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  統計委員会

府 統 委 第 26 号
平成19年12月10日


総 務 大 臣
   増 田  寛 也 殿

統 計 委 員 会 委 員 長   
竹 内  啓


諮問第1号の答申
平成20年に実施される住宅・土地統計調査の計画について


 本委員会は、総務省が平成20年に実施を予定している住宅・土地統計調査(指定統計第14号を作成するための調査)の計画について審議した結果、下記の結論を得たので答申する。



1 承認の適否とその理由等

(1) 適否
 計画を承認して差し支えない。
 なお、計画の実施に際しては、以下の理由等に留意することが必要である。

(2) 理由等
ア 標本設計
 前回の調査においては、約360万住戸・世帯を調査対象数としていたが、今回は約350万住戸・世帯を調査対象数とする計画である。この調査対象数の変更は、市町村合併に伴うものであり、標本設計の考え方に変更はなく、妥当である。

イ 調査事項
 前回の調査に対する統計審議会の答申(平成14年12月13日付け総審議第9号)において、「調査事項の見直しに当たっては、住宅の性能や居住の快適さといった事項も含め、住宅の質に関する事項を更に充実する方向で幅広く検討する必要がある。」など、調査事項等の見直しが今後の課題として指摘されている。
 今回の調査における、「改修工事の有無及び場所」、「耐震診断の有無及び耐震性の確保状況」等の調査事項の追加は、この指摘、及び住生活基本法(平成18年法律第61号)が制定され、住宅に関する施策の目的が供給量の確保から質の確保へと転換されたことなどを踏まえたものであり、妥当である。また、「台所、トイレの数」等の調査事項の廃止についても、都道府県等に対する照会の結果、統計需要の低下したものを廃止しており、妥当である。

ウ 調査票の配布・取集
 今回の調査では、調査世帯が調査票を封入して提出できるように封筒を配布する計画である。封筒の配布は、個人情報の保護に関する国民の意識の高まりに配慮したものであり妥当である。
 また、夫婦共働きなど不在がちな世帯が多いといった地域特性等を勘案し、一部の市区町村において、インターネットを用いた申告ができるようにする計画である。インターネットを用いた申告は、回答方法の多様化により調査票の回収率の向上に資するものと考えられ妥当である。しかしながら、未回答や誤回答に関する注意喚起のメッセージ等が多くなることによって調査世帯に過度の負担感を抱かせないような方策を講じる必要がある。
 また、本調査の実施後に住生活総合調査(仮称)を実施することが予定されており、本調査の調査世帯に、事前の十分な情報提供を行うという観点から、住生活総合調査(仮称)の実施を周知することについて、地方公共団体の意見を踏まえ、その可否を検討する必要がある。

エ 調査票の設計
 今回の調査から、従来の調査票の中で統計調査員が記入することとしていた調査項目(建物に関する項目)の部分を建物調査票として分離する計画である。建物調査票を新たに設けることとしているのは、封入された調査票の回収割合が増加すると考えられることやインターネットによる申告への対応を図るものであり、これまで統計調査員が記入していた部分の調査を支障なく行えるようになることから、妥当である。

オ 民間委託
 「公共サービス改革基本方針」(平成19年10月26日改定を閣議決定)等に基づき、市区町村において実地の調査等に係る業務を民間事業者に委託できるようにする計画であり、これについては妥当である。
 しかしながら、適切な入札、契約、実査等におけるモニタリングを通じて調査精度の確保及び効率性の向上を図るとともに、当該民間事業者に調査対象の秘密を漏洩しないような措置を講じさせるように、計画を実施する必要がある。

カ コールセンターの設置
 今回の調査ではコールセンターを設置する計画である。コールセンターの設置は統計調査員等の負担軽減及び調査対象からの照会等への円滑な対応を図るものであることから妥当である。

キ 集計の結果表
 住生活基本法に基づく住生活基本計画の成果指標として活用する事項の一部について、作成することとしている結果表に含まれていないものがあり、当該指標の結果表を追加する必要がある。



2 今後の課題

(1) 住宅に関する施策が「供給量」の確保から「質」の確保を重視するものになってきているが、「質」のとらえ方については様々な考え方があることから、今後、調査事項を見直すに際しては、当該施策においてどのような「質」を確保すべきかについて留意しつつ、施策の立案者等との間で十分な検討を行う必要がある。

(2) 住宅・土地に関する施策の企画・立案に際して、住宅の選択に影響を及ぼしている事項を明らかにする必要があると考えられることから、世帯の収入構造等に関する調査事項を追加することについて検討を行う必要がある。

(3) 本調査については、実施後に調査世帯の一部に対して住生活総合調査(仮称)が実施される予定となっており、2つの調査の結果が一体的に利用されることとなることから、住生活総合調査(仮称)との関係を整理し、統合すること等の是非及び可否を検討する必要がある。



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