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  統計委員会

府 統 委 第 46 号
平成22年5月21日


総 務 大 臣
   原 口  一 博 殿

統 計 委 員 会 委 員 長   
樋 口  美 雄


諮問第25号の答申
経済産業省生産動態統計調査の変更について


 本委員会は、経済産業省生産動態統計調査(以下「本調査」という。)の変更について審議した結果、下記の結論を得たので答申する。



  1.  承認の適否
     統計法(平成19年法律第53号)第10条各号の要件に適合しているため、変更を承認して差し支えない。
     ただし、以下の「2 理由等」で指摘した事項については、計画を修正することが必要である。
     
  2.  理由等
    (1)  調査対象品目
     調査対象品目の削除
     調査対象品目について、年間出荷額が100億円未満の品目については、近年の生産の伸びや行政上必要とされる品目を除き、他に統合すべき類似する品目がない場合は削除することとし、今回、「機械器具月報(その3)化学機械及び貯蔵槽」の「化学工業用炉」等21月報中の33品目について削除する計画である。
     これについては、生産規模が縮小し、今後も増加が見込めなくなり、当該品目単独で月々の動態を把握する必要性が乏しくなった品目について削除するものであり、適当である。
     
     調査対象品目の統合
     調査対象品目について、年間出荷額が100億円未満であるなど、個々の生産規模は縮小しているものの、類似する複数の品目を統合することにより、おおむね100億円以上の生産規模が認められる品目については、統合した品目を採用することとし、今回、「機械器具月報(その14)食料品加工機械、包装機械及び荷造機械」等39月報中の153品目について、「肉類加工機械」と「水産加工機械」を統合し「肉類・水産加工機械」とするなど、63品目に統合し、調査対象品目として採用する計画である。
     これについては、個々の品目としては生産規模が縮小し、単独で生産の動態を把握する必要性は乏しくなっているものの、類似する品目群としては把握する必要性が認められる品目について、引き続き調査対象とするものであり、適当である。
     
    (2)  調査事項
     「燃料・電力」の廃止
     「燃料・電力」(16月報)については、他の統計調査において、業種横断的なエネルギー消費の把握が可能となったことから、廃止する計画である。
     これについては、全産業のエネルギー消費を横断的に把握するエネルギー消費統計調査(一般統計調査・資源エネルギー庁)が平成20年から開始されたことにより、本調査で「燃料・電力」を把握する必要性が乏しくなったことから、報告者負担の軽減に考慮し廃止するものであり、適当である。
     
     「労務」の変更
    (ア)  「月末常用従業者数」の名称変更
     109月報において把握している「労務」の「月末常用従業者数」の名称について、「月末従事者数」に変更する計画である。
     これについては、「常用従業者」の概念としては、一般的に、派遣労働者や出向者を除く正社員等と受け取られやすいが、本調査で把握する者は、派遣労働者等を含め、実際に生産及び管理その他の業務に常時従事する者であることから、誤解を招かないように、これらの概念を含む適切な名称とするものであり、適当である。
     
    (イ)  「月間実働延人員」の削除
     「機械器具月報」や「家具月報」等72月報において把握していた「労務」の「月間実働延人員」について、削除する計画である。
     これについては、出勤した場合は実際の就業時間には関係なく、1人日としてカウントすることにより実働延人員を把握していたが、それによって稼働率を的確に把握することは困難であることから、報告者負担の軽減に考慮し削除するものであり、適当である。
     
     「設備、生産能力」の変更
    (ア)  調査方式の変更
     「敷物・フェルト・不織布月報」の「タフティングマシン」等2品目、「二次製品月報(製綿・ふとん・網、細幅織物・組ひも・レース)」の「ふとん成型機」について、設備の能力にかかわらず保有台数を調査する方式から、設備全体の生産枚数など月間生産能力を調査する方式に変更する計画である。
     これについては、生産能力の算定をより的確な方式に変更するものであり、精度の向上が図られることから、おおむね適当である。
     ただし、上記の変更について、統計利用者にその変更内容を周知するとともに、リンク係数を提供することにより、時系列で比較する際に影響が出ないような措置をとる必要がある。
     
    (イ)  「生産能力」の追加
     生産規模が将来にわたって拡大することが予想される「機械器具月報(その34)民生用電子機械器具」の「カーナビゲーションシステム」等7月報中の12品目について、調査事項として「生産能力」を追加する計画である。
     これについては、生産規模が将来にわたって拡大することが予想される品目について、その生産の動態をより的確に把握するために追加するものであり、適当である。
     
    (ウ)  生産能力算定基準
     生産能力の算定基準については、今回変更する計画ではないが、経済産業省が一般的な生産能力の算定基準として定めている生産能力一般算定基準に基づき調査品目の実情を考慮し、記入の手引の記述等を工夫するなどの措置をとる必要がある。
     
     その他の調査事項の変更
     上記のほか、「機械器具月報(その44)産業車両」の出荷、在庫について、重量と数量の複数の単位で調査していたものを数量のみとする、「機械器具月報(その36)電子管・半導体素子及び集積回路」の「太陽電池モジュール」について、枚数に加え、内訳として容量を追加する等、調査対象品目の特性に応じ、調査事項の削除や追加を計画している。
     これについては、生産動態をより的確に把握するために調査事項を追加するとともに、報告者負担の軽減に考慮し、把握する必要性が乏しくなった調査事項については削除するものであり、適当である。
     
    (3)  調査票
     調査票について、「写真感光材料月報」と「有機薬品月報」を「有機薬品及び写真感光材料月報」に、「金属鉱物月報」、「非金属鉱物月報」及び「コークス月報」を「鉱物及びコークス月報」にそれぞれ統合する計画である。
     また、「空気動工具、作業工具、のこ刃、機械刃物及び自動車用機械工具月報」の品目のうち「洗浄機器」及び「公害測定機器」について、当該機器と類似する品目を調査する他の調査票にそれぞれ移行する計画である。
     これについては、上記(1)の調査対象品目の削除や統合により調査対象品目が縮減した調査票の整理及び調査票間で類似する品目の整理を行ったものであり、報告者負担の軽減や記入のしやすさに資することから、適当である。
     
  3.  今後の課題
    (1)  生産能力の調査品目の拡充及び単位の見直し
     生産能力調査については、今回調査対象品目を追加する計画であるが、生産能力指数や稼働率指数の精度向上の観点から、引き続きさらなる調査対象品目の拡充について検討するとともに、生産能力を把握するための単位について見直す必要がある。
     
    (2)  報告者が特定される可能性が高い品目の取扱い
     産業構造の変化等により、その占有状況によって、報告者が特定される可能性がある品目については、市場占有率等の概念を導入し、個別の報告者が特定されないような基準等を設けることが可能かどうか検討する必要がある。
     
    (3)  国外からの受入が多い品目の取扱い
     今回、複写機について、販売数量に占める国内生産の割合を把握するために、「国内」及び「国外」別の受入数量の内訳を追加する計画であるが、今後、国外からの受入が多い品目についても、同様の把握をすることを検討する必要がある。
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