諮問第54号の答申 :特定サービス産業実態調査の変更について

府統委 第95号
平成25年7月26日


総務大臣臨時代理
国務大臣 稲田  朋美 殿

統計委員会委員長   
樋口  美雄


諮問第54号の答申
特定サービス産業実態調査の変更について


 本委員会は、諮問第54号による特定サービス産業実態調査の変更について審議した結果、下記のとおり結論を得たので、答申する。



1 本調査計画の変更
(1) 承認の適否
 経済産業大臣から平成25年6月11日付け20130607統第1号により申請された「基幹統計調査の変更について(申請)」について審査した結果、以下のとおり、統計法(平成19年法律第53号)第10条各号の各要件のいずれにも適合しているため、「平成26年に実施する特定サービス産業実態調査」(基幹統計調査)(以下「本調査」という。)の変更を承認して差し支えない。

(2) 理由等
ア 報告を求めるために用いる方法の変更
(ア)変更事項1
 本調査の報告を求めるために用いる方法について、経済産業省の申請では、下表のとおり変更する計画である。
現行
事業所調査:
経済産業省-都道府県-統計調査員-報告者(調査員調査)
企業調査:
経済産業省-民間事業者-報告者(郵送調査)
本社一括調査:
経済産業省-報告者(郵送調査)
図 矢印
変更後
事業所調査:
経済産業省-民間事業者-報告者(郵送調査)
企業調査:
経済産業省-民間事業者-報告者(郵送調査)
本社一括調査:
経済産業省-民間事業者-報告者(郵送調査)

 これについては、1(1は丸の中に数字)結果精度や回収率の確保の面で懸念があるものの、経済産業省において現在考えられる最大限の努力をするとしていること、2(2は丸の中に数字)都道府県の事務負担の軽減に資すると考えられることから、やむを得ない。
 ただし、経済産業省は、民間委託による郵送調査を適正に実施するため、民間事業者に対する進捗管理の徹底及びコールセンターの適正な運用に向けた指導といった取組をこれまで以上に行う必要がある。
(イ)変更事項2
 本調査の民間事業者への業務委託内容について、経済産業省の申請では、下表のとおり変更する計画である。
現行
調査票の送付・回収・督促・未記入照会
図 矢印
変更後
調査票の印刷・送付・回収・督促・未記入照会・審査・集計
 これについては、1(1は丸の中に数字)審査・集計が従来と同じ基準で実行されるか懸念されるものの、経済産業省から民間事業者に対して、ノウハウ等をまとめたマニュアルの提供といった取組を行うとともに、経済産業省において最終的な確認を行うとしていること、2(2は丸の中に数字)調査に係る業務を一元的に民間事業者に委託することにより統計業務全体の効率化に資すると考えられることから、やむを得ない。
 ただし、経済産業省は、結果精度を確保するため、審査・集計に係るノウハウの継承や経済産業省が督促を行う企業・事業所を適正に選定するといった更なる対策を十分に行う必要がある。

イ 基準となる期日の変更
 本調査の基準となる期日の変更について、経済産業省の申請では、平成25年7月1日現在から平成26年7月1日現在に変更する計画である。
 これについては、平成26年調査であることを踏まえた修正であり、適当である。
 ただし、基準となる期日については、地方公共団体から本調査と経済センサス-基礎調査及び商業統計調査の実施時期が重複することに強い懸念が示されていることから、経済産業省は、調査対象事業所から理解が得られるよう、各調査の円滑な実施に資するための対応を十分に行うとともに、地方公共団体とも十分な調整を行う必要がある。

2 諮問第15号の答申「特定サービス産業実態調査の改正について」(平成21年5月11日付け府統委第36号)における今後の課題への対応について
 前回答申において、「各業種における特許権や意匠権等の産業財産権の取得件数、「デザイン業」や「機械設計業」等における外注業務の内容等、「映像・音声・文字情報制作に附帯するサービス業」における年間売上高の契約先産業別割合の産業区分の内訳の追加など、各業種の特性に対応した調査事項の設定については、調査実施者において、まだ十分な検討が行われていないが、その重要性にかんがみ、引き続き、その把握可能性を含め、検討を進める必要がある」との指摘がされている。
 これについて、経済産業省は、一部の業種を中心に見直しに向けた情報収集を行っており、今後については、経済センサス-活動調査の実施以降のサービス産業分野における統計の体系的整備を踏まえ、調査事項の設定について引き続き検討していくこととしている。
 以上の今後の検討課題への対応については方向性としては適当であるが、引き続き、後述3の今後の課題で示した方向で検討する必要がある。

3 今後の課題
 今後の課題は、以下のとおりである。
(1) 本調査の今後の在り方の検討について
 経済産業省は、平成24年経済センサス-活動調査の結果を踏まえ、関係府省との連携を図りつつ、サービス産業分野における統計の体系的整備の中で、本調査の今後の在り方について、引き続き抜本的な検討を行う必要がある。

(2) 各業種の特性に対応した調査事項の設定の検討について
 経済産業省は、前回答申において検討が求められた各業種の特性に対応した調査事項の設定について、(1)の検討結果を踏まえつつ、引き続き検討する必要がある。