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  統計委員会

府 統 委 第 34 号
平成20年1月21日


総 務 大 臣
   増 田  寛 也 殿

統 計 委 員 会 委 員 長   
竹 内  啓


諮問第3号の答申
平成20年に実施される法人土地基本調査及び法人建物調査の計画について


 本委員会は、国土交通省が平成20年に実施を予定している法人土地基本調査(指定統計第121号を作成するための調査)及び法人建物調査(統計報告の徴集)の計画について審議した結果、下記の結論を得たので答申する。



1 承認の適否とその理由等
(1) 適否
 計画を承認して差し支えない。
 なお、計画の実施に際しては、以下の理由等に留意することが必要である。
 
(2) 理由等
ア 調査方法
(ア)  今回の法人土地基本調査及び法人建物調査(以下「両調査」という。)から、調査方法の多様化を図り調査票回収率を高めるため、インターネットを用いた電子調査票による調査を可能にする計画である。
 これについては、調査の効率化と報告者負担の軽減を図るものと考えられ妥当である。
 ただし、報告者負担の軽減のため、電子調査票のみでなく、これまでも実施してきた電磁的記録媒体等での提出も可能であることを周知するべきである。また、インターネットによる提出について、調査対象に周知を図り、利用率を高めるよう努めるべきである。
(イ)  両調査については、母集団名簿整備作業、調査対象からの疑義照会、集計作業等の事務を民間事業者に委託して実施する計画である。
 これについては、民間事業者への事務の委託に当たって、「統計調査の民間委託に関するガイドライン」(平成19年5月30日改正各府省統計主管課長等会議申合せ)に基づき、適切な入札、契約、実査等におけるモニタリングを通じて調査精度の確保等を図るとともに、当該事業者に調査対象の秘密保持に関する所要の措置を講じさせることとしており妥当である。なお、今後とも適切なモニタリング等の実施が求められることから、調査実施者において、それが可能となるような能力の保持に努めることが必要である。
 
イ 調査周期
   両調査の調査周期は、5年周期とする計画である。
 これについては、毎年実施している「企業の土地取得状況等に関する調査」(統計報告の徴集)等で中間年の土地の変動状況を相当程度正確に把握できるため、調査の実効性の確保、報告者負担等を勘案すれば、妥当である。
 
ウ 調査票・調査事項
(ア)  両調査の調査票については、電子調査票の導入を考慮した調査票のレイアウトの変更を行う計画である。
 これは、前回の調査票と比較して調査対象の見易さを確保するものであり、妥当である。
(イ)  法人土地基本調査の調査事項については変更を予定していないが、法人建物調査の調査事項については、地下階数、昭和55年以前の建物の新耐震基準の適合状況、証券化の有無、建物の貸付面積を追加する等の計画である。
 これについては、政策ニーズ、社会的情勢の変化を踏まえたものであり、おおむね妥当である。
 しかしながら、土地及び建物の利用状況を的確に把握するため、両調査の土地又は建物の利用現況に係る調査事項について、それらの不使用の実態も併せて捉えるようにすることが必要である。
 
エ 集計事項
   今回、法人土地基本調査の集計事項については変更がなく、法人建物調査の集計事項については調査事項の変更に対応した集計事項の変更をする計画である。 これについては、両調査の統計需要に即した集計事項となっており妥当である。
 
2 今後の課題
(1) 両調査については、報告者負担の軽減及び調査の効率化の見地から、市町村が保有する固定資産課税台帳等の活用の余地について、今後更に検討することが必要である。
 
(2) 停車場用地等の上にあるいわゆる「駅ナカ」等商業施設として利用されている箇所については、近年大都市圏において増加してきており、停車場用地等とは異なる利用状況を的確に把握するため、次回以降の両調査において、当該箇所を把握することについて検討する必要がある。
 
(3) 両調査の調査対象のうち、全数調査の対象である資本金1億円以上の法人に関するパネルデータについては、今後も継続して作成することが必要である。また、広く国民が利用できるように、パネルデータの分析結果の公表についても検討する必要がある。


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