公共事業の評価に関する調査結果
(通 知 事 項)
平成12年5月
総 務 庁
前 書 き
- 公共事業については、効率的な執行及び透明性の確保が重要な課題とされてきた。
このため、建設省は、公共事業を担当する部局長等で構成する「大規模公共事業に関する総合的な評価方策検討委員会」の報告(平成7年10月)を踏まえ、平成7年度からダム等の大規模公共事業について事業採択段階及び事業途中における事業評価の試行を、9年度からは道路事業、下水道事業等について事業採択段階での費用対効果分析の試行を行っている。また、運輸省は、平成9年度から大規模公共事業等について事業採択段階での費用対効果分析の試行を行っている。さらに、農林水産省は、昭和24年度から土地改良事業について法令等に基づく費用対効果分析を実施している。しかし、事業評価の対象範囲、実施手続、方法等を定めた、公共事業全体を通じる政府全体としての事業評価の方針等は示されていなかった。
このような状況の下、平成9年12月5日、10年度の予算編成における「物流効率化による経済構造改革特別枠」に関する関係閣僚会合において、内閣総理大臣から北海道開発庁、沖縄開発庁、国土庁、農林水産省、運輸省及び建設省の公共事業関係6省庁の大臣に対して、公共事業の効率的な執行及び透明性の確保を図る観点から、公共事業の再評価システムの導入及び事業採択段階における費用対効果分析の活用について指示が行われた。
これを受けて、建設省を始めとする公共事業関係6省庁は、事務次官で構成する「公共事業の実施に関する連絡会議」等で検討を行い、公共事業の再評価システムを平成10年度から導入するとともに、新規事業採択時の費用対効果分析についても10年度から試行を含めて運用する旨を決定し、10年3月27日の関係閣僚懇談会において報告している。
公共事業の再評価システム及び新規事業採択時の費用対効果分析を活用した事前評価システム(以下、両システムを合わせて「公共事業の評価制度」という。)は、継続中の事業等や新たに予算化しようとする事業を対象として、再評価や事前評価を行い、中止・休止を含む事業の見直し、あるいは新規事業の採択を行い、その結果等を公表するものであり、公共事業の効率的な執行及び透明性の確保を図る上で重要なものとなっている。
この調査は、以上の状況を踏まえ、公共事業の評価制度の適正な運用を推進し、公共事業の効率的な執行及び透明性の確保を図る観点から、公共事業の評価制度について、導入状況及び運用状況の実態を調査し、関係行政の改善に資するため実施したものである。
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