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  統計委員会

府 統 委 第 55 号
平成20年4月14日


総 務 大 臣
   増 田  寛 也 殿

統 計 委 員 会 委 員 長   
竹 内  啓


諮問第6号の答申
平成20年に実施される社会教育調査の計画について


 本委員会は、文部科学省が平成20年に実施を予定している社会教育調査(指定統計第83号を作成するための調査)の計画について審議した結果、下記の結論を得たので答申する。



1 承認の適否とその理由等
(1) 適否
   計画を承認して差し支えない。
   なお、計画の実施に際しては、以下の理由等に留意することが必要である。
 
(2) 理由等
ア 調査の統合
   今回の調査計画では、文化会館、博物館類似施設等を調査対象として実施する「生涯学習・社会教育施設調査」(統計報告調整法(昭和27年法律第148号)の規定に基づく統計報告の徴集、以下「承認統計調査」という。)を本調査に統合することとしている。
 これについては、社会教育又は生涯学習を支援する施設を本調査の対象に統合するものであり、生涯学習を支援する社会教育の全体像を把握するという行政の課題に的確に対応した基礎資料を整備する観点から、妥当である。
 
イ 調査(調査票)の新設
   今回の調査計画では、従来、本調査で把握されていなかった、都道府県及び市区町村が条例又は要綱に基づき設置する「生涯学習推進センター」を対象とする「生涯学習推進センター調査」を新設することとしている。
 これについては、当該センターが、地域における生涯学習を推進するための中心的機関として位置づけられる施設であり、社会教育・生涯学習の全体像を把握する観点から、妥当である。
 しかしながら、調査の名称は、対象とすべき施設に漏れが生じることがないよう、調査対象を包括する表現を用い、「生涯学習センター調査」と改める必要がある。
 また、調査事項については、a 職員数の把握に当たって、社会教育主事有資格者の配置数ではなく、他の施設調査での職員数の把握項目と同様に、「施設の長」、「指導系職員」、「その他の職員」の区分で把握すること、b 当該センターが他の施設との複合施設となっている場合は複合の相手施設が何であるかについて把握すること、c 当該センターでの学習成果の評価の実施状況を把握する選択肢は、社会通念上、学習成果の評価として実施される行為に限定した選択肢とすること、が必要である。
 
ウ 調査対象の拡大
   今回の調査から、図書館調査について、地方公共団体の首長部局所管の「図書館同種施設」を調査対象に含めることにしている。また、青少年教育施設及び女性教育施設について、独立行政法人及び地方公共団体の首長部局所管の施設を調査対象に含めることとしている。
これについては、教育委員会が所管する施設だけではなく、首長部局等が所管する同様の機能を有する施設を置く県が存在することから、首長部局等の所管する同様の施設を調査対象に含めることは本調査の趣旨に沿うものであり、妥当である。
 
エ 調査事項の追加等
   今回の調査計画では、「施設の建築年・建築物の構造別の状況」、「ボランティア活動の状況」についての調査事項を追加することとしている。
これについては、「施設の建築年・建築物の構造別の状況」は、施設の老朽化等を把握する目的で追加するものであり、また、「ボランティア活動の状況」は社会教育・生涯学習を支えるボランティアの状況を把握する目的で追加するものであり、それぞれ妥当である。
 さらに、生涯学習の実現に向けて、公民館や生涯学習センター等の在り方を検討することを目的として、従来、施設が提供する学級・講座の学習内容を6分類で把握していたが、これを細分化して施設の提供講座等の状況を把握することとしている。
 これについては、その分類が、報告者が共通の認識の下に記入できるものとなるよう、また他の同種の分類との比較が行えるよう、より標準的で記入しやすい分類を用意することが望ましい。ただし、この試みは、今回初めて行うものでもあり、今後、分類を改善していくための検討材料とすることを勘案して、今回調査では、現時点で可能な修正を加えて実施することが適当である。
 
オ オンライン調査の導入
   今回の調査では、電子政府構築計画に基づく「統計調査等業務の業務・システム最適化計画」により政府統計共同利用システムが構築され、平成20年度から運用が開始されることから、同システムを利用したオンライン調査を導入することとしており、妥当である。なお、導入に際しての混乱が生じないよう、事前準備、問い合せへの対応等について十分な配慮が必要である。
 
カ 集計事項
   今回の調査計画では、本調査に統合することとされた承認統計調査の調査対象である、博物館類似施設、文化会館、民間体育施設、及び新たに本調査の調査対象とした生涯学習センターについても市町村別に施設数及び職員数を集計、公表することとしており、妥当である。
 
2 今後の課題
(1)  今回の調査計画において、社会教育施設以外の生涯学習を支援する施設を本調査の調査対象として拡大したこと等は、本調査の位置づけを生涯学習支援における社会教育の全体像を把握するものとする観点から、大きな一歩を踏み出したものと評価できる。しかし、生涯学習という広い視座の中で、社会教育に関する統計の整備のために、社会教育の分野における関係主体ごとの収入・費用構造や、施設の利用者側の状況を把握することも必要であることから、生涯学習を支援する社会教育に関する統計調査の在り方を見直し、関連する統計調査間での役割分担も整理した上で、本調査についても所要の改善を行う必要がある。
 
(2)  学習内容の分類に当たっては、国際比較の可能性も視野に入れて、概念の明確化、重複の整理、簡素化等を行い、より標準的で記入しやすい分類となるよう、次回以降の調査において、今回の調査結果等も踏まえた所要の改正を行う必要がある。


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