町村では、3,252団体のうち、739団体が策定済み又は策定中
(策定済み684団体、策定中55団体)であり、全団体の22.7%を占めており、対前年度比105.9%である。 
2.  地域情報化計画の形式別策定状況(表−2) 
 (1)都道府県では、47団体で92の地域情報化計画を策定済み又は策定中であり、その内訳は、独自の計画によるものが57、総合計画等の一部に位置付けられているものが19、国の構想に基づくものが16となっている。
 (2)市区町村では、739団体で1,023の地域情報化計画を策定済み又は策定中であり、その内訳は、独自の計画によるものが341、総合計画等の一部に位置付けているものが256、国の構想に基づくものが426となっている。
 

2 地域情報通信システムの整備状況

1.  地域情報通信システムの整備状況(表−3)
 地方公共団体又は第3セクター等が整備済みのシステム数は6,997、開発中のシステム数は372で総数7,369である。これらのうち地方公共団体の直営によるものが6,307、公社によるものが43、第3セクターによるものが215、その他によるものが804となっている。 
 整備状況は、前年と比較して、297システム増加し、対前年度比104.2%となった。
2.  地域情報通信システムの区分別整備状況(表−4)
 システムを業務区分別にしてみると主なシステムの内訳は、防災情報システム2,328、緊急通報システム1,469、行政情報提供システム1,312、行政窓口サービスオンラインシステム721、気象・水防情報システム519などとなっている。
(1)  地方公共団体の直営によるシステムの内訳は、防災情報システム2,255、緊急通報システム1,278、行政情報提供システム1,173、行政窓口サービスオンラインシステム692、気象・水防情報システム447、図書館情報ネットワークシステム354などとなっている。
(2)  公社によるシステムの内訳は、産業情報提供システム16、行政情報提供システム9などとなっている。
(3)  第3セクターによるシステムの内訳は、行政情報提供システム71、地域・タウン・イベント情報提供システム49、産業情報提供システム32、観光物産情報提供システム28などとなっている。
(4)  その他によるシステムの内訳は、緊急通報システム189、図書館情報ネットワークシステム67、防災情報システム66などとなっている。
3.  地域情報通信システムで利用されているメディアの状況(表−5)
 消防防災行政無線2,347、公衆回線2,063、専用回線1,897がよく用いられている。

3 CATV事業の状況

1.  CATVの整備状況(表−6)
 地方公共団体又は第3セクター等が実施しているCATVの事業数は404で、そのうち地方公共団体の直営によるものが121、公社によるものが1、第3セクターによるものが251、その他によるものが31となっており、第3セクターによるものが、全体の約2/3を占めている。 
 前年と比較して34事業増加し、対前年度比109.2%となった。
2.  規模別にみたCATVの業務状況(表−7) 
 総事業数404のうち、再送信のみを行っているものが26、自主放送を行っているものが370である。自主放送を行っているもののうち専用チャンネルを通じて行政情報を提供しているものが272となっている。
3.  CATV事業の年度別整備状況(図−1)
 CATV事業の年度別整備状況は、昨年度、調査当初(平成2年度)以降初めて減少をみたが、今年度は再び増加に転じた。


4 データベースの状況

 

1.  データベース構築状況(表−8、9) 
 地方公共団体又は第3セクター等が構築しているデータベースは1,109であり、対前年度109.3%となっている。
(1)  都道府県が構築しているデータベース数は554で、前年と比較して34増加し、対前年度比106.5%となっている。その業務別の内訳は、教育156、商工・労働140、農林水産66などとなっている。
(2)  市区町村が構築しているデータベース数は555で、前年と比較して60増加し、対前年度比112.1%となっている。その業務別の内訳は、教育263、行政全般93、保健・医療51の順となっている。
2.  データベースの利用状況(表−10)
(1)  都道府県のデータベース数554のうち、庁内だけで利用されるものが194、庁外の公共施設等でも利用可能なものが113、また、一般公衆端末でも利用可能なものは247となっている。 
(2)  市区町村のデータベース数555のうち、庁内だけで利用されるものが253、庁外の公共施設等でも利用可能なものが156、また、一般公衆端末でも利用可能なものは146となっている。

5 ホームページの開設状況
1.  ホームページの開設状況(表−11)
 地方公共団体の直営によるものが2,958、公社によるものが141、第3セクターによるものが220、その他によるものが370であり、総ホームページ数は3,689となっている。前年と比較して1,017増加し、対前年度比138.1%と大幅な伸びを示している。
2.  ホームページの情報発信内容の状況(表−12) 
 行事・イベントの紹介等3,219、観光・物産情報2,519、公共施設の利用案内2,226、行政の各種事業紹介2,109の順で多く掲載されている。 

 パソコン通信事業の状況

1.  パソコン通信事業の整備状況(表−13)
 地方公共団体又は第3セクター等が実施しているパソコン通信事業数193のうち、地方公共団体の直営によるものが139、第3セクターによるものが14、公社によるものが6、その他によるものが34となっている。 
 前年と比較して、35事業の減となり、対前年度比84.6%となっている。主な理由として、インターネットの急速な普及がある。

7 情報通信拠点施設の整備状況

1.  情報通信拠点施設の運営主体の状況(表−14)
 地方公共団体が関係する情報通信拠点施設数は696であり、対前年度比110.5%となっている。地方公共団体の直営によるものが314、公社によるものが52、第3セクターによるものが255、その他によるものが72、開設予定で運営主体が未定のものが3となっている。
2.  情報通信拠点施設の機能別整備状況(表−15) 
 多くの情報通信拠点施設が複数の機能を併せ持っており、696施設が有する機能総数は1,088となっている。
 1,088の機能のうち、CATV、ビデオテックス、パソコン通信等におけるセンター局的な情報提供拠点機能が570、コンピュータ要員等の人材育成・研修機能が260、最近の情報通信機器等を展示する普及啓発機能が137などとなっている。
3.  情報通信拠点施設の年度別開設状況(図−2) 
 施設の年度別整備状況は、毎年堅実な増加傾向を示し、本年度は前年と比べ66施設増加し、対前年度比110.5%となっている。

8 地域情報化推進体制の状況(表−16)

1.  委員会・審議会
 地域情報化施策について調査、研究、審議するために恒常的に設置され外部の者を構成メンバーとする委員会・審議会の数は、都道府県が14、市区町村が172となっている。
 都道府県では、前年と比較して1組織減少し、対前年度比93.3%となっている。また、市区町村においては、前年と比較して7組織増加し、対前年度比104.2%となっている。
2.  協議会 
 地域情報化施策に関する意見及び情報の交換、調整等を行うために恒常的に設置され県市区町村及び民間等から構成される協議会の数は、都道府県が42、市区町村が243となっいる。 
 都道府県では、前年と比較して2組織増加し、対前年度比105.0%となっている。また、市区町村においても、前年と比較して14組織増加し、対前年度比106.1%となっている。      

9 第3セクター等の状況(表−17、18)

1.  地域情報化関係の第3セクター等については、総数703のうち、株式会社が469、財団法人が195、社団法人が12、その他が27となっている。
2.  提供する情報サービスの種類については、総数1,613のうち、CATVが253、人材育成・教育研修が222、インターネットが198、調査・研究が195、普及・啓発が194などとなっている。 

10 自設回線網の地域情報網としての利用状況 

 地方公共団体又は第3セクター等が事業主体となっている自設回線網の地域情報網としての利用状況を調査した結果、事業数は68となっている。

1.  地域情報網を利用して提供される情報内容(表−19)
 行政の各種事業紹介及び地域行事・イベントの紹介等がそれぞれ53と最も多く、観光・物産情報が43、健康・医療情報が42となっている。
2.  地域情報網の利用形態(表−20)
 地方公共団体が敷設した回線を地域情報網として利用する場合の利用形態については、地方公共団体が専ら情報を編集し、提供するものが全体の約78%を占めている。
 一方、地方公共団体の定めるメニューの範囲で地域住民も情報を登録、提供できるものを含めて、地域住民や一般企業が情報内容を決定できるものは全体の15%程度となっている。      

11 デジタル・ミュージアム・システム等導入施設の整備状況

 近年進展が著しいデジタル技術やネットワーク技術を活用して、文化財や美術品等を電子的に保存し、後世へ継承する「デジタル・アーカイブ」が国内外で注目されており、導入する地方公共団体が近年増加してきている。 
 このため、本年度から新たにデジタル・ミュージアム・システム等導入施設の整備状況を調査した。

1.  デジタル・ミュージアム・システム等の運営主体の状況(表−21) 
 デジタル・ミュージアム・システム等の総導入団体数72のうち、運営主体が地方公共団体の直営によるものが59、公社によるものが2、第3セクターによるものが3、その他によるものが8であり、直営によるものが約82%を占めている。 
2.  デジタル・ミュージアム・システム等の種類の状況(表−22) 
 総数72のうち、デジタル・ミュージアム・システムが7、デジタル・ミュージアム以外の画像アーカイブ・情報発信システムが19、ハイビジョン・ミュージアム・システムが32、その他のシステムが14で、ハイビジョン・ミュージアム・システムが全体の約44%を占めている。
3.  デジタル・ミュージアム・システム等の用途の状況(表−23) 
 総数72のうち収蔵品等の管理が24、来場者への情報提供が62、インターネット等による情報発信が26、静止画番組等の作成が20であり、全体の約86%の施設が来場者への情報提供を行っている。
4.  デジタル・ミュージアム・システム等のデータベース登録コンテンツ数の状況(表−24) 
 総数418,164のうち、静止画が128,035、動画が6,591、音声が3,449、その他が280,089である。うち、来場者が閲覧可能なコンテンツ数が183,343、インターネットで公開しているコンテンツ数が105,096であり、総コンテンツ数のうち占める割合は、それぞれ約44%、25%である。   



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