ピックアップ!ふるさと納税

青森県 弘前市 天守を動かす100年ぶりの石垣修理。

移動された弘前城天守の写真<石垣修理のために約70メートル移動した弘前城天守>

青森県の南西部に位置する弘前市は、城下町として繁栄した歴史を持つ、津軽地域の中心都市です。
現在、まちのシンボルである弘前城では、約100年ぶりに天守を移動させての石垣修理が行われており、
この平成の大修理にまつわる様々なイベントにより、まちも活気づいています。

【市長からのメッセージ】

弘前市は、約50種2,600本の桜が咲き誇る弘前公園のほか、神社仏閣・洋風建築などの歴史的文化財や、津軽塗・こぎん刺し・ブナコなどの民芸品を有しており、日本一のりんごの産地、そして世界自然遺産白神山地の玄関口として栄える、400年以上の歴史を有する情緒あふれる城下町です。

平成27年には、重要文化財弘前城天守の曳屋を行い、市民の方々はもちろんのこと国内外から多くの観光客の皆様にも100年ぶりの大工事の瞬間に立ち会い、そして参加していただきました。今後、平成33年度に天守が元の位置に戻るまでの間、様々な取り組みを間断なく展開し、弘前市の魅力をどんどん発信していきます。

このような弘前市の貴重な自然や歴史、産業を将来に伝えていくためにも、「子どもたちの笑顔あふれるまち弘前」の実現を目指し、市民と一体となった「オール弘前」体制で頑張ってまいります。
弘前市への皆さんからの応援を心よりお待ちしております。

ふるさと納税の状況

弘前市ではふるさと納税を「ひろさき応援寄附金」と名付け、寄附者の方々を「応援団」として、ふるさと弘前への想いを広く募っています。こうした温かい応援に対して、弘前市も感謝の気持ちを伝えようと、寄附者の方々にお礼状を送るのはもちろんのこと、弘前市立博物館招待券、弘前公園内の3施設(弘前城本丸、弘前城植物園、藤田記念庭園)共通券などを送付し、いつでも弘前を訪れてもらえるように働きかけています。
平成26年8月には、より多くの応援を得たいと考え、桜やまつりといった弘前の魅力、さらに子育て環境や地域づくりといったまちの課題を取り上げ、寄附金の使い途がわかりやすいようにコースのリニューアルを行いました。そこで設定されたのが「日本一の『さくら』応援コース」「弘前4大まつり応援コース」「子どもたちの笑顔あふれるまち応援コース」「オール弘前地域づくり応援コース」の4コースに加え、特別コースとして「弘前城天守が動く!世紀の大修理 石垣普請応援コース」も設けました。
約100年ぶりに行われる弘前城本丸の石垣修理に多額の事業費が必要となるため設けられたもので、工事終了までの期間限定です。寄附者の名前入りの城主証が交付され、また弘前城天守曳屋(ひきや)体験といったイベントが案内される「一口城主」になれる仕組みも作ったところ、弘前にゆかりのある方からの寄附が急増。ふるさと納税の申込書に添えられたコメントには、市外・県外のお城好きの方からの応援メッセージもあり、全国各地から寄附が寄せられています。

ふるさと納税 平成27年度の寄附件数と金額(12月31日現在)
コース名 寄附金額 件数 活用内容
合計 18,861,111円 752件
【特別コース】弘前城天守が動く!
世紀の大修理 石垣普請応援コース
13,045,111円 643件 100年ぶりに行われる弘前城本丸石垣修理事業のために活用
日本一の「さくら」応援コース 778,000円 46件 弘前公園のさくら管理に活用
弘前4大まつり応援コース 180,000円 6件 弘前4大まつりや関連する事業に活用
子どもたちの笑顔あふれるまち応援コース 565,000円 22件 子育て環境の充実のために活用
オール弘前地域づくり応援コース 4,293,000円 35件 弘前の地域づくりのため、広く全般的に活用
  • 「城主証」の写真一口城主に送られる城主証。
  • 「期間限定特別コース」告知用のチラシ写真 期間限定の特別コースについては、チラシを作って市内で配布するなど、広報活動も盛んに行っています。

弘前城の危機を救うため、応援団が立ち上がった
「弘前城天守が動く! 世紀の大修理 石垣普請応援」

6年かけて行う大工事がスタート。

弘前城は、慶長16(1611)年、弘前藩二代目藩主・津軽信枚(つがる のぶひら)によって築城されました。
当時は石垣の一部のみが築造され、 現在のように本丸が石垣で囲まれたのは約80年後の元禄12(1699)年のことでした。しかし、明治の時代に入って天守台下の石垣の崩落が起こり、天守も崩落する危険があったため、石垣の修理が始まりました。まずは、建物を解体せずにそのままの状態で別の場所に移す曳屋(ひきや)という工法を用い、天守を西側に移動。こうして明治30(1897)年から18年をかけて石垣普請(ぶしん)工事が行われました。
しかし、再び弘前城が危険にさらされます。昭和58年に起きた日本海中部地震をきっかけに、弘前市では石垣の定点観測を始めましたが、平成12年度と15年度に行った石垣概要診断調査により、石垣の一部に膨らみがあることが明確になりました。天守を巻き込んだ石垣崩壊の危険性が明らかになったのです。平成19年度からは国の補助を受けて地質調査を含む基礎調査を開始し、そのデータを基に修理の方向性について検討を重ねてきました。そして明治・大正の修理から約100年を経て、再び天守曳屋を伴った修理が始まることになったのです。
弘前城の天守や櫓(やぐら)は重要文化財に指定されているため、石垣修理には国の交付金などが活用されます。
しかし、総重量約400トンの天守を約2か月半かけて約70メートル移動し、その後石垣を解体して本格的に修理工事をし、また石垣を積み直し、天守を元の位置に戻すためには、全工程で6年にわたる時間と多額の費用がかかる見込みです。そこで、この修理事業にふるさと納税が充てられることになりました。

弘前城と桜の写真弘前のまちの誇りである、弘前城と桜、
そして岩木山(いわきさん)。
春は地元の方や観光客で弘前公園は大いににぎわいます。

膨らんだ石垣石垣概要診断調査によって、
石垣の中央部の膨らみが明らかになりました。

  • 移動前の、天守が石垣の上に見える写真2015年4月、天守は今までどおり本丸の南東角にありました。
  • 移動後の、天守がなくなった石垣の写真2015年9月、天守が本丸中央部に向かって約70メートル曳屋され、石垣の上には天守がなくなりました。

今しかできない体験を市民や寄附者と共有。

弘前市では、天守を移動しての大がかりな石垣修理工事を広く一般に公開しています。平日はもちろんのこと、土曜・日曜にも工事を行うことによって、休日に弘前公園を訪れた市民や観光客にその進捗(しんちょく)を見てもらい、天守曳屋を伴った約100年に一度の貴重な体験を多くの方と共有しようという考えです。工事を見て応援することを決め、その足で市役所を訪れてふるさと納税の申込をしてくださる観光客の方や、定期的に工事現場に訪れては、現場スタッフに温かい声援を送ってくださる市民の方もいます。
そして、工事期間にしか体験できない様々なイベントも行っており、ここにもふるさと納税を充てています。例えば、平成27年4月の弘前さくらまつりの開幕前日には、工事のために一時的に一部を埋め立てている内濠の上を歩き、弘前城と桜を真下から見上げるという、工事中しか体験できない「弘前城内濠特別内覧会」を開催。ふるさと納税をされた方には事前にイベントの案内を送り、内覧会への参加を呼びかけました。
平成27年9月には、天守曳屋を実際に体験できる「弘前城曳屋ウィーク」を実施しました。天守の台座にくくりつけられた4本の綱を参加者が力を合わせて引っ張り、天守を1回につき約15センチメートル動かすというものです。延べ8日間で約3,900人が参加。弘前市民をはじめ遠く九州からの参加者、その中にはふるさと納税をされた方もおられました。弘前城築城400年祭を盛り上げるために誕生したマスコットキャラクターのたか丸くんと一緒に、まち全体が天守の曳屋で活気づきました。
曳屋によって2か月半をかけて約70メートル移動した天守は、しばらくは本丸中央部の仮天守台に設置されており、この期間にしか見られない風景が弘前公園に広がっています。
弘前市では、今後も工事期間中ならではの貴重な体験を市民やふるさと納税をされた方と共有しながら、引き続き幅広い応援を呼びかけ、平成の大修理を進めていく予定です。

「弘前城内濠特別内覧会」の写真「弘前城内濠特別内覧会」の様子。
石垣修理のために一時的に内濠の一部が埋めたてられたことにより、内濠の上に立ち、桜を見ることができました。

天守曳屋を行っている光景マスコットキャラクターのたか丸くんの応援を得て、
参加者が力を合わせて天守曳屋を実施。

「弘前城曳屋ウィーク」記念の軍手と記念の札の写真

ふるさと納税をした上で、「弘前城曳屋ウィーク」に参加された方には、オリジナルの金の軍手と記念の札が贈呈されました。

取材を振り返って

弘前公園を埋め尽くすように植えられた桜の古木。取材にうかがったのは冬のかかりで、桜の花を見ることはかないませんでしたが、春の盛りの美しさが容易に想像できました。また、ふるさと弘前についてお話してくださる市民の皆さんの様子から、どれほど桜と弘前城を誇りに思っていらっしゃるかも伝わってきました。石垣修理という弘前城の一大事にいても立ってもいられず、多くの方がふるさと納税という形で応援を続けておられる理由がよくわかります。こうした皆さんの想いが詰まったふるさと納税の活用のされ方に、深い感銘を受けました。石垣修理が無事に完了する日を、日本全国の寄附者の皆さんが心待ちにされていることでしょう。

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